格安スマホは安くない? それなら何が「格安」なのか(日経トレンディネット)

5/11(金) 8:00配信

日経トレンディネット

 生活に欠かせないスマートフォン(スマホ)。スマホが登場した頃は、ケータイ(フィーチャーフォン)と同様に大手携帯電話会社から購入するのが当たり前だった。

【関連画像】人気機種となったASUSの「ZenFone 5」(2014年に登場したモデル)

 現在では、携帯料金を削減するため、仮想移動体通信事業者(MVNO)が提供している通信サービス「格安SIM」とSIMフリースマホとをセットにして販売している「格安スマホ」を選ぶ人が増えている。

 だが、大手携帯電話会社から格安スマホに乗り換えたとしても、思ったほど節約にならなかったり、反対にコストが上回ったりしてしまうこともある。

 そこで今回は、格安スマホとはそもそも何が「格安」なのか、大手携帯電話会社よりも本当にお得なのかを改めて考えてみたい。

格安スマホといっても端末は安くない!?

 普及拡大のきっかけは、2014年4月にイオンリテールが日本通信の格安SIM「b-mobile」とGoogleのSIMフリースマホ「Nexus 4」のセットを数量限定で販売したことだった。「格安スマホ」という呼び名も、この頃から広まり始めた。

 同年11月には、エイスーステック・コンピューター(ASUS)が日本において「ZenFone 5」の販売を開始。自社の通信サービスとセットで販売したMVNOも多く、一躍人気機種となった。

 現在では、4年前に比べて格安スマホの選択肢が大幅に広がっている。人気が集まりやすいのは「nova lite 2」(ファーウェイ)や「ZenFone 4 Max」(ASUS)といった、コストパフォーマンスに優れた2万円台~3万円台の機種。これは、2014年のZenFone 5から続く流れだ。

 その一方で、AI(人工知能)を内蔵したハイスペックな「Mate 10 Pro」(ファーウェイ)や、赤外線カメラを備えたタフネススマホ「CAT S60」(CAT)のように、税込で8万円を超えるようなSIMフリースマホも格安スマホとして販売されるようになった。また、mineoなど、アップルの「iPhone」シリーズを格安SIMとセットで販売するMVNOも現れている。選べるのは旧モデルのこともあるが、「格安スマホ」といったところで、必ずしも安いスマホ端末ばかりではないのが実情だ。

【関連記事】

今買う“鉄板”モバイルバッテリー10機種【2018年版】(日経トレンディネット)

 普段の通勤や出張、旅行で便利なのがスマートフォンを外出先でも充電できるモバイルバッテリーだ。最近ではスマホだけでなく、ワイヤレスヘッドホンやデジカメ、USB充電対応の家電製品や加熱式たばこなど様々な機器を充電できる。また、日常生活はもちろん、万一の災害時の緊急用電源としてもモバイルバッテリーは役に立つ。

【関連画像】モバイルバッテリーでスマホをフル充電できる回数

 この記事では、今、モバイルバッテリーを選ぶポイントを解説。容量別に、あると便利な定番のモバイルバッテリーや最近注目のワイヤレス充電やApple Watchに対応したモバイルバッテリー10製品を紹介する。

●【次ページからの内容】

・容量は5000mAh以上! 10000mAhあれば安心

・充電端子や、電力の入出力スペックもチェック

・発火事故が増加、信頼できるメーカー製品を選ぼう

・毎日持ち歩く5000mAhモデルは軽さ重視

・実力派がそろう10000mAhモデル

・話題のワイヤレス充電やApple Watch対応充電器

容量は5000mAh以上! 10000mAhあれば安心

 モバイルバッテリーの選択基準は、バッテリーの容量と重さ、充電端子、電力の入出力スペックの3つ。中でも、バッテリーの容量と重さは重要だ。容量が多いとスマホを何度も充電できるが、その分、重く持ち歩きの負担になる。容量は持ち歩く日数や充電したい回数を考えて選ぼう。

