ピザハットの「ハトが宅配」ネタ、案外ホンネ!?  人手不足時代の「4月1日」(J-CASTニュース)

 人手不足が深刻な宅配ピザに、救世主だ! 宅配ピザチェーンのピザハットは、ハトがピザを届ける「『ピザハト(PIZZA HATO)!』を始動。デリバリースタッフに、1万羽のハトを大量採用する――ピザハットが2018年「4月1日」に「発表」した。

 「万が一のトラブルにはハトに代わって人間が届ける」というが、インターネットの掲示板などでは、

  「ピザハットさん、すごい……」「1匹くらいマジでやってほしい。」「店員も全員ハトになるのでは?」

 といった、楽しむような声も寄せられている。

■「より速く」「より遠くまで」

 ピザハットによると、ハトによるピザのデリバリーサービス「ピザハト(PIZZA HATO)」は、宅配ピザ業界初のハトが届けるデリバリーサービス。宅配ピザの「ピザハット」が、「より速く」「より遠くまで」「おいしさという愛を届ける」ことを追求し続けた結果、「必要なものはバイクではなく『翼』でした」と結論づけた。

 ハトが何世紀ものあいだ、伝書鳩として活躍してきたことに着目。ハトには帰巣本能があり、何世紀ものあいだ、伝書ハトとしてメッセージを運ぶ仕事をしていた「実績と信頼」があると、強調する。

 約100日間のトレーニングを積んだハト1万羽を「ピザハト」として採用。ハトがもつ最高時速157キロメートル(平均時速80キロメートル)のスピードを生かすことで、これまでのように渋滞や配達エリアを気にすることなく、どこへでもスピーディーな配達が可能となる。

 また、水と豆があればどこまでも飛ぶことができ、バイクと違って排気ガスも出さないので、「環境にやさしい」というメリットも見込める。

 ピザハットWEB会員向けには、「カラス保証」や「つまみ食い保証」「自然帰化保証」の3つの保証「Pizza Hato Care+(ピザハトケアプラス)」を無料で提供。万が一のトラブルの際にはハトに代わってヒトが届けるという。

 お天気のいい、絶好のお花見日和が続くなか、宅配ピザは「ハト」が大忙しで飛び回っているようだ。

店の食材その場で調理、出来立て「パクッ」と グローサラントが急増中のワケ(J-CASTニュース)

 スーパーとレストランが一体化した新しい店舗業態「グローサラント」が今、急速に広がっている。高級スーパー、成城石井が昨2017年秋、東京都調布市の京王線調布駅の商業施設に出店した「成城石井トリエ京王調布店」をはじめ、イタリア発の「イータリー」や、大手総合スーパー、イオンなども続々と参入し、注目を集めている。

 グローサラントは、食料品の販売店を指す「グローサリー(grocery)」と「レストラン(restaurant)」を合わせた造語だ。米国発祥とされ、米大手スーパー、ホールフーズ・マーケットなどが展開し、来客数の増加につなげるなど話題になっている。

■本格的な料理を提供

 東京都千代田区の東京駅地下構内には昨17年夏、「イータリー グランスタ丸の内店」がオープンした。店内の入り口付近では、イタリア産のワインやチーズ、ハムなどを販売しており、一見、オシャレな輸入食材店だ。しかし、店内を奥に進むと、椅子やテーブルを置いたレストラン空間が表れる。レストランではパスタ料理など本格的なイタリア料理を楽しむことができ、食事の帰りにチーズなどを買い求める人もいる。

 グローサラントは、コンビニエンスストアで増えているイートインのように、単に店で売っている弁当や総菜を食べられる場所を置くだけではない。店で売っている肉や野菜などの食材をその場で調理し、できたての本格的な料理を提供するのが特色だ。客は食べたものが気に入れば、販売コーナーで買って帰ることができる。店で販売している気になる食材がメニューで使われていれば、レストランを試食の場に利用することも可能だ。

買い物ついでに飲食

 こうしたグローサラントの動きは、多くのスーパーの間に広がってきており、成城石井トリエ京王調布店では、レストランコーナーでハンバーグやステーキなどを提供し、質の良い食材を使った味のよさなどが好評だ。イオンでも、17年夏オープンした「イオンスタイル新浦安MONA店」(千葉県浦安市)などでグローサリー型の店舗を展開。注文を受けてから調理する生パスタや手作りサンドイッチなどが評判で、買い物ついでに飲食していく人も増えているという。

