「女子大生仕掛け人」辻愛沙子が語るSNSの仕掛け方(日経トレンディネット)

 つぎつぎと新しい手土産やスイーツが生まれる東京の原宿・表参道エリア。そんな注目のエリアでじわじわと話題になっているスイーツが、2018年2月に発売された「RingoRing(リンゴリング)」だ。輪切りにしたりんごに衣をつけて揚げており、見た目はドーナツのよう。だが、口に入れるとりんごの酸味が広がり、想像よりもさっぱりとした味わいだ。

【関連画像】辻愛沙子(つじ あさこ)。1995年、東京都出身の22歳。慶應義塾大学環境情報学部に籍を置く現役大学生ながら、企業向けのブランディングや店頭プロモーションなどを企画するエードット(東京都渋谷区)に勤務するデザイナー/アーティストでもある

 リンゴリングを扱うカフェ「the AIRSTREAM GARDEN(エアストリームガーデン)」の小野正視氏は「売り上げは当初の想定の5倍ほど。手土産用に数個まとめて買っていく人も少なくない」と話す。だが、リンゴリングという商品そのものよりも注目を浴びているのが、商品をプロデュースした大学生・辻愛沙子氏だ。

 リンゴリングの味付けは食に関するプロが行ったものの、りんごを揚げたスイーツというコンセプトやロゴを考えたのも辻氏だという。昨今は“インスタ映え”する食べ物やスイーツが増えているが、「フォトジェニックであることはたしかに重要。でも、『1回写真を撮ったら2回目はもういい』というスイーツではなく、もう一度食べたくなる商品をつくりたいと考えた」と辻氏は語る。

 辻氏は大学に通う現役の大学生ながら、企業向けのブランディングや店頭プロモーションなどを企画する会社に勤務している。インターンやアルバイトではなく、正社員として採用されており、肩書は「デザイナー/アーティスト」。実は、辻氏は2017年夏に話題になった「ナイトプール」など人気スポットの空間デザインを手がけただけでなく、ハッシュタグを駆使してSNSでの拡散に成功した“女子大生仕掛け人”なのだ。

小6で留学情報を集め、中2で単身渡欧

 辻氏が“女子大生仕掛け人”となったきっかけは、幼少期にさかのぼる。小学生の頃から海外に強い興味を持ち、「小6のとき、インターネットで情報を集めて、親に留学したいと懇願した」(辻氏)。

 2010年、中学2年生で単身渡欧。英国の全寮制語学学校を経てスイスの全寮制アメリカンスクールに入学する。その後渡米し、ニューヨークで高校生活を送った。もともと絵を描いたりするのは好きだったそうだが、このころからウォールアートなどのアート制作にも積極的に取り組み始めた。2014年9月、大学に入学するために帰国。当初は学生生活を満喫していたというが、「海外留学時の友人のアグレッシブさに影響を受け、課題を発表するだけの学生生活に物足りなさを感じるようになった」と辻氏は振り返る。

 今の自分にできることはないか。そう考えた辻氏は、学業のかたわらアパレル企業でプレスとして働き始める。思い立ったら即実行する。そうした行動力は、留学を決めた幼少期から芽生えていたのだろう。ファッションだけでなく、映像制作に興味を持った時期もあったというが「積極的に見ようとしていない人にまでメッセージが届く広告という業界に次第に興味をひかれるようになった」(辻氏)。

 そんななか、現在の勤務先であるエードットに出合ったという。当初はインターンとして働いていたが、辻氏の姿勢に共感した同社が、学生でありながら正社員として採用する「学生社員」という枠を新設。2017年4月に正式に入社したという。

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元IT記者の漫画家が考える「AIとビジネスの共存」 ビジネスの極意は漫画家に学べ(日経トレンディネット)

 日経トレンディネットと新宿の「TSUTAYA BOOK APARTMENT」によるコラボレーションイベント「ビジネスの極意は漫画家に学べ」。TSUTAYA三軒茶屋店の書店員でありながら数々の作品を全国的ヒットに導いてきた“仕掛け番長”栗俣力也氏が人気漫画家を毎回TSUTAYA BOOK APARTMENTに招き、ビジネスやコンテンツづくりの極意を聞き出す企画だ。第2回のゲストは、「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)で2015年11月から2017年8月まで連載され、話題を読んだSF漫画『AIの遺電子(アイのいでんし)』の作者・山田胡瓜氏が考える、AIとビジネスの共存とは?

