武田薬品が大勝負 巨額買収への期待と不安(J-CASTニュース)

 武田薬品工業がアイルランドの製薬大手シャイアーを総額約460億ポンド(約6兆8000億円)で買収する。両社経営陣が2018年5月8日、合意に達した。今後、両社の臨時株主総会で承認を得て、19年6月までに買収を完了させる予定で、実現すれば、日本企業によるM&A(合併・買収)として過去最大案件となる。自分とほぼ同規模の相手を買収するという、武田にとって、まさに社運をかけた大勝負だ。

 両社の売上高はそれぞれ1.5兆円程度、単純に合算すると3兆円程度となり、世界9位の米ギリアド・サイエンシズなどと並んで世界の製薬業界でトップ10入りを果たす。これにより収益力や開発力を大幅に高めて欧米大手に対抗する方針だ。だが、巨額買収による財務悪化などへの懸念も強い。

■新薬開発と販売強化

 武田の発表では、シャイアーの全株式を、1株あたり約49ポンド(約7200円)で買い取る。買収資金は1株あたり約30ドル(約3300円)の現金と、武田が発行する新株を組み合わせる。必要な資金調達のめ、米JPモルガン・チェース、三井住友、三菱UFJの3行と限度額308億ドル(約3兆3500億円)の融資を受ける契約を結んだ。

 「二つの会社が一緒になることで、R&D(研究開発)主導の製薬業界の真のグローバルリーダーをつくることになる。地理的なカバーでも非常に魅力的だ」。武田のクリストフ・ウェバー社長は買収合意を発表した後の電話会見で語った。

 武田の狙いは大きく分けて、新薬開発と販売強化の2面がある。新薬の面には、文字通りのR&Dの強化が一つ。新薬の開発には1000億~2000億円という多額の費用と10年超の時間がかかるため、体力勝負の側面が強く、従来から、規模拡大が世界共通の課題だった。ただ、一からの開発は時間がかかるため、既に新薬を開発した同業者を買収するというのが近年の傾向になっている。武田自身、2008年にがん分野に強い米ミレニアム・ファーマシューティカルズを約8800億円、17年にも同じく米アリアド・ファーマシューティカルズを約6000億円で買収した。既に持つラインアップと開発力の両にらみのM&Aだ。

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「オートリバース」がラジカセから消えた メーカー明かす「年々厳しくなる」事情(J-CASTニュース)

 ラジカセから「オートリバース」機能が消えつつある。部品の生産中止や製造コストの問題から、搭載を見送るメーカーが増えているのだ。

 老舗音響メーカー・ティアック(東京都多摩市)の広報担当者は、J-CASTニュースの取材に対し、「部品の供給状況は年々厳しくなっていて、もはやデッキを製造すること自体が難しくなってきているのが現状です」と苦境を語る。

■「唯一」の製造会社がすでに生産中止

 国内でもじわじわとブームが再燃しているカセットテープ。大手CDチェーン「HMV」が取り扱いを始めたり、TUBEや吉井和哉さんら人気アーティストがカセット版の新譜をリリースしたりするなど、大きな動きも目立つ。

 こうした流行の影響もあってか、カセット再生デッキの新製品は今でも定期的に市場に投入されている。

 大手メーカーでは、パナソニックが2017年3月に、ソニーが2017年6月にラジカセの新製品を発売。さらに18年3月には、東芝エルイートレーディングがUSBやSDカード再生にも対応した多機能ラジカセを、ティアックが高級カセットデッキをそれぞれ売り出した。

 だが、これらの4機種には、どれもオートリバース機能がない。カセットのA面とB面を自動で切り替える、一昔前の機種であれば当然のように備わっていたあの機能が存在しないのだ。

 なぜ、オートリバース機能をカットしたのか。東芝エルイートレーディングの広報担当者は2018年5月9日、J-CASTニュースの取材に、「もちろんオートリバース機能を採用したいと考えておりました」。にもかかわらず、搭載を断念した理由については、

  「オートリバースが可能なカセットメカを供給できる唯一の製造会社も、現在はすでに生産中止しており、オートリバースメカの入手が不可能であるというのが現状です。自社で開発するという方法も考えられますが、特殊なノウハウと設備投資が必要であり、コスト的に現実的ではありません」

と説明した。

富士急ハイランドが狙う「ちょい遊び」需要 「入場無料」戦略が目指すものとは(J-CASTニュース)

