第18回アジア競技大会にeスポーツ日本代表が出場 スポンサーも決定(日経トレンディネット)

8/18(土) 11:00配信

日経トレンディネット

 2018年8月9日、都内にて第18回アジア競技大会 eスポーツ競技日本代表選手壮行会および日本eスポーツ連合活動計画 記者発表会が開催された。日本代表選手やスポンサーを紹介するとともに、今後選手を派遣する予定の大会についても明らかになった。

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 第18回アジア競技大会は、ジャカルタのパレンパンで8月18日に開幕する。eスポーツはデモンストレーション種目として試合が行われ、『ウイニングイレブン2018』(コナミデジタルエンタテインメント)、『クラッシュ・ロワイヤル』(フィンランドSupercell)、『ハースストーン』(米ブリザード・エンターテイメント)、『スタークラフト2』(米ブリザード・エンターテイメント)、『リーグオブレジェンド』(米ライアットゲームズ)、『アリーナオブヴァラー』(中国テンセント)の6タイトルが採用されている。

 日本では『アリーナオブヴァラー』を除く5タイトルで日本代表選考会を行い、選ばれた選手が東アジア予選に出場した。このうち『ウイニングイレブン2018』の杉村直紀選手と相原翼選手、『ハースストーン』の赤坂哲郎選手が予選を突破。アジア競技大会本戦に進んだ。

●eスポーツと無関係の企業がスポンサーに

 壮行会では日本代表選手の紹介と共に、au、サントリー、ローソン、サードウェーブデジノス、ビームス、インディードの6社が公式スポンサーに決まったことが発表された。各企業はそれぞれのカテゴリーで支援を行う予定だ。

 注目は、ビームス、ローソン、サントリー、インディードの存在。これまで、eスポーツ大会やプロ選手などのスポンサーは、ゲームやPCなどeスポーツに関連する分野の企業がほとんどだったのに対し、これら4社はeスポーツと直接関わり合いがない企業。純粋にスポンサードすべき対象としてeスポーツを選んだと考えられる。eスポーツがゲーム業界の枠を超えて一般に浸透してきた兆しと見ることができそうだ。

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アバター警察・VR結婚… VRChatの「カオス」な楽しさ(日経トレンディネット)

8/14(火) 11:00配信

日経トレンディネット

「VRChat」というアプリをご存じだろうか。名前からも分かるように仮想空間で音声チャットなどが楽しめるアプリで、ユーザー同士のコミュニケーションは自分のアバター(分身・化身)を通じて行う。映画『サマーウォーズ』や『レディ・プレイヤー1』の世界をほうふつとさせるが、実際はどうなっているのか? ライターの田中一成氏に潜入してもらった。

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 「日本語を上達させるために、ここでよく遊んでいます」

 米国出身のブロンドヘアーの美少女。彼女が日本語でつっかえながらも、私にそう話した。しかし、声は男性だ。というのも、私たちが今話している場所は現実世界ではなく、仮想空間「VRChat」内である。つまりPCを通じてコミュニケーションしているのだ。アニメ風の美少女アバターを使用した男性ユーザーが少なくない。ご多分にもれず“彼女”もそうであった。

 VRChatは世界中のユーザーとコミュニケーションできる「ソーシャルVRサービス」だ。そのアプリはPCに無料でダウンロード可能で、そのタイトル名とは裏腹に、VR環境がなくても楽しめる。2017年2月1日にアーリーアクセス版がリリースされ、2018年2月にはユーザー数が300万人を突破した。日本ではYouTuberのVRChat動画が人気を博したことにより、認知が広がっている。

 VRChatは、まさに人間社会の縮図だ。そこでは、現実世界で起こるたあいのないコミュニケーションから社会問題までもが発生していた。今回は筆者自らプレーした体験、ユーザーに取材して得た情報からVRChatの実態にせまっていく。

アバター販売で100万円以上稼ぐユーザーがいる

 VRChatではさまざまな格好をしたアバターが存在する。ホームメニューから選べる標準アバターから、さまざまなワールド(=ユーザーの集まり、コミュニティー)内で無料取得できるオリジナルアバター、人気アニメ・ゲームのアバター(後述するが、これはVRChat内で問題になっている)など。またアバターを一から作ることも可能だ。しかし制作には、モデリングソフトを使いこなす技術と、デザインセンスが必要である。初心者にとってはハードルが高い。

 そのため、デザイン性に優れた有料アバターが販売され、それを購入する文化ができているという。8月26日にはVRChat内で3Dアバター・3Dモデルの展示会、そして販売を行う「バーチャルマーケット」も開催される。

 一般的な有料アバターの価格は1000円~数万円までと、ピンキリだ。有料アバターを販売するユーザーの中には、オーダーメードの発注を受ける者もいる。その価格は1体10万円以上になることも少なくない。このようなアバターの有料販売を通じ、100万円以上稼ぎ出すユーザーもいるというから驚きだ。