【関連画像】『AIの遺電子』の舞台は人間、ヒューマノイド、ロボットが存在する近未来。ヒューマノイドを治療する人間の医者を主人公に、人間とヒューマノイドの考え方の違いによって起きる問題をヒューマンタッチで描いたオムニバス漫画。全8巻

TSUTAYA三軒茶屋店 栗俣力也氏(以下、栗俣): 今回、改めてコミックの装丁を見ましたが、素敵ですね。個人的には特に1巻と8巻が好きです。

山田胡瓜氏(以下、山田): 女性がもう少し手に取りやすい表紙でもよかったかもしれないとも思いました。SFは女性は手に取りづらいという印象があると思いますが、SFであることを意識せずに楽しく読める内容を意識していたので。この表紙、個人的には好きなんですけどね。

栗俣: 読む人によって読み方が変わる漫画ですよね。深く読み取ろうとするとすごく深くなるし、SFに詳しくない人でもヒューマンドラマとして感動できるという点が面白いと思います。

山田: ありがとうございます。

栗俣: なぜこのテーマで漫画を描こうと思ったのでしょうか。

山田氏: 率直に言ってしまうと、ネームが通ったから(笑)。別にAI(人工知能)が描きたくて漫画家になったわけではなく、描いている漫画の1つにこのテーマがあって、編集長のオーケーが出たというわけです。だから、もしかすると全然違う漫画を描いていた可能性もあります。

 AIをテーマにした漫画を思い付いたきっかけは、デジタル系の媒体で記者をやっていた経験から。モバイル系の記事を長い間担当していましたが、次第にAIとかディープラーニングといった言葉を聞くようになりました。取材を通してバーチャルリアリティーやAR(拡張現実)のようなものが世の中を変えることもあるのではと思うようになりました。かけているだけで何かの詳しい情報が見えてしまうメガネや、街を歩いているだけでもいろいろな情報がオーバーレイされて見ることができるのかもしれない。SiriやAlexaのようなものは、当時まだそんなに出ていなかったですが、いつかそういう世界が来るだろうと考えていました。そう思うと、SFの世界って日常だと思ったんです。

 公安の人がサイバーな世界を駆け回るというのはフィクションだけれど、Alexaに向かってしゃべりかけるのはフィクションではない。だから、日常にSFというかAIや未来のテクノロジーがあるということを漫画で描くと、いつかは時代とシンクロするだろうし、いろいろな人の共感を得られるのではないかと思いました。

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「99.9」で描かれない えん罪弁護士の過酷な現実 佐々木健一「TVクリエイターのミカタ!」(日経トレンディネット)

『哲子の部屋』『ブレイブ 勇敢なる者「硬骨エンジニア」』など、独自の切り口のテレビ番組を企画・制作するNHKエデュケーショナルの佐々木健一氏が展開するコンテンツ論の第23回。

【関連画像】「99.9」で描かれない えん罪弁護士の過酷な現実

 前シリーズに続いて高視聴率をたたき出したドラマ、日曜劇場『99.9 -刑事専門弁護士- SEASON II』(TBS系)は、“有罪率99.9%”という日本の刑事司法で、逆転不可能と思われる刑事事件に挑む弁護士たちの奮闘を描いている。

 だが、これはあくまで架空のドラマの話。現実に“有罪率99.9%”に挑み続けたら、その弁護士は果たしてどうなるのか。その過酷さは、あまり知られていない。

 私は以前、企画・制作しているNHKのドキュメンタリー特番『ブレイブ 勇敢なる者』シリーズの第2弾「えん罪弁護士」で、20年以上刑事弁護に取り組み、これまでに無罪判決を14件も獲得してきた今村核(いまむら・かく)弁護士を取材した。

 大きな反響を受けてこのたび、未放送部分も含めた100分特別版として、『BS1スペシャル』枠で「えん罪弁護士・完全版」が放送されることとなった(4月15日22:00~23:49(NHK・BS1)にて放送予定)。

偉業を成し遂げても「変わり者」「異端者」扱い

 「無罪14件」というのは、法曹界の人間が聞けば誰もが驚嘆するような実績だ。約1000件に1件しか無罪判決が出ない日本の刑事裁判。まだ50代半ばの今村が、すでに14件もの無罪判決を得ている事実は紛れもない偉業である。しかし、それほどの実績を挙げながら、当の今村は浮かない表情でこんな本音を吐露した。

 「僕、若い頃は“変人”みたいにいわれたこともありますからね。『あいつは、えん罪弁護が生きがいで、好きでやってるんだ』と。そういう道楽にふけっている。そんなふうに見られている節もあるんですよね……」

 有罪率99.9%に挑む“えん罪弁護士”は、世間が抱くイメージのように、無実の罪を着せられた人を救う“正義のヒーロー”としてたたえられているわけではない。むしろ、法曹界では「変わり者」「異端者」と見られていた。