 富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)は、2018年7月中旬から入園料を無料にすることを、5月9日、公式サイトで発表した。

 1500円の入園料が無料になる一方で、人気の絶叫マシンの利用料は2~2.5倍になることから、割高になる可能性を心配する声もネットでは上がったが、富士急行の担当者は10日のJ-CASTニュースの取材に、フリーパスと組み合わせることで、より自由度の高い遊び方を提案するという狙いを語った。

■これまでとは異なる客層へもアピール

 富士急行の担当者によると、全てのアトラクションの値上げ幅は決まっていないものの、「ド・ドドンパ」や「高飛車」、「FUJIYAMA」といったランドの看板とも言える人気絶叫マシンについては、現状の1000円から2~2.5倍になる予定だという。

 しかし、現状の料金プランでそれらのアトラクションで遊んだ場合でも、入園料1500円と合わせて2500円となる。1つのアトラクションでしか遊ばないのなら、今後利用料が2.5倍になったとしても金額としては大きく変わらない。

 そのため、園内でしっかりと遊ぶ場合はアトラクションが乗り放題になるフリーパス(値段は据え置き。大人5700円)を購入し、そうでない場合は好きな時間に目当てのアトラクションを、という風に、場合によって使い分けていくことで遊び方の幅が広がるという。

 担当者は、J-CASTニュースの取材に対して

  「遊園地と言えは、朝から入って1日遊ぶもの、という考えだけでなく、ランチだけ、お土産を買うだけ、アトラクション1つだけ、といった風に間口を広げることが目的」

と、これまでとは異なる客層獲得への期待感を話した。

人気コンテンツとのコラボイベントも予定

 遊園地といえば、家族そろって訪れて、午前中から遅くまでじっくり楽しむ――そんな遊び方が、これまでは「定番」だった。対して富士急ハイランドの戦略は、短時間だけ遊びたい――いわば「ちょい飲み」ならぬ「ちょい遊び」客の需要を掘り起こそうとするもの、といえるかもしれない。

 山梨県は近年、観光入込客統計調査(2016年版)によると、県内の観光客数は富士山の継続的な人気もあって増加傾向にあり、特に海外からの観光客数が増えている。中でも富士急ハイランドのある富士・東部エリアの観光客数は1508万人と好調で、県内全体のおよそ半分を占めている。

 そうした中、エリア内の観光客が増加していることを背景に、富士山の行き返りに楽しめる気軽に楽しめるプランを提示することで、新たな客層の獲得へ舵を切った形だ。

 富士急行は、入園料を無料とすることでハイランドを、好調が続く富士山観光の「ハブ」と位置づけ、

  「午前は園内で遊び、ランチを食べて午後からは昼からは、と言った遊び方や、逆に午前中は富士山や富士五湖を巡り、園内に人が少なくなる15時頃から入園して目当てのアトラクションを楽しむといったこともできる」

といった柔軟な使い方が可能になり、

  「富士山観光に来たとき、立ち寄り場所の1つになれれば」

と今後の展望について語った。

 ランドはアトラクションに力を入れるほか、人気コンテンツ

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ノンアルビール論争が再燃 「ペット入り透明」なら職場OK?(J-CASTニュース)

 サントリービールが、「職場でも気兼ねなく」をテーマに開発したノンアルコールビールテイスト飲料を発売する。ペットボトル容器入りで、小麦色ではなく「無色透明」になっている。

【画像:これが無色透明の「ノンアルコールビール」】

 やはりというべきか、この新商品をめぐってインターネット上では、オフィスでのノンアルコールビールの「是非」をめぐる議論が再燃。「何が問題なの?」というアリ派と、「ありえない」というナシ派が、互いの意見を熱くぶつけあっているのだ。

■開発のきっかけは…

 議論の発端となったのは、サントリービールが2018年6月19日に発売する「オールフリー オールタイム」。平日のランチタイムや業務中のオフィスであっても、気兼ねなく飲めるとうたう新感覚のビールテイスト飲料だ。コンビニ限定販売で、価格はオープン。

 実際、5月8日開設の商品特設サイトで公開されているPR動画には、デスクワークや会議に勤しむスーツ姿のビジネスパーソンが、このビールテイスト飲料をゴクリと飲む姿が。商品のパッケージにも、想定する飲用シーンとして「会議中」と書かれている。

