「文章が苦手な人」に教えたい書き方のコツ(東洋経済オンライン)

5/21(月) 15:00配信

東洋経済オンライン

主にビジネス書作家のデビューを支援するフリーの出版プロデューサーである亀谷敏朗氏による連載「伝わる文章術」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

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■記憶に残るビジネス文書の作り方

 お礼状やお詫び状を除くと、大抵のビジネス文書は用件が伝わればそれでよいわけですから、簡潔であるほどよいビジネス文書といわれます。ですが、ほんの一文が添えられることで、無味乾燥で紋切り型の定型文に魅力的な彩が加わるのであれば、大いにその効果を活用してみるべきです。

 メラビアンの法則にあるとおり、言葉の情報は視覚情報に比べ伝達能力で大きく劣ります。しかも忘れられやすい。ところが、そういう言語情報でも「感動」が伴っていれば伝わりやすく、記憶にも強く残るといわれます。文書に気持ちを込めるとは、いわば記憶に残る人になるためのスキルです。

 私は、年末に支払明細書をクライアントから送ってもらっていますが、そこに「今年はおかげさまで昨年対比〇%伸ばすことができました」とあると、自分が業績に貢献していないことを重々承知していても、ついうれしくなり、来年こそ貢献できるように頑張らねばと思います。そして、そういう一文を添えてくれた人のことは忘れません。

 ビジネス文書のフォーマットは、現在、ネット上にいくらでもあります。定型文はその中からよさそうなものを選んで参考にすればよいでしょう。私自身、ビジネス文書のフォーマットは30年以上前の新入社員時代に覚えたものをいまでも使っています。ビジネス文書のフォーマットはひとつ憶えておけば、概ね何とかなるものです。フォーマットに悩むよりは、どうやってそこへ気持ちを込めるかに神経を使ったほうがよかろうというのが私の経験から言えることです。

 ビジネスとは、商品やサービスを媒介とした人と人の関係。ですから、つまるところビジネスで肝心なのは人間関係ということになります。文書に気持ちを込めて、相手に伝えるのは人間関係を良好にするためのビジネススキルです。したがって、ビジネス文書に自分の気持ちを込めて相手に伝えることができる人は、それだけ有効なビジネススキルを持っている人と言えます。

■固有名詞の活用が人間関係を良好にする

 人間関係を良好にするための基本は、相手に対するリスペクトです。もちろんビジネス文書のフォーマットも、その点は十分に配慮されています。

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中島翔哉は「ポリバレント」ではなかったのか(東洋経済オンライン)

5/21(月) 11:03配信

東洋経済オンライン

 「非常に1年間の成果を、ポルトガルリーグで出した選手ではあります。ただポリバレントでは彼は1年間、なかったですね」

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 5月18日、西野朗監督によりロシアワールドカップ(W杯)直前のガーナ戦(5月30日・日産スタジアム)に挑む27人の日本代表候補メンバーが発表された。

 そのメンバーの中には、今季ポルトガルで大ブレイクを遂げ、3月の日本代表のヨーロッパ遠征で唯一の収穫と言われたFW中島翔哉の名前がなかった。

 このニュースは、日本だけでなく、ヨーロッパ各地でも大きく報道された。

 「ポリバレントではない」と攻撃で複数のポジションができない選手として西野朗監督が決断を下したが、この発言を真っ向から反論する元Jリーガーがいた。

 2007年にJ1・浦和レッズ時代にJリーグ最優秀選手賞を受賞し、中島翔哉が所属するポルティモネンセで2016年よりテクニカルディレクターを務めるロブソン・ポンテだ。日本に来日中ともあり、今回インタビュー取材が実現した。

■代表メンバー落選には驚きを隠せない

 ――今シーズン、中島翔哉のポルティモネンセでの活躍をどう見ていますか。

 今シーズン10得点、12アシストで90%の試合に出場しました。フル出場も多く、怪我もなかった。ポルトガルリーグの監督は、全員彼の実力を認めている。(落選し)びっくりしましたと。そのくらいの活躍をしました。ポルトガルリーグで若い選手がそこまでの評価を受けることはありません。