 罪を認め、情状酌量を求める事件と違い、本格的に無罪を争う「否認事件」の弁護は、勝てる可能性が限りなく低く、もし無罪を勝ち得ても十分な報酬が得られるわけでもない。ドラマ『99.9』で描かれるようなえん罪事件の弁護は、たとえ“人権派弁護士”であっても、容易には手が出せない領域なのだ。

 例えば、消費者金融に関する事件や労働事件などの民事事件は、しっかりと弁護報酬を得ることができる。あるいは、有名タレントや政治家などのプライバシー保護に関する弁護なら、依頼人に財力があるため、十分な報酬を得ることも可能だ。しかし、刑事弁護の場合、ほとんどの被告人は多額の弁護費用を払えるほどの資財を持っていない。

 そうした経済的な問題に加え、私が取材を通して驚かされたのは、無罪を得るためのあまりに膨大な“手間”だ。

 法廷ドラマの場合、最大の見せ場は「弁護士がいかに被告人の無実を立証するか」だろう。だが、そもそも刑事裁判の原則は、「疑わしきは罰せず」である。立証責任があるのはあくまで検察側で、検察が“有罪の立証”に失敗すれば、本来は無罪になるはずなのだ。弁護側は検察の立証の綻びを突けばいい。しかし、現実にはそれだけで無罪になることはまずない。今村が語った言葉が今も耳に残っている。

 「立証の方針は、できるだけ客観的、かつ科学的な方法を考えるわけです。『それなら、さすがに文句は言えない』というところまで持っていくのが理想なんですが……、弁護人にそこまでやる義務なんて本来ないんですよ。だから、過重な負担なんです。でも、それが現実ですから、仕方なくやっているんです」

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日野晃博氏「レベルファイブ 20周年の今年はアニメと新作を連続投入」(日経トレンディネット)

 福岡に拠点を置きながら、日本を代表するゲームメーカーの1社として飛躍したレベルファイブ。ゲームやアニメなどが大ヒットした「妖怪ウォッチ」シリーズの展開が始まってから5年近くが経過し、同社が得意とするクロスメディア展開の次の一手に期待が集まっている。

【関連画像】日野晃博(ひの・あきひろ): レベルファイブ代表取締役社長/CEO。世界累計出荷1700万本以上を記録した「レイトン」シリーズなど、幅広いユーザーに向けた温かみのある作品づくりが特徴

 創立20周年を迎える2018年は、4月から『イナズマイレブン アレスの天秤』と『レイトン ミステリー探偵社 ~カトリーのナゾトキファイル~』の2つの新作テレビアニメの放送を開始。「妖怪ウォッチ」も『妖怪ウォッチ シャドウサイド』としてリニューアルするなど、同社原作の番組が計4本放送される。

 ゲームでは、3月に『二ノ国II レヴァナントキングダム』が、同社初となるPlayStation4(PS4)版とPC版の同時リリースという形で発売され、4月には同じく同社初となるNintendo Switch向けソフト『スナックワールド トレジャラーズ ゴールド』も登場する。矢継ぎ早に新作を発表する同社の今後の戦略を、レベルファイブの代表取締役社長/CEOの日野晃博氏に聞いた。

(聞き手/上原太郎、写真/佐賀章広)

2017年は自社の課題が浮き彫りになった年

――2017年はレベルファイブにとって、どのような1年でしたか。

日野晃博社長(以下、日野氏): 2017年中にリリースしようとしたものが、軒並み今年にずれ込んでしまうなど、会社の課題が浮き彫りになった1年でしたね。IP(ゲームやキャラクターなどの知的財産)を扱う会社としては、ものすごく大きくなっているのですが、成長に社内の体制がついていけない面が出てきました。

 加えて、IPビジネスで手いっぱいになってしまい、ゲーム開発における管理が甘くなるという、レベルファイブの弱点とも言える部分も浮かび上がってきました。

 クロスメディアタイトルは、ゲームだけでなくアニメや玩具も同時展開するため、絶対に外してはいけない商戦の時期があるんです。ゲームだけなら、開発が2カ月遅れたとしても、自社だけの問題で済むのですが、他の業界と連携を取っている中での2カ月の遅れは、自社だけでなく全体の収益率に影響するし、機会損失も出てくる。

 それを頭で分かっていても体で分かっていないというか。自分たちの置かれた立場がいかに重要か、まだ理解しきれていなかったんだと思います。それを再認識したというか、失敗して勉強させていただいたのが2017年でした。