 なぜグローサラントは広がっているのか。「仕事をもつ女性が増えて、家で食事を作らない家庭が増えており、スーパーは食材を売るだけではじり貧になっているため」と流通業界関係者は話す。「コンビニコーヒーが定着し、女性が外で気軽に物を食べることに抵抗感をもたなくなったことも大きい」との指摘もある。 ただグローサラントは日本ではまだ始まったばかりで、課題も少なくない。ある小売り関係者は「アルコールまで提供して、お客さんに騒がれたら、ファミリー層が敬遠するかもしれない」と懸念を示す。

 各社は試行錯誤をしながら取り組みを慎重に検討していく構えだ。

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中国製造業の瓦解を救えるのか ジャック・マーの「メイド・イン・インターネット」(J-CASTニュース)

 中国の従来型製造業には、「集積」という言葉がふさわしいかもしれない。産業チェーンの上から下まで、多くの部分がすべて一つの中心に向かい、空前の強大さを誇る「規模の経済」と「範囲の経済」により、生産コストを減らし、最終的に中国が「世界の工場」へと躍進するのを突き動かした。

 この勢いのもとで、危機はすでに現れている。中国を猛烈な勢いで勃興させた工業形態が今、ひそかに瓦解しようとしている。これ以上、変化を求めずにいれば、中国の奇跡は終わりを告げることになるだろう。

■成功した「産業集積」が引き起こす圧迫

 だが、中国の製造業も自らの運命を変えようとしている。その目標が「新製造」という大変革である。

 全中国に目を向けると、大工業地帯、産業パークは数えきれないほどある。車で一時間圏内に、設計と研究開発、原材料、加工工場、卸売市場、物流システムなどの多くの段階を網羅し、互いに協力して高速回転し、巨大な規模の経済で大量の靴や衣服、おもちゃや家具を生産している。

 最終的に優れた品質で廉価な「メイド・イン・チャイナ」製品が一つ一つコンテナに詰められ、海を渡って全世界の商品棚へ運ばれる、或いは縦横に交錯する運河や鉄道網で内陸の無数の街へと運ばれる。この過程とともに中国経済は飛躍的に発展しただ。

 しかし、このように集積した全産業チェーンが、現在ではだんだん厳しい圧迫を受けるようになり、切断されている。

 環境保護がこうした小型の加工工場を圧迫し、都市のアップグレードが卸売市場のような「ローエンド産業」を圧迫する。大都市の人口規制はローエンド労働者を圧迫し、外国貿易の低迷や為替相場の変動は、産業チェーン全体を圧迫する。

 古典的なものとしては仏山の陶磁器、杭州のアパレルがある。デザインや研究開発の一部は残されたが、その他のほとんどすべての部分はみな移転し、あるものは中国中西部へ、あるものは東南アジアやアフリカ大陸で海外工場を設立している。それぞれの距離はますます遠くなってゆく。

なでしこ銘柄の有休取得率 全回答企業の水準と比べると…(J-CASTニュース)

 経済産業省と東京証券取引所は2018年3月22日、社内で女性が活躍する優れた上場企業を「なでしこ銘柄」として48社選定した。12年度にスタートし、6年目となる今回の17年度は「表面的な対応に終始せず、経営成果につながる女性活躍推進の取り組みができているかどうか、取り組みの『質』に注目して評価・選定した」という。

 「女性の活躍」に取り組む上場企業は「中長期の企業価値向上」に結びつくため、これを重視する投資家に優良銘柄として紹介することを目指している。企業への投資を通じ、各社の先進的な取り組みを後押しすることも狙っている。東京証券取引所の全上場企業約3500社の中から、女性の活躍推進に関するスコアリングの基準に従って評価を行い、さらに財務指標による加点を行ったうえで、27業種ごとに1~4社の計48社を「なでしこ銘柄」に選定した。

■6年連続で選定されたのは2社

 調査に回答した全企業と「なでしこ銘柄」に選ばれた企業との比較では、「新規採用の女性比率」について、選定企業の水準が全回答企業の水準を上回っている。「選定企業、全回答企業ともに、新規採用の女性比率が上昇しており、全体の傾向として、女性の採用意識が年々高まっている」という。また、「年次有給休暇取得率」についても、選定企業が全回答企業の水準を大きく上回り、「なでしこ銘柄」の企業では、働き方改革も進んでいることがうかがえた。