 ――西野朗監督の「ポリバレント」発言をどう受け止めていますか。

 西野さんにはリスペクトがあるけども、ポリバレントの意味や捉え方はわかっていません。

 ポルトガルでも新聞の一面になったのですが、なぜ、ポリバレントをわかっていないかというと、翔哉はサイドバックでも出たし、トップ下でも出ていた。

 FCポルト戦ではセンターフォワードで出て、GKのカシージャス選手(元スペイン代表)から点を取ったし、SLベンフィカ戦では右サイドも左サイドもやった。

 彼は試合の流れに応じて、両サイド、センターフォワード、トップ下ができる。翔哉は日本代表のほかの攻撃の選手と比べてもポリバレントな能力はいちばんじゃないかと思う。

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人生100年は「身体が不自由」だと不幸なのか(東洋経済オンライン)

5/21(月) 8:00配信

東洋経済オンライン

2016年に刊行された書籍『LIFE SHIFT――100年時代の人生戦略』を契機に、「人生100年時代」というキーワードがすっかり一般化した。「100年時代のおカネ」「100年時代の健康作り」などの言葉を毎日のように目にするという方も多いのではないか。一方、「健康なら100歳まで生きてもいいけど……」という率直な意見を持たれる方も、相当な数にのぼると思われる。

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健康でないなら、体が不自由になったら、人生100年時代は不幸なのだろうか?  NHK・Eテレの福祉番組ハートネットTVは4月23日に放送した「異色の企画」で、この問題に鋭く切り込んだ(再放送予定は5月21日20時、5月28日13時5分)。この番組を企画した金丸千枝美氏に、制作の意図とメッセージを寄稿してもらった。

■千原ジュニア氏「俺が一番キャラ薄い?」

先月、Eテレ・ハートネットTVの「B面談義」という企画で「人生100年時代をどう思うか?」をインタビューした。向かったのは、耳の聞こえない人たちがたくさん集まるパブ。

 「毎日酒飲んでるから早く死んじゃうかも、マジで」と、ちょっとニヒルな手話で答える男性。「100歳まで生きることを目標にしたいわ!」と、弾けた手話で答える金髪の女性。中には「長生きしたいけど不安。耳の聞こえない人のほうが、収入が低いと思うから」という、ちょっと切ないお答えも。「そんなに長く生きなくてもいいんだけどなぁ……」とやるせない気持ちを抱く筆者同様、ネガティブな意見も多かった。

 「B面談義」はうんこ漢字ドリルブームや不倫疑惑報道、保毛尾田保毛男の復活など、ちまたで話題となった出来事について、司会の千原ジュニア氏と「ちょっと濃すぎるコメンテーター」が赤裸々なトークをする企画だ。

 千原ジュニア氏に「俺が一番キャラ薄い?」と言わせたレギュラーコメンテーターは、ドラマのモデルとなった全盲の弁護士、彼氏とラブラブ・ゲイの弁護士、日本酒と呼吸器が欠かせないNPO法人理事長。

 今回はゲストとして、2年前に“女性”になったKABA.ちゃんと、ひとり芸のコンテスト「R-1ぐらんぷり」で優勝した“ほぼ全盲”の漫談家・濱田祐太郎氏が出演した。さらに番組アシスタントは、女の子として生まれ今は男性として活躍する“オニイ”タレント、ナレーションを担当するはゲイのベテラン声優・三ツ矢雄二氏と、メンバーは個性派ぞろいとなっている。

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福知山線事故の遺族が挑んだJR西との「闘い」(東洋経済オンライン)

5/20(日) 15:00配信

東洋経済オンライン

2005年4月25日、死者107人・負傷者562人を出したJR福知山線脱線事故。JR史上最悪の事故で被害者となった淺野弥三一(やさかず)氏は、遺族感情と責任追及を脇に置き、加害者であるJR西日本との共同検証に自ら責務を課した。硬直しきった巨大組織との対話は、異例の出戻り社長との間でついに回路が開いた。『軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』を書いたノンフィクションライターの松本創氏にその経緯を聞いた。

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■国鉄改革を成し遂げた成功体験が生んだ方針

 ――事故の背景にはJR西日本独自の背景もあったのでしょうか? 