 例えば、今年3月に『二ノ国II レヴァナントキングダム』で、初めてPS4版とPC版を世界同時リリースしたのですが、良い作品に仕上がったものの、作業は大変でした。IPを使ったクロスメディアのプロジェクトを整理して実行するに当たり、人数が不足していたのです。会社としてキャパオーバーに陥ってしまい、発売日が今年にずれ込む結果となりました。

 僕自身は、一気に人を増やして会社を大きくすることはあまり好ましくないと考えているのですが、まともな仕事をするためには、今年はさすがに人を増やさないときついかなと考えています。

――成長に伴う会社の課題が見えてくるなか、どのような対策を練っていますか。

日野氏: 現在、会社の意識改革を促すような施策を、次々と打っているところです。新人教育にもかなり力を入れていますし、プロジェクト管理にしても、いろいろな新部門をつくって、スケジュール管理の精度が高くなるような組織に変えようとしています。

 レベルファイブって、テレビアニメや映画をつくるにしても、美術なども含めた設定などを、全部社内でやっているんですよ。すごく制作に食い込んで映像作品をつくっているんです。もう既に、純粋なゲーム会社ではなくなっていて、IPホルダーとして、全体を統括する要素がかなり強まっているんですね。

 そういう中で、僕個人としてもかなり無理をしている面があるのですが、面白い提案をいただいたら、自分の許容範囲以上でも引き受けてしまう。ちょっといかんなとは思いつつ、やっぱり自分でやりたいと思ってしまうので。僕をサポートしてくれるような人間を今、社内でつくり始めていますが、自分の分身のような、ビジネスとクリエーティブの両面で立ち回れる二刀流の人材を育てるのは、なかなか難しいんですよね。

KONAMIはeスポーツに注力 早川英樹社長に聞く「鍵はコミュニティーの活性化」 キーパーソン激白! 進化するゲーム・ビジネス2018(日経トレンディネット)

 日本の主要ゲーム企業の一翼を担うコナミデジタルエンタテインメントの業績が好調だ。持ち株会社コナミホールディングスが発表したデジタルエンタテインメント事業(=コナミデジタルエンタテインメント)の2018年3月期予想は、売り上げ、利益ともに前年比プラスを見込む。

【関連画像】早川英樹(はやかわ・ひでき): コナミデジタルエンタテインメント 代表取締役社長

 家庭用ゲームでは、『ウイニングイレブン 2018』『スーパーボンバーマン R』が堅調に推移。モバイルゲームでは、『実況パワフルプロ野球』『プロ野球スピリッツA(エース)』が安定した人気を得ているほか、『ウイニングイレブン 2018』は大型アップデート効果もあって世界累計で9000万ダウンロードを突破した。

 同社を引っ張っているのは早川英樹社長だ。代表取締役社長に就任してから2018年4月1日で丸3年を迎える。2015年の就任直後のインタビューで、「『モノ』から『コト』へを意識したゲーム開発を進める」と語っていた早川社長。この3年間の成果、今注目しているゲームトレンドと、そこへの取り組みを聞いた。

(聞き手/吉岡広統 写真/中村嘉昭)

2017年の成果はこの3年の取り組みの賜物

――2017年(2018年3月期)の業績が好調です。昨年のトピックスと好調の背景を教えてください。

早川英樹社長(以下、早川氏): 1つは、昨年9月に開催された「東京ゲームショウ2017」で、『ラブプラス EVERY』や『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS:M∀RS』、『METAL GEAR SURVIVE』(2018年2月発売)といった新規タイトルの試遊でファンの方々に楽しんでいただけたことです。既存IP(ゲームやキャラクターなどの知的財産)の活用や、VR(仮想現実)をはじめとする技術導入など、新しい体験を届けるチャレンジを重視してやってきましたが、それをファンの皆様に広く見てもらえる良い機会となりました。

 2017年の成果は、この1年ですべてが実ったわけではなく、3年間かけて計画的にやってきたことが形になったということが大きいです。もともとKONAMIには、多くのお客様に、あらゆるデバイスでゲームを遊んでいただきたいというマルチデバイス戦略が、変わらぬDNAとしてあります。育ててきたIPをさまざまな場所に展開して、より多くお客様に遊んでいただこうとやってきたことが、2017年に成果として表れています。

 また、こうしたマルチデバイス展開を進める際、ハイエンド家庭用ゲームで技術力を磨くことは重要です。例えば、モバイルゲーム『ウイニングイレブン 2018』(2017年5月配信開始)は、家庭用ゲーム『ウイニングイレブン』シリーズのゲームエンジンで制作しています。今後、モバイルデバイスのハードウエアスペックが向上していくことを考えると、こうしたハイエンド家庭用ゲームへの投資を継続し、世界最高レベルのゲームをお客様に提供し続けることは必要不可欠です。PlayStation4(PS4)やNintendo Switch(以下、Switch)などのハードがグローバルで好調なことをみても、家庭用ゲームビジネスは引き続き重要だと考えています。

――その中で、うまくいった例を具体的に挙げるとすると?