 その際、注意すべきなのが、スマホの内蔵バッテリーが3000mAhでも、フルに充電するには約5000mAhのモバイルバッテリーが必要ということ。2000mAhの差が出る理由は、充電時の電圧の変換などで3~4割の電力ロスが発生する。この差を見越してモバイルバッテリーを選ぶ必要がある。

 また、スマホを1回分フル充電できるというのは、スマホを操作していない状態で0%から100%まで充電できるということだ。スマホを充電しながらアプリを操作すると、消費電力が増えるぶんフル充電に必要なモバイルバッテリーの容量も増える。スマホをヘビーに使う人は、容量が多めの製品を選ぶようにしよう。

 それを踏まえたうえで、毎日持ち歩くなら、容量5000mAh前後の製品がお薦め。スマホを約1回分充電できる余裕があり、重量は100g台前半と軽い。

 遠出するときや1泊程度の出張や旅行、頻繁にスマホを操作する人は10000mAh前後の製品が安心だ。スマホをおおむね2~3回フル充電できる。10000mAhは軽量化の競争が激しく、重さは200g以下と容量の割に軽い製品が増えている。

 なお、モバイルバッテリーには、20000mAh以上の大容量モバイルバッテリーは、重さが400g以上あり、毎日の持ち歩きには不向き。アウトドアや非常用電源用として使う、パソコンに充電したいといった目的がなければ不要だろう。

【関連記事】

お買い得品集結 アマゾン家電カテゴリーの人気商品 売り場直送!家電トレンド便(日経トレンディネット)

 当連載はこれまでリアル店舗での売れ筋を紹介してきたが、今回は少し趣向を変えて、オンラインショップ大手のAmazon.co.jpにカテゴリーの枠を超えた人気商品を教えてもらった。

【関連画像】Amazon.co.jpの「家電・カメラ・AV機器」-「すべての家電」ページ

 対象としたのは「家電・カメラ・AV機器」カテゴリーにある「すべての家電」。その中でも人気の7ジャンル、イヤホン・ヘッドホン、理美容家電、スマートフォン、パソコン、テレビ、デジタルカメラ、キッチン家電の人気製品を調べてみた。集計期間は2018年1月1日から4月25日の間で、一時的にヒットしたものではなく、どれもそのジャンルにおいて今年に入って一番売れている製品となる。なお、Fireタブレットなどの同社ブランドの製品は除外している。

 各製品の購入層の年代や地域別傾向などは非公開となっているが、購入者レビューやリアルタイムランキングなどと照らし合わせることで売れる理由が見えてくるのが、オンラインショップならではのところだ。集計期間中の売れ行きについては、おおむね波がなく安定していたそうだが、新生活準備のピークとなる3月には、テレビ、カメラ、理美容家電の売れ行きが伸びるそうだ。各モデルの人気の理由は次のページから追っていこう。

※なお、写真や文章で掲載している価格は2018年5月7日時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見ていただきたい。

リアル店舗でもAmazon.co.jpでも人気

 イヤホン・ヘッドホンのカテゴリーで一番人気をキープしているのは、アップルの「AirPods MMEF2J/A」だ。2016年末に登場して以来、現在も安定した人気があり、500件近いレビューを集め、5段階評価で平均4.4点を維持するなど満足度も高い。

 Amazon.co.jpの広報担当者も、「すべての家電」サブジャンルのなかでも人気が高いと認める。「現在の完全ワイヤレスイヤホン時代を築き上げた製品であり、完全ワイヤレス製品としての完成度が高く、iPhoneとの簡単な接続や左右の通信の安定性など、iPhoneユーザーの顧客ニーズをがっちりとつかんだ製品です」。

 2018年3月にe☆イヤホン秋葉原店で取材した「通勤・通学向けに48時間使える完全無線イヤホンが人気」でも左右分離型イヤホンの人気は堅調だった。Amazon.co.jpでもその傾向は変わらないようだ。

