アルファロメオ ステルヴィオ 「悪魔の梯子段」が異名のSUV(SankeiBiz)

 1世紀を超えるアルファロメオの歴史上、初めてとなるSUVの名を聞いて色めき立った。その名はなんと、「ステルヴィオ」だという。世界の趨勢はSUVに向かっており、いまやSUVを揃えてなければ自動車メーカーにあらずだから、アルファロメオにSUVが加わってもことさら驚きはないのだが、その名が刺激的すぎて腰を抜かしかけたのである。(レーシングドライバー/自動車評論家 木下隆之)

◆スポーツカーすら悲鳴上げる難所

 「ステルヴィオ」はイタリア北部のステルヴィオ峠に由来する。アルプス山脈にへばりつくように刻まれた峠道であり、スイスとの国境に沿う。標高は2757m。「悪魔の梯子(はしご)段」と恐れられ、世界の走り自慢が踏破を挑むことでも有名なのだ。

 僕もこの地に足を運んだ経験がある。その目的はとりもなおさず、世界一過激だと思われる峠道に挑むためだ。太陽の光が強く降り注ぐ、夏の暑い日だった。

 麓は避暑地として栄えている。ホテルのプールには水着でくつろぐ家族連れがいた。そんな平和な避暑地に峠道の起点がある。目の前にそびえるアルプス山脈を、一気に登り切るのが醍醐味。頂上付近は肌寒く、夏だというのに残雪があった記憶がある。

 走り自慢のコンパクトスポーツをわざわざ日本から空輸して挑んだのだが、オーバーヒートとブレーキのフェードに悩まされた。勾配はきつく、名ばかりのスポーツカーではパワー不足を晒すことになる。下りは下りで、ブレーキが音をあげる。特徴的なのは、登りはひたすら登りのみ。下りはやすむことなく下りが連続する。エンジンにもブレーキにも酷な環境なのだ。

 しかも、短い直線と直線をつなぐヘアピンカーブは、1速ギアの守備範囲。超タイトなのだ。端から眺めると、巨人が山脈に爪を立てたようである。悪魔の梯子段の異名も相応しい。ステルヴィオ峠はそんな、走り屋を魅了しながらも強く拒絶する難所なのである。

◆自身裏付けるデータもズラリ

 そう、そんな世界的な難所の名を、SUVに命名したことが驚きなのだ。百歩譲ってスポーツカーならばよしとしよう。だがステルヴィオは背の高いSUVである。よほどの自信がなければ、ステルヴィオとは名乗れますまい。

 一抹の不安を抱えながら、試乗プレゼンテーションに耳を傾けていると、自信を裏付ける刺激的なデータが次々に僕を驚かせた。

「前後重量配分50:50」

「直列4気筒2リッターターボ」

「最高出力280ps」

「最大トルク400Nm」

「前後可変トルク4WDシステム」

「常用FR駆動」

「軽量カーボン製ドライブシャフト」

「車両重量1810kg」

「ロール角度約50%」

「ロール軸ジュリア(アルファロメオのセダン)と同一」

「空気抵抗係数0.30」

「最大横加速度0.95g」

「ステアリングギアレシオ12:1」

「最大制動距離(100-0km/h)37.5m」

 スポーツカーの紹介と見まごうばかりの攻撃的な文言である。

◆ステアリングもキレッキレ!

 要するに、エンジンは強烈なトルクを発揮するターボであり、カーボンを多用することで軽量化は驚くほどである。だから驚くほど速い。それでいて、理想的なウエイトバランスであり、4WDだからトラクションに優れており、ステアリングはクイックだと宣言しているのである。

 さらには、最強グレードのクアドリフォリオが、世界一過激なニュルブルクリンクサーキット(ドイツ)でSUV最速の7分51秒7を記録したと告げるのだ。

 実際にドライブしても、その名に恥じない熱い走り味が込められていた。ステアリングの反応はキレッキレである。エンジンパワーは強烈にトルクフルである。SUV的な不快なロール(横方向への傾き)は全くない。視点の高さを除けば、SUVであることを忘れてしまう。軟弱なスポーツカーならば、涼しい顔をして抜き去ることもできるだろう。本当に…。それでいて、乗り心地も悪くはないのだから、恐れ入る。

