安倍政権との「間合い」は? 中西経団連がスタート(J-CASTニュース)

 中西経団連がスタートした。2018年5月31日の総会で、榊原定征会長(75)の後任として、日立製作所の中西宏明会長(72)を正式に選出。最近の会長選びは、引き受け手がおらず、難航するケースが多かったが、今回は「大本命」にすんなりと決まった。経済界を代表し、安倍政権にもモノ申せるか、その手腕が問われそうだ。

 中西氏は東京大工学部卒業後、1970年に日立に入社。米スタンフォード大大学院に留学経験があり、欧米での勤務経験が長い国際派として知られる。2008年のリーマンショックなどで巨額赤字に陥った日立を再建したのは川村隆社長(当時)の功績が大きいが、その川村氏を副社長として支えたのが中西氏だった。2010年、川村氏の後任社長に就任し、再建を確かなものにした。

■「ソサエティー5.0」の重要性を強調

 2014年に日立社長から会長に就任。経団連副会長も引き受け、財界活動を本格化させる。日立は言わずとしれた日本を代表する製造業の大企業だが、過去、経団連会長を輩出していない。「財界活動には消極的」とみる向きもあったが、当の中西氏は副会長時代から、まんざらでもない様子だった、と周辺は指摘する。

 副会長時代から力を入れているのが、「Society(ソサエティー)5.0」の推進だ。狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く第5段階の社会を「超スマート社会」と位置づけ、人工知能(AI)や、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を活用して、官民挙げて社会のあり方を変えていくことが成長につながるという考えだ。会長選出後の記者会見でもソサエティー5.0の重要性を強調した。

 問題は、政府と利害が一致しない場合、どう対応するかだ。例えば財政再建や社会保障制度改革。国民への「痛み」の押しつけを嫌い、政府の取り組みは甘くなりがちだ。第2次安倍政権以降、消費税引き上げは2度延期された。中西氏は2019年10月に予定される消費増税について「延ばす選択肢はあり得ない」と明言する。今後の経済情勢次第とはいえ、政治に再び先送りの動きが出た場合、その主張を曲げずに政府にモノ申せるかが問われる。

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中国デジタル消費の主役「シルバーエイジ」 2030年に6億人の大市場(J-CASTニュース)

 私の知り合いで、そろそろ90歳になる劉おばあさんは、このごろ一日数時間、中国版のLINEといわれる微信(WeChat)を見ている。アメリカへ移民した孫と連絡したり、80歳を超えた妹さんから送信してきた記事を見たりして、一日中、忙しい。

 文字を入力することは煩雑と感じるが、携帯電話に話しかけて、自動的に音声を文字に変換される。ネット上のショッピングサイトである京東(JD)や淘宝(タオバオ)で買い物もするが、内容などを60歳ぐらいの娘に見てもらい、確認してから娘が支払う。

 中国のシルバーエイジは今、軽視できないデジタル化消費勢力になっている。

■世界で最大のシルバーエイジ市場

 コンサルティング会社のアクセンチュア(Accenture)が2018年5月29日に発表した研究レポート「新消費、新勢力」から、次の点が明らかになった。中国国民の可処分所得の上昇とデジタル化によって、中国のデジタル分野での消費者の世代間格差を縮小しつつある。つまり、デジタル消費はもはや若年層に専属するものではなく、年長者にも無縁のものではなくなっている。

 年齢から言えば、「00後(2000~09年生まれ)」とされる世代がまもなく消費市場に入ってきて新たな消費パワーとなり、「95後(95~99年生まれ)」世代は既に消費の中堅になっている。肉体労働者の場合、50歳前後で定年退職するので、「70後(1970年代生まれ)」世代も次第に「シルバーエイジ」と思われるようになっている。

 調査研究から、現在、シルバーエイジの半数以上がネットショッピングの経験があることが明らかになっている。しかも、2030年になると、中国の51~80歳の人口は6億を上回り、米国の総人口の2倍に近づき、世界で最大のシルバーエイジ市場を形成すると予想されている。その時の彼らはデジタルライフにすっかり慣れ親しんでおり、そのデジタル消費は今日のシルバーエイジ消費をはるかに上回るだろう。

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「虫苦手」開発者が「ダンゴムシ玩具」を作るまで 図鑑買うも「気持ち悪くなるので…」(J-CASTニュース)

