米中貿易戦争 23日に新たな関税発動、応酬激化 続く我慢くらべ(産経新聞)

 【ワシントン=塩原永久】貿易問題で対立する米国と中国が23日、新たな制裁関税と報復措置を互いに発動する。7月上旬に双方が発動した関税分を含め、米中が相手の輸出品に課す関税対象品の規模は、それぞれ約500億ドル(約5兆5千億円)に拡大。関税発動の応酬が両国経済に及ぼす影響も次第に深刻化する見通しで、2大経済大国による「貿易戦争」は我慢比べの様相を深めている。

 中国の知的財産権侵害を問題視するトランプ米政権は6月、米通商法301条に基づき、中国からの計500億ドル相当の輸入品に25%の関税を上乗せする制裁を決めた。米国はまず7月6日に340億ドル分を発動。今月23日に残り160億ドル分の適用を始める。

 中国政府は7月6日の米制裁に即日、同規模の報復を実施した。今月23日の新たな制裁にも即座に反撃する方針を表明している。

 これに対し、トランプ米政権は「中国が不公正取引を改めようとしない」として、さらに2千億ドル(約22兆円)相当の大規模制裁を準備している。中国も対抗する構えで、米中の2大経済大国は、制裁と報復を繰り返す歯止めのない泥沼に陥りつつある。

 関税対象品の規模が拡大するのにともない、景気に及ぼす影響への懸念も次第に深まっている。米企業では中国の報復関税などの影響で、投資の先送りやレイオフ(一時解雇)が始まった。中国では景気を支える輸出の伸びが鈍化。対米摩擦が投資マインドを一段と下押しする兆しもみえる。

 米政権の対中制裁は、主に中国政府が振興に力を入れるハイテク製品を狙う。制裁対象には半導体などの電子部品が含まれ、中国の主要輸出品に打撃を与える意図が鮮明だ。

 また、準備中の2千億ドルの制裁は衣料品や食料品などの生活必需品も含む。米国が発動を決めれば、中国からの年間輸入額の半分程度に高関税が課されることになるが、物価上昇や貿易低迷により、米国自身の景気もしっぺ返しを受ける可能性が高い。

 関税発動の応酬が両国の景気に痛みを与え、“共倒れ”となる恐れすらある中、米中両政府は22日から次官級の貿易協議を行い、6月以降、途絶えていた公式交渉を再開させる。しかしトランプ米大統領は対中貿易赤字の是正に強い意欲をみせており、通商専門家の間では、次官級協議が貿易摩擦の緩和に向けた転機となるとの見方は少ない。

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ギリシャ、20日にEU金融支援から自立 国民生活は苦しいまま(産経新聞)

 【ベルリン=宮下日出男】財政危機に陥ったギリシャへの欧州連合(EU)の金融支援が20日、終了する。2010年以来8年ぶりの“自立”だ。厳しい改革を経て経済・財政状況は一定程度改善したが、国民生活は苦しいまま。国家立て直しの道はなお険しい。

 ギリシャでは09年に財政赤字の粉飾が発覚。金融市場の信頼を失い、自力での資金調達が困難になったことから、EUへの支援要請に追い込まれた。3度にわたる支援の総額は約2890億ユーロ(約36兆円)に上る。

 財政緊縮策への反対を掲げるチプラス現政権が15年に誕生し、一時はユーロ圏離脱の現実味も増したが、政権はその後方針転換。改革を進め、経済成長率は11年のマイナス9.1%から17年はプラス1.4%に改善し、財政収支も目標を達成している。このため、EUは今年6月、金融支援を終了させる枠組みで合意していた。

 ただ、公的債務はEU加盟国最大の国内総生産(GDP)比約180%。今後もEUの監視下で財政規律の維持を求められ、来年には再び年金削減が予定される。失業率はピーク時の約28%から19.5%に減ったが、ユーロ圏最悪。経済協力開発機構(OECD)は貧困層の拡大を警告する。

 経済の改善に対する国民の実感も乏しく、メディアは、ギリシャ市民の不安の声を相次いで伝えている。職探しや学業のために国を離れた国民も多く、その数は若者を中心に35万~40万人と推計される。人材の流出は長期的な経済発展に影響しかねず、アテネ大のベレミス名誉教授は「支援終了を祝う理由は何もない」と述べている。

