2018年度の従業員給与・賞与、約3.7兆円増加と試算(帝国データバンク)

2017年の景気は「回復局面」とする企業が4年ぶりに2割を超えたうえ、「悪化局面」も1ケタ台に低下し(「2018年の景気見通しに対する企業の意識調査」)、概ね上昇傾向で推移した。また、政府は賃上げを行った企業に対する優遇措置を盛り込んだ税制改革を打ち出すなど、賃金改善の動向がアベノミクスの成否を決定づける重要な要素として注目される。

このようななか、帝国データバンクは、2018年度の賃金動向に関する企業の意識について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2018年1月調査とともに行った。

※調査期間は2018年1月18日~31日、調査対象は全国2万3,089社で、有効回答企業数は1万161社(回答率44.0%)。なお、賃金に関する調査は2006年1月以降、毎年1月に実施し、今回で13回目。

※本調査における詳細データは景気動向調査専用HP(http://www.tdb-di.com/)に掲載している。
※賃金改善とは、ベースアップや賞与(一時金)の増加によって賃金が改善(上昇)することで、定期昇給は含まない。

調査結果

1.2018年度の賃金改善が「ある」と見込む企業は56.5%と過去最高を更新。前回調査(2017年度見込み、2017年1月実施)を5.3ポイント上回った。「ない」は18.4%にとどまり、2018年度の賃金改善は概ね改善傾向にある

2.賃金改善の具体的内容は、ベア45.4%(前年度比5.1ポイント増)、賞与(一時金)31.8%(同3.0ポイント増)。ベア・賞与(一時金)とも過去最高を更新

3.賃金を改善する理由は「労働力の定着・確保」が8割に迫る79.7%と4年連続で増加。人材の定着・確保のために賃上げを実施する傾向は一段と強まっている。「自社の業績拡大」(47.0%)が5年ぶりに増大するなど、上位5項目はいずれも前年を上回った。改善しない理由は、「自社の業績低迷」(55.6%)が4年ぶりに5割台へ低下。「人的投資の増強」(20.2%)は横ばいで推移した一方、「内部留保の増強」(17.9%)は3年連続で増加

4.2018年度の総人件費は平均2.84%増加する見込み。そのうち、従業員の給与や賞与は総額で約3.7兆円(平均2.65%)増加すると試算される

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モノづくり未来人育成、都立専門高の教育内容が深化(日刊工業新聞電子版)

■中野工業高校、1年間の研究成果発表

 都立専門高校の教育内容が深化している。工業系では技能五輪国際大会で金メダルを獲得した卒業生を招いて特別講演会を開くなど、学校独自の取り組みも活発化してきた。生徒一人ひとりが、入学後間もないうちから、働くことの意味や自立することの大切さを学ぶことは、将来の東京、日本のモノづくりを支える人材育成・強化にもつながる。都立専門高校の最新の取り組みを追った。

 モノづくりの担い手を育成する都立工業高校の生徒自身による研究成果発表の取り組みが好評だ。1月30日、中野区の野方区民ホールで開かれた「都立中野工業高校定時制課程総合技術科生徒による研究発表会」には、話を聞きつけた他校の校長や副校長も参考にしようと聴講に集まった。

 工具箱の製作や乳酸菌の研究など、各自、各グループでテーマを考え、1年間取り組んだ研究成果を発表するもので、機械類型と食品工業類型から計11グループが登壇した。持ち時間は各グループ約7分間。パソコンを使いながら真剣に、分かりやすく説明した。発表が終了するごとに質疑応答も行った。

 都立中野工業高校機械類型4年生(定時制)の渡邉隆哉さんによる「立体パズルの製作」は細かな部品から組み立てた。鋳鉄をフライス盤やエンドミル、帯のこ盤を使って、約50個のパーツとする。参考にしたパズルの2倍の大きさとなる縦32ミリ×横48ミリ×高さ16ミリメートルの立方体を完成させた。

 北豊島工業高校の杉浦文俊校長は「パーツが多くて掃除が大変。費用もかかったが、これは実際に手で造ってみないと分からないこと。生徒の皆さんはとても良い経験をした。私自身も実は工業高校の出身」と明かした。

 その上で「皆さんが技術知識を身につけ、社会に出て豊かになり幸せになることは、実は世の中が豊かになり幸せになることにつながる。一人ではできないことだが、仲間や先生の指導が助けになったはず。感謝の気持ちをもって頑張ってください」と、エールを送った。

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「ペッパー」でプログラミング教育 小中学生が大人顔負けのアプリ(日刊工業新聞電子版)

■ペッパーを使いこなしている!

