言う事を聞かない子どもの親の残念な共通点(東洋経済オンライン)

 こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。

 毎日の生活の中で、言うことを聞かない子どもの言動に「イライラ」することも多いのではないかと思います。それを子ども自身に「聞き分けがない」と責任転嫁することは間違っています。親のちょっとした対応で、子どもは分別を身に付け、親の「イライラ」は激減します。

■電車の中で見た、親子のやりとり

 先日、電車の中で隣り合わせに座った、3歳くらいの女児とお母さんのやり取りです。乗車してすぐに、

 子「ジュース飲みたい」

 親「ダメ。後で」

 子「ジュース飲みたい!」

 親「電車に乗ったからダメ、降りてからね」

 子「ジュース飲みたい!!」

 親「電車の中だからダメって言ったでしょ!  降りてからね!」

 かなり強い口調だったからか、子どもは静かになりました。しかし、何駅か過ぎて、ある駅に到着した時。

 子「降りる?」

 親「まだ、次よ」

 あ、次降りるのね、よかったわ、と筆者は心の中で思いましたが、その次の駅についても降りる気配がありません。

 子「降りる?」

 親「まだ。次の次かな……」

 子「ジュース!!」

 親「電車の中だからダメ、降りたらね」

 非常に不誠実なやり取りに耳を疑いました。

 電車の中だからダメ、降りたらということを認識し、次の駅という約束を信じておとなしくしていたのに、裏切られたとしか言いようがありません。

■適当に「次」と言うのはうそをつくのと同じ

 これだけの言葉のやり取りができるのですから、降りるまであと何駅という数だったり、駅の名前だったり、わからなかったとしても〇分という時間だったり(こういった話しかけが、数や時間などの格好の学びの機会なのに残念です)何とでも言いようがあるはずなのに、適当に「次」と言ってしまうのは、「すぐよ」と伝えたい思いからなのかもしれませんが、はっきり言ってうそつきです。

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iPhoneで「eSIM」をまだ使ってない人は大損だ(東洋経済オンライン)

1/21(月) 5:50配信

東洋経済オンライン

 昨年秋に発売されたiPhone XS、XS Max、XRには、「eSIM」と呼ばれる機能が搭載されている。名前から推測できるかもしれないが、これは、SIMカードを端末内部に組み込んだもの。通常、iPhoneにはSIMカードを装着しているが、それとは別に利用できる。発売時点では有効になっていなかったが、昨年10月にiOS 12.1で開放され、日本で発売されたiPhoneも対象になる。

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 eSIMのメリットは、一般的なSIMカードとは異なり、電子的な発行が可能なところにある。キャリアにもよるが、オンラインで契約して、店舗に行く必要なくeSIMを有効化できるケースも。うまく活用すれば、料金を大幅に節約することが可能だ。最新のiPhoneを持っている人が、これを使わない手はない。今回は、eSIMにまつわる裏技を紹介していこう。

■1.SIMロックを解除してeSIMを書き込む

 日本で販売されるiPhone XS、XS Max、XRは、すべてeSIMに対応している。これは、ドコモ、au、ソフトバンクが販売しているものだけでなく、SIMフリー版も同じ。ただし、キャリアが取り扱うiPhoneには、SIMロックがかかっているため、他社のSIMカードを認識しない。eSIMもこの影響を受け、SIMロックありのままだと利用できない。

 そのため、3キャリアから販売されているiPhoneは、eSIMを利用する前にSIMロックの解除が必要になる。解除可能かどうかはどのように買ったかによる。端末価格をまとめて払う一括購入の場合、購入後からすぐにSIMロックを外せるようになる。分割払いの場合は、原則として101日目からSIMロックの解除が可能になる。

 iPhone XS、XS Maxの発売日である9月21日に分割で購入した人は、12月末にはSIMロックを解除できるようになっているというわけだ。発売日以降に買った人も、これから徐々に対象になっていく。SIMロックの解除は、各キャリアともウェブで手続きできるようになっており、料金もかからない。店舗でも受け付けているが、手数料がかかるため、ウェブで済ませてしまうといいだろう。

 ドコモはMy docomo、auはMy au、ソフトバンクはMy SoftBankで、それぞれSIMロック解除の手続きを行える。また、アップル自身がオンラインおよび店舗で販売するiPhoneは、SIMロックがかかっていない、いわゆるSIMフリー版になる。この場合、SIMロックを解除する必要がなく、eSIMも利用できる。SIMロックの解除が済めば、準備は完了だ。

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日本人はもっと「歴史のif」を考えるべきだ(東洋経済オンライン)