早川氏: Switchのローンチタイトルとして出した『スーパーボンバーマン R』(2017年3月発売)です。Switchが2つのジョイコン(Joy-Con)を備えた家庭用ゲーム機ということで、その特性に合わせてクリエーターが企画を考え、それがお客様に受け入れられたということが成果として非常に大きかったと考えています。まさに我々が目指してきたことです。

――『ボンバーマン』は、キャラクターを動かしながら爆弾を設置して、爆風で敵を倒していくゲームですね。家庭用ゲーム機向けとしては久しぶりの新作です。

早川氏: サードパーティーのローンチタイトルとして唯一の完全新作だったということもあり、おかげさまで100万本出荷も視野に入っています。日本だけではなく、欧米をはじめとする幅広い地域で楽しんでいただいていますね。また、6月14日にPS4、Xbox One、Steam向けにも提供することが決まりました。

――『ウイニングイレブン』シリーズでは、モバイルゲーム『ウイニングイレブン 2018』や『ウイニングイレブン クラブマネージャー』のほか、有名サッカー選手のカードを集めて遊ぶシミュレーションゲーム『ウイニングイレブン カードコレクション』(2017年10月配信開始)がヒットしています。

早川氏: 『ウイニングイレブン クラブマネージャー』は、家庭用ゲーム『ウイニングイレブン』シリーズで磨いた技術を使い、監督シミュレーションゲームとして、戦略性をより高めていこうと生まれたゲームです。

 また、『ウイニングイレブン カードコレクション』は、有名サッカー選手のカードを集めて遊ぶコレクションと、育成にフォーカスしたゲームとなります。サッカーゲームの場合、人によって好きな遊び方や趣向が違うんですよね。アクションゲームをやりたい方もいれば、オンラインで対戦したい方、監督の目線でプレーしたい方、カードゲームのように遊びたい方などさまざまです。もともと弊社は家庭用ゲームでハイエンド向けアクションサッカーを中心に提供してきましたが、サッカーゲームを20年以上やっているなかでノウハウがたまってきたので、これをベースに異なるゲームジャンルが作れるようになりました。この3年間でその出口を広げられたのが1つの大きな成果だと思います。

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福岡から世界へ!アマチュアゲームクリエーターを表彰 シブサワ・コウ氏や日野晃博氏らがエール(日経トレンディネット)

 福岡ゲーム産業振興機構は2018年3月18日、第11回福岡ゲームコンテスト「GFF AWARD 2018」を福岡のエルガーラ大ホールで開催し、優秀賞と大賞の発表と表彰式を行った。

【関連画像】コーエーテクモゲームスのシブサワ・コウ氏とレベルファイブの日野晃博社長によるトークショーも行われた

 ゲームソフト部門の大賞を受賞したのは、アミューズメントメディア総合学院に在学中の5人で結成したTeam.SC制作の『SACRED FOUR』。鎖のような武器を振り回してモンスターを倒していくVR(仮想現実)アクションゲームで、メンバーは「面白いものを作ろうという勢いだけでやってきたが、それを評価されてうれしい」と喜びを語った。

 ゲスト審査員のコーエーテクモゲームスのシブサワ・コウ氏は、応募作全体を通じて「アイデアが光っているタイトルが多かった」と評価。福岡ゲーム産業振興機構の委員長で審査員も務めたレベルファイブの日野晃博社長は「ものづくりにちゃんと取り組んでいる方々が参加してくれていると感じた。これから良いものを作って、ぜひ僕たちの業界の仲間になってください」と参加者全員にエールを送った。

 主催の福岡ゲーム産業振興機構は、九州・福岡のゲームソフト制作関連会社による任意団体GAME FACTORY’S FRIENDSHIP(GFF)と九州大学、福岡市の3者が、福岡を世界的ゲーム産業拠点にすることを目的に2006年に設立。全国的にも珍しい産・学・官が連携したゲーム関連団体だ。2008年に始まった本アワードも年々成長しており、今年は3部門合わせた応募数が1492作品と、過去最大規模になった。

 その中でも、ゲームソフト部門へのエントリー数は前年比115%の292作品で、日本最大規模のアマチュアゲームコンテスト「日本ゲーム大賞アマチュア部門」の409作品(2017年)に迫る規模になっている。加えて今年は、ゲーム制作の根幹を担う「プランニング」の重要性に注目し「ゲーム企画部門」を創設するなど、新たな取り組みも行った。