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17年とんかつかつ丼市場 18%増530億円 簡便志向 揚げ物に商機(日本農業新聞)

 とんかつ・かつ丼を提供する外食店の2017年の市場規模は、統計がある10年以降で最大だったことが、調査会社の富士経済のまとめで分かった。前年比18%増の530億円だった。値頃感を打ち出した大手チェーンの出店が相次ぎ、中高年層や家族層を中心に利用が増えた。同社は「今後も市場拡大が期待できる」とみる。

 とんかつ・かつ丼の外食市場は調査の開始以降、右肩上がりで伸び、過去5年で2・4倍に拡大した。割安な輸入豚肉を使い、低単価を売りにしたチェーン店が増えたことが後押しした。外食大手は「消費者の簡便志向が高まり、家庭で揚げ物料理を作る頻度が減っているためファミリー層向けに商機がある」と話す。18年は前年比14%増の605億円の見込み。

 また、ファストフードのハンバーガー市場は、17年には8%増の6510億円だった。富士経済は「日本マクドナルドがキャンペーンを強め、全体を押し上げた」と分析する。18年は5%増の6811億円の見込み。

 牛丼店の市場は15年以降、微増が続いている。17年は1%増の3735億円だった。チェーン店の統廃合で店舗数は減ったが、季節感を打ち出した期間限定メニューの販促などが堅調だった。18年は2%増の3803億円の見込み。

 調査は5~7月に企業や団体へ聞き取りなどを基にまとめた。

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「短編アニメ映画」の公開が相次ぐ本当の理由(東洋経済オンライン)

8/19(日) 13:40配信

東洋経済オンライン

 猛暑が続く日本の夏だが、「短編アニメ」にとっても”熱い夏”になっている。

 新海誠監督『君の名は。』の制作で知られるコミックス・ウェーブ・フィルム(以下CWF)と、米林宏昌監督『メアリと魔女の花』を制作したスタジオポノック――。近年のアニメーション業界で注目を集めるふたつの実力派アニメーションスタジオが、同時期に短編アニメを公開することになった。その背景にあるものは何なのか、両スタジオの関係者たちに聞いた。

『詩季織々』『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』と短編アニメ映画の公開が相次ぐ

■新海誠作品を支えたスタッフが短編に挑戦

 CWFが手がける短編オムニバス集『詩季織々』(現在公開中)は、中国のアニメ業界をリードするブランドHaolinersとのコラボレーション作品。1本あたり20分前後のアニメーション作品3本から構成され、全体で74分の作品となった。

 Haolinersの代表も務めるリ・ハオリンが総監督を務め、実写映画出身でアニメ初挑戦となるイシャオシン、そしてCGチーフとして新海誠作品を支え続けてきた竹内良貴らが参加。監督全員が30代前半という日中の若き才能が結集している。

 同作の総監督を務めるリ・ハオリン率いるHaolinersは、中国の人気WEBコミックをアニメ化した「銀の墓守り」などで知られるアニメーションブランド。10年ほど前に、新海誠監督の『秒速5センチメートル』を観て、衝撃を受けたリ監督は、『言の葉の庭』の公開に合わせて訪中していたCWF代表取締役の川口典孝氏に、コンタクトをとり、ラブコールを送ったことが最初の出会いだった。

 「『君の名は。』の大ヒットから、制作依頼をいろんな会社からたくさんいただくようになりましたが、リ監督はその前からラブコールを送ってくれていた」と、CWFの堀雄太プロデューサーは語る。

 そして、「最初の依頼の際は弊社の制作ラインが空いていなかったこともあってお断りしましたが、彼とはその後もいい関係を続けていたんです。だから『君の名は。』の完成後はどうしようかとなったときに、リ監督が送り続けてくれていたラブコールに応えることにしたのです」と明かす。

 これまでの新海誠作品を支えたCWFの美術、CG、撮影スタッフが携わるという条件で制作された作品は、リ監督による、新海誠作品への愛情が随所に表れたものとなった。

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日銀と市場の神経戦 「長期金利」政策の本音は?(J-CASTニュース)