 「有料アバターは一見高額に思えるかもしれないですが、Steam、Unity(※)を使っているユーザーにとって、価値ある技術に対価を払うのは当たり前のことです。そうした背景もあって、VRChatでは独自の金銭感覚が形成されていると思います」とあるユーザーは語ってくれた。

※Steamは主にPC向けゲームのダウンロード販売と利用者同士の交流を目的としたサイト。Unityはゲームの開発を支援する統合開発環境。効率的にゲームが開発できる。

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観客が「劇場で絶叫」で大ヒット 映画『バーフバリ』(日経トレンディネット)

8/8(水) 12:00配信

日経トレンディネット

  「バーフバリ ジャイホー(万歳)!」。劇場で観客が突然こう叫び出す。その声に他の観客も呼応し、大合唱に。こんな驚きの出来事が全国の劇場で起こっている。その熱狂の発生源は、インド映画『バーフバリ』だ。

【関連画像】圧倒的スケールで架空の王国を映像化。前編は約31億円、後編は約42.5億円という、インド映画史上最高額の製作費をかけた映像美は圧巻だ(C)ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.

●SNSで拡散、ロングラン上映

 1作目の『バーフバリ 伝説誕生』が日本で封切られたのは2017年4月。8館での上映にすぎない「無名映画」だった。しかしその後、後編『バーフバリ 王の凱旋』が12月に公開されると、叫んで応援できる「絶叫上映」の様子がSNS(交流サイト)で拡散。公開館も増え、国内興行収入は1億5000万円を突破。ロングランを続ける。

 バーフバリ2部作は、古代インドの架空の国を舞台に、2代にわたる王の座を巡る闘争を追う歴史大作だ。インド映画史上最高額の巨費を投じたスケール感に加えて、親子愛や兄弟の確執、嫁姑問題などが絡み合う家族ドラマでもあり、恋愛ドラマでもある。

全編にわたり常時クライマックス状態

 「圧倒的な力の世界の『北斗の拳』と、神話的壮大さを持つ『聖闘士星矢』に加え、どろどろした『昼ドラ』の要素を備えた全部盛り」(塚口サンサン劇場の戸村文彦氏)だ。しかも、全編にわたり常時クライマックス状態が続き、興奮が止まらない。

 主人公の強さも人気の要因。社会が複雑化するなか、ハリウッドでは完全無欠のヒーローは絶滅寸前で、葛藤をあえて見せることが定石に。一方、バーフバリは卓越した知力と体力を備え、迷いがない。今や稀有な「真のヒーロー」に人々は心を奪われた。

  加えて、「女性が気高く強いことも、現代人の共感を呼んでいる」と、映画評論家の江戸木純氏は分析。例えば、バーフバリの妻となる小国の姫デーヴァセーナが、大国の横柄な要求を一蹴するシーンは爽快だ。

  前代未聞の娯楽大作が誕生した背景には、インドの映画製作の変化がある。従来、中心地といえば「ボリウッド」と呼ばれる北部のヒンディー語圏だった。だが、最近では南インドも台頭。「近代化した北部は洗練された作品が増えている一方、南部はパワフルで、『映画=娯楽』という昔ながらの気風が残る」(アジア映画研究者の松岡環氏)。古風だが新しい風が怒涛のエンタメを生んだ。

  クチコミを誘発する上映手法も起爆剤になった。後編公開時には「絶叫上映」を連続実施。絶叫に加えて紙吹雪などを投げて応援できるインド映画でなじみの「マサラ上映」も話題に。配信が始まり、劇場に行かずに見られるが、「大勢で見ることでより盛り上がる一体感がクセになる」(参加型上映を企画するV8Japan)というように、劇場ならではの醍醐味を求めてリピーターが続出した。6月1日からは、26分の映像を加えた『王の凱旋〈完全版〉』が公開。バーフバリ旋風はまだ吹き荒れそうだ。

(文/日経トレンディ編集部)

※日経トレンディ 2018年7月号の記事を再構成

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チャック・ノリスが共産主義を倒した? 東欧の衝撃作『チャック・ノリスvs.共産主義』 佐々木健一「TVクリエイターのミカタ!」(日経トレンディネット)

「エンターテインメントは、世界を変える」

 そのことを実感させてくれる作品がある。タイトルは、『チャック・ノリスvs.共産主義』(2015年)。日本での上映はなく、DVDレンタルもされていない。現在、Netflixでのみ見ることができるルーマニアのドキュメンタリー映画だ。「夏休み中に何か思い出に残るような一作を見たい!」というならぜひ、この作品をオススメしたい。

【関連画像】チャック・ノリスが共産主義を倒した? 東欧の衝撃作

 まず、「チャック・ノリス」と聞いて胸が熱くなるのは、私と同じ40歳以上の男性がほとんどだろう。1980年代、シルベスター・スタローン、アーノルド・シュワルツェネッガーと並んで“アクション・スター御三家”の一人に数えられた人である。

