米国車は低いブランド力 日米政府と認識に隔たり(産経新聞)

 日本の自動車市場が、米国の大統領経済報告で「閉鎖的」と批判され、“開放”への圧力が強まる懸念が大きくなった。ただ、日本側は非関税障壁はないという立場で、米国車が売れないのは、ドイツ車などと比べてブランド力が低いことが要因との見方が強い。

 昨年のブランド別国内新車販売台数をみると、米ゼネラル・モーターズのシボレーは809台、キャデラックは580台、FCA USのクライスラーは213台など。道や駐車場が狭く大型車が敬遠されがちなことや、燃費性能が低いイメージで苦戦している。

 一方、外国メーカー車の販売台数は昨年、20年ぶりに30万台を超えるなど好調で、トップの独メルセデス・ベンツは6万8221台だった。欧州車は、高級車としてのブランド認知が浸透。比較的安価な小型車など、「米国車と異なり、日本市場にマッチした車種をそろえている」(業界関係者)という。

 米国メーカーをめぐっては、大手の一角を占めるフォード・モーターが日本を撤退。昨秋の東京モーターショーでも各社が出展を控えるなど、日本での事業強化に向けた本気度にも疑問符が付く。

 1月にはトヨタ自動車とマツダが米アラバマ州に合弁工場を建設すると発表。トランプ大統領が求めてきた米国での投資拡大や雇用増に応じた格好だ。しかし日本国内での米国車の販売増については、日本側の対応は難しい。米国車でも、知名度が高く、販売店改装などでブランド力向上を進めたジープ(FCA)の販売台数は昨年初めて1万台を超えた。拡販できるかは各社の商品や戦略次第だ。

 政府は、「輸入に関税を課しておらず、非関税障壁を設けるような差別的な取り扱いも行っていない」(菅義偉官房長官)という立場で、米側との認識の隔たりは大きい。(高橋寛次)

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プレ金、規模縮小も ホテル・旅行・小売り…「地道な継続重要」(産経新聞)

 鳴り物入りで始まったプレ金が丸一年を迎えるが、消費拡大に期待を寄せたサービス・小売業界への恩恵は限定的だ。早帰りの実施自体が広がっておらず、各社から「息の長い取り組みが必要」との声も上がる。(山沢義徳、佐久間修志)

 1月の最終金曜日だった26日。東京・赤坂の居酒屋「串カツ田中」には、明るいうちからスーツ姿の男女が次々吸い込まれた。串カツ田中のチェーンは通常午後5時の開店を3時に早め、串カツ全品を税抜100円に値下げするキャンペーンを実施。プレ金当日の全175店の売上高は、通常の金曜比で平均10~20%増と好調だ。

 「外食は気軽に楽しめるレジャーの一種。ディナー業態と比べれば、家族の都合が合わなくても会社帰りに入れる居酒屋はプレ金の追い風が強い」と、みずほ証券の朝枝英也アナリストは解説する。

 一方で、取り組みを縮小する動きも少なくない。京王プラザホテル(東京都新宿区)は、最上級フロアの宿泊客にシャンパンを無料サービスするプランを始めたが、利用が8カ月で6件にとどまり、昨年9月分で終了。日本旅行も、週末のレジャー需要を当て込んだ割引クーポンの配布が終わるとともに、宿泊プランの利用は前年並みに戻った。

 イオンの中核子会社イオンリテールは当初、プレ金に合わせ約350の総合スーパー全店でタイムセールを行ったが、毎月20、30日のセールと日程が近いこともあり、続けているのは東北など一部地域のみだ。

 大丸松坂屋百貨店を展開するJ・フロントリテイリングの山本良一社長は「ハロウィーンは何十年もかかって定着した。地道に続けることが大事」と力説するが、関係者からは「プレ金の催事も、来店客は主婦層が目立つ」と、見込み外れをぼやく声も上がる。

 市場調査会社インテージが2月、会社員ら3251人に行った調査では、この1年間でプレ金に一度でも早帰りできた人は8・3%止まり。「そもそも月末の金曜日は業務が多く、早帰りは難しい」(金融業界関係者)との声も根強い。

