軽減税率財源3千億円捻出を検討 自民党税調始動(産経新聞)

 自民党税制調査会は31日、非公式幹部会(インナー)を開き、平成31年度税制改正に向けた議論を開始した。31年10月の消費税率10%への引き上げに合わせ導入される軽減税率による1兆円の減収分のうち、穴埋めのめどがついていない約3千億円の捻出や、増税に伴う消費の反動減対策が検討課題となる。今年12月12日にも決定する与党税制改正大綱に向け、公明党の税調とともに議論を本格化させる。

 軽減税率は、飲食料品などの税率を8%に据え置く制度。全品目を10%に上げた場合より税収が1兆円目減りするが、そのうちの4千億円分は低所得世帯の医療費負担などを抑える「総合合算制度」の導入の見送りで確保している。さらに3千億円程度は、今年10月からのたばこ税の増税分などで穴埋めする算段だ。

 残る約3千億円については、消費税の納付を免除されてきた小規模事業者が納税者に切り替わることで増える税収で捻出する案が出ている。35年10月にインボイス(税額票)制度が導入されると、大企業や中堅企業との取引にはインボイスを発行して課税事業者になる必要がある。これまで免税されていた売上高1千万円以下の事業者が納税するようになることで、税収が2千億円程度増えるとも見込まれる。

 ただ、インボイスの導入は35年で、その間の財源確保は課題となっており、今年の与党税調では社会保障費の見直しなども含め議論するとみられる。自民党の宮沢洋一税調会長は会合後、記者団に「軽減税率導入に向けた環境整備が大事になる。軽減税率の財源を精査し、手当てをしていく」との考えを示した。

 また、安倍晋三首相が増税後の景気対策に万全を期す方針を示したことを受け、消費税負担が重い住宅や自動車の購入、保有に関わる税制の軽減措置などの支援策を中心に検討する。企業の研究開発税制や後継者不足の中小企業の事業承継を促す優遇税制の拡充なども話し合う。大都市に集中している地方税の財源を地方に振り分ける偏在是正もテーマとなりそうだ。

【関連記事】

日銀、次の一手「年明け」の見方も(産経新聞)

 日銀は31日の金融政策決定会合で現行の大規模金融緩和策を据え置いたが、市場関係者の関心は既に次の一手に向いている。緩和策の副作用で長期国債の取引が減少するなど市場機能が低下しており、当面は国債買い入れオペ(公開市場操作)を工夫して活性化を図る見込みだ。来年の消費税増税による物価低迷を織り込み、年明けにかけ政策修正に動くとの観測もある。

 「“暗黙のルール”を少しずつ崩そうとしている」

 買い入れオペに詳しい市場関係者はこう指摘する。

 日銀は7月の決定会合で従来0%から上下0・1%程度とされてきた長期金利の変動幅を2倍程度広げる方針を打ち出した。今後は買い入れ回数の削減や、従来は財務省の国債入札の翌営業日だったオペの実施日をずらすなど現場レベルで買い入れ方法の柔軟化を検討し、活発な取引を促す構え。

 国債市場の取引が乏しいのは、日銀が金利を抑えるため大量の国債を購入する影響で市場に出回る国債の量が減少したためだ。取引が停滞すれば急な売り買いで金利が乱高下しやすくなる。黒田東彦(はるひこ)総裁は31日の記者会見で、「資産買い入れは弾力的に行う。必要な対応はする」と説明した。

 一方、金融機関は大規模緩和の長期化で収益力が悪化しており、長期金利の変動幅のさらなる拡大や、短期金利をマイナス0・1%、長期金利を0%程度に誘導する緩和策の枠組み修正を期待する声が強い。

 日銀は来年10月の消費税増税の影響を踏まえ、「当分の間、極めて低い長短金利の水準を維持する」と約束している。ただ、来年4月以降は統一地方選や参院選と重要な選挙が続き、増税後は物価がさらに低迷し政策修正は難しくなる。このため来年3月までの間、「増税の影響試算や対策が出そろった時点で動きがあるのでは」(大手銀行幹部)との見方も出ている。(田辺裕晶)

【関連記事】

減反廃止元年の30年産米 作況「平年並み」(産経新聞)

 農林水産省が31日発表した10月15日時点のコメ(水稲)の作柄概況によると、全国の作況指数(平年=100)は99で、2年連続で「平年並み」となる見通し。9月中旬以降の日照不足が響き、25府県で前回9月調査から下方修正された。都道府県別の作柄状況は、「やや良」9県▽「平年並み」25都府県▽「やや不良」12府県▽「不良」1道-だった。