 本を読んでいると「ダンゴムシの裏側の画像がたくさん出てきて、気持ち悪くなった」――。

【写真】丸めると巨大「ボール」のように…

 そう答えるのは、バンダイの新作カプセルトイ『だんごむし』の開発担当者だ。全長140ミリの巨大なダンゴムシのおもちゃを作り上げた男は、意外にも「柔らか系の虫は全般的に苦手」なのだという。

 製作に要した期間は、カプセルトイでは異例の2年だ。一体どのようにして、ニガテな虫と向き合ったのか。本人がこの2年間を振り返った。

■「虫の日」にリリース

 バンダイは2018年8月第5週、ダンゴムシを再現したカプセルトイ『だんごむし』を、全国のカプセル自販機で発売する。

 プレスリリースによると、いつの時代も多くの子どもたちを魅了してきた生き物・ダンゴムシと、むきだしの状態で出てくるカプセルトイ(カプセルレス玩具)を「融合」させた。世界初となるダンゴムシの1000%スケールモデルのカプセルレス玩具だ。

 丸めると直径約74ミリ、広げると全長140ミリ。「昆虫が苦手」な開発担当者が文献や図鑑を読み込み、ダンゴムシ特有の複雑な構造を徹底的に研究しながら、試作を重ねた。カプセルトイの製作期間としては異例の2年を経て、ダンゴムシが丸くなる様子を完全に再現した。

 バンダイが「虫の日」の6月4日、『だんごむし』のプレスリリースを発表すると、ツイッターのトレンド欄に「ダンゴムシ」が入るなど、インターネット上で大きな注目を集めることに。「無駄にリアルだなw」「カプセルケース抜きでこの状態で出てくるのォ…」といった声が寄せられた。

 中でも注目を集めたのが、「昆虫が苦手」な開発担当者だ。ダンゴムシは昆虫ではないので、どこまで苦手としているか分からない。それでも仮に、虫全般をニガテとしているのなら、2年間もダンゴムシと向き合う苦労は想像するにあまりあるに違いない。

虫嫌いの原点は、小6の「カマキリ」

 バンダイの広報担当者によると、開発担当者はかなり経験豊富な男性社員だ。男児向け玩具の事業部配属後、9年間の香港駐在、3年間のフランス駐在を経験。さらにコレクターズ事業部に移り、現在はベンダー事業部の企画・開発第2チームに在籍している。

 開発担当者は今回、J-CASTニュース編集部の取材依頼を承諾。以下のような回答が6日夕、広報担当者を通じ、返ってきた。

――「昆虫が苦手」だそうですね。特に苦手な虫はありますか?

  「カブトムシやクワガタのような堅い虫は好きですが、柔らか系の虫は全般的に苦手です。こどもの頃は虫だけでなく生き物なら何でも大好きでいろんなものを飼っているような子どもだったのですが、小学6年の時に、捕獲したカマキリに首が付いておらず、それでも学校の花壇で普通に生き続けているのを見て虫が怖くなり、その後、ほとんどの虫が嫌いになりました」

――今回の商品を開発する前、ダンゴムシで遊んだことはありましたか?

  「自分が子供のころはよくダンゴムシで遊んでいました。また、娘が小学2年生の時にダンゴムシにハマったので、それで一緒に遊びました。ダンゴムシは壁にぶつかると右、左と交互に方向を変えるなどいろんなことを学びました」

――「昆虫が苦手」なのになぜ、巨大ダンゴムシのカプセルトイを作ることになったのでしょうか? 

  「ザクヘッドというカプセルを使わない商品の企画をしているときに、丸くないものを丸い形に変形させるのに非常に大変な思いをしていました。その時に、初めから丸いダンゴムシは究極のカプセルレス商品になるということに気が付きました。
  しかも、小さな生き物というイメージの強いダンゴムシを大きなサイズにすれば、そのインパクトが強烈で話題になるということと、娘がダンゴムシにハマっていたことを思い出し、誰もが子供時代に一度はこの虫にハマる時期があるのだったら、大人向けに企画すれば、かなりの人が昔を思い出し、すごく興味を持ってもらえるのではないかと思ったためです。
  で、カプセル自販機からダンゴムシがゴロンと出ていて購入して頂いた方の驚く顔が想像できたので、どうにか商品化してみたいという気持ちになりました」