 その名は伊達じゃなかった。アルファロメオはSUVにも鼻息荒く、カミソリのようにキレッキレなモデルを送り込んだのだ。

早大と富山県、インターンシップで連携 事業創出へ人材育成や研修(SankeiBiz)

 早稲田大学と富山県は20日から9月中旬にかけて、「富山県新規事業創造インターンシッププログラム」を実施する。北陸電力をはじめ同県内に本社を置く5社が参画、「富山県の地域イノベーション」をテーマに掲げ、企業人と学生の混成チームを結成。企業内新規事業の創造に貢献できるアイデアの創出からビジネスモデルの構築に至るまで一貫して携わっていく。

 早大は、グローバルな観点を備え、起業家精神とリーダーシップ性に富んだ人材を輩出する目的で、「WASEDA-EDGE人材育成プログラム」を導入。自治体や他大学と連携しながら、研修プログラムを随時提供している。

 富山県とは今年1月、地方創生への貢献を目的とした就職支援と人材環流に関する協定を締結しており、今回のインターンシップに発展した。

 参加企業は北陸電力に加えて、富山村田製作所(電子部品)、スギノマシン(高圧水切断装置)、CKサンエツ(精密部品)、YKKAP(建材)という地元の4メーカー。一方、学生側は15人が参加する。

 具体的にはワークショップと企業でのインターンシップによって構成。シリコンバレー発の人気講座を用意するなど、「理論に基づいた緻密な手法により、実践的に学ぶ貴重な機会とした」(研究戦略センターの島岡未来子准教授)。

 9月12~14日に開かれる2回目の研修で、最終発表が行われる。創造理工学部の高田祥三教授は「事業創造に焦点を当てた内容になっており、新しい価値を創出するモデルを作りたい」と話している。

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消費増税、企業の6割「予定通りに」 駆け込み需要の対策準備、わずか2割にとどまる(SankeiBiz)

 2019年10月に予定されている消費税率の10%への引き上げについて聞いたところ、「予定通り実施すべき」と回答した企業が60%に上り、「再延期するべき」の3%、「引き上げるべきではない」の2%を大きく上回った。少子高齢化で社会保障関連費用の増大が見込まれる中、財政健全化に向け増税が欠かせないとの見方が強まっている。

 予定通りの実施を求める企業からは「同時に増税後の反動減対策をしっかりと講じるべき」(自動車)との要望もあがった。一方、財政再建を進める上で「20%台の税率が当たり前となっている欧米諸国のように、消費税率のさらなる引き上げも検討すべき」(石油元売り)との声も出た。

 増税前の駆け込み需要が事業に与える影響については「大いに好影響」が1%、「どちらかといえば好影響」が13%となったのに対し、「どちらかといえば悪影響」が7%、「大いに悪影響」がゼロ。「何とも言えない」が66%で最多となり、「消費が活性化されるが、その後の買い控えもある」(流通)と影響を測りかねる企業が多かった。

 駆け込み需要への対策は「準備している」との回答が20%にとどまるなど、まだ本格化していないことが浮き彫りになった。対策の中身については「前回増税時の消費者の動向を参考に需要変動への対応を検討する」(電機)と声が挙がるなど、駆け込み需要と増税後の消費落ち込みをいかに平準化するかが各社に共通する課題となっている。

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トルコ通貨急落、世界同時株安の様相 東証続落、2万2000円割れ(SankeiBiz)

 週明け13日の東京株式市場は、トルコ通貨のリラ急落で欧州の金融不安が意識され、日経平均株価が大幅続落した。終値は2万2000円を割り込み、約1カ月ぶりの安値水準となった。前週末の欧米市場からの株安連鎖が波及した格好で、アジアの主要市場でも軒並み株安が進み、世界同時株安の様相を呈している。

 トルコと米国の関係悪化を契機に、10日にリラが急落。トルコ向け融資が多い欧州金融機関の財務悪化が警戒され、前週末は欧米の株式市場が売り一辺倒となった。

 13日の東京市場も流れを引き継ぎ、平均株価の終値は前週末比440円65銭安の2万1857円43銭。東証株価指数(TOPIX)は36.66ポイント安の1683.50で取引を終えた。