 しかし、時代の移り変わりと共に、彼はインターネット世代の間で交わされるジョークの対象となった。いわゆる“チャック・ノリス・ファクト(チャック・ノリスの真実)”と呼ばれる、常識外れの強さや完璧さを語るジョークだ。

「チャック・ノリスは、腕立て伏せをするとき、自分の体を押し上げるのではない。世界を押し下げるのだ」

「チャック・ノリスは呼吸するのではない。空気を人質に取るのだ」

「チャック・ノリスは死を恐れてなどいない。死が彼を恐れているのだ」

 定型文に当てはめ、彼の偉大さを過剰に称えるジョークは、最近の日本でいえば、「大迫半端ないって」に近いだろうか。2000年代半ば以降、「チャック・ノリス」の名は、彼が活躍した80年代を知らない若者の間でも“伝説”(ネタ)として語られるようになり、全米はおろか、世界中に拡散した。

 そうした背景があって付けられた『チャック・ノリスvs.共産主義』というタイトル。だが、本作はれっきとしたドキュメンタリー作品だ。当然、彼が一人で共産主義と闘う物語ではない。正しくは、「ハリウッド映画が独裁政権を打ち倒した」という話なのである。

チャック・ノリスも彼を拷問するベトナム兵も同じ女性の声

 本作で描かれるのは、ニコラエ・チャウシェスクの独裁政権が続く1980年代の東西冷戦期のルーマニア。配給による食糧も乏しく、人々は貧しく、暗い生活を続けている。共産主義国のルーマニアでは、西側メディアの娯楽作品の鑑賞も厳しく禁じられていた。

 そんな中、人々の間にはひそかにハリウッド映画の海賊版VHSテープが出回り、夜な夜なマンションの一室などで鑑賞会が開かれていた。ビデオの画質は度重なるダビングで劣化し、吹き替えはいつも同じ女性の声。例えば、チャック・ノリスの声も、彼を拷問するベトナム兵の声も、すべて同じ一人の女性が弁士のように何役も演じていたという。

 このドキュメンタリーに登場するのは、いずれも名もなきルーマニア市民だ。彼らの共通点は当時、地下流通していたハリウッド映画の海賊版を見ていたということ。誰もが興奮気味に、その初々しい映画体験を熱く語る。

 シルベスター・スタローン主演の『ロッキー』(1977年)を見た後には、全身に力がみなぎり、早朝にランニングする若者が街にあふれた。アル・パチーノ主演のカルト的傑作『スカーフェイス』(1984年)で、豪勢な食事が並ぶテーブルの上に俳優が投げ飛ばされる様子を見て、「西側諸国はなんて豊かなんだろう」と驚いたという。映画で見たローマ皇帝・暴君ネロと独裁者チャウシェスクの姿が重なって見えたと証言する者もいた。

 人々は、ノイズだらけの画面の向こうに、次第に憧れや希望を抱くようになった。ハリウッド映画を通して「自由」という概念を知るようになったのだ。だが、政府の監視は厳しく、近隣住民が集まって行われる上映会は度々警察に踏み込まれ、連行される者が後を絶たなかった。だが、そんな危険を冒しても、人々は映画を求めた。

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海外ファンを取り込むフジテレビのアイドル戦略 TOKYO IDOL FESTIVAL総合Pに聞く(日経トレンディネット)

タイ・バンコクにおいて、日本最大級のアイドルフェスティバルであるTOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)シリーズの海外編が初開催された。2018年4月27~29日のことだ。大手国内アイドルフェスの@JAMシリーズに続く、大規模フェスの海外展開になる。国内で実績を積み上げてきたTIFが、ここに来て海外進出を推し進めようとする狙いはどこにあるのか。昨年からTIFの総合プロデューサーに就任し、今回のTIF in BANGKOKのプロデューサーでもあるフジテレビジョンの菊竹龍氏にその真意を聞いた。

【関連画像】日本のアイドルグループ、愛乙女☆DOLL(ラブリードール)。“かわいい系”代表のアイドル、 TIF in BANGKOKのステージにて

●2020年をゴールにしたストーリーの起点

――今回、TIFとしては初の海外進出となりましたが、このタイミングで海外に展開するキッカケが何かあったのでしょうか?

菊竹龍氏(以下、菊竹): アイドルフェスとしてはすでに@JAMさんが先駆けて海外展開されていて、総合プロデューサーの橋元さん(橋元恵一氏、Zeppライブ)からは、収益面でなかなか厳しいことを以前から聞いていたこともあり、TIFとしてはなかなか踏み出せずにいました。ただ、きちんと2020年を一つのゴールに設定してTIFのブランディングを構築していく時に、2020年にいきなり何かをやるのではなくて、今年2018年からストーリーを作って3カ年で2020年につなげていきたいと考えました。そのストーリーの起点として今回踏み出したということです。

――最初の地にタイを選ばれたのは、何か理由があるのでしょうか?