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マツダに米欧ダブルパンチ? 待ち受ける厳しい局面(J-CASTニュース)

 マツダの株価が冴えない展開となっている。2018年5月30日には約2か月ぶりに年初来安値を更新した。米トランプ政権が検討している関税引き上げ案に加え、欧州の排ガス規制への対応なども株価上昇を抑える要因となっている。

 5月30日はイタリアの政局混迷をきっかけに欧州の財政不安が高まった日で、東証1部銘柄はほぼ全面安だった。なかでも、外国為替市場で円相場がやや円高・ユーロ安に振れたことで、「欧州銘柄」とも目されるマツダ株の売りがきつかった。前日安値(1389円)を当日高値(1373円)が下回って「窓を開ける」急落となり、一時1351円まで下げて年初来安値を更新する結果となった。そこには円相場だけでなく、米欧それぞれの悪材料もかかわっていた。

■トランプ政権、「輸入制限検討」発表

 米国についてはトランプ政権が5月23日、自動車や自動車部品について追加関税を課す輸入制限の検討に入ると発表したことが尾を引いている。「安全保障」を理由に関税を25%に引き上げるという、トランプ政権らしい随分乱暴な言いぶりだ。

 しかし、TPP(環太平洋経済連携協定)や地球温暖化対策のパリ協定をあっさり離脱するなど、政権発足以来打ってきた手を見れば「単なる観測気球で済みそうにない」と思わせるのがトランプ流でもある。日本メーカーは現地生産を増やしていると言っても米国への輸出は年間計170万台規模に上り、もし輸入制限が現実となればその影響ははかり知れない。とりわけ米国に工場を持たないマツダにとって重大な危機とも言える。

欧州での排ガス規制、さらに厳しくなる可能性

 欧州では排ガス規制がボディーブローのように効いている。マツダは「ユーロ6d」と呼ばれる基準(走行距離あたりの二酸化炭素排出量)が未達成であることによって欧州委員会にペナルティ(罰金)を支払う必要があり、2019年3月期に100億円を見込んでいる。欧州の環境規制は今後さらに厳しくなる可能性があり、マツダのペナルティ負担は19年3月期にとどまらず、さらに数年続くとの指摘もある。環境規制の強化は欧州だけの話ではない。米国や中国でも年を追うごとに電気自動車(EV)など一定程度のエコカー販売を義務づける方向で、こうした分野に必ずしも強くないマツダにとっては厳しい局面が待ち受ける。

 マツダはトヨタ自動車と組んで米国に新工場を設け、2021年に稼働させる方針。輸出に頼り切るリスクは多少減るものの、一方で設備投資がかさむ。設備投資については環境車や自動運転車への対応など今後、増えることはあっても減ることはない。18年5月15日、トヨタ、日産自動車に次ぐ3社目となる、国内累計生産台数5000万台超えの節目を迎えたが、これに喜んでいられない状況にあることが株価に表れている。

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アメリカVS欧州、「貿易戦争」の様相 日本はどうする(J-CASTニュース)

 米トランプ政権の自由貿易への「敵対姿勢」がエスカレートしている。2018年5月下旬には、輸入する自動車・同部品に新たな関税を課す検討に入った。高関税を発動した鉄鋼・アルミ製品にならい、米通商拡大法232条に基づき、輸入増が「国家安全保障上の脅威」になっている可能性があるという理屈で、関税を現行の2.5%から最大25%に引き上げる案が検討されているという。当然ながら、対米輸出が多い日本など各国は一斉に反発し、世界的な貿易摩擦から「貿易戦争」に発展することを懸念する声が強まっている。

 トランプ大統領は5月23日、調査をロス商務長官に指示した際の声明で「自動車・同部品のような中核産業は、国家としての強さに不可欠だ」と強調。ロス長官は「何十年もの輸入で米自動車産業が損なわれたことを示す証拠がある」として、研究開発力の低下などが安全保障に悪影響を与えることがないか調べるとの考えを示している。

■米中間選挙との関係

 トランプ政権は2017年4月、同じ条項に基づいて鉄鋼・アルミの輸入品の調査に着手し、約1年後の18年3月、それぞれ25%と10%の新たな関税をかける措置を発動した。自動車についても同様の経過をたどるのかは不明だが、トランプ政権の狙いが、11月の米中間選挙に向け、「ラストベルト(さびついた工業地帯)」と呼ばれる自動車などの製造業が衰退した地域の支持者向けのアピールにあるのは間違いない。