 平均株価はこの日、180円51銭安で始まり、その後は下げ幅を拡大した。外国為替市場の円相場が1ドル=110円前半の円高ドル安になったことも嫌気された。

 株安の流れは香港など主要なアジア市場にも波及したほか、インドの通貨ルピーも対ドルで大きく下落した。リラは13日の外為市場でも一時1ドル=7リラ台前半まで下落して最安値を更新。トルコ中央銀行は同日、銀行の流動性を支援する措置を発表した。

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鬱病の診断、特定物質の血中濃度利用 慶大発ベンチャーHMTが取り組むバイオマーカー開発(SankeiBiz)

 女性なら5人に1人、男性でも10人に1人が、一生のうちに一度はかかる病気といわれる鬱病。日本国内では100万人以上がかかっているといわれるこの病気は、外見からその症状を判断するのが難しく、診断は問診がすべて。このため患者本人の性格や医師によって診断にばらつきが生じやすい。そんななか、慶大発バイオベンチャーのヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(HMT)は、鬱病の診断をより的確なものにするためのバイオマーカーの開発に取り組んでいる。

 ◆血中濃度差を利用

 HMTは、慶大先端生命科学研究所の冨田勝所長と曽我朋義教授によって設立。曽我教授が開発した低分子化学物質(メタボローム)を短時間で一斉に測定する「キャピラリー電気泳動質量分析(CE-MS)法」の実用化を目指している。

 電場をかけた溶液の中で小さな分子ほど素早く移動し、逆に大きな分子がゆっくりと進む性質を利用して、溶液の成分を分離、検出する。HMTはこの技術を活用した受託解析を手掛けてきた。

 そのHMTが鬱病バイオマーカーの開発に本格的に乗り出したのは2010年4月、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の開発助成事業に「うつ病マーカーを用いた臨床検査用キットの開発」が採択されたのがきっかけだ。

 開発過程で鬱病患者は、エタノールアミノリン酸(PEA)という物質の血中濃度が低いことを突き止めた。鬱病のバイオマーカーは、このPEAの濃度差を利用したものだ。

 HMTは当初、このEPAの解析にCE-MSで実用化を目指した。しかし、CE-MSシステムの価格は1台数千万円もするため、鬱病バイオマーカーの早期普及は難しい。そこでHMTは既存の安価な測定機器で診断できる「酵素診断法」を開発。13年12月に国内特許を取得した。さらに東洋紡と共同で鬱病バイオマーカーに使われる酵素の量産技術を確立した。技術的なめどが立ち、現在、川村総合診療院(東京都港区)での臨床試験段階にさしかかっている。

 ◆“鶴岡の奇跡”実現へ

 HMTの菅野隆二社長は08年2月の就任時に、会社がある山形県鶴岡市にちなみ、HMTが起こすべき“鶴岡の奇跡”を3つ挙げた。

 1つは株式上場で、13年に実現した。2つ目はノーベル賞受賞。鬱病バイオマーカーが広く普及すれば夢ではないだろう。3つ目は地元の庄内空港からボストンへの直行便を飛ばすことだ。

 「鶴岡が米シリコンバレーのように多くのベンチャーが育ったときにはきっとそうなっているはず」と、鶴岡がライフサイエンス分野で世界に開かれた窓になることを夢見ている。

ガソリン価格が高止まり、お盆を直撃 11週連続150円超え、地方消費に悪影響も(SankeiBiz)

 行楽地に向かう人や帰省する人が急増するお盆休みを迎える中、ガソリン価格が高止まりを続けている。レギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は直近のデータで11週連続で150円を超え、最近の水準は前年同時期と比べて20円以上高い。家計にとっては出費増となるため痛手だが、ドライバーからは諦めの声も漏れる。

 東京都世田谷区の「環八通り」。日常的に交通量が多く、都内でもガソリンスタンドの激戦区だ。ここに構えるセルフ式のガソリンスタンド「シンエネ八幡山SS」は最大12台が給油でき、マイカーや業務用の車が頻繁に出入りする。