菊竹: 実は昨年のTIFで海外チケットを購入した人が一番多かったのがタイだったんです。そこで、まずはマーケティング的にタイがアイドルシーンにもっとも親和性が高いと考え、第一候補に挙がりました。さらに、もともと親日的な国として潜在的なマーケットの可能性が高いことと、ここ最近のBNK48(注)さんの台頭が判断の要素として影響しました。

(注)BNK48:AKB48をプロデュースする秋元康氏が総合プロデューサーを務めるタイのアイドルグループ。AKB48グループの一つで、2017年から活動を開始し、現在はタイ国内で絶大な人気を誇っている

――“潜在的な可能性”とBNK48について、もう少し詳しく教えていただけますか?

菊竹: 基本的にタイの方は日本文化が好きです。もともと日本にとってそういう潜在的なマーケットの可能性があるところに、ちょうどK-POPアイドルの人気が沈静化した状況も加わり、今がまさにその時と考えました。韓流ブームの反動もあって、これからタイでは、日本のアイドルブーム初期のころのような女の子っぽいアイドルがウケるようになると考えました。だから、今回タイに参加してもらったアイドルグループは、愛乙女☆DOLL(ラブリードール:ラブドル)さんやネコプラ(TIF初出演、海外初遠征の感想をインタビュー。後半のコラムを参照)さんといった、いわゆる“楽曲派”ではない王道アイドルの方々を中心に出演オファーしました。

 また、BNK48さんについてですが、タイのアイドル市場も含めて最新の情報は、タイで以前から付き合いのあるアーティスト事務所を通じていろいろ話を聞いていました。そこから、どうやら本格的に「BNKがすごいらしい」という情報を得ました。今や、タイのアイドル市場ではBNK48さんが1強となっているようです。また、これに伴い、48グループさんや46グループ(乃木坂46や欅坂46など)さんの人気も非常に高くなっていることが分かりました。

●AKBグループを軸にしたキャスティングとSNSで集客

――現地での集客はどのようにしたのですか?

菊竹: このように、タイのアイドルシーンがBNK48さんを中心に盛り上がっていると感じたので、まずは「48グループさんとタイならではの企画を考えたい!」ということで、NGT48(新潟のAKB48グループ)さんとJKT48(インドネシア・ジャカルタの48グループ)さんに声をかけ、さらにBNK48さんとそれぞれ毎日コラボする展開を考えました。タイでは、このように48グループさんが3組も集まることは初めて。それが現地で大きな話題を呼びました。

 大変多くの集客ができた(フジテレビ発表値で1万5000人)一番の要因は、こうしたキャスティングによるものじゃないかと思っています。また、日本から連れていったほかのアイドルグループさんも無作為に選んだわけではなくて、地道にタイでワンマンライブなどを開いているアキシブprojectさんやラブドルさんなどを選んでいます。

 プロモーション自体は、タイではSNSメディアとしてFacebookが最強ということもあり、そこをベースにBNK48さんの拡散力を利用して記者会見の映像などを流しました。そうすると、これが何万回も再生もされたんです。さらに、タイの若者文化の特性なんでしょうが、日本に比べて「いいね」や「シェアする」ことのハードルが大変低いので、あっと言う間に何万シェアもされるという効果も出てきました。

――タイのアイドルファンの様子はいかがでしたか?

菊竹: 日本から来てくれたファンの何十倍ものタイの方に来場していただけたので、会場はものすごい熱気に包まれました。これは「現地でファンを獲得したい」という僕の狙い通りだったので、大変ありがたかったです。そうした様子をじかに肌で感じたことで、市場の未来が見えた気がします。

●アイドルの海外進出の第2段階に入ったアジア

――アイドルの立場から見た場合、海外進出の意義ってなんでしょうか?

菊竹: 僕はアイドルの運営さんではないので実際は語れる立場ではないんですけれど、これまでのアイドルの海外展開って、日本でのプレゼンス向上が大きかったんじゃないかと思うんです。要するに、「○○○○というイベントで海外展開しました」とか、「わたしたちは海外でもこんなに人気なんです」といったような日本国内に向けたアピールですね。だから、赤字でも海外遠征を続けてきたと思うんです。

 それがここにきて、現地でアイドルがマネタイズできる気配が濃厚になってきている。これはすごくいい傾向なんです。今回のバンコクでも、アイドルの物販が飛ぶように売れていました。日本の価格とほぼ同じ設定をしているところが多かったので、タイと日本の物価の違いを考慮すると、これは驚くべきことだと思います。今回は入場無料だったのですが、次回からは有料で集客できると確信したのは、そういうところからです。アイドルのアジア進出はいよいよ次のステージへ入ったんじゃないかと思っています。

●今後の課題はマネタイズと評価の“見える化”

――TIFの海外展開について今後はどのようにお考えですか?