 「地元・福岡で優れたゲームを生み出し続けるための人材を育成・確保することと同様、国内全体のゲーム制作能力の底上げも意識している」とある関係者。実際、国内のほぼすべてのゲーム関連の教育機関に毎年案内書を送付し、全国からの参加を促している。こうした姿勢が参加者などにも評価され、徐々に規模が拡大してきたと言える。GFF AWARDが アマチュアゲームクリエーターの大きな登竜門として、位置づけられる日も近いかもしれない。

(文/上原太郎)

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フジ復活の兆し 異彩放つ『Mr.サンデー』の熱量(日経トレンディネット)

 3月末で、長年フジテレビを支えてきた『とんねるずのみなさんのおかげでした』と『めちゃ×2イケてるッ!』の2番組が終了する。『みなさん』は前身番組から数えて約30年、『めちゃイケ』も『めちゃモテ』時代を含めて約23年も続いた長寿番組だ。フジテレビは今、「月9」などのドラマでも苦戦が続いている。

【関連画像】フジ復活の兆し 異彩放つ『Mr.サンデー』の熱量

 ここ数年、ネットニュースでは毎日のようにフジテレビの凋落ぶりが伝えられている。「末期症状」「瀕死状態」といった厳しい言葉も躍る。フジテレビのバラエティ番組やドラマを見て育った世代としては正直、見ていて辛くなる現状だ。

 だが、“フジテレビ復活”の兆しは、かつて業界を席巻したバラエティやドラマではなく、意外にも情報系番組にあるのかもしれない。そう思わされたのは、毎週日曜22時に放送している『Mr.サンデー』の独自特集に、作り手の尋常ならざる“熱量”を感じたからだ。

 1月21日放送の特集「電車内で緊急出産 その時、乗客は見た!」は、同業者から見て「一体、どうやって撮ったんだ!?」と目を疑うような内容だった。放送の2日前に起きたJR常磐線の電車内で妊婦が出産したニュースを受け、わずか1日足らずで関係者への取材を元に「再現ドラマ」を撮影していたのだ。

 再現ドラマを作るには、想像以上に手間がかかる。撮影プランを立て、スタジオセットやロケ場所の確保、役者・衣装・メイク・小道具などの美術といったさまざまな準備が必要だ。ワンカットずつ照明やカメラポジションも変更して撮影し、それらの素材を編集してナレーションや音楽をあててようやく完成する。

 それを『Mr.サンデー』は、ほぼ1日でやってのけていた。しかも、そんな短期間で作ったとは思えない、普段の特集と変わらぬクオリティだった。宮根誠司キャスターもVTRを見て思わず、「この再現ドラマ、1日で作ったの? 本当に!?」と目を丸くしていた。私も同感だ。業界の常識では考えられないことなのだ。ほかの番組なら、めくりボードやモニター演出で済ませてもおかしくないだろう。

 これまでも『Mr.サンデー』は、埋もれたニュースを再現ドラマ化して見せてきた。そうした積み重ねがあるからこそ、1日足らずであのようなVTRを作ることができたのだろう。ウィークリーのワイドニュース番組は、その週の主な出来事を振り返るVTRとスタジオコメントだけでも十分に成立する。実際、そうした番組がほとんどだが、あえて手間のかかる演出を貫く姿勢に作り手の矜持を見た。

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東京タワーの展望台が刷新 入場料2800円は高い?(日経トレンディネット)

 2018年3月3日、東京タワーの特別展望台がリニューアルオープンした。東京タワーにある2つの展望台のうち、高さ250メートルの位置にある特別展望台を「トップデッキ」に名称変更。これまでは当日券を購入して入場する仕組みだったが、改装後は日時を指定して事前に予約する体験型の「トップデッキツアー」に変わった。景色を楽しむだけでなく、アテンダントとともに東京タワーや東京の歴史を学ぶというものだ。

【関連画像】東京タワー。円筒状の部分が今回リニューアルしたトップデッキ

 以前は特別展望台へ向かうエレベーターに長い行列ができていたことも多かった。だが、事前予約制になったことで待ち時間なしで行けるようになったのは観光客にとって大きなメリットだろう。チケットは高校生以上が2800円。リニューアル前の料金1600円のおよそ2倍近い料金だ。一体どんな施設になっているのだろうか。

入場前にはドリンクサービスも

 トップデッキには予約時に発行された二次元コードを使って入場する。1階に新設された「トップデッキレーン」で二次元コードを提示すると受け付け完了だ。入場時に渡されるのは日本語を含む13言語に対応したスマートフォン型の音声ガイド端末。音声だけでなくテキストも表示されるのが便利だ。