 日銀が、金利やお金の量を操作する金融政策の修正を決めた。2018年7月30、31日開いた金融政策決定会合で、0%程度に誘導している長期金利を柔軟に調節するとして、市場金利の変動幅を2倍程度に広げ、金利の上昇を事実上、容認するのが最大のポイントだ。

 現行の「長短金利操作」を導入した2016年9月以来、約1年10か月ぶりの政策の修正になる。これは、5年超にわたって続く大規模金融緩和政策の長期化を見込んだ微修正なのか、金融緩和からの「出口」への第一歩なのか、市場や専門家の見方は割れている。

■実質的には、金利のある程度の上昇を容認

 今回の決定のポイントは金利を含め3つ。まず、「短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度」とする現行の政策金利は据え置いたうえで、決定会合の声明に、「(長期金利は)経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうる」と明記した。会合後の記者会見で黒田東彦総裁は変動幅について、これまでの「プラスマイナス0.1%程度」から「プラスマイナス0.2%程度」へ、2倍に広げる考えを示した。実質的には、金利のある程度の上昇を容認することになる。

 2つ目は、株高を支えている上場投資信託(ETF)の買い入れ見直しだ。年間約6兆円規模としていた買い入れ額は、「上下に変動しうる」として、増減を認める。と同時に、日経平均など比較的構成銘柄が少ない株価指数に連動するETFに偏っていたことを修正し、市場全体を反映する東証株価指数(TOPIX)に連動したETFの比重を高めることも決めた。日銀が実質的に筆頭株主、大株主になる例が続出していることから、特定の株式に偏らないよう改めるものだ。

 この二つの政策は、超低金利による金融機関の収益悪化や国債市場の取引激減による機能低下、また、ETF購入による株価のゆがみといった副作用が無視できないところまで来ていることの反映とみられる。

 ただし、第3に、「フォワードガイダンス」と呼ばれる手法を、併せて導入した。将来の政策を予告するもので、「2019 年 10 月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している」として、緩和を継続すると約束した。多少の金利上昇を認めるが、緩和策はまだまだ続くと宣言して、金利が急テンポで上昇する事態は許さないという意志を示すものだ。

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スズキ、マツダ、ヤマハ発動機の燃費不正 3社三様の「原因」分析(J-CASTニュース)

 スズキ、マツダ、ヤマハ発動機の3社の検査で不正が発覚した。工場で出荷前の車や二輪車の排ガスと燃費を測定する抜き取り検査の条件がいい加減だったのだ。2018年8月9日、発表した。SUBARU(スバル)と日産自動車でも排ガス・燃費の測定データ改ざんが発覚しており、国土交通省が指示した社内調査で不正がわかった。

 自動車メーカーは、完成した新車を出荷する際、工場で100台に1台程度の割合で排ガスや燃費を調べる「抜き取り検査」を実施しているが、この検査の工程で、データを測定するために車を走らせる速度や時間が基準を超えていた。検査条件を満たさずに得られたデータは「無効」とすべきだが、「有効」として処理していた。3社の発表によると、不正は計6480台で見つかり、うちスズキが6401台と大半を占める。

■リコールは実施せず

 各社ごとの不正の主な中身は次のようなものだ。

 スズキは、2012年6月~18年7月に静岡県内の湖西、相良、磐田の3工場で検査した自動車計1万2819台の49.9%で不正を確認。主力の軽自動車アルトなど30車種で不正があった。検査に関与した検査員19人は、不正にあたると認識していなかったという。検査条件を確認するのに必要な機器の性能が不十分で、検査員の判定ミスを招いたと説明している。

 マツダは2016年10月以降に検査した1875台のうち、スポーツ用多目的車(SUV)の「CX-5」など自動車10車種の72台(3.8%)で不正が発覚。検査員が排ガスデータの数値だけに気をとられ、検査条件が有効かどうかの確認を怠るミスが原因という。

 ヤマハ発動機も、2016年1月以降に検査した335台のうち2輪車7台(2.1%)が不正だった。検査の際にバイクを走らせる速度について、検査が無効となる条件をそもそも経営陣も現場も認識せず、検査員は速度をすぐに修正すれば有効な条件になると思い込んでいたという。