 「男性育児休業取得率」は、全回答企業が13.9%だったのに対して、選定企業は36.0%と、非常に高い取得率だった。「選定企業では積極的な推進策が実施されており、制度を利用しやすい風土であることがわかった」という。

 今回初めて「なでしこ銘柄」に選定されたのはキリンホールディングス、味の素、帝人、王子ホールディングス、日立金属、古河電気工業、オムロン、セイコーエプソン、丸井グループ、イオン、千葉銀行、SOMPOホールディングス、アフラック・インコーポレーテッド、メンバーズだった。6年連続で選ばれたのは、東京急行電鉄、KDDIの2社だった。なでしこ銘柄48社は経産省のサイトで確認できる。

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首都圏「電力&ガス」三つ巴バトル激化 東電が新たな一手(J-CASTニュース)

 東京電力ホールディングス(HD)傘下の小売専業会社、東京電力エナジーパートナー(EP)が、ガス会社との関係強化に動いた。2018年3月22日、日本瓦斯(ニチガス)に出資すると発表したのだ。両社は電力・ガスのセット販売で既に提携関係にあるが、関係を一層強化する。首都圏ではほかに「関西電力・東京ガス」「中部電力・大阪ガス」がそれぞれ連携を強めており、三つ巴の陣取り合戦が激しくなりそうだ。

 発表によると、東電はニチガスの発行済み株式の約3%を取得とともに、ニチガスに取締役1人を派遣する。ニチガスは3月29日、東電側による株式取得が完了したと発表した。

■電力の卸供給方式に切り替える方針

 両社は2015年10月、業務提携契約を締結。東電が提供する電力と、ニチガスが提供するLP(液化石油)ガスや都市ガスを組み合わせたセット販売の枠組みを作った。

 ただし、セット販売といっても「販売代理方式」。ニチガスは東電の販売代理店という位置づけのため、独自の料金プラン設定などに踏み込めなかった。東電は今回の出資を機に、電力の卸供給方式に切り替える方針だ。ニチガスにとっては、多様な料金プランを設定するなど、独自色を強められる。

 ニチガスが現状より安いプランの電気を売り出せば、東電の顧客もニチガスに流れかねない。東電にとっては痛手だが、元をたどれば東電が供給しているため、他陣営に顧客を奪われるよりは傷が浅い。

 それより、東電にとってのメリットはガス販売の増加が期待できること。ニチガスは、都市ガスの全量を東電から調達する契約を結んでいる。ニチガスが電気・都市ガスとセットで販売量を増やせば、東電のガスの卸売り量も増えるというわけだ。2017年7月に家庭向けガス小売りのサービスを始めた東電の契約数は提携先も含めて約60万件と、目標を上回るペースだが、あらゆる手段で収益拡大を目論んでいる。

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音楽のDL販売はオワコン? ストリーミングサービス拡大の裏でダウンロードがCD以下に(J-CASTニュース)

 CDからダウンロード、そしてストリーミングサービスが登場して大きく様変わりした音楽産業が、再度の大きな転換を迎えそうだ。

 アメリカレコード協会(RIAA)が2018年3月22日発表した2017年の音楽産業の収益報告によると、ストリーミングの割合が更に上昇して収益の65%を占める一方、CDなどの収益(17%)がダウンロード販売(15%)を上回るという、特徴的な傾向が生まれている。加えて、アップルミュージックの関係者がダウンロード販売の終了を示唆するなど、音楽産業に更なる変化が訪れそうだ。

■収入の6割はストリーミング

 RIAAの発表によると、昨今盛り上がりを見せているストリーミングサービスは成長を続け、17年の音楽産業の収益の約6割を占めるまでになっている。ストリーミングサービスによる収益は14年には18億ドルだったものの、15年は23億ドル、16年は4億ドル、そして17年には57億ドルまで規模を拡大した。

 SpotifyやApple Music、Amazon Unlimitedといった有料の定額聞き放題プランのユーザーは前年から約1.5倍の3530万人に大幅に増加し、収益額は40億ドルを超え、収益の軸となっている。