 もう一つの狙いは、通商交渉で有利な展開に持ち込みたいということだ。トランプ大統領は、鉄鋼などの関税について、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉中のメキシコ、カナダ、自動車関税などで交渉中の欧州連合(EU)に5月末まで発動を猶予したのは、妥協を迫るツールと位置付けているからだ。6月になって、猶予を解除し、関税を発動したのは、当面、交渉進展が望めず、中間選挙に向け、国内への強硬姿勢をアピールする方がいいとの判断と見られるが、今後、自動車への高関税も、他国との通商交渉での「武器」になる。

 ただ、鉄鋼関税発動に対し、カナダは世界貿易機関(WTO)への提訴を表明、EUはWTO提訴のほか、報復関税の発動を表明するなど、「貿易戦争」の様相が強まっている。

 日本はどうか。鉄鋼とアルミの米国への輸出は年間約2200億円で、しかも日本が輸出する製品は米企業が代替できない高付加価値品が多く、高関税でも、大した実害はない。これに対して自動車は影響が深刻だ。車の輸出額は約4.6兆円と輸出額全体の3割を占め、さらに自動車部品の対米輸出額も約9000億円ある。メキシコやカナダに進出して生産している日系メーカーも多い。日本自動車工業会によると、日本から輸出する乗用車やトラックのうち米国向けは177万台(2017年度)で、トヨタ自動車やホンダなどは、メキシコから米国への輸出も増やしてきた。マツダは米国での生産はなく、すべて日本とメキシコから輸出している。ドイツのシンクタンクは、輸入制限が発動された際に各国が受ける影響試算をまとめた中で、日本は国内総生産(GDP)が最大で42億5600万ユーロ(約5450億円)減少するとしている。

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ソニー吉田社長が披露した 故・盛田昭夫氏とのエピソード(J-CASTニュース)

 業績好調のソニーが、「堅実」と評される中期経営計画(2021年3月期までの3か年)をまとめた。18年5月22日、発表した。本業で生み出すお金の量を示す営業キャッシュフローを経営指標の中で最重視し、金融を除いて累計2兆円と、前の3か年と比べて5000億円超の上積みを目指す。4月1日に就任したばかりの吉田憲一郎社長は記者会見で「いたずらに規模を追わず、利益の質を重視する」と宣言した。財務畑が長い吉田氏らしい中計となった。

 2兆円のキャッシュフローのうち、1兆円を設備投資に回す計画。中心になるのは、スマホで市場をリードする画像処理センサーだ。今後は自動運転分野での需要増も見込み、中計期間中、最大の研究開発と設備投資を行う。

■「リカーリング」も強化

 テレビやオーディオはソニーブランドを最大限活用した「プレミアム路線」を堅持。今の2019年3月期、赤字を見込むスマホは「総力戦で事業の安定化に取り組む」(吉田氏)考えだ。長期的には、4K内視鏡などの「医療」と、犬型ロボット「aibo」のような「人工知能(AI)とロボットの組み合わせ」にも力を入れる。

 ハードウエアの販売に頼らず、ソフトウエアやサービスで継続的に稼ぐ「リカーリング」も強化する。音楽、映画、ゲームなどのコンテンツIP(知的財産)が主な対象だ。その象徴が、中計発表直前に明らかにした、EMIミュージックパブリッシングの子会社化。アブダビの投資会社からEMI株の約60%を約19億ドル(約2100億円)で追加取得し、保有比率を約90%に引き上げる。EMIはクイーン、キャロル・キング、カニエ・ウェスト、アリシア・キーズらの楽曲210万曲の著作権を管理している。ソニーグループは既にビートルズなど230万曲を超える楽曲の権利を持っており、世界有数の管理会社になる。

 音楽市場はインターネットの普及に伴い最近まで縮小が続いていたが、定額ストリーミングサービスの拡大で再び成長軌道を描いている。そこで重要になるのが、著作権管理。ここで圧倒的な量と質を確保する戦略だ。人気キャラクター「スヌーピー」などの権利を管理する米ピーナッツに出資するのも、IPビジネス強化の一環。200億円超を投じて、6月末までにピーナッツ株式の約39%を取得する。

