[活写] 急斜面 軽々 刈るズラー(日本農業新聞)

 長野県岡谷市の精密部品加工会社、牛越製作所が、安価で普及しやすい無線操縦式畦畔(けいはん)除草機の開発に挑んでいる。

 県農業試験場や大学などと連携し、これまで3年間で7台を試作。山間地が多い同県の農地に合わせて、45度の急斜面も刈れる能力を目標に設定した。価格は現行製品の150万~700万円より大幅に安い、60万円台を目指す。

 現在、最も有望な機体を「カルズラー」と名付け、実用化に向けた試験を重ねている。独自開発のクローラーで進みながら、ガソリンエンジンで回る四つの回転刃で除草する。車体は長さ110センチで幅65センチ、重さ65キロで、軽トラックで運べる。長さ50メートルの畦畔を最短15分で除草できる。

 開発を担当する同社の阿部正隆さん(54)は「危険な除草作業を、技術で楽にしたい」と力を込める。早ければ来年秋にも発売する予定だ。(染谷臨太郎)

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ハクサイダイコン 鍋物商材が軟調 入荷潤沢で消費鈍い(日本農業新聞)

 鍋物商材として、この時期に需要が高まるハクサイやダイコンの相場が軟調だ。11月中旬の日農平均価格(15日まで、各地区大手7卸のデータを集計)は、ハクサイが1キロ53円、ダイコンが同55円と過去5年平均(平年)を3割下回る。好天が続いて生育遅れ分が重なるなどして、入荷が潤沢なためだ。日中の気温が高く消費も鈍い。卸売会社は「当面は安値基調の取引」と見通す。

 東京都中央卸売市場大田市場では15日、茨城産のハクサイが1ケース(15キロ・2L級・高値)1296円で前市比108円安、千葉産のダイコンが1ケース(10キロ・L級・高値)1404円で216円安となった。軟調な取引が続いており、仲卸業者は「先週から鍋物向けの売れ行きが鈍い。そこに増量が重なり、市場内の在庫がかなり多くなっている」と指摘する。

 各品目とも潤沢な出回りが続く。ハクサイの主産地であるJA全農いばらきによると、現在の1日当たり出荷量は4万~5万ケース(1ケース15キロ)前後で、「相次いだ台風で入荷が大きく減った昨年と比べて大幅に多い」と話す。ダイコン主産地のJA全農ちばも「台風24号の影響で遅れていたが、好天で回復してきた」と説明。直近の出荷は日量5万ケース(1ケース10キロ)で、前年より2割以上多い。

 販売は苦戦している。東京都内の青果店は、茨城産のハクサイを4分の1カットで80円(税別)、千葉産のダイコンを2分の1カットで90円(同)と、相場安に合わせて前年より3割近く値下げしている。だが、「売れ行きが上向いてこない。昼間の気温が20度を超えるなど、この時期としては暖かい日が続いたためだ」と分析する。

 他の鍋物商材の相場も下げ基調だ。ネギは東北産の残量が多く、11月中旬の日農平均価格は1キロ302円と、上旬より1割下げた。水菜も1キロ260円で同2割下げ、平年の4割安と苦戦している。

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北海道胆振東部地震関連倒産、地場中堅の稚内サンホテルが自己破産を申請(帝国データバンク)

北海道胆振東部地震で予約キャンセル相次ぐ

 (株)稚内サンホテル(TDB企業コード:050049823、資本金1億5000万円、北海道稚内市中央3-7-16、代表大友幹岳氏)は、11月14日に旭川地裁へ自己破産を申請した。

 申請代理人は田中康道弁護士(北海道札幌市中央区大通西11、札幌英和法律事務所、電話011-281-1441)ほか。

 当社は、1974年(昭和49年)2月創業、78年(昭和53年)5月に法人改組。経営する「稚内サンホテル」(客室数70室)は、地元経済界の要望を受けて開業したもので、JR稚内駅から徒歩約2分に立地、フェリーターミナルや繁華街にも隣接しており、団体ツアー客などを中心に2002年2月期には年収入高は約4億4800万円を計上。地場中堅上位規模のホテルだった。