 理美容家電ジャンルで突出しているのは、パナソニックのヘアドライヤー「ナノケア EH-NA99」だ。3月にジョーシン浦和美園イオンモール店に取材した「新生活を快適に! 7つのおすすめ“ワンモア家電”」でも取り上げた製品で、イオン放出や温度調節によってヘアケアやスキンケアができるドライヤーとして男女ともに注目を集めている。

 「カスタマーレビューでは髪にツヤ感がアップしサラサラになるという感想が多く、『もっと早く買えば良かった!』という人が多くみられる製品です。周辺温度検知センサーを搭載しており、熱すぎない温風が心地よいと利便性でも高評価です」(※)

(※)あくまで利用者の個人的な感想です。

 スマートフォン本体もサブジャンルのなかで人気があるが、なかでも定番となっているのがファーウェイジャパンのSIMフリーモデル「P10 lite WAS-LX2J」。日本正規代理店品で、2万4000円台の価格とスペック、全体の完成度の総合評価で満足しているユーザーが多い製品だ。

 「コスパの高さ、デザイン、動作の安定性が高く評価されています。スマホの費用は抑えたいけれどスペックは落としたくないという格安SIMユーザーの中で、人気の端末です」

 P10 liteは2017年12月のヨドバシカメラ新宿西口本店 スマホ館に取材した「スマホの売れ行き、直近はiPhoneが7割を占める」でもキャリア端末を含むランキングの上位に食い込んでおり、リアル店舗とオンラインショップ双方で人気と言える。

【関連記事】

米キャリア合併 合意の裏にソフトバンクの心変わり 佐野正弘の“日本的”ケータイ論(日経トレンディネット)

5/10(木) 8:00配信

日経トレンディネット

ソフトバンクグループ傘下の米スプリントと、独Tモバイルの米国法人が、2019年をめどに合併することに合意した。これまで2度にわたって交渉が進められながらも、さまざまな要因から不調に終わった両社の合併だが、今回の突然の合意にはソフトバンクグループの戦略転換が影響していると考えられる。果たして今回は三度目の正直となるのだろうか。

【関連画像】TモバイルUSとの2度目の合併交渉は米国の政権交代後。しかしドイツテレコム側も合併後の経営権取得を主張したため、破談に終わった。写真は2017年11月6日のソフトバンクグループ決算会見より

●破談した相手との合併の真意は

 ゴールデンウイーク真っただ中の4月30日、再び米国発のビッグニュースが飛び込んできた。今度は米国で大手キャリア(通信事業者)の一角を占めるスプリントと、Tモバイルの米国法人(TモバイルUS)が合併するというのだ。

 スプリントは2013年にソフトバンクグループに買収されており、現在は同グループの子会社となっている。一方のTモバイルUSはドイツの大手キャリア、ドイツテレコムの子会社であるTモバイルの米国法人。米国市場のシェアでは現在、TモバイルUSが3位、スプリントが4位というポジションにある。両社は1位のベライゾン、2位のAT&Tに契約数で大きく水をあけられており、競争力強化を図るべく何度か合併交渉を行った経緯がある。

 最初の合併交渉は2013年。スプリントを買収した旧ソフトバンク(現ソフトバンクグループ)がドイツテレコムと合併交渉を進めていたのだが、米規制当局が両社の合併に否定的であったため、実現は難しいとして撤回された。

 2度目の合併交渉は2017年、米国の政権が交代したのが契機だった。だが、このときは既に市場シェアでTモバイルUSがスプリントを抜いていたため、ドイツテレコム側が合併後の経営権を主張。これにソフトバンクグループ側の経営陣が応じなかったことで破談となっている。

 そして今回は3度目の交渉となったわけだが、両社の発表内容を見るに、合併後の持ち株比率はドイツテレコムが41.7%、ソフトバンクグループが27.4%と、ドイツテレコム側が経営権を握る形となったようだ。このことから、ソフトバンクグループが経営権の掌握を諦め、両社の合併を優先したことが分かる。