 サントリービールの広報担当者は11日、J-CASTニュースの取材に対し、開発のきっかけについて次のように語る。

  「現行の缶タイプの『オールフリー』は、色や見た目がビールに近いので、やはりランチや職場で飲むことには抵抗があるというお客様もいました。そうした人でも手に取りやすく、気兼ねなく飲めるように開発したのが、今回の『オールタイム』です」

 とはいえ、業務中に「ノンアル飲料」を飲むことについて、ネット上の意見は大きく分かれている。いくらアルコール分を含んでいないからといって、オフィスでの「ビール」には抵抗がある――そう考える人が少なくないためだ。

  「職場ではノンアルでもダメじゃない?」
  「昼間っから職場でゴクゴク…ぷはー ってやられたら流石の俺でも切れる」

   「ノンアルコールビールを職場で飲んじゃだめっての理解できん 酒じゃないならいいだろ」
  「なんで職場でファンタを飲むのは良くてノンアルコールビールは駄目なんだ」

プロ野球・楽天低迷で楽天銀行ユーザーが意気消沈  (J-CASTニュース)

 昨季4年ぶりにAクラス入りを果たしたプロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスが、今季はパ・リーグ最下位独走と苦しんでいる。

 こうした中、楽天銀行がこの春に開設した新商品が注目されている。チームの最終成績に応じた優遇金利を適用するといった定期預金で、ネット上では早くも「低金利」が予想されている。

■「今の成績だと金利は期待薄ですね…」

 楽天イーグルスは2018年5月6日、開幕31試合目で早くも自力優勝の可能性が消滅。5月8日の試合で勝利したため再び復活したが、8勝23敗1分(借金15)と苦しいスタートとなっている(2018年5月8日終了時点)。

 楽天銀行は今年3月30日、楽天イーグルスの最終成績に応じた優遇金利を適用する「勝つぞ! 楽天イーグルス応援定期預金」の取り扱いを開始した。チームが日本シリーズで優勝すれば年1.0%(税引後年0.796%)、クライマックスシリーズ(CS)で優勝またはリーグ優勝をすれば年0.5%(税引後年0.398%)、それ以外は年0.02%(税引後年0.015%)と金利が変わる。

 同社の調べによると、大手銀行の通常定期預金金利が年0.01%だという。仮にチームが振るわないシーズンを送ることになったとしても、約2倍の0.02%の金利は保障されるという商品だが、自力優勝消滅の5月6日ごろからツイッター上にはため息ともとれる声がこぼれている。

  「0.02%でほぼ確定。解散」
  「今の成績だと金利は期待薄ですね…」
  「楽天のすごい定期預金も崩壊した」

 また申込期間が6月29日までのため、

  「つられかけたけど、申し込み期限6月末までだから様子見とこうって思ったの。判断合ってた」

などと、チーム状況を見て申し込みを検討する人もなかにはいるようだ。

広島カープの応援預金が人気

 プロ野球チームの成績によって金利が変わる定期預金は他にもある。

 人気は16年・17年と2年連続でセ・リーグ優勝を果たした広島東洋カープを応援する広島銀行の「カープを応援しよう!定期預金」だ。「主催ゲームでの観客動員数」及び「レギュラーシーズンの成績」をもとに、上乗せ金利を適用する。観客動員数165万人以上かつリーグ優勝をすれば、「+0.10%」を店頭表示金利に上乗せする。165万人未満かつ4位以下の場合は上乗せなし。今年3月1日から取り扱いを開始すると4月11日時点で募集金額の700億円に到達し、取り扱いを終了した。

 同内容の商品は、もみじ銀行も提供している。5月8日終了時点で、広島カープは20勝12敗で首位に立っている。また、日本野球機構(NPB)の発表によると、同球団は2015年から3年連続で観客動員数が200万人を突破している。

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コクヨが年初来安値 文具事業が予想以上に苦戦(J-CASTニュース)

 文具・オフィス家具大手、コクヨの株式が2018年4月下旬に急落し、低迷を脱せない状態が続いている。株価が上昇気流に乗る中で発表された2018年1~3月期連結決算の内容に対する失望売りが膨らんだ。

 柱の1つである文具(ステーショナリー)事業が多くの投資家にとって予想以上に苦戦しているとみられ、「ペーパーレス社会」の影響を受けたとも映ったようだ。ただ、主力のオフィス家具の「ファニチャー事業」は好調で、今後の業績次第で再上昇の余地はあるとの見方も出ている。