 その後は、個人消費の低迷や同業者との競合から集客の落ち込みとそれに伴う単価引き下げを余儀なくされていたうえ、東日本大震災の発生以降は団体客も減少。2018年2月期の年収入高は約1億8800万円にとどまり、欠損計上が続いていたうえ、過去の設備投資に伴う借入金が重荷となり、厳しい資金繰りが続いていた。

 こうしたなか、9月6日に発生した北海道胆振東部地震の影響から観光客を中心とした宿泊予約のキャンセルが相次いだことで先行きの見通しが立たず、今回の措置となった。

 負債は約5億2000万円。

 北海道胆振東部地震関連の倒産は4社目で、同震災関連のホテル業における倒産は初めて。

富士電機、5年間で半導体に1000億円投資(日刊工業新聞電子版)

来年度から、拡大路線さらに

 富士電機の北澤通宏社長は、2019年度からの5カ年で半導体分野に1000億円規模の設備投資を視野に入れていることを明らかにした。産業機器向けに加え、電気自動車(EV)など自動車向けへの供給を拡大する。エンジニアなども増員する。需要の波が大きい半導体への投資を抑えてきたが、中長期で受注が見込める車載用途を取り込み、全体の底上げにつなげる。

 半導体への最近の設備投資は年100億円規模。18年度に300億円に拡大しており、19年度以降も拡大路線の維持を検討する。同社の19年3月期業績見通しは、売上高は前期比1・9%増の9100億円、営業利益は同9%増の610億円、当期利益は同9・9%増の415億円。

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大手化学メーカーの業績、主力事業で明暗(日刊工業新聞電子版)

4―9月期は6社中4社が営業増益

 総合化学6社の2018年4―9月期連結決算は4社が営業増益だった。石油化学市況の一部に陰りが見える中で、主力事業の稼ぐ力で差が出た。サウジアラビアなど中東情勢で原燃料価格が安定せず米中貿易戦争により足元が堅調な素材需要へのマイナス影響を危惧する声も多い。ここ2年ほどの好景気は曲がり角を迎えており、下期は各社正念場だ。

 旭化成の18年4―9月期連結決算は営業利益が前年同期比12・6%増の1043億円と2年連続で過去最高を更新した。合成樹脂・繊維原料のアクリロニトリル(AN)の利ザヤが同5割弱拡大したほか、前年あったエチレンプラントの定期修理がなくなったため。

 19年3月期連結業績見通しも上方修正し、営業利益は5月公表よりも200億円増の2100億円と一転して増益予想となる。ケミカルに加えて、クリティカルケア事業で医療機関向け除細動器の販売増も織り込んだ。

 三菱ケミカルホールディングスはアクリル樹脂原料のメタクリル酸メチル(MMA)が変わらず好調。全社のコア営業利益(非経常的な損益を除いた営業利益)の3分の1を単独で稼ぎ出した。

 一方、三井化学と東ソーも増益だったが、稼ぎ頭が減速気味だ。三井化学のモビリティ部門は自動車部材の原料価格上昇などで、営業利益が同8・6%減の201億円だった。東ソーもけん引役だったカセイソーダとウレタン原料が価格下落。クロル・アルカリ部門の営業利益が同横ばいの251億円とブレーキがかかった。

 宇部興産は電池用セパレーター(絶縁材)販売が伸びたものの、タイヤなどに使う合成ゴムが市況悪化で利幅を圧迫。化学部門の営業利益は同38・3%減の82億円と落ち込んだ。

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イチゴの有望新品種開発 「栃木i37号」 甘味強く収量多い 「とちおとめ」と共存可能(日本農業新聞)

 栃木県の福田富一知事は14日、イチゴの有望な新品種「栃木i37号」を開発し、品種登録に出願公表されたと発表した。県庁での記者会見で明らかにした。福田知事は、「栃木i37号」は「とちおとめ」より収量が多く、甘味が強いなどの特長があり、「生食用として家庭で親しまれる品種として期待している」と強調した。