1/20(日) 15:00配信

東洋経済オンライン

あのときああしていればどうなったろう、と考えたことがない人はいまい。通常、今よりもましだったのでは、という感慨を伴うこの問い(反実仮想)を、社会、国家のレベルでなすことの意味はどこにあるのだろうか。『「もしもあの時」の社会学』を書いた防衛大学校の赤上裕幸准教授に聞いた。

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■「歴史の中の未来」は物の見方を豊かにする

 ──そもそも、歴史にifは禁物と聞かされてきました。

 英国の有名な歴史家、E・H・カーが名著とされる『歴史とは何か』で「歴史のif」の発想を「サロンの余興」と批判するなど、物事の原因を説明するのが役目と考える歴史家たちは否定的です。が、すべての歴史家がそうではなく、海外では「歴史のif」に関する論文はもちろん書籍が多数あり、「ユークロニア(どこにも存在しない時間)」というデータベースもあります。また、政治学者や心理学者も「歴史のif」の学術的な研究に参加しています。

 ──日本ではあまり聞きません。

 日本での「歴史のif」の大きな特徴は1990年代に大ブームとなった架空戦記です。太平洋戦争において、もし日本が勝ったら、8月15日以降も戦い続けたらといった小説がよく売れました。一方で、学術的な研究はあまりなく、その意味ではガラパゴス的。ただ、最近は加藤陽子・東京大学教授による、玉音放送がなく阿南惟幾(あなみこれちか)新首相が戦争を継続するという小松左京『地には平和を』の再評価など、変化は出てきています。

 ──Aが起きれば必ずBになる、という歴史必然論、決定論へのアンチテーゼだと思いますが、すべてのifが対象ではない? 

 例えば歴史改変小説。ナチスが米国に勝利していたらどうなっていたかを描いたフィリップ・K・ディックの『高い城の男』をはじめとして面白いものが多く、日本の架空戦記も含まれます。これらは「もしもあのときこうだったら」から風が吹けば桶屋が儲かる的に話が膨らんでいって面白いけれど、あくまで物語。丸々学術的な研究対象にはなりにくい。

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日本人が「悪い伝統」も残したがる残念な理由(東洋経済オンライン)

1/20(日) 7:40配信

東洋経済オンライン

なぜ日本人は「伝統」や「前例」を守りたがるのか?  その理由を作家の藤井青銅さんは「伝統マウンティングにある」と考えます。近著『「日本の伝統」という幻想』で、「国技大相撲」「着物警察」「京都マジック」「先祖代々之墓」など「伝統の衣をまとったビジネス」の分析から導き出した「伝統マウンティング」の構図。戦前から日本に蔓延する「伝統マウンティング」の正体とはいったい何かを解説・総括します。

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 マウンティング……優位個体が劣位個体に対して行なう馬乗り行動。多くの哺乳類は交尾の際、雄が雌に対しこの姿勢をとり、ニホンザルでは雄同士の間でも順位確認のため行なう(日本国語大辞典)

 もともとは動物学や格闘技でよく使われていた言葉だろうが、最近は日常でも使う。「マウンティング女子」という言い方は、少し流行した。女性が女性に対して、ルックスや家柄・家族、恋人・配偶者、学歴・職歴、経済力などを上からの立場で自慢しつつ、「あたしのほうがあなたより上よ(=あなたは私より下位の存在よ)」と序列をハッキリさせることだ。

■「伝統マウンティング」は逆ピラミッド

 「マウンティング」という言葉から、山型のピラミッド構造を連想する人は多いだろう。ピラミッド組織の上位者が、下位者に対して序列を確認・強要する行為だと思われがちだ。

だが、今年1月14日に紹介した「着物警察」など、古くから続く伝統を遵守させようとする「伝統マウンティング」においては、この限りではない。その構図を表すと、次のようになる。

 逆ピラミッドだ。この「先人」のところに「先輩」を入れてもいいし、「上司」を入れてもいい。この場合あなた(読者)は、受け手と考えてほしい。専門家や先輩、師匠、上司などの「伝承者」から、「これが伝統です」「日本人ならこうすべきなんです」と伝えられたとき、「ちょっと不合理な気もするけど、そういうものなのか?」「いまどき、それに意味ある?」と思っても反論しづらいのは、相手の背後にこの大きな逆ピラミッドがあるからだ。

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経済学を学ぶ人が絶対に知っておくべきこと(東洋経済オンライン)