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福島銀行に業務改善命令の衝撃 金融庁の本当の狙い(J-CASTニュース)

 地方銀行の再編が進んでいる。2018年5月、東京都を主な地盤とする東京都民銀行と八千代銀行、新銀行東京が経営統合して「東京きらぼしフィナンシャルグループ(FG)」が誕生したばかり。10月には、新潟県の第四銀行(新潟市)と北越銀行(長岡市)が経営を統合する予定だ。

 そうしたなか、金融庁がこの3月期決算で7年ぶりに赤字に転落した福島銀行(福島市)に、業務改善命令を出していたことが6月2日、明るみとなった。福島県下には、同行のほかに地銀の東邦銀行(福島市)と第二地銀の大東銀行(郡山市)がある、いわゆるオーバーバンキングの地域。再編の風が強まっている。

■「銀行イジメもいい加減にしてほしい」

 ある第二地方銀行の幹部がいう。

  「いったい日銀は誰の味方なんだ。なんの成果もないマイナス金利を続けて、銀行イジメもいい加減にしてほしい」

 そう憤る気持ちはわからないでもない。そもそもの目的である2%の物価上昇目標が未だに達成できる見通しもないまま、マイナス金利政策を継続していることで、預金金利と貸出金利の差(利ザヤ)で儲けている銀行の収益は大きく縮小している。

 しかも、人口や企業数の減少で地方経済は疲弊していて、地銀の体力もまた落ちている。地銀の経営基盤が弱体化すれば、地方の金融サービス維持に支障が出かねない。そのことは金融庁も承知のうえで、2017年10月に発表した「金融レポート」では、地銀の収益減少のスピードが「予想以上に速まっている」と報告。貸し出しの利ザヤが伸び悩み、担保や保証に過度に依存した経営を続ければ、「本業」が赤字に陥る銀行は増えていくと警鐘を鳴らしていた。

 こうした状況を打開する「解決策」が、他の地銀との経営統合で生き残りを図るという、地銀自体の数を減らす戦略というわけだ。

 日銀がマイナス金利政策を導入したのが、2016年2月16日。それまでの金融緩和で、すでに預金は「ゼロ金利」だったこともあり、地銀の再編劇はこれに呼応する。

 2016年4月、地銀大手の横浜銀行(横浜市)と第二地銀の東日本銀行(東京都中央区)が経営統合して「コンコルディアFG」が発足。四国のトモニホールディングス(香川県高松市、傘下に香川銀行、徳島銀行)に、大阪を地盤とする大正銀行(大阪市)が合流した。この年10月には、西日本フィナンシャルホールディングス(福岡市、西日本銀行)に長崎銀行(長崎市)が合流。1990年代後半~2000年代初めの金融危機で一時国有化された栃木県の足利銀行(宇都宮市)と、茨城県の常陽銀行(水戸市)が「めぶきFG」を発足したのも16年10月だ。

 今年4月には、近畿大阪銀行と関西アーバン銀行(いずれも大阪市)、みなと銀行(神戸市)の3行が持ち株会社「関西みらいフィナンシャルグループ」の下で統合。三重銀行(三重県四日市市)と第三銀行(三重県松阪市)が経営統合して「三十三フィナンシャルグループ」が発足。今後も合従連衡は続く見通しだ。

孫氏が「投資家回帰」? 米携帯「統合」が意味するコト(J-CASTニュース)

 ソフトバンクグループ傘下の米携帯電話4位スプリントが、同3位のTモバイルUSと2019年半ばまでをめどに合併することになった。Tモバイルの親会社、ドイツテレコムとの間で経営の主導権を巡り対立していたが、ソフトバンクが譲り、18年4月末に合意に達した。規模拡大で携帯の次世代通信規格「5G」への投資を急ぐことになるが、背景にはソフトバンクの「心変わり」があった。

 両社の契約者数の単純合計(2017年末)は約1億2600万となり、米携帯業界で首位ベライゾン・コミュニケーションズ(2017年末契約者数1億5045万)、2位AT&T(同1億4156)に肩を並べ、「3強」体制になる。