 約9割の水田で刈り取りを終えた状況が反映された。9年ぶりの不良が見込まれる北海道は6~7月の低温や日照不足のため、収穫量も大幅に落ち込みそうだ。地域別の10アール当たりの予想収穫量を見ると、北海道が496キロで前年産から64キロ減少。中国と四国も10キロ以上減る見通しだ。この結果、全国では732万9千トンとなり、国の需要見通し(735万トン)を下回ることが濃厚だ。

 こうした中、新米の卸値が4年連続で上がっている。9月の相対取引価格は全銘柄平均で60キロ当たり1万5763円で、1年前から1・5%上昇した。

 米価上昇の背景には、政府が30年産米から生産目標を配分する生産調整(減反)を取りやめたことが大きく影響している。多くの生産者が向かったのが、高く売れるブランド米だ。

 農水省によると、コメの登録銘柄数は10年前の528から、30年産は795に拡大。今年は宮城県の「だて正夢」や富山県の「富富富(ふふふ)」など、“新顔”も数多く登場している。東京都内でPRイベントを開催したり、人気タレントを起用したテレビCMを流すなど、各産地が知名度向上を競っている。

 このうち、だて正夢は宮城県が米どころとしての復権を狙って高価格帯のブランド米として開発。本格デビューの今年は1500トンを販売する計画だ。

【関連記事】

パナ社長の苦悩「テスラ事業安定が絶対条件」(産経新聞)

 自動車分野の強化を進めるパナソニックにとって、車載用電池を供給する米電気自動車メーカー、テスラは事業の命運を握るパートナーといえる。ただ、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がツイッターで問題発言するたびにパナソニックの株価は下落などトラブルも相次ぎ、不安材料となっている。

 31日の会見で津賀一宏社長は「テスラとの事業が長期的に安定成長することが、電池事業の絶対条件だ」と発言。巨額事業の協業相手のテスラに呼吸を合わすことへの苦労がにじんだ。

 テスラのEV生産の遅れで平成30年3月期に予定していた電池の供給も停滞。関連売上高は計画を下回り、営業損益も赤字に終わった。その後もマスク氏が大麻とみられる葉巻を吸う映像が流れたり、米証券取引委員会(SEC)から虚偽のツイッター投稿で投資家を誤解させたと提訴されたり、騒動が続く。

 一方、テスラが10月24日に発表した2018年7~9月期決算は2年ぶりに黒字となり、EV量産も軌道に乗ったとの見方が広がった。津賀社長は会見で「(テスラと)やっと歩調が合いつつある」と語った。

 投資回収できるまで運命共同体であるテスラとの事業は続けなければいけない。津賀社長は「イーロン(マスク氏)のことなので発言は予想できないにせよ、事業に混乱が出ないよう絶えずコミュニケーションを取っていく」と切実な思いを吐露した。(中山玲子)

【関連記事】

ドコモ、2~4割値下げ 月額500円程度か(産経新聞)

 NTTドコモの吉沢和弘社長は31日の決算記者会見で、平成31年4~6月にかけて携帯電話料金を2~4割程度値下げする計画を明らかにした。31年度1年間で契約者に最大で4千億円規模を還元することも発表。契約者1人当たりで単純計算すると月額500円程度の値下げになる。吉沢氏は「新料金プランはシンプルでわかりやすくするのに合わせ、利用状況にもよるが2~4割低廉化させる」と述べた。

 菅義偉(すが・よしひで)官房長官が「4割値下げの余地がある」と今年8月に発言するなど政府からの値下げの圧力が強まる中、業界最大手のドコモが値下げ方針を明らかにしたことで、KDDI(au)とソフトバンクも追随値下げに踏み切るとみられる。

 吉沢氏は、端末代を値引きしない代わりに通信料を値下げする「分離プラン」の対象を拡充する方針を発表。現在は一部のスマートフォンに限られている分離プランの場合、端末代の値引きはなくなるため、通信料が値下がりしても端末代と通信料を合計した毎月の負担額は増える可能性もある。ただ、吉沢氏は「端末値引きがなくなってもそれを上回る通信料の値下げだ」と強調した。

 値下げの理由について、吉沢氏は「料金プランが複雑でお得感が感じられないといわれていた」と契約者からの不満の声が多かったことを挙げた。31年10月に楽天が携帯電話市場に参入して市場環境が変わることの影響も強調した。