菊竹: 来年以降もやりたいと考えています。どこで開催するかが大きなポイントですが、TIFの海外チケット販売数から言うと第2位の中国が候補に挙がります。都市は上海あたりが良いと思っています。中国市場については、すでにいろいろ調べています。バンコクのBNK48のような強力なグループが存在するわけではなく、日本のような地下アイドルグループがいっぱいあって、現在でもどんどん生まれつつあるんですよ。

――課題は何かありますか?

菊竹: 課題だらけで、語り尽くせないくらい反省点が出てきますね(笑)。まぁ、もっとも大きな反省点はがっつり赤字なことですね(笑)。ただ今回は、2020年に向けたストーリーの起点として開催する意義もありましたから、そこら辺の評価は総合的に判断すべきと考えています。

 あとは、日本のアイドルがタイの人たちに受け入れられている状況をもっと目に見えて分かるようにしてあげたいというのもあります。例えば将来的に、オフィシャルファンクラブツアーなどを作ってパッケージ化し、日本からアイドルが行くとこんなに熱狂的に現地に受け入れられて、ちゃんと収入も得られるということをアイドル運営さん側にもっと分かりやすくしたいと思いますね。

●アイドルをアニメ、ゲームに続く日本の柱に

――2020年をゴールにして、具体的に何をしていくのでしょうか?

菊竹: 今は、オリンピック開催期間のど真ん中でTIFをやりたいと思っています。実際できるかどうかは自信ないですけど(笑)。ただし、2020年だけで収益を上げようとは思っていないんです。今回、海外展開して初めて分かったんですけど、「海外に日本文化を持っていく」となった時に、現地の人が期待するのはやはりアニメとゲームなんですよね。僕は、そこにアイドルを加えたいんです。

 2020年には全世界がお台場を注目してくれるので、そこに向けてTIFをぶつけていく。「日本のアイドル文化ってすごいな」「日本はやっぱりアニメ・ゲーム・アイドルだよね」って言ってもらえるように、アイドルをアニメ、ゲームに続く日本の海外展開やインバウンドの柱にできれば、今後、日本のアイドル界は安泰ですよね。そこが今のゴールです。

――そのためのTIFということですね。

菊竹: そうです。アニメやゲームの海外マーケットの大きさは半端ないですからね。マーチャンダイジングをやっていた経験から、アニメの『ONE PIECE』や『ドラゴンボール』の海外物販に伴うロイヤルティー収入の大きさを目の当たりにしていて……。きっと『ポケットモンスター』や『妖怪ウォッチ』『ドラえもん』などの知的財産権による収入もものすごいと思います。

 だから、アイドルもそうなってくれたらいいなと考えています。タイで市場調査をしたところ、アニメや映画の登場人物のフィギュアなどは日本より高い価格で売られていても、バンバン売れるんです。もう、ファンが買い漁って行くような状況。だから、確かにそこに可能性はあるんです。僕は、それをアイドルに引き寄せたい。アイドルをアニメ、ゲームに続く柱にしたいって考えているんです。

初海外遠征のアイドルグループ ネコプラに現地の印象を聞く

ネコプラ

前身のNECO PLASTICは2016年12月から活動を開始し、メンバーの脱退を経て2017年10月に活動を休止。その後、事務所を移籍し、グループ名も「ネコプラ」として2017年11月から活動を再開。現在のメンバーは、ゆきの、ゆい、ゆりな、みく、ももの5人。インタビューには、所属する事務所(FreeK)の社長でプロデューサーの小口馨氏に加わっていただいた。また、メンバーのももさんは体調不良のため、インタビューは欠席した。

――今回が初めての海外遠征、そしてTIFには初出場ですね。現地に来て感じた率直な感想を教えてください。

ゆりな:TIF自体がわたしの中では憧れのイベントだったんですが、まさか日本のTIFより前に海外のTIFに出ることになるとは思ってもいませんでした。最初に出演の話を聞いたときには本当にびっくりしましたし、「わたしたちが出ていいのかな?」という気持ちがありました。共演する方はすごい方たちばかりだし、ネコプラはまだできたばかりなのに選んでいただけて、すごくうれしく感じたのと同時に、大きな責任がかかっていると思って、より一層頑張んなきゃって思いました。

ゆい:まず、タイに行くのが決まったときは、言っている意味が分からなかったです(笑)。タイに行く1週間前くらいになって、それまでは旅行気分の自分がいたのですが、「仕事をしにいくんだな」ってようやく実感するようになりました。なんかもう、人ごとで「すごいなぁ」みたいな感覚でしたね(笑)。

――事前にタイのファン向けに宣伝などしましたか?

ゆきの:ツイッターでタイ語のツイートを書いて、物販の宣伝をしたり、公式アカウントのアイコンをタイの国旗にしてアカウント名にタイの国旗や象の絵文字を入れたりしました。

――事務所として、タイ遠征の経験はあるのですか?