■文具は機能性の高い独自商品がウリだったが

 コクヨの株価は今年に入って堅調に推移していた。円高のもとでも業績が伸びる内需株の一角として物色されたためで、4月9日の取引時間中につけた直近の高値2244円は、年初来高値どころか約20年ぶりの高値だった。しかし、23日の取引終了後に発表された2018年1~3月期連結決算で投資家の姿勢が一変。24日の株価は一時、前日終値比13.4%も低い1794円と年初来安値を更新した。

 24日は前日の安値(2060円)を当日の高値(1922円)が下回る、いわゆるチャート図上で「窓をあける下落」でもあった。2000円前後の株価で138円分もの窓があいてしまうのはなかなか見られない現象だ。その後も多少持ち直してはいるが、4月23日までの勢いをとり戻すのは容易ではない。

 それでは、2018年1~3月期連結決算の内容を確認しておこう。売上高は前年同期比1.9%減の881億円、営業利益は2.5%減の89億円、純利益は12.0%減の70億円と減収減益だった。ただ、純利益は前年同期の法人税に関連する特殊要因の反動のため減益幅が大きくなったもので、それを除くと売りまくられるほどの業績悪化ではないようにも見える。

 しかし、分野別にブレークダウンすると文具事業の売上高が前年同期比4.7%減の269億円、営業利益は12.0%減の29億円と振るわなかったことが分かる。文具事業において、一般的なファイルなどは価格競争が激しいが、ムラなく塗れて机や手が汚れないと好評のテープ式のり「ドットライナー」のような、機能性の高い独自商品を世に問うて稼いできたのが、近年のコクヨだった。株式市場もそこに期待して20年近くぶりの高値がついたのだったが、「もしやこれまでか」の疑念が生じてしまったわけだ。

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日銀の責任逃れ? 「物価2%目標」めぐる新事態(J-CASTニュース)

 日銀が金融政策の目標とする「物価上昇率2%」の達成時期について、「2019年度ごろ」と明示していた文言を削除した。18年4月27日の金融政策決定会合で決めた。13年3月の黒田東彦総裁就任とともに「2%目標」を打ち出してから、当初の「2年程度で2%」が達成できなくなると、達成時期の見通しを6回先送りしていた。政策の「逐次投入」を愚策とする黒田総裁が、時期の「逐次延期」を繰り返さないということだが、目標達成は当面、困難だと認めた格好で、大手紙の論調も厳しい声が目立つ。

 日銀は最新の景気予測である「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を年4回公表している。2017年7月以降、「2%程度に達する時期は、2019年度ごろになる可能性が高い」としていた。今回その表現を削除した。

■時期表現を削除

 これについて黒田総裁は、決定会合後の記者会見で「達成期限ではなく、見通しであることを明確にするため」と説明した。確かに日銀は、黒田総裁就任当時に「政策目標」として「2年2%」を打ち出した後、これが不可能になると、以後、政策目標としては「できるだけ早期」に改めた。その一方で、展望リポートが、そこから2%に届く時期の「見通し」を示し、先送りし続けた。実際、市場は達成見通しを事実上の目標時期と受け止め、追加緩和の観測が繰り返し浮上した。そうしたリアクションを避け、政策のフリーハンドを保持したいというのが今回の時期削除だとされる。

 もちろん、緩和姿勢が後退したと受け取られると、円高・株安を招くリスクがあるが、景気・物価の現状認識について黒田総裁が「物価上昇のモメンタム(勢い)は維持されており、2019年度ごろに目標に達する見通しに変わりはない」と強調したように、足元の景気は堅調で物価も上昇基調を保ち、追加緩和観測もほとんどない。そんな今こそ、時期削除のタイミングと判断したのだろう。実際、決定会合後も円高・株安に振れなかった。

 ただ、物価の見通しは総裁が言うほど楽観視できない。今回の展望リポートでは、2019年度の物価上昇率の見通しを前回1月と同じ1.8%に据え置いた。これは9人の委員の「中央値」で、分布をみると、4人の委員は1.3~1.7%を予想しており、新たに示した2020年度の見通しも1.8%にとどまる。さらに言えば、19年度の民間の予測の大勢は1%程度と、日銀よりかなり低い。今回の時期削除は、20年までに2%が達成できる可能性が低いことを日銀自身が認めたようなものともいえる。