 日本総合研究所の小方尚子主任研究員は「余暇が増えても、所得が増えなければ、ない袖は振れない」と指摘。「サービス提供側の視点では、一斉に休んでもらえれば需要をつかみやすい。しかし本当に目指すべきは、融通し合って休みたいときに休める社会風土ではないか」と提言した。

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給油所にコンビニ併設 経産省、規制緩和で研究会(産経新聞)

 経済産業省は22日、ガソリンスタンド(給油所)の経営改善策を検討する有識者研究会の初会合を開いた。電気自動車(EV)の給電やコンビニエンスストア併設への規制を緩和し、収益源の多角化を後押しする方針。ガソリン需要が減少する中、過疎地や災害時の燃料供給などを担う拠点として維持を目指す。

 研究会は全国石油商業組合連合会や石油連盟も参加し、5月をめどに規制緩和の方向性を示す方針。経産省によると、全国の給油所はピークの平成6年度末に約6万カ所あったが、28年度末は3万1467カ所とほぼ半減。

 自動車の燃費改善や人手不足で経営環境は厳しく、対応を迫られている。

 ただ、給油所敷地内はコンビニなど付帯業務を認めず、EVの給電スタンド設置は給油設備から一定の距離を必要とするなど消防法の保安規制で経営改善の余地は限られる。この日の研究会では、セルフ式の給油所でも給油を目視する従業員を必要とするルールを挙げ、「規制が人手不足につながっている」(全石連)との意見も上がった。

 経産省は規制緩和で事業構造の転換を後押しする考えだ。

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働き方改革 人件費・業務増加が重荷に 1年延期でも「焼け石に水」(産経新聞)

 政府が今国会に提出予定の働き方改革関連法案は、昨年3月に取りまとめられた働き方改革実行計画を法制化したものだ。少子高齢化が進行する中、安倍首相が掲げる「1億総活躍社会の実現」には不可欠だが、迅速に対応できない中小企業にとっては大変な重荷。施行が延期されたところで「焼け石に水」との声も上がっている。

 働き方改革関連法案は労働基準法、労働者派遣法、労働安全衛生法など8本の法律の改正案で構成。(1)罰則付きの残業時間の上限規制(2)実際の労働時間に関係なく事前に決めた時間を働いたとみなす「裁量労働制」の対象拡大(3)高収入の専門職の残業規制を外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の創設(4)正社員と非正規社員の賃金や福利厚生などの不合理な格差をなくす「同一労働同一賃金」の実現-が柱だ。

 政府は当初、昨年秋に想定されていた臨時国会に働き方改革関連法案を提出する方針だったが、衆院解散・総選挙の影響で年明けの今国会に法案提出がずれ込んだ。それに伴い、法律の施行時期も延期される。

 残業上限規制は、大企業が当初の予定通り平成31年4月だが中小企業は適用を1年延期。同一労働同一賃金の導入も1年遅らせ、大企業と派遣事業者が32年4月、派遣を除く中小企業は33年4月となる。裁量労働制拡大と高プロ創設も1年遅れの32年4月の方向だ。

 それでも、中小企業からは「準備時間が足りない」といった不満が根強い。大企業の残業削減のしわ寄せが中小企業に来る可能性は高い。人件費増による経営難やサービス残業の横行、求人票の作成し直しといった業務増も懸念される。政府は法律の施行にあたり中小企業への支援措置も検討しているが、実効性のあるものになるかは不透明だ。(桑原雄尚)

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「プレミアムフライデー」導入1年 早帰り1割、恩恵限定的(産経新聞)

 月末の金曜日に早めの退社を促し、働き方改革や消費拡大につなげる「プレミアムフライデー(プレ金)」が23日、導入から1年を迎える。経済産業省によると、実際に早帰りした人は1割、取り組んだ企業は800社にとどまる。外食など消費への影響も限定的で、普及には課題が残る。

 プレ金は昨年2月24日にスタート。経産省が22日発表した会社員ら約2千人を対象にした調査によると、認知度は約9割と高い水準だ。ただ、プレ金当日に通常より早く帰った人の比率は1月までの平均で11・2%、年代・性別で最も比率が高い20代男性でも15・5%だった。早期退社などを行った企業は昨年2月末時点の130社から増えたが、依然低水準だ。