小口:アイドルの仕事としては初めてなんです。なので、何も分からないに近い状況でした。プロモーションの仕方も分かりませんでしたし、せいぜいメンバーに集合時間などを伝えられたくらいです。ただ、ほかの事務所さんと違ったのは、知り合いの現地のコーディネーターさんに、最初から最後までずっと付いてもらったこと。現地にはイベントの2日前に入り、イベント会場やオフ会の場所など訪れる予定の場所を全部見て、どこが一番楽しいのか、どこの条件がいいのか、メンバーと一緒に徹底的に相談しました。

――タイのファンの方たちはどうでしたか?

みく:温かい人たちばかりでしたね。オフ会や特典会で、わたしたちと話すためにわざわざ日本語を勉強してくれたりするところとか。日本語って難しい言葉だと思うのですけど、そうまでしてわたしたちのところに来てくれるのが、すごくうれしかったです。

ゆりな:アイドルをアイドルとして見てくれているのがすごく伝わってきました。タイの人はわたしたちに憧れをもって接してくれて、それが本当に新鮮でしたね。「自分ってアイドルだったんだ!」って思う瞬間が多かったです(笑)。

――これからの目標を教えてもらえますか?

ゆきの:せっかくバンコクまで呼んでもらったのだから、これからも続けてタイに呼んでもらえるようになりたいと思います。ライブでは、何か爪痕を残せたらいいなと思っています。また、日本のファンにもバンコクのファンにも喜ばれるような何かを、これからちゃんと考えてやっていかないといけないなと思っています。

(文/野崎勝弘=メディアリード)

即日完売のミニゲーム機「ネオジオ ミニ」で遊んだ(日経トレンディネット)

8/4(土) 11:00配信

日経トレンディネット

 往年の名作ゲーム40本を収録したSNKのミニチュアゲーム機「NEOGEO mini(ネオジオ ミニ)」が2018年7月24日に発売された。

【関連画像】SNKのミニチュアゲーム機「NEOGEO mini(ネオジオ ミニ)」。価格は1万2420円(税込み) (c)SNK CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED.

 現在のところ販売はAmazon.co.jpかSNKのオンラインショップのみで、今年5月に発表されるとアーケードゲームファンを中心に話題を集め、発売日前にすでにAmazon.co.jpでの予約が締め切られて即日完売となった。7月31日現在、手に入れたい場合は次回入荷日を待たなければならない状態だ。

 今回、サンプル機を使ったレビューをお届けしたい。発売日前に本体のみの入手となったので、専用コントローラーをはじめとする各種周辺機器は残念ながら使うことができなかったが、本体以外の部分もいろいろと触ってみた。

小さい液晶モニター付きのミニゲーム機

 「ネオジオ ミニ」について知らない人もいると思われるので軽く解説しておこう。

 「ネオジオ ミニ」はスタンドアローンでゲームがプレーできるテレビゲーム機だ。3.5型の液晶モニターを搭載しているので、電源さえ確保してしまえば、テレビがなくてもプレーできる。カセットやメモリカードなどを取り付けることはできないが、本体に40本のネオジオタイトルが収録されている。HDMIケーブルでテレビなどに接続して大画面でプレーすることもでき、外付けの専用コントローラー「NEOGEO mini PAD」も用意されている。本体に2つ接続すれば対戦も可能だ。

 パッケージには、「ネオジオ ミニ」本体、電源ケーブルとなるUSB Type-A to Type-Cの変換ケーブルが1本、本体に貼る装飾シールが同梱されている。このシールをコンパネ部分などに貼り付けるのだが、ボタンやレバーの位置に合わせて貼るのがちょっと難しい。しわにならないように注意して貼り付けよう。

USB電源で遊べるが、純正以外のケーブルには注意

 電源はUSB電源だが、USB充電器は入っていないので別途用意する必要がある。ちなみにUSB充電器を使わなくても、PCなどUSB給電できる機器と接続することでも電源を確保できる。モバイルバッテリーでも動作するので、外出先で遊ぶこともできるのだ。

 ちなみに付属USBケーブル以外でも給電できるか試してみたが、これには注意が必要だ。USB Type-C to Cのケーブルで接続すると電源が入らなかったり、純正品以外のケーブルでもUSB Type-A to Cの変換ケーブルを使用すると電源が入ることがあった。どんなケーブルに対応しているのかが明確になっていないので、とりあえず試してみるしかなさそうだ。

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渡辺謙が登場! ロンドン「ハイパージャパン」開催(日経トレンディネット)

8/3(金) 12:00配信

日経トレンディネット

 英国最大の日本文化イベント「ハイパージャパン」が、7月13日から15日の3日間にわたり、ロンドンのオリンピアで開催された。その様子をリポートする。

【関連画像】ロンドン西部にある展示会場のオリンピアで開催された「ハイパージャパン」

 2010年にスタートしたハイパージャパンは、日本の漫画やアニメ、音楽、ファッション、食、伝統文化、ゲーム、テクノロジーなど、さまざまな面から日本の「今」を紹介するイベントで、通算15回目を迎える。