 3社の完成検査問題が明らかになったのは、2017年秋以降に日産とスバルで無資格者検査が発覚したことが背景にある。その後、両社で燃費・排ガスのデータを書き換える不正が明らかになった。これを受けこの7月、国が各メーカーに調査を求め、新たに3社の不正も分かった。

 3社はデータの書き換えはなかったとして、カタログに記載した排ガスや燃費の値を修正する必要があるほどの不正でないため、リコール(回収・無償修理)は実施しない。

天才かもしれない人が組織になじめないワケ(東洋経済オンライン)

8/19(日) 8:00配信

東洋経済オンライン

 都内の大手広告代理店に15年以上勤めるHさんは、会社では1人浮いた存在で社内の人間関係に悩んでいました。彼が提案する独創的なアイデアは、大手企業の保守的なスタイルに合わず上司や同僚からは空気を読むことのできない人間として扱われていたそうです。

 生産性の感じられない会議や、何人もの上司の許可を得ない限りプロジェクトが進まないことなど、自分の実力を発揮しきれないことでフラストレーションを抱えていました。ついには体調不良を起こし、精神的にも追い詰められていました。

 個性、個性と叫ばれる現代ですが、その個性が強く、突出した才能があればあるほどに、周囲から理解されず社会から孤立してしまう、という矛盾を抱えている人は多いものです。一方、組織で順応できず、ゴミ社員扱いをされていた人のなかには、いったん自分の才能に気づき独立すると、あっという間に大活躍してしまうタイプもいるのです。

■言葉では表しにくい「違和感」

拙著『『天才』の教科書』でも詳しく述べていますが、一般的に、発達障害と呼ばれる「特質」を備えた人が社会に出ると、さらに巨大な壁が目の前に立ちはだかります。当然のように収入を得るためには職場の決まり事に従い働く必要がありますが、そこでも私はさまざまな決め事(ルール)に疑問を持つことをやめられず、なぜそうした決まりがあるのかが理解ができずにいたのです。

 「なぜ、1+1=2 なのか?」

 「なぜ、朝礼であいさつの練習をしなければならないのか?」

 「なぜ、上司に確認をとってからでないとアクションしてはいけないのか?」

 など、「そういうものだ」ということを受け入れることができず、「なぜ?」と考えてしまうのです。

 私がこれまで関わってきた3万人以上のクライアントの中にも、発達障害と診断された方や、その傾向があるが発達障害まではいかない「グレーゾーン」と呼ばれる特徴を持つ方が多くいらっしゃいました。

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日本の「いじめ対策」決定的に欠けている視点(東洋経済オンライン)

8/19(日) 8:00配信

東洋経済オンライン

内閣府の調査により、18歳以下の自殺者数が最も多いのは夏休み明けの9月1日だということが明らかになった。日本でいじめが社会問題化して以来30年以上にわたり、国内外でさまざまないじめ研究が行われ、数多くの社会理論が磨かれてきた。こうしたエビデンスに基づき、本当に有効ないじめ対策を行わなければならないと主張するのは、評論家であり、NPO法人ストップいじめ! ナビ代表理事を務める荻上チキ氏だ。新著『いじめを生む教室』より、一部を抜粋して紹介する。

■いじめは「増やす」ことができるか

 突然ですが、ここで1つ質問です。どうすれば、教室でのいじめを「増やす」ことができると思いますか?  いったん目を閉じて、少しの間、ぜひ真剣に考えてみてください。

 たとえば、こういうのはどうでしょう。児童にストレスを与えていらいらさせる。先生が率先して特定の児童をいじる。小さなトラブルを見て見ぬふりをし、エスカレートするのを待つ。仲の良くない者同士でグループを組ませる。相談を受けても対処せずに放置する。

 あるいは、大人の目が届きにくいような場所を増やす。同性愛者差別などの言動を大人たちが子どもの前でとり続ける。教師の仕事を増やしたり、教師の数を減らしたりして、個別のトラブルに教師の手が回りにくくする。露骨に生徒の上下関係が発生するような部活指導などを繰り返す──。