 8月上旬に訪れたときのレギュラーガソリンの通常価格は、1リットル当たり140円。前年の7、8月は123円や125円で、15円程度値上がりした形だ。それでも今年の夏は記録的な猛暑で車のエアコンをフルに稼働させる人が多いこともあり、「7月に入ってからは来店客が多くなった」と木村文彦副所長は話す。

 「諦めている。車を使わなければならず、ガソリン価格が上がっても給油せざるを得ない」。来店していた男性(72)はこう漏らした。ガソリン価格をにらみつつ、下がったときに多めに給油するなどの工夫をしているという。

 別の来店客の男性(43)も「(ガソリン高は)それなりに負担になるが、よく給油するので気にしても仕方がない」と話す。

 経済産業省資源エネルギー庁が8月8日に発表した6日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は152円10銭。150円超えは11週連続だ。7月中旬時点の調査でつけた約3年7カ月ぶりの高値となる152円30銭との差はわずかで、価格の高止まりが続く。

 ガソリン高の最大の要因は原油価格の上昇だ。石油輸出国機構(OPEC)は6月に協調減産の緩和を決めたが、規模が市場の見込みに比べて小さかった。その直後には、米国が各国にイラン産原油の輸入停止を要請したことが判明。リビア産原油の供給減への懸念も重なって原油価格は上昇傾向となり、米原油先物相場は7月上旬に一時1バレル=75ドル台と約3年7カ月ぶりの高値水準に急伸した。

 レギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格の見通しについて、石油情報センターは「原油価格や為替に大きな変化がなければ、150円超の水準が続くのではないか」とみる。現状では、下落しても限定的となる公算が大きい。

 景気にも下押し圧力となりかねない。ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは「ガソリン価格が上がると家計の購買力は低下する。地方では車は生活必需品なので、地方で消費への悪影響が生じる懸念がある」と指摘した。

主要企業、政府主導のメガFTA評価 米中貿易戦争は「悪影響」認識、調査で5割占める(SankeiBiz)

 過熱する米中の“貿易戦争”で業績に悪影響が出る企業が過半数を占めることが13日、フジサンケイビジネスアイが主要企業121社に行ったアンケートで分かった。報復関税の応酬による輸出企業への打撃に加え、円高・ドル安や株安が進む懸念もある。ただ、米国を除く環太平洋戦略的経済連携協定(TPP11)や欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の成立がプラスになるとの見方もそれぞれ6割を超え、保護主義に対抗する政府の取り組みを評価している。

 世界1、2位の経済大国である米中が互いに制裁関税を発動する事態に、「大きく悪影響」を受ける企業は3%、「やや悪影響」は49%を占めた。好影響があるとの回答はなかった。

 米中の関税引き上げにより「中国で生産する米国向け商品に影響が出る」(精密機器)など、輸出企業は直接的な打撃を受ける。また、外国為替市場では貿易戦争のようなリスクが高まると、相対的に安全な通貨とされる円を買ってドルを売る動きが強まるため円高が進み、輸出企業の採算がさらに悪化して株安につながる。こうした負の連鎖に対し、「景気悪化による消費の低迷が企業収益に悪影響を与える」(飲料)と動揺が広がっている。

 2018年度当初に比べて貿易摩擦の懸念が強まったとみる企業も54%と過半数を占め、多くの企業が「米国の一方的な措置に各国が報復関税で対抗すれば、世界の貿易は縮小し景気が悪化する」(商社)などと先行きに不安を漏らした。

 このため、「部品調達先を中国企業から他のアジア企業に切り替えた」(電機)、「情報収集のため米ワシントンDCに事務所を新設した」(銀行)など防衛策を講じた企業もある。

 一方、日本政府が主導した巨大自由貿易協定(メガFTA)交渉の妥結が業績にプラスの影響を与えると答えた企業は、TPP11で63%、日欧EPAで61%に上った。「関税撤廃や外資規制の緩和が進めば経済の活性化につながり、日本企業の輸出や海外投資に好影響をもたらす」(エネルギー)、「輸出入の円滑化でコストが下がり荷動きが活発になる」(運輸)など歓迎する声が相次いでいる。