■Tモバイルがスプリントを逆転

 新会社名はTモバイル。4月27日の終値を基準とすると、スプリントの企業価値は約590億米ドル(約6.4兆円)とされ、合併比率はTモバイル1株に対しスプリント9.75株。新会社の株式保有比率はドイツテレコム41.7%、ソフトバンク27.4%となり、ソフトバンクの子会社でなくなる。新会社の最高経営責任者(CEO)は、現TモバイルCEOのジョン・レジャー氏が就き、取締役14人のうちソフトバンクは孫正義・会長兼社長ら4人、ドイツテレコムは9人を送り込む。

 ソフトバンクは2013年にスプリントを約2兆円で買収。当初からTモバイル買収を視野に検討が進んだが、オバマ政権時代の米連邦通信委員会(FCC)は、3社寡占でサービスが低下するとして反対し、頓挫した。当時の順位は、スプリント3位、Tモバイルが4位だったが、その後のスプリントの業績不振で逆転されていた。

 通信規制緩和、業界再編に理解があるトランプ政権発足を受け、2017年6月に再び交渉が始まり、大筋合意と報じられるところまでいったが、最終的に両社が主導権を譲らず、10月末に協議は打ち切られた。そして今回、3度目の協議で、ようやく話がまとまった。ただ、FCCの審査を通る確証があるわけではない。日本が3社寡占で競争が減り、楽天の参入で4社体制に戻ろうとしているように、3社では競争なくなるとの指摘は根強く、認可まで楽観を戒める声もある。

 合意を後押しした最大の要因が、「5G」だ。通信速度が現在の100倍、あらゆるものがインターネットでつながる「IoT」の基盤になる規格で、2020年に実用化される見通しだ。スプリントは早速、「新会社は今後3年間で400億ドル(約4兆3000億円)を投資する」と表明した。ベライゾンとAT&Tは2018年後半から固定通信の代替として、一部地域で5Gの商用サービスを始める予定で、年間設備投資額は、Tモバイル、スプリントは単独ではそれぞれ、2強の3~4分の1にとどまっており、この面から、統合は不可避だったといえる。

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日本橋が狙う一石二鳥 景観改善に加え…(J-CASTニュース)

 国の重要文化財・日本橋(東京都中央区)の上を走る首都高速道路のうち、神田橋ジャンクション(JCT)から江戸橋JCT間の1.2キロの区間が地下トンネルとなることが決まった。

 国土交通省、東京都、首都高速道路会社の3者が進める検討会が2018年5月22日、地下ルート案を公表した。今後、東京都知事が都市計画として決定すれば着工となる。国交省などは20年東京五輪.パラリンピック後の着工を目指すという。

■地下ルート案を公表

 日本橋周辺の首都高は、1964年の東京五輪前に開通したが、無骨な高架橋が日本橋川や二重アーチ橋の真上を走り、都市景観を損ねているとの批判があった。日本橋周辺の首都高が地下トンネルとなることで、徳川幕府が1603年に建造し、五街道の起点だった日本橋は東京五輪前の姿を取り戻すことになる。1911年に建設された現在の二重アーチ橋は、これまで首都高の陰に隠れ目立たない存在だったが、観光名所として再び注目されそうだ。

 問題は具体的な地下ルートの確定と費用負担だった。日本橋周辺の首都高は老朽化と付近の都市再開発に合わせ、竹橋JCT~江戸橋JCT間(約2.9キロ)が大規模更新区間となっていたが、このうち地下ルートは再開発が進む日本橋周辺に限ることになった。

 公表された地下ルート案は合計1.8キロで、実際の地下トンネル部分は1.2キロ。このうち新設のトンネル区間は0.7キロだ。残るトンネル区間0.5キロは神田橋JCTから既存の八重洲線トンネルを活用し、コスト削減を図る。地下トンネル区間以外はトンネルに続く地上の取り付け道路となる。

老朽インフラ再生のモデルケースとなる可能性

 今回の日本橋の地下ルート化は、都市景観の改善だけでなく、交通渋滞の解消にもつなげる考えだ。交通渋滞が激しい江戸橋JCTを一部改修し、現在は大型車が通行できない八重洲線と東京高速道路(KK線)を有効活用することで、慢性的な渋滞を緩和するという。

 具体的な建設費用と負担割合については、今夏の次回検討会で3者が議論する。地下ルートの計画地には日本橋川が流れ、地上にはJR線、地下には地下鉄(半蔵門線、銀座線、浅草線)が走る。東京電力の電力線やNTTの通信線、上下水道など地下埋設物も多い。「地下ルートはこれらの地下埋設物や地下鉄との干渉を回避しなくてはならず、限られた空間を縫うように走る難しい工事になる」(国交省)という。それでも建設コストを抑えながら、都市景観の向上と渋滞緩和に成功すれば、日本橋が老朽インフラ再生のモデルケースとなる可能性がある。