 こうしてストリーミングサービスが勢力を伸ばす一方で、ダウンロード販売とCD販売には逆転現象が起こっている。

現物派はアナログ回帰

 17年に大きく構造が変化したのが、ダウンロード販売とCD等の販売の関係だ。

 手軽さから勢力を伸ばしていたダウンロード販売は前年からシングル、アルバム問わず25%と大幅に減少して13億ドルで、15億ドルだったCD・レコードの売り上げを2011年以降で初めて下回ったのだ。

 ダウンロード販売が大きく数字を落とす一方で、CDなどの従来の手に取ることのできる音楽商品の減少幅は4%と小さい。RIAAは、これにはCDではなくLP、アナログレコードの存在があると解説しており、実際にCDの出荷数が10.3%減少する一方で、LPの出荷数は5.3%増加している。未だに割合は小さいながら、近年ではレコードブームが再燃しており、レコード時代の過去の作品だけでなく、人気アーティストが新譜のフォーマットの1つとしてLPを選択するケースも増えている。

 対照的に、アップルミュージックの重役で音楽プロデューサーのジミー・アイオバイン氏は、BBCに対してアイチューンズのダウンロードストア閉鎖は、「人々が音楽を買うのを辞めた時」訪れると言及したことも、25日報じられた。

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「すき家」の戦略が奏功 ゼンショーHDに吹いた追い風(J-CASTニュース)

 米トランプ大統領が繰り出す「アメリカ・ファースト」な政策が世界を揺るがす影響で日本株が全体的に弱含む中、牛丼チェーン「すき家」などを展開するゼンショーホールディングス株が上場来高値を更新する「逆行高」を演じている。

 足元で進む円高は輸出産業には重荷だが、国内で飲食店を展開する会社には食材の輸入価格が下がるため朗報となっており、弱気に覆われがちな市場で成長株を物色する投資家の注目を浴びている。

■「値上げ」に踏み切る

 2018年3月16日の金曜日、ゼンショーHD株は一時前日終値比54円高の2394円まで上昇し、上場来高値(株式分割の影響反映)を更新した。その翌週も株価は堅調で、22日には一時、2465円まで伸び、2500円をうかがう勢いを見せる。ゼンショーHD株は日経平均株価が調整局面を迎えた2月上旬以降、むしろ上昇気流に乗っており、2月1日の終値(1938円)から直近高値を記録した3月22日の終値(2462円)を比較すると、2か月弱の間に27%もの急伸だ。同じ期間に日経平均は2万3486円から2万1591円まで8%下げているだけに、まさに逆行高と言ってよさそうだ。

 ここへきて、はやされているゼンショーHD株ではあるが、ゼンショーHDのような外食産業にとってこのところ、経営上の良いニュースはあまりなかった。人手不足による賃金上昇や食材価格の高騰に歯止めがかからず、これら外部要因は業績を押し下げる要因でしかなかった。ゼンショーHDも、このままではもちこたえられないと判断し2017年11月29日、「すき家」の商品の値上げに踏み切ったのだった。

輸入食材の調達コスト低下

 値上げは牛丼並盛を291円(税込み、以下同)から350円に引き上げた2015年4月以来、約2年半ぶり。すき家は今回の値上げの理由を「米国産牛肉の牛丼用部位の価格が前年同期比で42%上昇し、米の価格は前年同期比で9%上昇、パート・アルバイトの募集時平均時給は前年同期比で2.2%上昇している」と訴え、理解を求めた。ただ、客足が遠のく影響を考慮し、牛丼並盛の価格は350円で据え置き、大盛りを10円値上げし480円、特盛を50円値上げし630円とし、セットメニューを最大40円値上げするという形をとった。

 この戦略が奏功し、すき家の既存店売上高(前年同月比)は17年12月が5.5%増、18年1月が7.5%増、2月4.9%増となった。店舗の賑わいによって18年のゼンショーHDの業績は増収増益を見込むこととなった。さらに、外国為替市場の円高・ドル安によって輸入食材の調達コスト低下で採算改善をも期待する投資家の買いにより、株価が上昇したというわけだ。

 この間、事業の構造や環境が似ている吉野家HDや松屋フーズも株価が上昇した。全体として日本株に勢いはないが、投資家の物色意欲は衰えていないようだ。

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消えない民間金融機関の懸念 ゆうちょ銀 「通常貯金の限度額撤廃」論議(J-CASTニュース)