 まず脆弱な収益基盤、私鉄との競合があった。JR東日本は首都圏を抱え圧倒的な乗客数がある、JR東海は東海道新幹線というドル箱を持っている。それに対しJR西は民営化時点で52路線のうち黒字は大阪環状線と山陽新幹線の2路線だけ。阪急・阪神など強力な私鉄5社があって、JRなんて乗らないという人も珍しくない。

 国鉄民営化の総司令官で、JR西の天皇と呼ばれた井手正敬氏(事故当時、相談役)の現場社員への締め付け、個人への責任追及、懲罰的再教育という手法は、国鉄改革を成し遂げた成功体験によりJR西でより濃縮されました。他社に負けるなと社員の尻をひっぱたく。事故当時の大阪支社長方針の筆頭が「稼ぐ」だったほど。

 ――「事故において会社・組織の責任なんてない、個人の責任追及のみ」と井手氏は発言している。

 そもそも犠牲者への視点を欠き、被害者を損害賠償の請求者という利害関係でしかとらえていない。カネで償えばいいんだろ程度で被害者はないがしろにされてきた。制限速度70キロメートルを上回る時速110キロメートル以上でカーブへ突入した当の運転士が助かっていて有罪判決を食らっていたら、そこでおしまいだったかもしれない。誰か犯人を一人吊るし上げろという処罰感情。でも淺野氏はそこに異を唱えた。裁判で個人一人を罰したところで組織は変わらない、と。

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54歳「がん全身転移」を克服した男が走る意味(東洋経済オンライン)

5/20(日) 11:00配信

東洋経済オンライン

 長身の締まった体躯、さっそうとして精悍(せいかん)な面持ち。市民ランナーとして、いかにも歴戦のつわものといった雰囲気を漂わせている。まもなく54歳を迎えるが、年に3回はフルマラソン(42.195キロメートル)に出場。今も自己記録更新に挑み続ける。

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 しかし肺の3分の1は機能していない。腹部からは50個近いリンパ節が摘出されている。11年前に骨折した右足首も、リハビリテーションが不十分だったために万全ではない。そして、右側の睾丸(こうがん)も失われている。

 大久保淳一(おおくぼ じゅんいち)は2007年、外資系の証券マンとして公私共に満ち足りていた42歳のとき、精巣がん(ステージ3の重症)を患い、そのがんは全身に転移していた。のみならず、その治療の副作用で間質性肺炎を発症。この病気になると、スポンジのように柔軟だった肺組織が線維化して発泡スチロールのようになり、その部分は酸素を取り込めなくなる。

仕事に復帰するまでの1年半、文字どおり死線をさまよった。生き永らえた命は、がん経験者、そして今なおがんを抱える人たちを支援する社会活動のため自ら設立したNPO法人「5years(ファイブイヤーズ)」にささげている。

 「5年生存率という言葉は大嫌い。ファイブイヤーズには、5年後には皆元気に活躍しているという願いを込めた。がん患者に対する世の中の意識を変えたい」

■元気になった人の道しるべが欲しい

 2015年には会員制のSNS(交流サイト)を立ち上げた。がんになった人の情報はネット上にあふれているが、どちらかといえばつらい闘病記が多い。そうではなく、元気になった人の情報や社会復帰をするための道しるべが欲しいと、自分自身が渇望していた。ファイブイヤーズには、がんを経験した人が情報発信するだけでなく、患者や家族の相談にも乗る仕組みを取り入れた。プロフィール、罹患(りかん)した部位、治療、リハビリ、そして復帰への道のりがつづられている。