 どうでしょう。じっくり考えれば、いじめを「増やす」ためのいろいろなアイデアが思い浮かぶのではないでしょうか。

 いじめについて議論をする際、しばしば「どうせいじめを減らすなんて無理だ」という反応が見受けられます。しかし、「いじめを増やすなんて無理だ」と思う人は少ないのではないでしょうか。実際、ワークショップなどでこうした質問を投げかけると、いじめを「増やす」ための、具体的で現実的なアイデアの数々が、参加者の中から出てきます。

 いじめを「増やす」ことができるのであれば、「いじめの数は、条件によって増減する」ということが確認できます。そして、「いじめを増やす要因」について考える作業は、そのまま「どの環境を改善すればいじめを抑制できるのか」という発想につながります。

 児童のストレスに配慮した教室づくりを行う。先生が特定児童にラベリングをしない。トラブルの初期段階から介入する。集団行動を無理強いしない。相談を受けやすい体制をつくる──。先ほどあげたアイデアを反転させるだけでも、さまざまな解決策が浮かぶでしょう。

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里山まるごとホテル 農村流 お・も・て・な・し 石川県輪島市の三井地区(日本農業新聞)

 フロントはかやぶき屋根の古民家、廊下はあぜ道──。石川県輪島市に今年、地域一帯を一つのホテルと見立てて客を迎え入れる「里山まるごとホテル」が誕生した。食事の提供や農家民宿の運営など、地域住民ができることを補完し合いながら客をもてなす。農業と観光を組み合わせて農村の付加価値を高め、能登の豊かな自然を次世代につなげていく構想を描く。政府が推進する滞在型観光「農泊」のモデルとしても注目を集めそうだ。(斯波希)

地域住民が協力 「農泊」モデルに

 世界農業遺産に登録された能登半島の小さな町、輪島市三井(みい)地区。町の入り口には、築150年のかやぶき屋根の古民家が、訪問客を迎え入れるようにたたずむ。今年4月にオープンした「里山まるごとホテル」の“フロント兼食堂”だ。

 客は田舎に帰ってきたような感覚で、畳の間や縁側で食事をしたり昼寝をしたりと思い思いに過ごす。縁側の先には田んぼが広がり、夏の青々とした稲や秋には黄金色に実る稲穂など、季節ごとの農村風景を楽しめる。

 予約をすれば、ガイド付きで集落を巡るサイクリング(4000円~)や和紙すき(500円~)、農家民宿での宿泊も体験できる。拠点となる古民家「茅葺庵(かやぶきあん)三井の里」には、月に700~800人が訪れる。

 運営は、同市の元地域おこし協力隊が今年2月に設立した「百笑の暮らし」。代表を務める東京都出身の山本亮さん(31)は「三井の暮らしの形を伝え、自分と同じようにファンになってくれる人を増やす。人と里山の関係が生まれる場所にしたい」と力を込める。

 食堂で使う食材の提供や調理などには、山本さんの思いに賛同する地域住民が積極的に関わり、ホテルを盛り上げる。農家民宿など一つの施設で完結するのではなく、住民が協力し合うことで、無理なく客を受け入れる仕組みができつつある。

 かやぶき屋根に使うカヤの生産や農産物加工などに取り組む農家ら約50人でつくる「みい里山百笑の会」の西山茂男会長は「今、まさに滞在型の観光に注目が集まっている。ありのままの暮らしを見てもらい、収入につなげることが、過疎が進む地域の生き残り方になってくる」と展望する。

 里山まるごとホテルでは今後、宿泊場所となる古民家や農家民宿の整備、ホームページの多言語対応などを進め、訪日外国人(インバウンド)を含めた国内外に里山の魅力を発信する考えだ。

日本農業新聞

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レモンサワーブームの今、ハイサワー特区で東京版の街おこし(SankeiBiz)

 若者のアルコール離れが進むなか、今レモンサワーがブームとなっている。東京都内にはレモンサワーの専門店もあり、レモンサワー好きの女子=レサワ女子なんて言葉も出ているようだ。

 博水社(東京都目黒区)が提供するレモンサワーを作るための割り材「ハイサワーレモン」の酒屋・飲食店への販売量は2013年から4年連続右肩上がりでとどまることを知らない。