 一方、みずほ総合研究所の宮嶋貴之主任エコノミストによると、昨年2~12月のプレ金当日の消費支出の額を1年前と比べた増減率は「自動車購入などプレ金の影響が及びにくいものに左右されている」という。

 累計額は前年同期比4・0%増だったが、自動車購入など「交通・通信」が4・2%増と全体を押し上げ、プレ金の影響が出る外食など「その他」は1・0%減とマイナスに働いた。

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プレ金 従業員任せで浸透不十分 経団連次期会長の方針カギ(産経新聞)

 プレ金に企業が終業時間を早めるケースはほとんどなく、十分に浸透しているとは言いがたい。実態は、フレックスタイムなどを利用して従業員が個人の判断で取り組むよう呼びかける程度にとどまっている。

 「経産省とともに経団連が旗振り役なのはわかっているが、会長や副会長の会社も積極的に早帰りさせていない中で、社内の制度として15時終業は無理だ」

 経団連の役員を務めるある企業の経営トップは、自社のプレ金への対応を従業員の判断に任せている理由をこう説明する。

 プレ金が盛り上がりに欠けると批判されるのは、実際に早帰りしている人が増えていないことが最大の理由だ。初回の昨年2月には多くのイベントが開催されて話題になったが、その後は年度末日に重なるなどして、次第に有名無実化。結果的に早帰りしたことがあるのは、1割程度というお寒い状況だ。

 経団連の榊原定征会長が「月末金曜にこだわらず、各社の実情に合わせ、違う日に早帰りするというのもいいのでは」と語るなど、別の日に早帰りすることで対応しようという考えもある。しかし、それでは半日程度の休日を新たに作り出すことで、消費拡大につなげるという本来の狙いからはずれてしまう。経産省は企業トップの積極的な取り組みに期待するが、思うようには進んでいない。

 こうした中、今後のプレ金の動向に大きな影響を与えそうなのが次期経団連会長の日立製作所の中西宏明会長だ。推進を打ち出し、日立でも早帰りを制度化すれば、連結ベースの国内従業員約17万人にとどまらず、日立のサプライチェーンに波及し、推進は加速する。それだけに中西氏が会長就任後、どういう方針を示すかが命運を握ることになる。(平尾孝)

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アマゾンのAIスピーカー、電子書籍の“朗読”も可能に(産経新聞)

 アマゾンジャパンは22日、人工知能(AI)スピーカー「アマゾンエコー」で電子書籍の読み上げができるようになったと発表した。

 呼びかけるだけで気軽に読書が楽しめるほか、視覚障害者の読書へのハードルを下げることが可能となる。アマゾンが販売する電子書籍「キンドル本」のうち文芸書やビジネス書などが対象で、絵本や漫画、アダルト商品などは除外される。

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ソフトバンク通信障害 67万人に影響 総務省、事故報告書提出要求(産経新聞)

 ソフトバンクは22日、19日に発生した通信障害の影響人数が約67万人に達したと発表した。総務省も21日に同社から報告を受け、「重大事故」と判断。3月20日までに再発防止策などを盛り込んだ事故報告書を提出するよう求めた。同省は提出された報告書の内容などを基に、口頭注意も含めた行政処分を検討する。

 ソフトバンクや総務省によると、19日の通信障害は、固定電話の中継区間の設備増強工事を行ったところ、ほかの通信事業者の回線に中継する交換機に不具合が発生。同日午前9時半から午後6時44分までの9時間余りにわたって全国で通話に影響が出た。

 ソフトバンクの固定電話サービス「おとくライン」と携帯電話から市外局番「03」につながりにくくなり、固定から都内のソフトバンクの携帯にもかかりにくくなった。ただ、携帯間の通話や110番などの緊急通報には影響はなかったという。

 既に、ソフトバンクは同社回線と外部の固定回線をつなぐ交換機に負荷がかかっても不具合が発生しないように、機器の対策を講じている。

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米長期金利、節目の3%に迫る 東証逆風、一時343円下げ(産経新聞)

 今月に入ってからの金融市場の動揺の発端となった米長期金利が、足元でまた上昇している。21日には一時2・95%台をつけ、節目の3%を射程に捉えた。米長期金利の上昇を嫌気し、同日の米国株は下落。22日の東京株式市場でも日経平均株価が反落し、下げ幅は一時343円に達した。