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パナ伝説のエンジニアが語るイノベーター論(東洋経済オンライン)

5/20(日) 11:00配信

東洋経済オンライン

ビジネスにおいてイノベーターというと、スタートアップをイメージしがちだが、この世界には、大企業に所属しながら幾度もイノベーションを起こす「希少種」が存在する。そうしたシリアル・イノベーターの研究を行っている石川善樹(予防医学博士)が現在注目しているのが、大嶋光昭だという。彼はいったい、何者なのだろうか?  いまの時代に求められる「新しい教養」を探る、石川善樹の人気インタビューシリーズ第6回。

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■登録特許数1300件! 

 石川:本日は、「世界の大嶋さん」をご紹介できて大変光栄です。

 大嶋:いえいえ、よろしくお願いします。

 石川:読者のために、まずは大嶋さんのご経歴をざっとおさらいしたいと思います。まず、大嶋さんが出願した登録特許の数は1300件!  その特許ライセンス収入だけで、これまでパナソニックに380億円をもたらしています。さらに、大嶋さんの研究が元となったプロダクトによる営業利益は3000億円!  仮に営業利益が5%だとして計算すると、6兆円を売り上げたことに相当します。

 では実際、大嶋さんは何を発明されたのかというと……代表的なのが「振動ジャイロ」で、この技術からビデオカメラやデジカメの「手ぶれ補正」技術が生まれています。これだけでも世の中に大きな恩恵をもたらしたと言えますが、さらにさらに、海外大手半導体メーカー製CPUに採用されている「省電力CPU」、日米欧の地上波デジタルTV放送の基幹部を担う「規格必須特許」、コピー・ワンスやダビング10といった“光ディスクへのコピー”を実現させた「光ディスク規格(BCA CPRM)」、同じく光ディスクソフトの「ゲーム用光ディスク技術」、3D放送に不可欠な「3D符号化技術」、そして最近では「光ID技術(リンクレイ)」といった技術を発明していらっしゃいます。

 つまり大嶋さんは、世界初や世界一の発明を次々に生み出す、シリアル・イノベーターと言うことができるでしょう。実際、シリアル・イノベーターの研究をしているイリノイ大学のブルース・ボジャック教授たちがまとめた『シリアル・イノベーター 非シリコンバレー型イノベーションの流儀』(プレジデント社)という書籍のなかでも、大嶋さんは紹介されています。

 石川:クリエイティビティやイノベーションの研究は、1960年代にJ.ギルフォードというアメリカの心理学者が始めて以来、半世紀近くに及ぶ知見がたまっているわけですが、今日までに、2つのことが明らかになっています。

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「首都直下地震」はいつ起きてもおかしくない(東洋経済オンライン)

5/20(日) 8:30配信

東洋経済オンライン

 東日本大震災から7年以上が経過しました。震災発生当時は、非常食や飲料水を買い揃えていた人も多かったのですが、最近は防災意識が薄れつつあります。近年、日本を襲う大地震は確実に増え続けています。日本列島に住む私たちは、地震や火山噴火などの自然災害から逃れることはできません。中でも、東海から西日本の太平洋岸沖合で発生する“南海トラフ巨大地震”とともに心配されているのが、首都直下地震。4年以内に起こる確率は70%と発表されたこともあるのです。

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このような地震・災害を予測し、防ぐことはできるのでしょうか。拙著『日本列島大変動』をもとに首都直下地震の可能性について分析します。

■4年以内に70%?  首都直下地震

 南海トラフ地震とともに、国の根幹を揺るがしかねない災害として心配されているのが、「首都直下地震」です。

 首都直下地震は「今後30年以内に70%の確率で起きる」と想定されていました。この予測は、地震の起き方の法則として古くから知られている「グーテンベルグ・リヒター則」にのっとって計算されたものでした。