 今回はこの博水社が立ち上げた新しい飲み企画「ハイサワー特区」に注目したい。

 博水社の地元、武蔵小山から西小山に至るエリアには「ハイサワー特区」なるものが存在する。加盟店は32店舗(2018年7月現在)。

 駅前の再開発で街が姿を変えようとしているなか、地元に古き良き酒場を残し、飲み文化を盛り上げていこうと、2016年11月に博水社内にあるハイサワー特区実行委員会が立ち上げた。

 それぞれの店舗が共同で景品付きのイベントを行い、地域の酒場文化を活性化していく。

 2018年3月には期間内に各店舗を巡ってスタンプを押してもらい、ビンゴを達成すると景品がもらえるビンゴスタンプラリーが行われた。来たる2018年9月には、先着順で各店舗のオリジナルハイサワーセットを飲んだお客様に景品が配られるイベントが行われる。

 この地元活性イベントはどのような盛り上がりを見せているのだろうか? 気になってきた。詳しくは博水社、そして「ハイサワー特区」の店舗で1杯ひっかけながら聞いてみることにしよう。

▼地元への恩返しがきっかけ

 博水社で代表取締役社長をつとめる田中秀子さんが「ハイサワー特区」を作ったきっかけを教えてくれた。「地元への恩返し、本当これに尽きます」と。

 元々博水社は戦前から続くラムネ屋さんだった。しかしラムネだけでは大手飲料メーカーに太刀打ちできないということで、焼酎を割るためのレモン果汁入りの炭酸割り材、ハイサワーができたのが1980年のことだった。

 しかし当時は焼酎を炭酸飲料で割って飲むという文化はなかった。当然◯◯サワーというメニューもない。それどころか焼酎自体が今のようにポピュラーな飲み物ではなかった。

 そんななか、酒販店やスーパーに販路を持たない博水社は、地元武蔵小山から西小山の居酒屋、寿司屋、スナックなど飲食店を1軒1軒回って、焼酎をハイサワーレモンで割って試してもらった。レモン果汁と炭酸がたっぷりのレモンサワーが簡単に作れる。

 「これは初めて! 美味い!」ということから、ハイサワーは地元から広まっていったのだ。

 そして今、その昔ながらの地元の飲食店が駅前の再開発で立ち退かせざるを得ないということが頻繁にあり、元気がない。

 「私たちを助けてくれた地元の飲食店を、今度は私たちが地元の会社として盛り上げる企画を考えたかった」(田中さん)

 「ハイサワー特区」は昔、自分たちを助けてくれた地元の飲食店への博水社からの恩返しのカタチだったのだ。

▼常連さんはもちろん外からも人が来る

 では「ハイサワー特区」の3月のビンゴイベントはどのような盛り上がりを見せたのだろうか? 同社で広報を担当する原口彩也香さんに聞いてみた。

 「元々は地元の飲食店と地元のお客様を盛り上げる企画だったのですが、結果、地元以外からもたくさんのお客様が来てくれたんです!」

 ビンゴのカードの5×5のマス目にそれぞれ「ハイサワー特区」に加盟している店舗の名前が書いてある。そこに行ってハイサワーを飲むとスタンプを押してもらえる。それを縦横斜めいずれか一直線に繋げると景品がもらえるというものだ。

 地元の飲食店の常連さんが喜びそうな企画だが、なんとそれを聞いた地元以外の人もこの「ハイサワー特区」を楽しんでくれていたという。

 ちなみにマドラーやグラスをはじめ、ハイサワーのグッズは非常に人気が高くコレクターもいるほどだ。

▼難しいはずのビンゴなのに

 それでは実際に「ハイサワー特区」に加盟する店舗のスタッフにもイベントの盛り上がりを聞いてみよう。

 武蔵小山の人気居酒屋「長平」の店主、川上充さんにお話を訊いてみた。

 「うちも、ビンゴの時はスタンプを押したんですけどね、あのビンゴ、難しいんですよ。だって一列の中にうちみたいな居酒屋もあれば、中華があったり、スナックがあったり、趣向が全部違うんですから(笑)。けど、見事ビンゴを達成する方もたくさんいましたよ! 中には2列3列と達成する方も(笑)」

 地元を盛り上げる企画、「ハイサワー特区」は確実に成果が出ているようだ。次の9月のイベントには筆者も是非参加したいと思う。(ジャイアント佐藤/5時から作家塾(R))

 《5時から作家塾(R)》 1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。