【関連記事】

もっと消せる? ソニー、ノイズキャンセリング最前線 どこまで行くの?科学な暮らし(日経トレンディネット)

 最高の音質で、好きな音楽をいつでもどこでも楽しみたい。そんな願いをかなえてくれるヘッドホンが、今、急激な進化を遂げつつある。技術の進歩が実現したポイントは3つ。ハイレゾによる音質の飛躍的な向上、ノイズキャンセルでの雑音の徹底した低減、そして、ワイヤレス化がもたらす快適性のアップだ。「ウォークマン」の開発によって「いつでもどこでも音楽を楽しめる時代」の幕を開けたソニーを訪ねて、その最先端技術の現状に迫る。第2回は、まるでSFの世界の領域まで来たノイズキャンセリングの最先端技術だ。

【関連画像】フィードフォワードとフィードバックの2つのマイクを搭載

 ヘッドホンの音質をどれほど磨き上げても、周囲のうるさい雑音が混じってしまえば台無し。この悩みを解決してくれる「ノイズキャンセリング」の技術が、とんでもない進歩を遂げている。

 ノイズキャンセリングの技術が、ここに来て飛躍的な進化を遂げたポイントは主に4つ。「二度洗い」「髪型コーデ」「気圧チェック」そして「自動でTPO」だ。

 声、クラクション、エンジンの唸り、靴音、そして、音楽……すべての音は、それぞれ固有の波形を持っている。この山と谷が全く逆になった波形を人為的に作り、同時に鳴らせば、2つの波形の山と谷が互いに打ち消し合い、波形は一本の線、すなわち「無音」になる。

 音楽に雑音が混じって聞こえるのは、音楽の波形に雑音の波形が混じる(足される)からだ。そこで雑音の波形を解析し、その波形と山谷が逆の波形を作り、同時に鳴らせば、雑音だけが打ち消され無音となり、元の音楽の波形、すなわち雑音のない音楽だけを残すことができる――それがノイズキャンセリングの基本的な仕組みである。たとえて言うなら、聞きたい「音楽」から「雑音」という名の“汚れ”を洗い落としてくれる技術というわけだ。

 しかし、頑固な汚れは1度洗ったくらいではなかなか落としきれない。そこで、いわば“二度洗い”によってよりきれいに雑音を落とそうというのが、現在、ソニーのワイヤレスヘッドホンのフラッグシップモデルである「WH-1000XM2」に搭載された「デュアルノイズセンサーテクノロジー」である。

【関連記事】

パイオニア初の完全ワイヤレスイヤホン 装着感は良好(日経トレンディネット)

 パイオニアが3月末に発売した「C8 truly wireless」(以下C8)は、同ブランド初となる完全ワイヤレスイヤホンだ。コンパクトなボディーに直径6㎜という大きめのドライバーを搭載し、高音質なコーデックにも対応するなど、音にこだわった作りが特徴。装着感のよいデザインも魅力となっている。

【関連画像】パイオニア初の完全ワイヤレスイヤホン「C8 truly wireless」

 完全ワイヤレスイヤホンは、以前なら2万円を超える高価な製品が目立っていたが、最近は6000円前後のものが登場するなど低価格の製品も増え、価格帯の幅が広がっている。C8の実売価格は1万5000円前後で、有名オーディオブランドの完全ワイヤレスイヤホンとしては比較的安価な製品だ。中身は果たしてお買い得と言えるのか、実際に試してみた。

コンパクトで装着感がいい

 手にしてまず感じたのは「小さい」ということ。これまでいろいろな完全ワイヤレスイヤホンを試してきたが、それらの中でも比較的コンパクトな部類に入る。

 ボディー表面はシリコン素材で、サラっとした感触だ。ゴルフボール表面にあるような細かいディンプル加工を施してあるのが特徴で、この加工のおかげで、指でつまんだときに滑って落としたりしにくい。