 米長期金利は約4年1カ月ぶりの高水準となった。21日発表の1月30~31日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を受け、米利上げペースが加速する可能性があるとの見方を背景に、米国債が売られて利回りが上昇した。

 21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一時前日比303ドル高となったが、米長期金利の上昇が嫌気され、取引終了にかけて急失速。終値は前日比166・97ドル安の2万4797・78ドルだった。取引時間中の高値と安値の差は475ドルと荒い値動きの1日だった。

 22日の東京株式市場は、前日の米長期金利上昇と米株安で投資家心理が悪化し平均株価は反落。終値は前日比234円37銭安の2万1736円44銭だった。

 世界の株式市場にとっては、米長期金利の落ち着きが当面の焦点。三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、28日予定の米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言や3月20~21日の次回FOMCが注目されるとした上で、「米長期金利が3%を超えて勢いよく上昇すると、市場の警戒がもう一段強まる可能性がある」と話した。

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仮想通貨バブルに崩壊の足音!? 投資家が恐れる「テザー・ショック」(産経新聞)

 今年に入ってから仮想通貨の価格下落が止まらない。代表格「ビットコイン(BTC)」は、昨年12月に1BTC=230万円を超えたが、今年に入ってからは一時60万円台まで値下がりするなど乱高下を繰り返している。背景の一つとして指摘されているのが中国当局の規制強化の動きだ。中国では昨年9月に通貨・人民元と仮想通貨の交換が禁止されたはずだが、実際には“抜け道”が存在。中国人投資家は取引を続けていたが、今年に入ってこの抜け道に対しても規制が入るとの情報が飛び交い、売りが集中しているのだ。

 昨年9月に禁止されたのは、仮想通貨と人民元の交換や、企業などが仮想通貨を使って資金を集める「ICO(イニシャル・コイン・オファリング)」だ。

 規制強化の背景について、富士通総研の金堅敏主席研究員は「中国経済が失速する中で、仮想通貨を通じた資金逃避が起きることを心配しているためだ」と語る。また、仮想通貨が普及すれば、金融当局が国内の資金の流れが把握できなくなることを懸念したという側面もあるのだという。

 規制強化により、中国国内の主な仮想通貨交換所は閉鎖。中国人投資家は公然と仮想通貨の取引ができなくなった。

 しかし、仮想通貨に詳しい大和総研の矢作大祐研究員は「中国には『上に政策あれば下に対策あり』ということわざがある。つまり抜け道が存在する」と語る。その抜け道として使われているのが「Tether(テザー)」という仮想通貨だ。

 テザーは交換所ではなく、ネットの掲示板などで売りたい人が値段を示し、欲しい人が申し込む相対取引で交換されているケースが多く、監視が難しい。知名度の低さも助けとなり、中国人投資家は当局の目をかいくぐって人民元をテザーに変え、テザーをさらにBTCなど他の仮想通貨に替えることで、今もさまざまな仮想通貨の売買を継続していたのだという。

 矢作氏によると、テザーの取引額は2017年11月ごろから急増。これは中国の規制が完全施行された時期と重なり、それまでマイナー通貨だったテザーは、BTC、イーサリアム、リップルに次ぐ、取引額第4位の通貨になった。

 こうした状況を快く思っていないのが中国当局だ。今年1月には海外の仮想通貨交換所へのアクセスを禁止するとの報道があり、抜け道がつかえなくなることへの懸念から、仮想通貨の売りが集中した。

 また、同月末には米商品先物取引委員会(CFTC)がテザーを調査しているとの報道もあり、テザーが十分な米ドルを所有していない疑惑まで浮上。顧客からの換金要求に応じられない恐れがあるとの懸念から、仮想通貨としての信頼性も揺らぎ始めている。

 こうした中、中国当局の規制が具体化してテザーによる抜け道がつかえなくなったり、テザーそのものの信頼性が失われたりすれば、仮想通貨価格の暴落は必至だ。

 1月下旬に日本の仮想通貨交換業者「コインチェック」から大量の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出し、「ネム流出ショック」と呼ばれたが、「テザー・ショック」が発生すれば、その衝撃度はネム流出ショックをしのぐ。市場関係者は戦々恐々としている。(経済本部 蕎麦谷里志)