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一人カラオケの流れに乗れず… 「グループ重視」シダックスが「撤退」(J-CASTニュース)

 「一人カラオケ等消費者のニーズが大きく変化した」――。カラオケ大手のシダックスが、「カラオケ館」などを運営するB&Vに事業を売却すると発表した。

 一時は店舗数が約300店まで拡大したシダックス。今回の売却の背景に一体、何があるのか。カラオケ業界に詳しい評論家は「グループ客をメインに捉え過ぎたことが一因にある」と指摘する。

■「グループ大勢で楽しむというのが主流でした」

 シダックスは2018年5月30日、運営子会社シダックス・コミュニティーの持ち株81%を6月7日付で「カラオケ館」の運営元・B&Vに売却し、同社に対する約97億円の債権も譲渡すると発表した。

 株式の売却後も、約180店あるカラオケ店への食材や消耗品の販売、業務管理システムの提供などを継続するが、店舗の運営からは撤退する。今後は、学校・企業の給食などを受託する事業に経営資源を集中する。

 シダックスは郊外を中心に出店を進め、一時は店舗数を約300店まで拡大した。だが16年、採算悪化で全体の約3割にあたる80店を閉鎖。その後もカラオケ事業の不振が続き、18年3月期の決算では3年連続の赤字を出した。

 シダックスの発表によれば、これは「一人カラオケ等消費者のニーズが大きく変化する市場環境の影響」によるものが大きい。同社の経営企画本部長は5月31日のJ-CASTニュースの取材に、

  「昔は飲み会の後の2次会利用や、グループ大勢で楽しむというのが主流でした」

と回答。その上で、

  「現在では娯楽の拡大(スマートフォンの普及など)により、カラオケを利用するグループ人数の変化(例:4人→2人や1人)や、『一人カラオケ』のような利用、また楽器演奏や勉強・ビジネス利用など、カラオケルームを一つの個室空間として利用するお客様など、利用ニーズが多様化していると感じております」

と説明した。

専門家「ここ数年は、かなり試行錯誤をしていた」

 「ファミリーやサークルなど、グループ客をメインに捉え過ぎたことが一因にあるでしょう」。シダックスが「市場環境の影響」を受けた背景について、カラオケ評論家の唯野奈津実さんは、5月31日のJ-CASTニュースの取材にそう指摘する。

 シダックスがカラオケ事業に参入したのは、1993年のことだ。唯野さんいわく、

  「それ以前のカラオケボックスには、非行の温床と言われるほど、うす暗いイメージが付いて回っていました。ですが、シダックスはこれを明るいものに変えようとしたのです。家族やグループで安心して来られるよう工夫をこらしたことで人気を獲得し、一時は店舗数で全国第1位となりました」

 シダックスは郊外の一戸建て型店舗を中心に出店を進めていた。店内にHIPHOPやバレエ、ヨガなどの講座を開催する「シダックスカルチャークラブ」を設置し、地域コミュニティの場として機能。ファミリー層や地元の友人らで楽しめるカラオケ店として定着したのだ。

 ただこの数年、同業他社が店舗数を増やしている一方で、シダックスは減少の一途をたどっていた。「自社の狙いどころを昨今の顧客ニーズと合わせるのがなかなか難しかったのではないか」。唯野さんはそう話し、シダックスが当初、カラオケ事業のずっと前から学校・企業の給食事業を展開していたことを指摘。

  「シダックスさんは『食』にもこだわりたかったのでしょうが、大人数のカラオケと違い、1人カラオケであまり食事を楽しもうとはなりません」

と説明した。

 さらに、「個人的には、今回の撤退に驚いていません。ここ数年は、かなり試行錯誤をしているように映りました」。自身のウェブサイトでは、

  「90年代の『カラオケ・バブル』時代のような、『カラオケと言えば飲み会の二次会など大勢でお酒を飲みながらワイワイ』的なお客様をターゲットとした経営モデルを主軸に考えているカラオケ事業者は、この先は非常に厳しい」

との観測も示していた。

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