 耳に取り付けると、耳のくぼみにスッポリと入るような感覚だ。コンパクトなおかげで耳からあまり飛び出さず、目立たない。完全ワイヤレスイヤホンの中には耳から大きくはみ出すような製品もあるが、そうした目立つようなことは避けたい人、ヘアスタイルに影響するのはイヤだという人などに向いていそうだ。ディンプル加工のおかげ耳に過度に密着しないため、長時間装着しても汗ばむ感じがそれほどなくサラっとしているのもいい。装着感はとても快適だ。

 重さは左右とも12g。バッテリー駆動時間は最大3時間で、完全ワイヤレスイヤホンとしては標準的な長さだ。付属の充電ケースで2回分の充電ができ、合計で最大9時間使えることになる。

きめ細かな音、ボリューム上げると迫力の低音

 手持ちのいろいろな音源を聴いてみると、中~高音域がキメ細かく、小さいボリュームでも細かい部分がよく聴き取れるところが好印象だ。逆にこれをシャリシャリ感が強いと感じる人がいるかもしれない。

 そして、繊細な音だなと思ってボリュームを大きくしていくと、中~低音域に迫力がちゃんと出てきて、厚みのあるどっしりとした音が聴こえてくる。音のかたまりが飛んでくるような迫力重視の音ではないが、低音から高音までとてもバランスよく奇麗に聴こえてくるため、どんなジャンルにも合いそうだ。

●遅延は気にならない 音声アシスタントも利用可能

 動画を見たりゲームを遊ぶのにも使ってみたが、遅延はかなり抑えられている印象だ。若干の遅延はあるのでタイミングがシビアなゲームには向かなさそうだが、動画鑑賞ならほぼ違和感なく使える。

 パイオニアのロゴが入っている部分は操作ボタンになっていて、電源オン・オフ、再生・停止、曲のスキップや音声アシスタントの起動などの操作ができる。残念なのはボリューム操作ができないことで、スマートフォン側で行う必要がある。

 このほか、接続しているスマートフォンの音声アシスタント機能(iPhoneならSiri、AndroidスマートフォンならGoogleアシスタント)を呼び出して利用できる。Android機では音声読み上げアプリを使うことで、届いたメール、SMS、LINE、カレンダー、ニュースといった情報を読み上げてくれる機能も利用できる。

【関連記事】

AMD製CPUも登場の手ごろなモバイル 選択の分かれ目は? 戸田 覚のPC進化論(日経トレンディネット)

 レノボのパソコンはあまりにも製品数が多く、残念ながら7~8割のモデルしかレビューできていない。今回取り上げる「ideapad」シリーズにもずっと関心を持っていたのだが、なかなかレビューする機会がなかった。なんとなく、「ThinkPad」シリーズなどの影に隠れてしまいがちなのだ。

【関連画像】ボディーはアルミ製で、スッキリとしたデザインだ

 ただ、2018年2月に発売された「ideapad 720S」は、AMD製のプロセッサーを搭載したモデルがあるのが興味深い。ideapad 720Sの最大の特徴はコスパの高さだ。Core i5に8GBメモリー、256GBのSSDを搭載したモデルが、10万6861円。今回レビューするAMDのRyzen 5 2500U APUに8GBのメモリー、256GBのSSDを搭載したモデルでは9万5386円となっている(以下、価格はすべて記事執筆時点のクーポンを適用した場合)。

 ここまで安価だと、本体もある程度はチープになるのでないか――という懸念を含めて見ていきたい。

ボディーは美しいアルミ製だ

 借用した製品が届いて驚いた。外観は、チープどころかとても高級感があるのだ。ボディーはアルミ製で剛性が高く、高級モデルと呼んでもおかしくない仕上げだ。

 12インチのMacBookに近いコンセプトのデザインで、ダイヤモンドカットが施されているあたりは、ちょっと古めかしいと個人的には感じてしまう。ただ、左右方向は狭額縁なので、古さと新しさが混在しているといった印象だ。どちらにしろ、所有する満足感は非常に高いはずだ。価格を考えると文句のつけようがない。