 今回の会場は、ロンドン西部にある展示会場のオリンピア。1885年に建造されたもので、ガラスと鉄骨、丸いドームが特徴の建物だ。ここ数年、ハイパージャパンはロンドン東部のタバコ・ドックで開催されており、場所をがらりと東から西に移しての開催となった。

 元倉庫だったタバコ・ドックは迷路のようで、お目当ての場所が分からずに迷うこともあったが、オリンピアは展示会場だけあって、広いオープンスペースがジャンルごとに仕切られ、分かりやすいレイアウトだ。吹き抜けになっていて開放感もあり、座れるスペースがたくさん用意されているのもよい。

 会場内の2階は、ライブやパフォーマンスが行われるHYPER Live、日本料理のデモンストレーションや各種セミナーが行われる HYPER Theatre、ラーメンから和牛、今川焼や抹茶スイーツなどの日本食が楽しめる EAT JAPAN Food Court、いろいろな種類の日本酒を比較しながら飲むことのできるSake Experienceなどに分かれる。日本に関連したさまざまなグッズを販売する HYPER JAPAN Marketでは、過去最多の213店舗が出展したという。

 1階にはゲーム&アニメのエリアがあり、ニンテンドースイッチなど最新ゲームを試すことができるとあって、いつも大勢の人たちでにぎわっていた。また、隣のバンダイナムコエンターテインメントのブースでは、2019年に発売予定の、少年ジャンプの人気キャラクターが集結するゲームソフト「Jump Force」を体験できるコーナーもあり、若者たちの人気を集めていた。ほかにも、ファッション& kawaiiショップやメイドカフェ、日本の観光案内ブースなども充実していた。

 また、変わったところでは、首や肩をもみほぐすマッサージ機器のお試しコーナーが新登場。英国ではこのような健康器具はまだ珍しいこともあって試す人が後を絶たず、実際に買い求めていた人も多かったようだ。

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50歳超えに染みる回春ソング、浅香唯『セシル』に涙目 80年代歌謡曲は悩めるオヤジの処方箋(日経トレンディネット)

 40代、50代のビジネスパーソンにとって、かつて夢中になった80年代を中心とする歌謡曲は、癒やしを与えてくれる心の拠り所。そっと口ずさむだけで勇気が湧き、大事なものに気付かせてくれる深遠なメッセージが隠されている。この連載では、BS12 トゥエルビで放送中の『ザ・カセットテープ・ミュージック』で80年代歌謡曲の優れた論評をくり広げるマキタスポーツ氏とスージー鈴木氏に、厳しい世の中をしたたかに生き抜くための「歌う処方箋」について語ってもらう。

【関連画像】マキタスポーツ:1970年山梨県生まれ。ミュージシャン、芸人、俳優。2013年、映画「苦役列車」の好演をきっかけに、役者として活躍の場を広げる。著書『すべてのJ-POPはパクリである 現代ポップス論考』など

●二人のオヤジを涙ぐませたアイドルの恋歌

――前回は、40代、50代の読者が青春時代に聴いた80年代を中心とした歌謡曲から、「役職定年」でがくっと落ち込んだ気持ちを整理し、新たな人生を歩むための応援歌を取り上げ、相当盛り上がりました(心折れそう…「役職定年」に打ち勝つ応援歌(前半戦)、同(後半戦)参照)。続きまして、今回のテーマとして取り上げたのは「定年後の夫婦関係」です。

スージー鈴木(以下、スージー):なるほど。

――近年のオヤジ世代は、働いて、働いて、やっと定年を迎えてほっとできると思った途端、唐突に妻から「離婚しましょう」とか「お墓は別にして」とか、すごくシビアな状況に陥ることがあります。定年前の現役のうちに、こうした危機に対してなんらかの手を打っておかないと、家から放り出されちゃうかもしれない。

マキタスポーツ(以下、マキタ):うん、うん。

――そこで「定年後に三行半を突きつけられないために妻に贈る歌」を教えてほしいのです。恋人になったときや結婚したときに捧げる歌を最初のラブソングだとしたら、今回は言わば「二度目のラブソング」というわけです。

スージー:考えてまいりました。

マキタ:ほぉ。

スージー:歳をとったら、やっぱり人間は弱くなる、と。

マキタ:うん。

スージー:「そういうときこそ恋愛が大事なんだ」っていうテーゼを考慮しますと、ここは1988年にリリースされた浅香唯の『セシル』(作詞:麻生圭子、作曲:NOBODY)ですね。

――BS12トゥエルビ「ザ・カセットテープ・ミュージック」で去年の年末に放映された「カセットテープ紅白歌合戦」でも、スージーさんはこの曲を推薦されていましたね。

スージー:歌詞を読み上げますね。

〽 人は大人になるたび 弱くなるよね

ふっと自信を失くして 迷ってしまう

だから友達以上の 愛を捜すの

今夜私がそれに なれればいいのに

……何かというと、弱いときこそ恋愛が大事なんだと。体が弱ってきたときこそ大事なんだということをですね、浅香唯のメッセージに乗せるとその思いがはっきりする。

――あの番組の中でも、同じ部分の歌詞を読み上げて思わず涙ぐんでしまわれ、そんなスージーさんを見て、マキタさんも目を潤ませた。そのとき、マキタさんの名言「人は大人になるたび涙腺も弱くなるよね」が生まれました。