1/20(日) 6:10配信

東洋経済オンライン

介護保険制度の創設などに携わった厚生労働大物官僚として知られ、内閣審議官として「社会保障・税の一体改革」も取りまとめた香取照幸さん。書籍『教養としての社会保障』(東洋経済新報社)を出版し、社会保障の情報を発信し続ける香取さんは、実際の政策立案には、価値観を包含した経済理論が大きな影響を与えているという。

■政策思想としての経済学

世の中閉塞感に満ちあふれているせいか、最近非生産的で反知性的な言説ばかりが出回っています。そんな中、『ちょっと気になる政策思想―社会保障と関わる経済学の系譜』(権丈善一著、勁草書房)は、わくわくするような知的刺激を読者に与えてくれます。こういう知的で示唆に富む本に出合えるのは、実にうれしいことです。

 経済学者は、「万能の理論」を求めて研究を続け、さまざまな「科学的手法」を駆使し、より精緻なモデル、より包括的な「経済理論」を構築してきました。

 「厳密な科学的手法に依拠した学問」といわれる経済学ですが、真の社会「科学」たりうるか、という話になると、今なお大議論があるようです。
何となれば、経済学の世界には、複数の、それこそ学者の数だけの異なった経済「理論」が「同時並行」で存在しているからです。

 自然科学の世界で学者の数だけ科学理論=真理が同時に存在する、などということはありません。新しい科学理論が生み出されれば、過去の理論は吸収されるか、乗り越えられていきます。

 科学の世界では、「真理は1つ」です。

 他方、本書の著者を含め多くの論者が指摘するように、経済学における「理論」とは、要するところ「価値判断が1つの理論的体系にまとめられているもの」です。そしてその価値判断の出発点は個々の研究者の問題意識(=彼が追い求める「答」)であり、ゆえにその数だけ「経済理論」が同時に存在しうるし、現に存在しているのです。

 言い換えれば、すべての経済学派は皆それぞれに「思想性」を持っていて、私たちはその「思想性」も一緒に経済学を学んでいるのです。そしていつしか、知らず知らずのうちにその経済学が私たちの物の見方・思想を支配するようになります。

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北海道―欧州直行便「17年ぶり復活」の勝算(東洋経済オンライン)

1/20(日) 6:00配信

東洋経済オンライン

 数あるヨーロッパの航空会社の中でも、最も積極的に日本への路線展開を進めているフィンランド航空(フィンエアー)。同社はこのほど、ヘルシンキと札幌・新千歳空港を結ぶ直行便を2019年12月15日から開設すると明らかにした。

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 新千歳とヨーロッパの間にはかつて、KLMオランダ航空のアムステルダム線が飛んでいたが、休止から実に17年の時が経過。北海道では旅行業界のみならず、道内経済界が広く欧州路線の復活を望んできただけに、ヘルシンキ便の開設は関係者にとってまさに大きな悲願の達成である。

 フィンエアーにとって新千歳への乗り入れは、日本で5つ目の就航先となるが、はたしてこの新しいルートの開設でどんな展開が生まれるのだろうか。その可能性を検討してみたい。

■まずは冬の訪日需要に対応へ

 フィンエアーの発表によると、ヘルシンキ―新千歳便は12月15日(日本発は16日)から当面、2020年3月27日まで週2便が飛ぶことになっている。これはヨーロッパのクリスマス休暇に合わせて訪日するインバウンド需要を見越したものだが、当然日本からの年末年始の訪欧にも対応する格好となる。

 同社はこれまでパウダースノーを楽しむスキー、あるいは食や温泉体験など、北海道の魅力を積極的に発信。ヨーロッパからの直行便がない中でも、日本各地経由で札幌ほか北海道への送客に積極的に取り組んできた。

 一方、「ヨーロッパとの直行便復活は悲願」と考えていた北海道庁は2015年11月、路線の再オープンに向けた誘致活動のため、当時の副知事が道内の経済人、札幌市の副市長とともに渡欧。1997年から2002年まで新千歳に乗り入れていたKLMを訪れる一方、日本でのさらなる路線拡大を狙っていたフィンエアーにも誘致セールスを行ったという。その後も誘致活動は継続され、2018年10月にも再び副知事が道内関係者とともにフィンエアー本社を訪問している。

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1年先は無収入、音楽家が発揮した凄い営業力(東洋経済オンライン)

1/20(日) 5:50配信

東洋経済オンライン

『……ぼくは毎日3時間とか4時間、いろんなひとに営業の電話をしまくっていた。そうやって、演奏会情報などをいろんなひとに知らせていたんだ。グループとしてやっていくのに、それぐらいの努力が必要だった。電話の相手に断られることを恐れずにね。』――ジェフ・コナー/トランペット奏者
 フリーランス音楽家というと、読者の皆さんはどんなイメージを持つだろうか? 