 ディスプレーは、13.3型のフルHDと、モバイルノートの中では非常に一般的なスペック。ただ、非光沢なので、屋外で使う際にも映り込みが少なくていい。IPS液晶で視野角が広く、明るさもまずまずだ。最近は、もっと高解像度が高いディスプレーも珍しくないが、普通に使うには十分。12~13インチなら、フルHDがベストバランスだとも思う。4Kなどの高解像度になると、文字が小さくなるし、やたらにバッテリーを食うからだ。

 ちょっと気になったのは、液晶の下のフチがかなり太いことだ。液晶サイズに合わせて設計するとキーボードスペースが小さくなりすぎるので、あえて広く取っているのは分かる。だが、使っていて腰高な感じは否めない。

【関連記事】

日本メーカーの下請け化は“ものづくり神話”が原因 前刀 禎明の「モノ売る誤解 買う勘違い」(日経トレンディネット)

「このままじゃ、日本の電子機器メーカーは海外企業の下請けになってしまうんじゃないか」――アップル、ディズニー、AOLと海外メーカーでキャリアを積んだ前刀禎明氏が感じる日本企業の問題点。今回はその解決先を考えます。

【関連画像】音楽に関していえば、今やスマートフォン、音楽再生アプリ、音楽配信サービスの3つの要素が三位一体となって価値を生んでいる cs05 / PIXTA(ピクスタ)

前編「日本メーカーは下請けになるのか 足りぬ集団の創造性」はこちら

 前回もお話しましたが、僕がいう「下請け」は、従来のように最終製品メーカーに技術や部品を供給する企業ではありません。現在のビジネス環境では、あるアイデアが新しいビジネスモデルを生むとき、そのプラットフォームの担い手が“主”となります。スマートスピーカーなら、音声操作をつかさどる「Googleアシスタント」や検索サービスを提供するグーグルです。これに対して、プラットフォームに組み込まれていく各製品・サービスの担い手は“従”。グーグルの技術を自社のスピーカーに採用して製造・販売する日本メーカーがこの役回りです。グーグルのエコシステムの中でビジネスをするしかない。この状況を“下請け”と見ています。

 前回はその理由として、思考停止に陥った組織の問題を挙げました。もう一つ挙げたいのが、“ものづくり神話”への依存です。

ハード+ソフト+サービスの三位一体モデルに乗り損ねた日本

 日本では「ものづくり」という言葉を、実によく見聞きします。政府の企業支援や表彰の制度にも、新聞報道にも、企業のトップメッセージにも頻繁に登場する言葉です。実際、日本人は精緻にものを作ることが得意で、特に製造業ではその特性を生かして世界をリードできていました。ですが、今や高性能のハードウエアを精度よく作るだけでは、勝てない分野が増えてきました。そもそも、いまや高性能であることが特に必要とされない分野もあります。それは、プロダクトがハードだけでは成立しない時代になっているからです。

 例えば、2001年に登場した米アップルの音楽プレーヤー「iPod」シリーズ。あれはiPodというハードに「iTunes」という楽曲管理・再生ソフト、「iTunes Music Store」という音楽配信サービスが組み合わさって価値を生むビジネスモデルです。その後、iPodはiPhoneに役目を譲り、ハード、ソフト、サービスが“三位一体”で価値を生む時代は加速していきます。

 この時代の新しい波に日本は乗り遅れた感があります。なまじハードを作る技術に長けていたせいで、良いハードさえ作れば勝てるはずという考えにとらわれていたからではないでしょうか。