 まずは高さ150メートルの位置にある展望台「メインデッキ」へ。メインデッキにはトップデッキツアー参加者専用のゲートがあり、そちらを通過すると「タワーギャラリー」に案内され、東京タワーの建設風景や東京名所の新旧の姿などを見学できる。そのあとは「シークレットライブラリー」というエリアへ案内されるのだが、その名の通り、内容はシークレット。ぜひ実際に足を運んで体験してもらいたい。

 いよいよトップデッキに向かうため、専用エレベーターの搭乗口「プラットフォーム」へ進む。このエリアではアテンダントによるドリンクサービスがある。ドリンク代は入場料に含まれているが、このようなサービスはほかの展望台にはあまりないだろう。

●改装で以前より明るい印象に

 シースルーエレベーターに乗り込み、最終目的地であるトップデッキに到着。ジオメトリックミラーを使った内装が特徴的で、以前と比べてかなり明るくなった印象だ。大きな窓から見る東京のパノラマにしばし見入ってしまう。

 到着後はまず一周して景色を楽しんでから、音声ガイドを使いながらもう一周するのがおすすめだ。入場は予約制だが特に時間制限は設けていないので、好きなだけ景色を眺めるといいだろう。下りのエレベーターに乗る人には呼び出し振動端末を配っているが、これはエレベーターに並ぶというムダな時間をなくし、存分に景色を楽しめるように配慮しているからだろう。最後にメインデッキに立ち寄ってツアーは終了だ。あっという間だったが、至近距離で東京の風景を堪能できるのが東京タワーの魅力であると改めて感じた。2800円という金額も決して高くはないのではないだろうか。

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VRは先行者が勝つ ゲーム会社「gumi」が狙うハイエンドでのヒット作(日経トレンディネット)

 オリジナルタイトルの『ブレイブ フロンティア』『ファントム オブ キル』、スクウェア・エニックスと組んだ『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS』など、スマートフォン向けのモバイルゲームを中心に年間約260億円(2017年4月期)を売り上げる中堅ゲーム会社のgumi。ここ数年はVRへの積極投資を行っていることで注目されている。日本、韓国、北欧でインキュベーション(起業や新事業の創出支援・育成)を行い、自らVRマーケットの底上げを図る。

【関連画像】『ファントム オブ キル』

 2014年12月に東証1部上場し、そのわずか数カ月後に、年間営業利益が赤字見通しであることを発表、株価が急落した「gumiショック」が大きな話題になったが、2017年4月期の営業利益は16.5億円と復調している。今期(2018年4月期)から来期(2019年4月期)に向けて、國光宏尚社長はどのような戦略で舵取りをしていくのか。

(聞き手/吉岡広統、写真/辺見真也)

この1年、一番しんどい時期は脱した

――2017年は、gumiグループにとってどんな年でしたか? 良かったところ、悪かったところを教えてください。

國光宏尚(以下、國光氏): :まず、モバイルゲームに関しては、国内の市場が成熟してきている一方で、競争環境について言えば、一番しんどい時期は過ぎたのかなと思っています。モバイルゲームは、1本を作る開発期間が大体2年ぐらいで、開発費が5億円から10億円ぐらいというのが相場です。さらに広告費も同じくらいかかります。投資額が大きくなってきているので、大手ゲーム会社以外は、なかなか戦えない状況です。一時期みたいに、月に何百本も新規タイトルが出てくるという圧倒的な過当競争ではなくなってきたので、質が高い良いゲームを出していれば、しっかりと成果が残せるような環境にはなってきたのかなと感じています。

――そういったなかで、gumiの2017年は成果を残せた。

國光氏:  そうですね。自社のオリジナルタイトルでは、『ファントム オブ キル』や『誰ガ為のアルケミスト』、他社のIPを使ったゲームではスクウェア・エニックスさんと共同開発した『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS』(注1)が引き続き好調でした。ただ、こうした旧作が良かった半面、新規のオリジナルタイトルは、なかなか難しいところがありました。

注1:『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』(販売/配信元:スクウェア・エニックス)の開発運営を子会社のエイリムが担当

――2017年は、「はじける ぶっとびアクション」とうたったアクションRPGの『スマッシュ&マジック』(7月19日配信開始)、女性向けの『カクテル王子(プリンス)』(7月24日配信開始)、3DアクションRPG『セレンシアサーガ:ドラゴンネスト』(8月16日配信開始、注2)と3つのタイトルがリリースされましたね。

國光氏:   弊社の大きな戦略で言うと、オリジナルタイトルのゲーム性の部分でチャレンジングな取り組みをして、新たなゲームエンジンを生み出し、それを武器に他社IPとのコラボレーションでさらに収益を上げていくというのが、一つのやり方になっています。