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主要企業調査、18年度末に減速傾向と回答した企業ゼロ 国内景気拡大、見通し前向き(SankeiBiz)

 主要121社のアンケートでは、企業側が国内景気の現状や見通しを前向きにとらえていることが分かった。足元の国内景気を拡大傾向と答えた企業の割合が約9割に達したほか、2018年度末に減速傾向と回答した企業はゼロ。トランプ米政権の保護主義的な通商政策に対する懸念が根強い中、好調な企業業績や世界経済の底堅さが景況感を上向かせている。

 集計結果によると、足元の国内景気について、「拡大している」は2%、「緩やかに拡大している」が87%となったのに対し、「横ばい」は10%、「緩やかに後退している」が1%にとどまるなど、景況感の改善傾向が目立った。

 「拡大している」「緩やかに拡大している」と答えた理由(2つまで選択可)については、「企業収益の増加」が48社と最多。「海外経済の回復」(30社)「個人消費の回復」(28社)などが続いた。個別回答では「米国を中心に世界経済の拡大基調が輸出を押し上げている」(銀行)、「首都圏での再開発案件が増加している」(素材)などの意見が挙がった。

 「横ばい」との回答は小売業を中心に目立ち、「原油・資源価格の上昇や社会保障費の増加など、家計に負担増となる懸念から消費マインドが低下している」(スーパー)といった慎重な見方があった。

 また、18年度末の国内景気の見通しについては「拡大する」は3%、「やや拡大する」は83%で、「横ばい」は12%、「やや後退する」「後退する」はゼロとなり、足元の国内景気より改善を見込む結果に。「拡大する」「やや拡大する」と答えた理由(同)を尋ねると、最も多かった回答は「企業収益の増加」で42社が挙げた。

 18年度末までを展望し、国内景気の懸念材料を聞いたところ、トランプ米政権の保護主義的な通商政策で輸出入が低迷することへの警戒感が根強かった。また運輸系企業は「異常気象や地震などの自然災害リスク」や「テロなどの地政学リスク」といった意見も聞かれた。

 こうしたリスクも意識してか、同時期の日経平均株価の水準見通しは、ほぼ現状維持にあたる2万2000円台と2万3000円台とする2つの意見で半数を占めた。円相場の先行きについては「106~110円」と「111~115円」で約7割に達した。

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ドンキHD社長、西友の「立地」に興味 大原氏「売りに出るなら興味があり、魅力的」(SankeiBiz)

 ドンキホーテホールディングス(HD)の大原孝治社長は13日、米ウォルマートがスーパー大手の西友を売却する方針について、「売りに出るなら興味があり、魅力的だ」と述べた。

 ドンキHDは同日、東京都内で決算説明会を開催。会見した大原社長は「西友が昔から持っていて、今では手に入らない立地が多数ある。もし本当に売りに出るなら(物件を)細かく精査したい」と取得へ意欲を示した。

 ドンキは新規出店の際、撤退後の店舗を再活用する「居抜き」のノウハウを持つ。

 2018年6月期連結決算では売上高が前期比13.6%増の9415億円、営業利益が11.7%増の515億円で29期連続の増収増益となった。19年6月期連結業績予想は売上高が6.2%増の1兆円を見込む。

 今後の計画ではスーパー大手ユニーとともに手がける共同店舗20店を含め、計40店を新たに出店する。

 さらに、旧ドンキ渋谷店の跡地などを活用し、地上28階、地下1階の超高層ビル(高さ120メートル)を建設する再開発計画も併せて発表した。ビルは店舗やオフィス、ホテルなどが入居する複合施設とする予定で、22年の完成を目指す。

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「友情、努力、勝利」は本当か? 中年男子が少年ジャンプから本当に学んだこととは(SankeiBiz)

 今年は『課長島耕作』(弘兼憲史、講談社)のシリーズ35周年という記念すべき年である。主人公島耕作が仕事での成功・出世、さらには情愛を繰り返し、作中の役柄においても、作品名においても役職名が上がっていくという稀有な漫画である。私は島耕作が大好きな人間である。外伝を含め、全巻持っている。人は私のことを「耕作員」と呼ぶ。(働き方評論家 常見陽平)

◆島耕作35周年と『週刊少年ジャンプ』50周年 どちらがアツい?