 僕が印象的なのが、2011年にソニーの「ウォークマン」が音楽プレーヤーの日本市場シェアで“首位奪還”と報じられたこと。iPhoneをはじめ、音楽再生機能を持つスマートフォンが既に普及していたころです。ハードとしての音楽プレーヤー(の販売台数)に限定すれば、ウォークマンが首位かもしれないけれど、それはスマートフォンで音楽を聴いている人が多数いる実態とはかけ離れたランキングで違和感がありました。やはりプロダクトをハードからしかとらえられない人や企業が多いのかなと思ったものです。

●形のないものに価値をみとめにくい国民性

 日本人の多くが“ものづくり神話”ともいうべき意識からこうも抜け出せない理由は何か。一つは、よく言われるように過去の成功体験に固執する気持ちでしょう。そしてもう一つ、僕が思うのは、日本人はどうも形のないものに価値を見出すのが下手なんじゃないかということです。

 ストレスチェック事業を手がけている、あるベンチャーの話です。その会社は、かつて家電メーカーとウエアラブルセンサーの共同開発を検討していました。そのとき、メーカーの担当者は、センシングの精度ばかりを気にして、話が前に進まなかったそうです。精度が重要な製品ならその反応は当然ですが、このソリューションは、大まかにでも傾向をつかんで対策することが重要なタイプの製品・サービスです。なのに、そのソリューションでどんなことができるか、どう使うと効果的かという発展的な話にならない。本質的な価値を生むことが何かということに考えが及ばず、ハードにしか目がいかない。これも目に見えないものを評価できない価値観の表れです 。

 こうした傾向が今に始まったことではないのは、VHS時代のビデオデッキとコンテンツの関係を振り返ってみても明らかです。ビデオデッキが登場したとき、日本では主に(無料の)テレビ番組を録画して再生するための装置として買い求められました。一方、米国では、VHSテープに収められた有料ソフトを再生するための装置として普及が進みました。

 実際、米ディズニーの大ヒット映画『アラジン』(92年公開)は、日本でVHSが220万本売れて、当時史上最大のヒットとなりましたが、米国の売り上げは2400万本です。ちなみに人口は米国が日本の2.5倍ほど。日本ではコンテンツは無料という感覚が強く、セルビデオの市場が(一人当たりに換算しても)米国より小さいんです。映画の年間興行収入も米国は日本の6倍ほどの規模で、人口差では説明がつかないだけの差があります。日米ではコンテンツに対する考え方が違うんです。こんなところにも、形のないものに価値を見出すのが下手な日本人の特性が出ているように思います。

【関連記事】

お得に使うための格安SIM乗り換えの注意点(日経トレンディネット)

 春はスマホの新規契約や買い替えが集中するタイミング。大手携帯電話会社に加え、格安SIMを提供する企業の広告も活発だ。ただ、ネット広告やテレビコマーシャルで「格安SIM」「格安スマホ」という言葉を目にしても、結局、何が「格安」なのか、いまいち分からないという人もいるだろう。

【関連画像】大手携帯電話会社とMVNOのイメージ

 そこで今回は基本に戻って、そもそも格安SIMや格安スマホは何が「格安」なのか、大手携帯電話会社との違いや乗り換え時の注意点などを解説する。格安SIMを使ったことがない人、初心者の人に参考にしてもらいたい。

コストは安いが、通信速度が遅いことも

 格安SIMや格安スマホを提供しているのは、「MVNO(仮想移動体通信事業者)」と呼ばれる事業者だ。MVNOでは、NTTドコモやau(KDDI)といった大手携帯電話会社のネットワークを借り受けて、これに相乗りすることで通信サービスを提供している。

 MVNOでは、基地局をはじめとした通信インフラを整備しなくてもよく、手続きをオンライン経由に限定すれば店舗を開設する必要もないため、参入障壁が低い。通信事業者に限らず、さまざまな企業が参入しており、その数は2017年12月末の時点で800社以上になった(総務省の統計資料より)。

 MVNOと大手携帯電話会社の料金プランを比較した場合、同じ通信容量なら一般的に格安SIMのほうが安い。その理由は、ネットワーク設備や店舗網の整備にお金がかからず、通信料金を安く設定できるから。このため、「通信料金が格安になるSIMカード」=「格安SIM」という呼び名が定着したわけだ。