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 筆者は音楽家を志し、音楽大学進学のための勉強をしていた高校生のころ、その後ドイツの音楽大学に在学中にドイツのフリーランス音楽家たちと接したとき、あるいは卒業後に実際にその1人となって演奏活動をしていたころ、フリーランス音楽家というものを「オーケストラ団員という最高峰のポジションは実力不足または運がなくて得られなかったが、能力はありプロレベルで演奏できる人たち」といったイメージを持っていた。

 しかし、世界4大陸30カ国で演奏をし、30年にわたって最大級の成功を収めている金管楽器アンサンブルグループ「ボストン・ブラス」の創設者で現役メンバーであるトランペット奏者ジェフ・コナーの場合、そもそもオーケストラ団員を目指すこともなく、初めから金管アンサンブルに自分の人生を捧げる決心をし、その実現のための「手段」として飽くなき営業活動を遂行してきた。

 本記事では、冒頭の言葉のように、楽器の練習や演奏のリハーサル、多大なるエネルギーを要するコンサート活動の傍らでいかにして膨大な量の営業努力をこなすことができているのか、そのモチベーションとエネルギーの源泉に焦点を当てたい。

■ジェフ・コナーの成功譚

 ジェフ・コナーは、故レナード・バーンスタインが携わったことでご存じの方も多いタングルウッド音楽祭において、金管アンサンブルというジャンルの先駆者である「エンパイア・ブラス」というグループの演奏に接した。

『……当時は彼らがどうやってあの音を生み出し、どうやってあの活動を実現していたかまったくわからなかったけれど、それでも自分もこれをやっていこうと決心した』(The Entrepreneurial Musicianでのインタビューより。全文日本語書き起こしはこちら)

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プロ野球オフに甦る「楽天初キャンプ」の記憶(東洋経済オンライン)

1/19(土) 11:00配信

東洋経済オンライン

 皆さんこんにちは、プロ野球解説者の礒部公一です。

 2019年がスタートしました。今年のプロ野球開幕まで約2カ月半、春季キャンプのスタートまで約2週間となり、選手たちは自主トレを経て今から1年間戦う身体をつくっている最中だと思います。

 本当にプロ野球のオフは短いもので、自分自身の経験からいえば、年末年始が過ぎてしまえばあっという間にキャンプインしていたような、そんな気がします。

■プロ野球の自主トレでは何をしているのか

 プロ野球では、1年目は“新人合同自主トレ”という形で新人全員が集まり、チームごとのコンディショニングチーム(トレーナーを含む、トレーニングメニューを決めるチーム)が引率し、トレーニングを行います。2年目以降からは各自でトレーニングメニューを考えて行うかたちが主流です。

 この「自主トレ」、よく聞かれる言葉ですが、メニューは選手によって本当にさまざまです。

 私の場合はレギュラーがほぼ確約される若手時代はノックやバッティングなど技術練習を多めに入れていましたが、2002年以降は技術練習よりも体力強化、特に走り込みをメインにしたトレーニングを行っていました。

 なぜならば、プロの世界にいればバッティング技術は年々向上していくものですが、ある程度の段階になると、そのレベルをキープするための身体づくりをすれば技術は落ちない、と考えていたからです。特に下半身中心の体力強化(めっちゃ苦しいヤツ! 笑。走り込み・トレイルラン・筋トレなどですね)は効果的だと考え、率先して取り入れていました。

 それともうひとつ、大事にしていたのは体幹トレーニングです。

 簡単に説明すれば、腹筋や背筋、腕立て伏せなど、負荷を与えず自分の体重のみで行うトレーニングのこと。

 トレーニング大流行の昨今では、皆さんご存じかと思いますが、実に地味でしんどいですよね(笑)。ですが、ケガをしにくい体をつくることや、ウエイトトレーニングではつくることのできないインナーマッスルを強化する目的に対しては、これ以上に効果的なものはないんです。ですから、しつこいようですが“地味でしんどいコレ(笑)”を、ほぼ毎日メニューに取り入れていました。

 自主トレ期間中というものは、新人以外はチームに束縛されずに練習できるので自分がやりたいことができます。もちろん一生懸命やってはいるのですが、何時から始めようが自由なので、さほどプレッシャーを感じることなく気楽な感じで体の声を聞きながら調整していける、ほっとするひとときでもあります。