 そもそも黒田総裁が「2年で2%」と打ち出したのは、人々に「物価は上がる」と思ってもらい、デフレマインド払拭を図る「期待に働きかける」狙いだった。さすがに6回も先送りすることで、かえって期待に水を差すマイナスの影響が大きくなってきたという事情もある。

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「駅」がモテモテ 働き方改革でも期待(J-CASTニュース)

 通勤や通学などで多くの人が立ち寄る「駅」にさまざまな機能を持たせる動きが広がっている。大規模な商業施設を抱える駅ビル開発はこれまでも盛んに行われてきたが、「人手不足」「働き方改革」など時代の流れに応じた新たな試みが続々と始まっている。

【画像】富士ゼロックスと東京メトロの「個人オフィス」イメージ

 宅配大手のヤマトホールディングスは2018年1月、ファッション通販で注文した商品を駅ビルで受け取り、その場で試着できるサービスを始めた。利用者は配送先として駅ビルを指定し、会社帰りなどに、ヤマトが駅ビルの売り場に設けた試着室を利用し、気に入らなければ、その場で返品することも可能だ。

■宅配業界とドライバー確保問題

 宅配業界では深刻な人手不足からドライバーを確保するのが困難な状況にある。さらに、ファッション通販は返品率が高く、ドライバーの負担が大きいとされている。衣類などの場合、実際に手にしたり、見たりすると色やサイズが気に入らないケースが多いためだ。駅ビルを配送拠点の一つと位置づければ、ドライバーは個々の利用者の自宅に再配達や返品で何度も足を運ぶことがなくなる。ヤマトはドライバーの数も配送用トラックの数も減らすことにつなげたいと期待している。

 富士ゼロックスと東京メトロは6月から、東京都内の駅構内に個人用のオフィス空間を作り、企業やビジネスマンに貸し出すサービスを始める。南北線の溜池山王駅と千代田線の北千住駅に期間限定で設置し、その後、状況を見ながら、他の駅にも拡大していく計画だ。オフィス内にはテーブルや電源コンセントを準備し、「Wi‐Fi」や液晶モニターも使えるようにする。

個人オフィスで「テレワーク」

 ビジネスマンが営業などで移動している最中に出来た、ちょっとした時間を有意義に使ってもらおうとの狙いだ。働き方改革が進み、インターネットなどを使って会社に行かずに仕事をする「テレワーク」などが広がっている。駅構内の個人オフィスは、多彩な働き方をさらに推し進める可能性もある。

 他方、JR千葉駅の改札内の商業施設「ペリエ千葉エキナカ」には昨17年夏、診療所と調剤薬局を設けた医療モールが登場した。エキナカの診療所は全国で初めてで、鉄道を利用するビジネスマンや学生などが気軽に立ち寄れる医療機関を目指す。少子高齢化が進む中、商業施設とは違う魅力を作って、少しでも多くの人を呼び込もうという試みだ。エキナカではないが、駅ビルに医療モールを設ける動きも北海道や名古屋など全国で広がりつつある。

 人口減少や超高齢化など社会構造が変化する中、人が自然に集う「駅」への注目度はいっそう強まっていきそうだ。

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冷凍食品市場が熱い 仏からは専門スーパー上陸(J-CASTニュース)

 女性の社会進出が進む中、「中食」と呼ばれる弁当や総菜などの普及に加え、冷凍食品の需要が増加している。

 コンビニエンスストアなどでは冷凍食品の売り場を拡張する動きが目立つほか、フランス発の冷凍食品専門スーパーが東京都心に進出するなど、冷凍食品を巡る熱い戦いが始まっている。

■セブン-イレブンは売り場面積を倍増

 日本冷凍食品協会によると、2017年の家庭用冷凍食品の国内生産額は前年より4.7%増えて約3019億円となった。10年前の2007年(約2415億円)と比べれば約25%と大幅に伸びている。

 都市部だけでなく、地方でも共働きや単身世帯が増えており、多くの家庭では食材の買い出しや料理にたくさんの時間を使うことが難しい状況になっている。このため、調理済みの料理を家に持ち帰って食べる「中食」の利用拡大が近年目立っているが、冷凍食品は通常の総菜や弁当に比べ、比較的長い時間、冷凍庫の中で保存できるというメリットがある。同協会が2017年春に全国の約1万人の男女を対象に実施した実態調査でも、冷凍食品を購入する魅力について「調理の手間が省ける」「買い置きができる」が上位だった。いつでも冷凍庫から取り出し、温めるだけで簡単におなかを満たせることが需要増につながっているようだ。