【関連記事】

東京海上、再保険会社を売却

 東京海上ホールディングスは31日、傘下の再保険会社2社を英領バミューダの再保険会社ルネサンス・リー・ホールディングスに売却すると発表した。売却額は約15億ドル(1685億円)。異業種の参入などで競争が激化し、再保険事業の収益性が悪化しているため、より成長が見込める事業に経営資源を集中させる。2019年3月末までの売却完了を目指す。 (時事通信)

[続きを読む]

リスク顕在化なら政策修正 黒田日銀総裁(産経新聞)

 日銀が31日に公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で経済成長率や物価見通しを引き下げたのは、米中貿易摩擦などの影響で世界経済の先行き不透明感が強まっているからだ。中国経済は減速し始め、米国発の株安が世界に波及するなど海外リスクは増大。外需が牽引(けんいん)役となり成長を維持する日銀のシナリオが崩れると、金融政策への影響も避けられない。(万福博之)

 「下振れリスクが顕在化して経済や物価に影響が出れば、金融政策自体を調整することになる」。日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は31日の会見でエスカレートする米中摩擦に警戒感をにじませた。

 一方で「今のところはそうなっていない」と、足元では米中摩擦が実体経済に与える影響は限定的との認識を示した。

 展望リポートでは平成31、32年度の経済成長率見通しを据え置いた。31年10月の消費税率10%への引き上げの影響も海外需要が補うシナリオは変えていない。

 だが、米中摩擦のリスクは現実味を帯びつつある。中国の今年7~9月期の国内総生産(GDP)成長率は約9年半ぶりの低水準となり、投資や消費の減速が示された。貿易面で深く結び付く日本経済も無傷ではいられない。

 実際、9月の中国向け工作機械受注額は前年同月比22%減と7カ月連続で前年を下回るなど、投資を手控える動きが出ている。

 黒田氏は「一番は米中摩擦だが、その他の海外リスクも注視する必要がある」とも指摘する。米国の利上げに伴う米長期金利の上昇によって投資家のリスク回避姿勢が強まり、米株価は急落、日本を含む各国にも連鎖した。新興国からの資金流出や英国の欧州連合(EU)離脱交渉の難航など、海外経済の不確実性は日増しに高まっている。

 経済の先行き懸念が強まれば、日本でも企業が設備投資を手控え、個人消費が減退して物価上昇の足かせになりかねない。2%の物価目標の達成が一段と遠のくようだと、安倍晋三首相が示した3年以内に金融政策の正常化に道筋をつけたいという方向性にも影響が出るのは必至だ。

【関連記事】

仏アコーホテルズ、5年後に国内展開ホテル倍増へ(産経新聞)

 仏ホテルチェーン大手、アコーホテルズのエリック・ディグネジオ日本支社長(39)は31日、産経新聞のインタビューに答え、「日本国内のホテルを現状の13から、5年後をめどに30ホテルに倍増させる」と述べた。

 近年、日本では中~下位ブランドを中心に開業しているが、欧州やアジアから富裕層の訪日客が増えていることなどから、今後は高級ホテルの出店も増やす方針。同社最上級ブランドで、実現すれば日本初進出となる「ラッフルズ」「フェアモント」を東京と関西で、大阪では「SOソフィテル」の出店も検討しているという。

 また、同社が京都市東山区で来年開業を予定している高級ホテル「Mギャラリー」は4月オープンの見通し。正式なホテル名称は「京都悠洛(ゆら)ホテル&ヴィラズMギャラリーbyソフィテル」。客室は144室となる。

 一方、同社は11月1日にビジネスホテル「イビス大阪梅田」(大阪市北区)をオープン。平成23年11月に東京都新宿区にオープンした「イビス東京新宿」に次ぐ2店舗目で、西日本では初出店となる。

 観光やビジネスにも利便性の高いJR大阪駅から東へ徒歩4分にあり、地上14階、地下2階建て、客室は全181室。宿泊の平均価格は1泊1室1万2千円で75%をアジアなど訪日外国人と見込み、初年度は85%の客室稼働率を目指す。

 1階にレストランを設け、生バンド演奏や、その場で絵を描くライブペイントも開催する予定。宿泊客だけでなく、地元客も集う交流の場にする狙いだ。ディグネジオ支社長は「関西の若手アーティストらを集め、活躍の場を広げる。文化・芸術を世界へ発信するホテルにしたい」と話した。

【関連記事】