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出産の真実を知った人が直面する根深い悩み(東洋経済オンライン)

1/19(土) 6:20配信

東洋経済オンライン

無精子症によって不妊に悩む夫婦が、匿名の第三者から提供された精子を使い、人工授精によって子どもを持つ医療がある。「非配偶者間人工授精(AID)」と呼ばれ、不妊治療のひとつの方法として確立されている。だが、子どもを願う人のために編み出された医療技術が今、社会に新たな課題を突きつけている。生殖医療の社会的な影響を研究する柘植あづみ明治学院大学教授が解説する。
 昨年末、日本の不妊治療の方針転換とそれをめぐる波乱が報じられた。

 慶應義塾大学病院の産婦人科が、「非配偶者間人工授精(AID)」の新規患者の予約受け付けを停止したのである。AIDとは、無精子症が原因で子どもができない場合に、第三者から精子を提供してもらって、妻の子宮内に注入する医療技術である。日本では1948年に慶応病院で行われはじめ、翌年に初めての子どもが生まれている。

■精子ドナー不足の背景にある社会変化

 70年も続いたAIDの継続が困難になったのは、この技術をめぐる社会変化が背景にある。

 日本を含め生殖医療を提供する国では、医師がAIDを実施する際、この技術で子どもをもつ患者に対し、精子提供者(ドナーと呼ばれる)は匿名とし、AIDによって子どもを得た秘密を守るように求めてきた。法的・社会的な父子関係を安定させるには、それが最良だと考えられていた。

 ところが、この技術によって生まれたことを知った人が、事実を知りたい、ドナーについて知りたい、と求めるようになった。これは生まれた人の「出自を知る権利」と呼ばれる。すでにいくつかの国では、精子提供や卵子提供によって生まれた人が、一定の年齢に達して希望すれば、ドナーの情報を入手できる法律を整えている。

 日本にはこのような生殖補助医療に関する法律はないが、慶応病院は、精子を提供しようとする人に「将来、生まれた子どもからの求めに応じて提供者の個人情報を提供する場合がありうる」と説明するようにした。そのためにドナーが集まらなくなったという。

 政府は生殖補助医療について何もしてこなかったわけではない。

 旧・厚生省は1990年代に、精子ドナーをネットで斡旋する業者の登場、姉妹や友人が卵子ドナーとなった体外受精による出産、AIDによって生まれた子と父の関係をめぐる訴訟が相次いだことから、法律の制定を検討した。

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「パラアスリート講師」に学ぶ共生社会の実現(東洋経済オンライン)

1/19(土) 6:10配信

東洋経済オンライン

 2020年東京パラリンピック開催が決まってから、パラスポーツへの関心が高まるとともに、ダイバーシティを考える、共生社会を実現しよう、といった動きが出てきている。

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 日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)が、パラスポーツを通じて行う教育プログラムの1つに「あすチャレ! Academy」がある。受講できるというので参加してみた。

■障害者のリアルを知ることができる

 たとえば駅で困っていそうな障害のある方を見かけたとき、どう声をかけたり、どうサポートすればいいかわからない。車いすの方と出かけるときに注意することは何か。そういった思い、疑問を、パラリンピックやパラスポーツを題材に、パラスポーツのアスリートを含む障害のある当事者が講師となって、主に自身の体験を基に教えてくれる場が「あすチャレ! Academy」と思ってもらえればいい。

 筆者が受けたAcademyの講師は、パラ・パワーリフティングのマクドナルド山本恵理選手だった。

 カリキュラムはまず「レクチャー」といって、講師がパラリンピックの歴史や意義、障害とは何か、自身のパラスポーツ体験といったことを話してくれる。

 次に「体験プログラム」。障害別にどうサポートするとより効果的かなどの講義を受け、実際にやってみる。

 視覚障害者に対して方向を示す際には「クロックポジション」といって、どの方向に何があるかなどの情報を時計の文字盤に例えて教えてあげると多くのことは1人でできるそうだ。

 食事でも「2時方向にお椀」などと伝えれば大丈夫とのこと。

 体験するのは、視覚障害者を手引きする方法。2人1組になって1人が目を閉じて視覚障害者役になる。

① 「こんにちは」など声をかけて肩に触れる。「声だけだと自分にかけられているのかどうかわかりませんので」(Academyスタッフ)。
② 簡単に自己紹介して、何をしようとしているのか情報を聞く。「そのときに『大丈夫ですか?』と言うと『大丈夫です』と答えてしまいがちなので『お手伝いすることはありますか?』と言われると頼みやすくなります」(Academyスタッフ)

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