 『スマッシュ&マジック』は、『モンスターストライク』の気持ち良さとは違った、3Dならではのアクション性を追求したオリジナルタイトル。『カクテル王子(プリンス)』は、ギークスさんと一緒に取り組んでいるタイトルですが、弊社の経験がない女性向けというジャンルへの挑戦。また、『セレンシアサーガ』は、(スマートフォンの)タッチパネルのバーチャルパッドで、コンソールゲームのようなアクション性をどこまで追求していけるかにチャレンジしています。

 こういうゲームのメカニック的なところで新たな挑戦をするゲーム会社は多くないので、その中で見えてきたことを基に、「これに合うIPってなんだろう」と考え、そのIPの版元さんと一緒にやりましょうと話をする。実際、『ブレイブ フロンティア』(2013年配信開始)がヒットして、このエンジンを生かしてスクウェア・エニックスさんと一緒につくったのが、『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS』です。

注2:『セレンシアサーガ:ドラゴンネスト』は、2018年2月14日にサービス終了を告知

――ただ、2017年の3タイトルについては、まだ模索している部分もある。

國光氏:   問題点は見えています。例えば、『スマッシュ&マジック』は、一定のファンをしっかりつかんでいるのですが、マネタイゼーションのループのところが課題。以前のスマホゲームほど初期ユーザー数を確保しにくいなかで、ARPU(Average Revenue Per User/ユーザーあたりの課金)をいかに上げるかということです。

女性監督の活躍が目立った第68回ベルリン国際映画祭(日経トレンディネット)

 ベネチア、カンヌと並び、世界三大映画祭と称されるベルリン国際映画祭。2月15日から25日にかけて開催された今年のベルリナーレでは、コンペティション部門のオープニングにウェス・アンダーソン監督の『犬ヶ島』が、パノラマ部門のオープニングには行定勲監督の『リバーズ・エッジ』が上映された。

【関連画像】記者会見で審査員の一人として質問に答える坂本龍一 (c) yuko takano

 アンダーソン監督が邦画への敬意を込めて製作したと語る『犬ヶ島』は、1コマずつ動かしながら撮影したキャラクターを動いているように見せるストップモーション・アニメーション作品。“犬インフルエンザ”のまん延を阻止するために「ごみの島」に隔離されてしまった愛犬を助け出そうとする少年の物語となっている。日本を舞台にした作品ということで、声優陣には夏木マリ、野田洋次郎ら日本人も参加。ビル・マーレー、ティルダ・スウィントンらと共にベルリン入りした。

 また、『リバーズ・エッジ』からは行定監督と、主演の二階堂ふみ、吉沢亮の3人がベルリン入り。映画は1990年代にヒットした岡崎京子の漫画が原作で、空虚な若者の心理を涙とバイオレンスでつづる群像ドラマとなっている。「見た人に考えさせるような映画をつくりたい」と語った行定監督の姿勢が評価されたのか、同作品は国際批評家連盟賞を受賞した。

 一方、「審査員に選ばれ、エキサイトしています。政治的な価値観ではなく、芸術的な視点から映画を評価したいと思います」と記者会見で語ったのは、ミュージシャンの坂本龍一。『ラン・ローラ・ラン』(1988年、独)で知られるトム・ティクバ監督を審査員長に、世界各国から選ばれた男女6人のメンバーの一人として審査員を務めた。

金熊賞はルーマニアの女性監督作品が受賞

 コンペティション部門19作品から最高賞である金熊賞に選ばれたのは、ルーマニアのアディナ・ピンティリエ監督が手掛けた『タッチ・ミー・ノット』だ。人との接触に恐怖を覚える中年女性を主人公に据えた作品で、人間にとっての親密さとは何かを問い掛ける。ドキュメンタリー形式だがドキュメンタリーではなく、フィクションとノンフィクションの境界線を行く作風。ショッキングな映像も含め、何もかもが斬新で実験的な映画だ。

 審査員グランプリにはポーランド映画の『マグ』が選ばれた。こちらはマウゴシュカ・シュモフスカ監督の作品で、交通事故に遭い、ポーランド初の顔面移植手術を受けた主人公が、人生の軌道修正を迫られるという物語となっている。

 映画の新境地を開いた作品に贈られるアルフレッド・バウアー賞にはパラグアイ映画、マルセロ・マルティネッシ監督の『女相続人』が選ばれた。パラグアイという国自体、ニュースや映画の話題になることが少ない。まだまだ男女平等からは程遠い南米の小さな国の現状を、女性たちの視点から描いたことで共感を呼んだ。

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