 ソフトバンクがコミュニケーションロボット「ペッパー」でプログラミング教育市場に攻勢をかけている。社会貢献プログラムとして小中学校にペッパーを無償提供。生徒たちが身近な課題をペッパーを使って解決しようと奮闘している。アプリを競う成果発表会「スクールチャレンジ」では、そのレベルの高さで審査員たちを驚かせた。自分たちの地域の観光案内をしたり、ペッパーと漫才をしたりと大人顔負けのアプリが披露された。教育現場に本物のロボットが浸透しようとしている。

 「子どもたちの姿を見て自分の思い上がりが恥ずかしくなった」と蓮実一隆ソフトバンクロボティクス取締役コンテンツマーケティング本部長は振り返る。ソフトバンクは全国の公立小中学校282校にペッパーと開発環境を提供。生徒たちが授業や部活でペッパーを使ったアプリを開発した。スクールチャレンジでは48チームが集まり成果を披露した。

 上位チームは地域や学校生活の課題を分析し、ペッパーで解決してみせた。漢字クイズアプリを作ったチームはクラスの漢字テストの成績を底上げし、図書館での図書推薦アプリを作ったチームは貸出数を前年同月より500冊増の2400冊に増やした。

 蓮実取締役は「初めはスクールチャレンジでロボットに触れるきっかけを提供し、人材が育てば良いと思っていた。だがすでに生活にロボットがいることが自然な世代が育っており、ペッパーを使いこなしている。現在は我々が少しでも助けになれればと思い改めた」という。

■わかりやすい開発環境、組み合わせるだけ

 小学生部門で優勝した岡山県新砥小学校のチームは地元の名産品や観光地を紹介するアプリを開発。中学校部門で優勝した佐賀県武雄北中学校のチームは観光案内アプリを日本語版と英語版に加え、ペッパー未対応の韓国語で制作した。

 部活動部門で優勝した岐阜県青山中学校のチームは1000以上のプログラムボックスを組み合わせ、モノマネクイズを制作した。お笑い芸人「ピコ太郎」や「厚切りジェイソン」のネタをペッパーに真似させて会場を沸かせた。

 小中学生にアプリが作れる背景には、わかりやすい開発環境ソフトがある。ペッパーのスピーチやジェスチャー、待ち時間などをプログラムボックスに入力し、組み合わせるだけでアプリを作れる。

 例えば図書館アプリでは、来館者を検知してあいさつし、好きなジャンルを聞いて本を薦めるなど、コミュニケーション相手の反応に応じてペッパーの対応を変えている。一連のサービスとして作り込んでおり、その過程で選択肢の分岐や条件設計、接客ループなどのプログラミングを日常生活に則して学ぶことになる。

 ソフトバンクはこの開発環境ソフトをプログラミングソフト「スクラッチ」に対応させ提供を始める。スクラッチはプログラミング教育に広く採用されており、慣れている教員が多い。算数や理科などの教科用カリキュラム54種類も提供。経済産業省などが開く国際ロボット競演会「ワールドロボットサミット」では小中校生にも海外チームとアプリを競うステージが用意される。

 チャレンジで審査員を務めた相模女子大学小学部の川原田康文副校長は「現代は子どもとテクノロジーが一緒に成長していく時代。進化中のロボットでどんなことができるか。失敗し、工夫しながら実現していく経験は、その子にとって大切な財産になる」と期待する。

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最新自転車トレンドはディスクブレーキ付きロード(日経トレンディネット)

 2018年モデルの新作発表会から見えてきた自転車の最新トレンドは、ロードバイク用の油圧制御ディスクブレーキやGPS機能搭載サイクルコンピューターなど最新技術を採用したアイテムを、比較的手ごろな価格帯のモデルが続々と搭載してきたこと。これまで一部の“シリアスライダー”向けだった最先端の技術が、これからスポーツ自転車を始めるようなビギナーでも使いこなせるように、やさしく進化してきた特徴だ。