 ゆうちょ銀行の貯金の上限規制「預入限度額」を撤廃する議論が佳境を迎えている。郵政民営化以来の古くて新しいテーマであり、「民業圧迫」をめぐる官民対立の構図が続いている。

 民間金融機関の預金に当たる貯金は、郵便局の窓口や現金自動受払機(ATM)で出し入れできる通常貯金と、貯蓄性の高い定期・定額貯金があり、預入限度額は現在、全部合わせて1人1300万円。2007年の日本郵政の株式会社化以降では、16年4月に、それまでの1000万円から引き上げられた。

■綱引きが続いてきた歴史

 株式会社となった当初は、持ち株会社の「日本郵政」の傘下に郵便事業、郵便局、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の4子会社がぶら下がる体制で始まり、2012年に郵便事業と郵便局が統合され、現在は3子会社体制。15年に日本郵政と金融2子会社が株式上場している。

 なにせ日本一巨大な金融機関の民営化であり、郵便、かんぽと一体の経営形態であることから、民営化当時から、ゆうちょ銀に対しては「官業による民業圧迫」への批判、懸念が付きまとう。一方、ゆうちょ銀からは、顧客の利便性向上、業務範囲拡大と経営の自由度の向上の願望が強い。その綱引きが続いてきた歴史がある。

 そうした宿命的な対立を緩和する「装置」が政府の郵政民営化委員会だ。郵政民営化の進捗状況を総合的に検証し、郵政民営化推進本部(本部長=首相)に意見を述べる機能で、具体的に今回のような事業の規制を緩和する場合は、委員会の意見を聞かなければならない。

「民業圧迫」懸念

 日本郵政は「通常貯金の限度額撤廃」を要望しており、2018年3月15日に開かれた民営化委員会で、長門正貢社長が正式に表明した。これは、通常貯金の限度額はなくし、定期・定額貯金は1300万円の限度額を維持するという意味とされる。同委員会は郵政の要望に沿う方向で議論し、3月中にも報告書をまとめる段取りだったが、民間金融機関側の猛反発で目論見通り進むか、不透明感が出てきているのが、現在の状況だ。

 ゆうちょ銀が限度額撤廃を望む理由はいくつかある。まず、限度額の管理の事務コスト。限度額に到達した際の利用者への案内など、バカにならないという。二つ目に、退職金や相続などのまとまった資金が入る場合に1300万円の限度額に収まりきれず、他の金融機関に持っていかれてしまうことが少なくないという。

 これに対して民間金融機関は断固反対の立場だ。政府が日本郵政の株式の過半を持ち、その日本郵政がゆうちょ銀に7割超出資しており、政府の信用力を背景とするゆうちょ銀に対する「民業圧迫」懸念が根本にある。全国銀行協会の平野信行会長(三菱UJFフィナンシャル・グループ社長)は3月15日の定例記者会見で、郵政側の動きに対し、「民間銀行の預金がゆうちょ銀行にシフトするといった意図せざる結果を招く」と懸念を示した。地銀協の佐久間英利会長(千葉銀行頭取)も、その前日の会見で「地域別に預貯金の動向を見ると業態によってはゆうちょ銀の伸びが民間を上回る地域もある」とし、「今後金利が正常化した場合は資金シフトが起こる可能性が高く、地域の金融システムへの影響が懸念される」と具体的に反対論を展開している。

 最大の論点は、この資金シフトだ。預入限度額が1300万円に引き上げられた2016年4月以降、ゆうちょ銀の貯金の伸びは民間金融機関の伸びを下回っており、貯金残高は17年12月末時点で181兆円と、16年3月末に比べ3兆2000億円程度の増加にとどまる。家計の金融資産に占める貯金の割合も15年3月末の9.9%から17年9月末では9.6%に低下しており、資金シフトがあったとは言えないようだ。

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シューカツが東京五輪で前倒し? 2021年春入社、「ルールそのものを撤廃」論も(J-CASTニュース)

 経団連は2020年春に入社する大学生らの就職活動日程について、会社説明会を19年3月、面接などの採用選考活動を同6月に解禁する現行のスケジュールを4年連続で踏襲すると発表した。

 経団連の榊原定征会長は、21年春入社については「引き続き検討を行い、秋くらいまでには一つの方向性を出したい」と記者会見で述べ、見直しを含めて検討する考えを示した。21年春入社の就活日程は東京五輪の影響で前倒しとなる可能性が高い。