 ただ、漫画に関して言うならば世間の関心は島耕作35周年よりも、集英社の『週刊少年ジャンプ』の50周年の方に集まっていることだろう、どう考えても。中年にとっても、島耕作は憧れの対象というよりは、面白がる存在になっているに違いない(私はいまだに島耕作に憧れているのだが…モテるとかじゃなくて、生き方に関して、だ)。今どきの中年なら「ジャンプ50周年」の方が語りたいことが多いのではないだろうか?

 言うまでもなく『週刊少年ジャンプ』は日本を代表する漫画雑誌である。ピークの1995年には653万部という漫画雑誌の最高発行部数を記録した。

 本誌や掲載作品の単行本を読んでいなくても、アニメや玩具、ゲームを通じてジャンプキャラと出会った人もいることだろう。当時は『週刊少年ジャンプ』で連載し人気が出た漫画を、フジテレビでアニメ化し、バンダイ(現バンダイナムコグループ)が商品化するという「黄金の三角形」が存在した。

 80年代に雑誌の方を読んでいた人にとっては、読者投稿コーナーの「ジャンプ放送局」や、ファミコンに関するコーナー「ファミコン神拳」も楽しみだったことだろう。前者はネットにおける投稿文化にも影響を与えているのではないかと私は見ている。後者は『ドラゴンクエスト』シリーズのヒットに貢献していると言えるだろう。

 広告欄も味わい深かった。私はトレーニング器具のブルワーカーをいまだに持っている。 ついついイントロだけでこれだけ書いてしまった。中年にとってジャンプ語りはたまらないのだ。

◆意外に噛み合わない?中年の「ジャンプ語り」

 もっとも、「中年」の「ジャンプ語り」については、誰もが盛り上がりそうなネタのようで、噛み合わなかったりする。そう、いつからいつまで読んでいたのか、推し漫画は何か、どれくらい熱いのか、詳しいのかという点は個々人によって違うのだ。いや、なんとなく作品名と内容は分かるのだが。これは、中年がBOOWYや尾崎豊、THE BLUE HEARTSについて熱く語りつつも、どうせ代表曲のサビくらいしか知らないのと一緒である。

 小生は1974年生まれだ。最も一生懸命ジャンプを読んでいたのは小3だった1983年から中学校に入った1987年くらいまでだ。しかも、雑誌としての『週刊少年ジャンプ』はほぼ買ったことがない。床屋や、入院していた父親の病院、友人宅でまとめて読んでいた。

 個人的に思い入れの強い漫画は『ブラック・エンジェルズ』『北斗の拳』『こちら葛飾区亀有公園前派出所』『聖闘士星矢』『キン肉マン』『ウイングマン』くらいだ。

 これらの漫画に関しても、連載の時期によってはさめたりもした。たとえば、『こち亀』が好きだったのは1980年代までで、それ以降は流行紹介漫画風になったり、キャラも増えたりして、いまいちのれなくなってしまった。『キン肉マン』も一番熱かったのは、タッグトーナメント編くらいまでで、「王位継承編」はストーリーに無理を感じたり、筆者の病気による休載期間があったりして、その間にさめてしまった。

 他の人気漫画(と言われるもの)については、あまり熱くなれなかった。『キャッツアイ』や『CITY HUNTER』はエロい描写なんかもあってドキドキしたのだが、ストーリーを理解できなかった。『ドラゴンボール』に至っては、初期のレッドリボン軍との戦いあたりは夢中になって読んでいたが、敵キャラのピッコロ大魔王が出てきたあたりからさめてしまった。

 『SLAM DUNK』は、主人公がヤンキー風の髪型だった頃しか読んでいない。『魁!!男塾』も初期のシゴキ漫画だった頃は好きだったが。人生の楽しみを捨てていると言われるが、なんとでも言ってほしい。

 とはいえ、あとになってハマった漫画もある。『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズなどがそうだ。40代になってから文庫本ボックスを大人買いした。

 『デスノート』などはリアルタイムではないが、30代になってからハマり、やはり全巻買ってしまった。会社で探偵Lのマネをして、角砂糖をコーヒーにいっぱい入れたら、みんなひいていたが。