 大手携帯電話会社のネットワークを使っているので、料金は安くても、通信できるエリアは相乗りしている大手携帯通信会社と同じ。携帯電話番号による音声通話に対応したプランを選べば、「携帯電話・PHS番号ポータビリティ(MNP)」制度を利用して、大手携帯電話会社や他のMVNOから電話番号を持ち込むことも可能だ。

 ただ、自社の設備が限られている点はデメリットも生む。多くのユーザーが集中して利用する平日の12時台や、夕方から深夜の時間帯において、格安SIMの通信速度は遅くなりやすいのだ。

 また、大手携帯電話会社が標準で提供しているキャリアメール(携帯メール)も、MVNOではごく一部しか提供していない。独自のメールアドレスを用意するMVNOもあるが、既存のキャリアメールからはPCメールとして扱われるため、相手の迷惑メールの設定次第では受信してもらえないケースもある。

 それに、大手携帯電話会社では話し放題の通話定額プランを選べるが、格安SIMには時間制限のある通話定額プランやオプションしかない。これは、電話をよくかける人にとってデメリットだ。

 サポート体制にも違いがある。MVNOではコストを抑えるために、店舗を構えていないところが多い。店舗を持つMVNOもあるが、店頭では新規契約しかできない、というように限定的なサポートしか得られない場合がある。

 その場合、契約内容の変更やトラブル時の相談といったアフターサポートは、電話窓口、ウェブサイト、チャットといったオンライン窓口に連絡するのが一般的だ。オンラインの窓口は、24時間いつでも受け付けているのがメリットだが、店頭でのサポートに慣れている人にとっては、対面サポートを受けられないことを不安に感じる人も多いだろう。

電池膨張! 異音を発し始めたMacBookを黙らせる イトウアキのアップル系と呼ばれて(日経トレンディネット)

スマホはiPhone、パソコンはMac、仕事先にはiPadを持参し、移動中はAirPodsで音楽を聴いているけど「別にアップル好きじゃないです」と言い張るライター伊藤朝輝がつづるアップルライフ。今回は、MacBook Proの2012年モデルを自力で修理したお話だ。

【関連画像】MacBook Proの冷却ファンは2個。左右で形が違うため、使い回しが利かない。右下にある黒い長方形がバッテリー

 筆者の息子が使っている「MacBook Pro」は2012年発売のモデルで、そろそろ限界が来ていると思うのだが、もともとスペックが高いパソコンなので、インターネットでの調べ物やレポート作成に使うくらいなら十分なのかもしれない。

 ところが先日、息子から「Macからすごい音がするんだけど」との訴えがあり、見に行くとMacBook Proが「ギギーーーッ」とうなっていた。どうやら冷却ファンに問題があるようだ。

 とりあえず電源を切るためにトラックパッドを操作しようとしたのだが、固くてクリックできない。これは、バッテリーが膨張してトラックパッドを押し上げているためだと思われる。

 というわけで、MacBook Proの冷却ファンとバッテリーを交換することにした。

●古いモデルならパーツの換装も自分でできる

 気温が上がり、冷却ファンの回転速度も上がり始めるこの時期には、モーターの回転音や風切り音が大きくなる。最近のMacBook Proは騒音対策が進んでいるが、2012年のモデルはファンの音がかなり耳に障る。

 とはいえ今回の“うなり声”は、それとは違う明らかな“異音”だった。確認のためにMacBook Proの裏蓋を開けて冷却ファンの羽根に付いたほこりを綿棒で取り除き、見えない部分は掃除機で吸ってみたが、異音は収まらない。やはり冷却ファンの問題だ。

 最新のMacBook、MacBook Proは、素人が気軽にパーツを交換できない設計になっているのだが、2012年ごろのモデルならそんなに難しくない。交換部品もネットで探せば問題なく見つかる。

【関連記事】