■「スケジュールは全くの白紙」

 2021年入社の就活日程をめぐっては、日本経済新聞が18年3月7日付朝刊で「就活面接3月解禁検討 経団連前倒し 21年入社で」と報じた。見直しには(1)面接などの採用選考を現行の6月から3月に前倒し、(2)経団連が会員企業に呼びかける現行のルール(指針)を「目安」に変更する、(3)会社説明会を大学3年生の12月、面接などの採用選考を4年生の4月に戻す、(4)経団連が会員企業に呼びかけるルールそのものを廃止する――の4案があるという。

 これまで榊原会長は「現行のスケジュールをめぐり、いろいろな意見があることは承知しているが、政府、大学、経済界から一定の支持を得ており、新しい秩序となりつつある」と現行日程を評価してきた。その理由については「大学側から学生を3年生の間は勉学に集中させたいと要請され、これに応える形で企業は、大学3年生の3月より前は採用選考活動を行わないようにしている」と説明してきた。

 ところが2021年春入社は事情が異なるのだという。榊原会長は「21年入社の学生が就職活動を行う20年は、東京オリンピック・パラリンピックの年にあたる。セミナー会場となり得る都内の大規模施設の多くがすでに予約・占有され、これまで通りには活動ができないという特殊な事情もある。この点も含めて議論したい。21年度入社のスケジュールは全くの白紙だ」と述べる。

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トヨタ「ベア額非公表」の副作用 春闘「共闘崩壊」の起点に?(J-CASTニュース)

 トヨタ自動車労使は2018年の春闘交渉で、正社員のベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分の具体的な金額を非公表とした。グループ会社がトヨタ本体の水準を上限として賃上げ交渉を進める慣行を改めるのが経営側の狙いだという。

 ただ、ベア額の非公表が広がれば、業界内で共闘して回答を引き出すという従来型の戦術が通用しなくなる可能性もある。非公表を受け入れたトヨタ労組の判断に批判も出ている。

■会社側の回答は、パートや期間従業員なども含む

 組合側の要求は、ベア3000円に、定期昇給分7300円を加えた計1万300円だった。率に直すと約2.9%。これに対し、会社側が2018年3月14日に示したベアの正式回答は「昨年(1300円)を上回る」としたのみ。明らかにしたのは「3.3%」という賃上げ率で、具体的なベアの金額は一般組合員には明らかにされなかったという。

 賃上げ率は組合側の要求を上回るようにみえるが、実はそうではない。組合側の要求が、正社員限定で算出した数字だったのに対し、会社側の回答は、パートや期間従業員なども含む。パートや期間従業員に手当などの形で手厚く配分した結果、全体では3.3%になった。トヨタにとっては約100億円の負担増になるという。

 正社員か非正規社員かという雇用形態がどうであれ、同じ仕事をした人には同じ給料を支払う「同一労働同一賃金」の重要性は労使ともに理解している。その意味で、パートや期間従業員に手厚く配分した今回の回答は、組合側も評価できる内容だ。

「水準感」が分からないまま交渉することに

 また、トヨタ本体を頂点とするグループ内のピラミッド構造で、賃上げ額でもトヨタ本体がリードする形になると、グループ内の格差はますます広がってしまう。ここ数年は「格差解消」が重要なテーマの一つとなっていた。トヨタ本体を気にせずに、グループ会社の労使が会社の将来を真剣に考え、各社の実力ベースの回答を引き出す効果があるなら、ベア非公表にも意味があるのかもしれない。

 しかし、非公表は副作用も大きい。最大の問題は共闘の力が薄れることだ。非公表がトヨタ本体のみにとどまれば、まだ傷は浅いが、日産自動車も、ホンダも、マツダも――と広がっていけば、それぞれ「水準感」が分からないまま交渉することになる。

 自動車業界は国内産業を牽引し、春闘においても相場形成の役割を担っている。非公表が自動車業界だけにとどまらず、電機や鉄鋼、小売りなど、幅広い業界に広がれば、交渉はまったくの手探りとなり、労働組合全体の弱体化が一層進みかねない。

 自動車産業全体の労組でつくる自動車総連の高倉明会長は記者会見で、「共闘という観点で問題があった」と非公表を批判した。それでもトヨタは2019年以降も非公表を続ける方針だ。18年春闘は、「共闘崩壊の起点だった」と将来、評価されるのかもしれない。

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