 何が言いたいかというと、『週刊少年ジャンプ』については、ついつい熱く語りたくなるが、実はすべてが共通の体験かというとそうでもないということだ。それぞれハマった時期やハマり方は違うのだ。

◆むしろ学んだのは「理不尽さ」

 いつの間にか記憶が更新されてしまうというのは中年のよくある問題だ。そう、あたかも「中年は誰でもジャンプにハマった」かのように思ってしまうのだ。

 同様に気をつけたいのは、私たちはジャンプから何を学んだのかという問題である。よく、ジャンプといえば「友情、努力、勝利」だと言われる。たしかに、前出の漫画でも敵と仲良くなり、努力し、勝利するというパターンはよくある。もちろん、それは否定しない。

 しかし、本当に私たちが学んだのは「友情、努力、勝利」だけなのだろうか。違う。むしろ、私たちがジャンプから学んだのは「理不尽さ」ではないだろうか。

 『週刊少年ジャンプ』は、アンケートハガキ至上主義で知られている。読者アンケートで人気が下がった作品は強制終了されてしまうというものだ。ジャンプとその関係者を描いた漫画『バクマン。』にもそのあたりの事情は描かれている。

 特に印象に残っている、打ち切り劇とされる騒動で言えば、『魁!!男塾』の著者として知られる宮下あきらが手がけた『瑪羅門の家族』である。もともとは読み切り漫画だったということもあり、長期連載は想定していなかったのかもしれないが、1年も待たずして終了したのは正直、意外だった。

 最終回は大変に理不尽なものになることがある。たとえば、『ハイスクール!奇面組』などは、一連の作品の中身がヒロインの夢だったともとれる終わり方で、賛否を呼び、論争となった。

 なお、この「強制終了」の問題だけでなく、「強制続行」というものもある。人気があるので終わらないのである。『北斗の拳』なんかも、ラオウを倒して終わってくれたらまさに「我が生涯に一片の悔い無し」だったのだが。

 その点、『デスノート』は当初から、人間の煩悩の数と同じ108話で終わることを前提に描いたと著者が語っており、実際、その通り達成できたという点で好印象だった。『こちら葛飾区亀有公園前派出所』も、作者が好きに終わらせたという印象が強い。

 設定についての矛盾も多数あり、そこからも大人の事情を学んだ。『魁!!男塾』に至っては、当初、巨大すぎるだろという身長だった大豪院邪鬼が適度なサイズに途中から変化していたりもした。

◆「強さのインフレ」的な重い目標を背負わされ

 強さのインフレもジャンプから学んだことだ。『ドラゴンボール』を途中で読むのをやめたのもそこからだった。だんだん、主人公が必殺技の「かめはめ波」を出しても勝負が決まらなくなっていく。見開き全部がかめはめ波という展開を何度も見たような気がする。というか、初期から登場している主人公と修業を積んだクリリンの立場が気になってしまう。これぞ、同期トップ出世と、万年平社員の差のようなもの、か。

 思うに、我々中年は「友情、努力、勝利」はビジネスの世界では必ずしも通用しないことを思い知らされた上、実力主義で働かされ、理不尽な展開や、強さのインフレ的に重たい目標を背負わされたりと、まあ辛い思いをしてきた。これぞ、ジャンプが予言してくれたことじゃないか。

 同僚に足を引っ張られたりすると「友情」とは何か信じられなくなる。しかし、異動、転勤、出向などはジャンプ的な無理ゲー的展開だとも言える。昇進・昇格したところで、さらなる敵が現れてくることはジャンプが予言していたことだ。何よりも、毎回、査定があるたびに、読者アンケートと理不尽な強制終了・続行を思い出してしまう。

 保身のためにくれぐれも言うが、ジャンプのことを嫌いなのではない。でも、本当に学んだのは実はこういうことだったのじゃないか。『北斗の拳』の悪役、アミバの名セリフ「暴力はいいぞ!!」ではないが、「社会人は、いいぞ!!」と言われ続けているような気がする。『北斗の拳』のケンシロウに「お前はもう死んでいる」と言われないほどに、魂は死んでいないのだが。