 ある地域で大きな地震が起きると、その近くでは最初の大きな地震(本震)よりも小さな地震が連続して起こります。いわゆる「余震」ですが、この余震の大きさは、マグニチュードが1小さくなるごとに、発生回数が約10倍になることが知られています。「地震の発生回数は、マグニチュードの大きさに反比例する」、これが「グーテンベルグ・リヒター則」です。ドイツの地震学者ベノー・グーテンベルグとアメリカの地震学者チャールズ・リヒターが発見したことから、2人の名前を取って、このように呼ばれています。

 この法則は、東京都とその周辺で日常的に起きる地震活動についても、おおむね成り立っています。たとえば1965年から2010年までの45年間で、東京・千葉周辺での地震(震源の深さは100キロより浅くマグニチュード3以上)はあわせて約3000回起きています。このうちマグニチュード4程度の地震は約200回、マグニチュード5程度が約20回起きましたが、マグニチュード6になると5回程度です。

 この流れのままなら、マグニチュード7以上の地震は、平均して約25年ごとに1回ほど起きる計算になります。幸い、この期間中には東京・千葉周辺では起きませんでしたが、「今後30年以内にマグニチュード7の地震が首都圏で発生する確率は70%」というのは、このような地震の発生頻度から計算されたのです。

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何でも速い「加速の時代」は2007年に始まった(東洋経済オンライン)

5/19(土) 11:00配信

東洋経済オンライン

 小学2年生の子どもに「ジャーナリストって何する人?」と訊かれた。子どもの質問はおそろしい。ハシゴを外されるとか背中から撃たれるとか、サラリーマン生活における不意打ちには慣れているつもりだったが、思いがけない方向から簡単には打ち返せないボールを投げてくる。

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 真っ先に浮かんだのは、「政府が悪いことをしていないか見張る仕事だよ」といういかにも教科書的な回答である。だが子どもは嘘を見抜く。いくら権力の監視役を自任していても、残念ながら会見で政治家を立ち往生させるような鋭い質問をする記者などほとんど見かけない。「そんな人、いないじゃん」と言われて終わりだろう。

 あれこれ考えた挙句、こう説明した。「いろいろなところに行って、たくさんの人の話を聴いて、まだ誰も気がついていないことを発見するのが仕事だよ」

 この定義が正解かどうかわからない。だがこの時、具体的なジャーナリストの名前が念頭にあったのは確かだ。それはトーマス・フリードマンである。

■「世界に輪郭を与える」ことば

 フリードマンのこれまでの仕事をひとことでまとめるなら、「世界に輪郭を与えること」と表現できるかもしれない。『レクサスとオリーブの木』では、国家の論理に代わりグローバリゼーションの論理が世界を動かしつつあることを示し、『フラット化する世界』では、個人すらもグローバル化する新しい時代の到来を「フラット化」というわかりやすいキーワードで表してみせた。

 「これまでと同じようにやっているのになんだかうまくいかないぞ」とか、「一生懸命働いても儲からないのはおかしいな」といった人々が抱く漠然とした違和感に対して、「それはね、世界がこう変わったからなのだよ」と新しい世界像を示してきた。そのいささか楽天的な分析に異論はあっても、フリードマンが世界を大掴みする能力に長けていることは衆目の一致するところではないだろうか。

さて、ならば新刊『遅刻してくれてありがとう』でフリードマンは、私たちにどのような新しい世界の見方を提示しているのだろうか。

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「ここで死んでもいい」という覚悟が力を生む(東洋経済オンライン)

5/19(土) 9:00配信

東洋経済オンライン

人生においても、仕事においても、いざというときに真の実力を出せるかどうかは、それまでくぐってきた修羅場の数で決まる。プロトレイルランナーの鏑木毅氏は、なぜ最も過酷なウルトラトレイルの世界で、トップランナーの仲間入りができたのだろうか。
いじめられっ子、三流ランナー、無気力公務員から40歳で世界3位になった鏑木氏の著書『プロトレイルランナーに学ぶ やり遂げる技術』には、ビジネスパーソンが修羅場を乗り越える際に大いに参考になる「技術」も紹介されている。