 「栃木i37号」は(1)酸味が少なく、甘さが際立つ(2)生産現場で防除が難しい萎黄(いおう)病への耐病性に優れる(3)収穫始めが10月下旬と早い(4)とちおとめに比べて3割ほど収量が多い(5)形が良い――などの特長がある。県農業試験場は2012年に交配し、優良系統の選抜を開始。有望品種を「栃木i37号」として品種登録出願し、13日に農水省から出願公表された。

 出願公表を機に県の育成者権が保護される。県は今後1、2年かけて生産現場での栽培試験と実際の流通販売によるマーケット調査を行う。

 生産者や流通業者、消費者などから高い評価が得られた場合は、普及品種として決定し、商品名を付けて商標を登録。2、3年後に一般販売を実現したい考えだ。

 福田知事は「生産者が作りやすく、消費者も食べやすい利点を兼ね備えている。硬度があり、関西圏への販売や輸出も期待している」と述べた。さらに「甘味が強く量産ができるので、主に家庭での生食用を見込んでいる」とし、酸味があり家庭用とケーキなど業務用の両方に用途がある「とちおとめ」とも共存できるとの考えを示した。

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北海道 生乳基盤危機 設備更新…迫る決断 負債か、離農か 営農継続対策が急務(日本農業新聞)

 酪農家の減少に歯止めがかからない。2018年度の戸数は、全国で1万5700戸と10年ほどで約1万戸が廃業した。相次ぐ国内市場開放による将来不安や、高騰する設備更新費用などが引き金となり、苦渋の決断を強いられている。生乳生産量の5割強を担う北海道は、農家戸数減を規模拡大により補い、生産基盤を何とか維持する。戸数減を食い止め維持・発展させるには、後継者や担い手の営農意欲を高める対策が急務だ。

 市町村で全国一の生乳生産量を誇る北海道別海町。乳牛170頭を飼う山賀秀一さん(38)は今春、牛舎や設備を新設し、規模拡大した。2年ほどで更新前の2倍超の270頭にする目標だ。

 きっかけは老朽化。祖父の代から50年近く使った牛舎は、限界を迎えていた。深刻な人手不足の中、省力化も課題だった。夫婦二人で管理できるよう、フリーストール牛舎を建て、搾乳ロボットを導入した。

 畜産クラスター事業を活用したが、それでも資材費や建設コストの高騰により、自己負担額は2億円を超えた。25年ほどかけて返済する計画だ。山賀さんは「投資額は膨大で、軌道に乗るまで不安は尽きない。離農するか、莫大な負債を抱えて投資をするか、選択を迫られている中小規模の酪農家は多い」と訴える。

 酪農王国といわれる同町でも、離農に歯止めがかからない。同町によると、18年の搾乳戸数は663戸で、毎年20戸ほど減少。一方、生乳生産量は、過去10年ほど46万~48万トン台の水準を維持する。1戸当たりの頭数増で、離農者の減少分をカバーする状況だ。

地域経済直結 中小酪農守れ

 日欧経済連携協定(EPA)や、米国を除く11カ国による環太平洋連携協定(TPP11)などの交渉合意は、将来の大きな不安だ。酪農が農業産出額の9割以上を占める専業地帯なだけに、戸数減は、地域経済に直結。酪農だけの問題ではない。

 地元のJA道東あさひは「生乳生産を支えているのは、中小規模の酪農家。生産意欲を高めて酪農を続けられるよう、乳価の安定や恒常的で柔軟な支援施策が必要だ」(営農部)と強調する。

 北海道地震後に発生した大規模停電(ブラックアウト)は大きな教訓を残した。根室地方の生乳廃棄量は約5500トンに上った。災害リスクの見直しが急務の課題だ。

 JAは地震後、酪農家への発電機導入経費の助成を決定。これまでにJA分だけで100戸以上から申し込みがあった。発電機の普及率は現時点で6割以上になる見込み。コストの問題も浮上する。(川崎勇)

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『月刊GG』を発刊していたGGメディア、破産開始(帝国データバンク)

 GGメディア(株)(TDB企業コード:918019366、資本金7500万円、登記面=東京都新宿区市谷砂土原町2-7-15、代表高比良公成氏)は、11月6日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は平澤慎一弁護士(東京都港区赤坂3-9-18、アクト法律事務所、電話03-5570-5671)。債権届出期間は12月11日まで。財産状況報告集会期日は2019年2月12日午前10時。