 こうした環境の中、コンビニ最大手のセブン-イレブン・ジャパンは、店舗のレイアウトを大幅刷新するのに伴い、冷凍食品の売り場面積を2倍超に拡大する方針を打ち出した。冷凍食品の強化で客単価のアップなどを期待しており、2021年度までに全国にある約1万店舗で実施する計画だ。ファミリーマートやローソンも品数を増やすなど、冷凍食品の扱いを強化している。

冷凍食品「おいしい」が半数に

 他方、フランスの冷凍食品ブランドのトップとされる冷凍食品専門スーパー「ピカール」が2016年秋、東京都港区南青山に店舗をオープンし、その後も麻布十番や中目黒などに店舗を増やしている。総合スーパー、イオンの子会社が展開しているものだ。スーパーなどで扱う比較的安価な商品とは異なる、高級感ある商品を提供することで、冷凍食品の利用をいっそう広げようとの狙いがありそうだ。

 冷凍食品はかつて、あまり「おいしい」と言われるものではなかった。しかし、最近は各メーカーが技術を高め、テレビの情報番組では定期的に新商品が紹介されるほど注目されている。日本冷凍食品協会の実態調査でも、冷凍食品の魅力を「おいしい」と挙げる人が約半数に上っており、品質や味の向上も人気を押し上げる重要な要因になっている。

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任天堂に46歳新社長 経営は実質「集団指導体制」に(J-CASTニュース)

 任天堂トップが一気に20歳あまり若返る。2018年4月26日、君島達己社長(68)が相談役に退き、後任社長に古川俊太郎取締役(46)が就くトップ人事を発表した。

 42歳で社長に抜擢された故・岩田聡前社長にはわずかに及ばないが、東証1部上場企業としては異例の若さだ。めまぐるしく変化するゲーム業界を、若い力で引っ張る。

■君島社長は急きょリリーフだった

 古川氏は東京都出身で早稲田大政治経済学部卒業後、1994年に入社。主に経理畑を歩み、現在は経営企画室長、ポケモン社外取締役などを務める。古川氏は記者会見で「非常に驚いたが、会社が集団指導体制に変わることは承知していた。そのタイミングが来た」と就任を要請された時の思いを語った。

 現社長の君島氏は三和銀行(現三菱UFJ銀行)出身。任天堂海外子会社役員や本体の常務取締役などを経て、2015年9月に社長に就任した。「天才プログラマー」と言われた岩田氏が社長在任中に急逝し、急きょリリーフしたのが君島氏だった。就任時の年齢は65歳で、「世代交代を確実に進めるのが使命」(君島氏)と、就任時から考えていたという。

 君島氏が社長を任された2016年3月期の業績は良くなかった。最終損益は165億円の黒字を確保したものの、前期からは6割の大幅な減益。2017年3月期には連結売上高が5000億円を割り込んだ。

 そんな不振を吹き飛ばしたのが、2017年春に発売したゲーム機「ニンテンドースイッチ」だ。携帯できる据え置き型ゲーム機というコンセプトが受け入れられ、人気が拡大。一時は品薄状態に陥った。

ハードウエアが1505万台売れる

 2018年3月期はスイッチのハードウエアが1505万台、ソフトウエアは6351万本売れた。中でも「スーパーマリオ オデッセイ」が1041万本の大ヒットを記録、「マリオカート8 デラックス」は922万本、「Splatoon 2」は602万本を売った。同期の連結売上高は前期比2.1倍の1兆556億円、営業利益は6倍の1775億円と「完全復活」を遂げた。

 君島氏は記者会見で「決算が想定よりも良かったので、交代を前倒ししてもいいと思った」と打ち明けた。「スイッチ」のヒットが、経営トップ交代の「スイッチ」につながったというわけだ。

 古川氏を支えるのが、2002年から代表取締役を務め、長年ソフト開発の責任者を務めてきた宮本茂氏や、企画制作やビジネス開発を担当する高橋伸也氏、ハード開発部門の塩田興氏らだ。岩田氏のようなカリスマに頼るのではなく、個々の役割をきちんと分担して経営にあたる「集団指導体制」になる。

 ゲーム業界は浮き沈みの激しい世界だ。スイッチによる好況がいつまで続くか、分からない。ソフトウエアもどの程度ヒットするか、読めない。専用機より規模が大きいスマートフォン向けの対応力も問われる。46歳の肩に課せられた課題は重い。

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