 現地入りして、レースまであと数日というときには、高ぶった気持ちを抑えるために、気持ちが落ち着く映画を見たり、歴史小説を読んだりして過ごします。

 僕は司馬遼太郎が大好きで、月並みですが『竜馬がゆく』(全8巻、文春文庫、新装版1998年)や、幕末・長州の大村益次郎を描いた『花神(かしん)』(上中下巻、新潮文庫、改版 1976年)はもう何回も読んでいます。レース前に読むと、不思議と気持ちが落ち着くのです。

■最後まで走り切れるなら燃え尽きてもかまわない

 この2つのストーリーには共通点があって、底辺にいた人間がはい上がっていく過程を描いた物語で、最後にやっと花開いた直後に2人とも暗殺されて死んでしまうのです。人生を懸けて成し遂げた後、何の未練もなくパッと消えていくところに美学を感じるというか、そういう生き方に対するあこがれがすごくあります。

 この2人の生きざまに、これからレースに臨む自分をなぞらえているのかもしれません。まもなく始まる本番に向けて、僕の気持ちは「もうこの先がない」「これで死んでもいい」と思い詰めてしまうくらい高ぶっています。決して悲壮感が漂っているわけではなく、自分にとって最高の舞台、人生の中の一大イベントがこれから始まるんだという期待感、最後まで走り切れるなら燃え尽きてもかまわないという覚悟が、怒涛のように押し寄せてきます。そのときの気分に、坂本龍馬と大村益次郎の生きざまがピタリと重なるのです。

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体の痛みは健康状態だけが原因とは限らない(東洋経済オンライン)

5/19(土) 7:00配信

東洋経済オンライン

 新年度を迎え、昇進・昇格した人も多いだろう。自分の仕事ぶりや業績が認められるのはうれしいことだが、昇進がきっかけとなって、長引く体の痛み(慢性痛)が始まることもある。

 ペインクリニックと呼ばれる分野の専門医である筆者のもとには、他の病院や診療科で診てもらっても症状が改善しないという理由から、慢性痛の患者がたくさん紹介されてくる。そんな患者の1人に、首・肩・背中に痛みを抱える30代後半のエリート男性がいた。

■昇進がエリート男性を苦しめた

 この男性は、有名私立大学の経済学部を優秀な成績で卒業し、大手企業に入社した。そこで営業職として大きな成果を収め、数年後には別の大手企業に引き抜かれて営業関係の部署に就いた。そこでもすばらしい業績を上げたことで昇進して、数人の部下を持つことになった。

 だが、これがよくなかった。

 男性は昇進後、部下の面倒をみつつ、自分の仕事もこなさなければならなくなり、仕事量が増大した。しかし、コンプライアンスの関係から、仕事を持ち帰ったり週末出勤したりすることができなかった。結局、平日の早朝から深夜まで、食事やトイレに行く時間さえも満足に取れない状態で働き続けた。

 土日はその反動で昼近くまで寝て、起きた後もボーっとして何もする気力がなく、ブラブラしていると終わってしまうような生活になった。そのうちに肩がパンパンに張りはじめ、やがて首や胸背部の痛み・張りが広がっていった。

 体が痛くなり始めた当初は、土日にマッサージや鍼灸で治療を受けて良くなっていたが、やがて効果はなくなった。両上肢にしびれも感じるようになったため、整形外科を受診したが特に問題はないといわれ、治療もされなかった。

 男性は次第に自分が納得できるような仕事ができなくなり、病欠を取り始めた。そして休職となった。

 男性は休職後、生活が乱れた。深夜まで起きていて、昼過ぎに起床することもしばしば。体がつらいためブラブラして1日を過ごし、外出は週1~2回になっていった。

 男性は休職後も、大学病院を含むさまざまな医療機関で精査を受けた。にもかかわらず、特に問題はないと言われ続け、いろいろな治療を試みても症状は変わらなかったという。

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