 当社は2016年(平成28年)9月に設立され、「ちょいワルオヤジ」のフレーズで注目を集めた雑誌『LEON』のほか、『Begin』『MEN’s EX』などの編集長として知られた岸田一郎氏が取締役編集長として就任。50代~60代のシニア富裕層に向けにファッション、時計・ジュエリー、クルマ・バイク、旅行、ゴルフなどの情報を掲載した月刊誌『GG』(2017年6月創刊)の発刊を手がけていた。

 しかし、岸田氏は10月23日付で取締役を退任。同氏は新規事業に携わることが報じられるなど動向が注目されていた。

 負債は調査中。

干し柿手作りキットが人気 手軽だけど 硫黄でいぶす“本格派” 山梨・JA南アルプス市直売所(日本農業新聞)

 山梨県JA南アルプス市が運営する、道の駅「しらね農産物直売所」で、干し柿の手作りキットが人気を集めている。皮をむく包丁があれば簡単にできるが、硫黄で果実をいぶす工程もあり、美しい色に仕上がる本格派だ。

 「干し柿セット」は、同直売所の出荷者が500円で販売する。セットには渋柿6個、ひも、硫黄と作り方を書いた紙が袋に入っている。作り方には、へたの周りの切り方のこつや、家庭でもできる硫黄でのいぶし方を分かりやすく説明している。

 JA管内は、あんぽ柿やころ柿といった干し柿の生産が盛んな地域。直売所職員の古郡晃さんは「今年は柿が豊作。作り方も簡単なので、ぜひ干し柿に挑戦してほしい」と話す。

 この他、同直売所では原料柿や専用の小刀、ひもより簡単に柿をつるすことができるクリップなども販売しており、来店者に好評だという。

 同直売所は現在、10月26日の「柿の日」に合わせて募集した柿の日俳句大会の応募作品を展示している他、今月17日には季節の野菜などを販売する「秋の旬祭り」を開く。

 問い合わせは同直売所、(電)055(280)2100。

日本農業新聞

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民事再生を申請していた太洋産業、スポンサーが決まらず再生手続き廃止(帝国データバンク)

「タイサン」ブランドで知られる水産加工販売業者

 7月9日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、12日に再生手続き開始決定を受けていた太洋産業(株)(資本金1億円、東京都中央区築地6-16-1、登記面=岩手県大船渡市大船渡町字野々田5-1、代表松岡章氏、従業員63名)は、11月13日に再生手続き廃止決定を受け、同日保全管理命令を受けた。

 保全管理人には鶴巻暁弁護士(東京都千代田区神田小川町2-2-8、上條・鶴巻法律事務所、電話03-5577-8236)が選任されている。

 当社は、1935年(昭和10年)4月創業、44年(昭和19年)10月に法人改組された。「タイサン」ブランドで国産水産物を中心に取り扱い、創業以来、長年の業歴を有する水産加工販売業者。具体的には鮮魚の卸売を中心に、加工食品、冷凍食材などの商品を取り扱い、岩手県大船渡市などにある自社工場で加工を手がけ、2003年3月期には年売上高約144億9500万円を計上していた。

 しかし、損益面では2017年3月期まで6期以上連続して経常赤字を計上するなど、収益性に乏しい状況が続いていた。この間、安価な輸入水産物の流入に加え、東日本大震災の発生により大船渡工場が被災。加えて、主力のサンマと秋鮭の漁獲量に業績面が大きく左右されるなど厳しい営業環境となり、2017年3月期には年売上高約76億7800万円にとどまっていた。近年は主力である鮮魚部門で仕入価格上昇分を売価に転嫁できない時期があったうえ、不漁による扱い量の減少から減収推移となっていた。その後も業況は改善せず、資金繰りが限界に達したため、民事再生法の適用を申請。スポンサーの支援を得て、事業を継続していく意向を示していたが、スポンサーが決まらず、再生計画案の策定が困難となったため、今回の措置となった。

 負債は債権者約300名に対し約49億円(うち金融債務約44億円、2018年5月末現在)。