笑いが劇場を包むゾンビ映画『カメラを止めるな!』 佐々木健一「TVクリエイターのミカタ!」(日経トレンディネット)

7/29(日) 12:00配信

日経トレンディネット

『哲子の部屋』『ブレイブ 勇敢なる者「硬骨エンジニア」』など、独自の切り口のテレビ番組を企画・制作するNHKエデュケーショナルの佐々木健一氏が展開するコンテンツ論の第30回。今回は話題沸騰のゾンビ映画『カメラを止めるな!』を分析する。

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 この夏、話題騒然となっている映画『カメラを止めるな!』(上田慎一郎監督)をご存じだろうか? 都内の上映館では連日、各回満席という大入りが続いている。と言っても、シネコンなど大きな箱(映画館)で上映されている作品ではない。いわゆるミニシアター系の作品として低予算で作られた映画だ。

 映画専門学校のワークショップから生まれたこの作品は、すでに国内外の映画祭でも数々の賞を受賞している。海外での本作のタイトルは、『ONE CUT OF THE DEAD(ワン・カット・オブ・ザ・デッド)』。その名の通り、37分間ワンシーン・ワンカットで撮影したゾンビ映画なのだ。

 ここ数年、エンタメ業界では空前のゾンビブームが続いている。ゾンビ映画は既にあらゆる切り口で作られ、消費されてきた。そこにエンタメ業界のもう一つの潮流“ワンシーン・ワンカット”という手法をかけ合わせるというアイデア。海外タイトルを聞くだけで「これは面白そう!」と期待感があおられる(ただ、この作品の本当の面白さは、さらにその先にあるのだが……)。

 この作品の舞台は、ゾンビ映画ではお決まりの廃墟。ゾンビに扮した男がうなり声を上げながら、うら若き女性を襲うシーンから始まる。ゾンビに食いつかれ、絶命する女性。そこにすかさず、監督の声がかかる。

 「カット!」

 しかし、この映画のタイトルは前述の通り、『ONE CUT OF THE DEAD』。映画はそのままカットが途切れず進行していく。ゾンビ映画が氾濫する現在のリアルな状況を背景に、ゾンビ映画の撮影とそのスタッフ・キャストの姿が描かれていくのだ。

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あがく負け犬…43歳で映画監督になった町工場の男 亜希子の「B面人生」に幸あれ!(日経トレンディネット)

7/29(日) 11:00配信

日経トレンディネット

人生に迷えるライター・大木亜希子が「世の中に潜むちょっと変わった人」をインタビューし、彼らのマインドを掘り下げていくこのコラム。三十路をひかえ、結婚はおろか今後のキャリアの方向性すら定まらず、やや焦り始めた筆者。人生の先輩たちへの取材を通し、輝く未来を手に入れるためのヒントを得ようともくろむ。経験豊かで前向きに“珍人生”を謳歌する、幸せな「B面人生」を手に入れた先駆者たちの素顔とは?

【関連画像】今回の主人公、43歳で映画監督になった後藤博茂さん

 「事実は映画より奇なり」。もし、そんな言葉が存在していたら、それはこの人のためにあるのかもしれない。後藤博茂さん(46歳)。千葉市にある自動車整備工場「後藤モータース」の3代目社長。妻と2人の子供を家族に持つ、一見どこにでもいそうな“オッサン”である。

 そんな彼が、同世代の男性と唯一違う点。それは日常の生活を営む表の顔、すなわち“A面人生”では自動車整備工場に勤務し、もう一つの裏の顔、つまり“B面人生”で「映画監督」という肩書を持つ点だろう。

 後藤さんが監督した映画『よろずや探偵談』(2017年)という作品がある。くたびれた40歳の便利屋の男が探偵事務所を開設し、助手と一緒になって多くの依頼をこなしていく……というストーリー。最終的に主人公と助手は黒い陰謀に巻き込まれていくが、サスペンスあり、CGあり、エロスありと、非常に遊び心にあふれた作品になっている。

 本作は2017年6月、東京・ザムザ阿佐谷で公開後、同年7月には「カナザワ映画祭2017」で上映。さらに、東京・渋谷「アップリンク」や「ユナイテッド・シネマ豊洲」で開催された映画祭でも複数回上映されている。

 主演には舞台で活躍するプロの役者を起用した。また、脇を固めるキャスト陣として若者に人気の「セーラー服おじさん」や、『ゼブラーマン-ゼブラシティの逆襲-』(2010年)をはじめ多くの話題作に出演する名バイプレーヤーのマメ山田さんも出演。こうした顔ぶれの多彩さも本作の見どころと言える。

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