【関連画像】4スタイル×最大38色のオーダーが可能な「ブリヂストンアンカー」。低価格から最上位モデルまで自分好みの色を選べる点もよい

 では最新トレンドに触れる機会が多いとされる関西、関東の人気スポーツ自転車ショップ店長はどんなスポーツ自転車&関連アイテムに注目しているのか。今回は大阪・京都に4店舗を展開するロードバイク・トライアスロン専門店、シルベストサイクルの山崎敏正統括店長(以下、山崎店長)が注目する11アイテムを紹介する。

走りも見た目も「自分らしさ」を“発信”

 山崎店長は“幻のモスクワ五輪(1980年)”で自転車トラック競技4000m個人追い抜きの日本代表選手となり、還暦を迎えた現在も実業団ロードレースに参加して最年長優勝記録を更新するなど、年を重ねながらも走り続ける実践派。そんな山崎店長が注目するのは、走りも見た目も自分らしさが得られ、使う楽しさを仲間と共有できるようなアイテムだ。

●カーボンからアルミフレームまで“カラーオーダー”が充実

 「スポーツ自転車を自分好みのカラーにオーダーできるシステムはこれまでもあったが、2018年はさらに充実している」と山崎店長。

 例えばブリヂストンサイクルのスポーツバイクブランド、ブリヂストンアンカーでは、フレームだけでなくロゴやタイヤなど細かくカラーを組み合わせて選ぶことが可能だ。欧米メーカーよりもサイズ展開が豊富なモデルが多く、小柄な人でもベストサイズの1台を選びやすい。

 またアルミフレーム製造に定評のある米国の人気ブランド、キャノンデールからは、カーボンフレームよりも手ごろな価格で、カーボン素材に匹敵するほどの高い性能があるアルミフレームロードバイク「CAAD12」が22色展開で登場。カラーはオーダーできないが、フレーム価格15万円(車輪やハンドルなどは別売り)という価格帯で、豊富なカラーから選べるところが注目点。

 世界最高峰のプロロードレース「ツール・ド・フランス2017」で、スポーツバイクブランドとして最多となる13回目の総合優勝を飾ったイタリアの名門、ピナレロは、旗艦モデル「ドグマF10」などの上位モデルで、フレームだけでなくロゴやパーツのカラーも選べるオーダーシステム「MY WAY」を展開する。

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武田薬、国内体制を刷新 開業医・専門医向け事業ユニット新設(日刊工業新聞電子版)

■二次医療圏の営業体制を整備

 武田薬品工業は4月1日付で国内の医療用医薬品事業における体制を刷新する。開業医向け製品と専門医向け製品を扱う事業ユニットをそれぞれ新設。開業医向けについては営業所数を現在の88から154へ増やす。

 政府は医療や介護を地域で一体的に提供し、大病院への集中を分散する地域包括ケアシステムの構築を進めている。武田薬品はこうした変化に対応し、柔軟な情報活動を実現する狙い。現在約2300人いる医薬情報担当者(MR)は維持する。

 開業医向け製品を扱う「ジェネラルメディスンビジネスユニット(GMBU)」と、専門医向け製品を手がける「スペシャルティビジネスユニット(SPBU)」を新設する。このうち、GMBUは154営業所および神経・精神疾患の専任組織による体制とする。

 健康増進・疾病予防から入院治療まで一般的な保健医療を提供する二次医療圏に合わせた営業体制を整えることで、きめ細かな情報活動につなげる。営業所の責任者には、医療と経営の知識を備えていることを示す資格「医療経営士」の保有者を充てる。

 岩崎真人取締役は「機能分化で全体の生産性も向上させる。専門医向け製品は作用機序や副作用が複雑だが、正しく伝えていく」と述べた。

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進化するサバゲー 非日常求めて女性もふらりと参戦(日経トレンディネット)

 近年、急速にポピュラーになった遊びがある。玩具のエアソフトガンを用いて行うサバイバルゲーム(以下「サバゲー」)だ。

【関連画像】内装を作り込むことで非日常的な空間を演出。ライトアップやプロジェクションマッピングなどによってゲームの緊張感をさらに高めている

 サバゲーは、2チームに分かれてBB弾と呼ばれる専用の弾を敵に命中させて倒す(ゲームオーバーさせる)、というのが基本ルールだ。勝敗の決定方法は敵陣に設置されたフラッグを取る、あるいは相手チームを全員ヒットして全滅させるなど、いくつかの種類がある。弾がヒットしたかどうかの判定は当てられた側の自己申告制である。サバゲーはこれまで、主にガンマニアやエアソフトガン好きの間で定着していたが、ここにきて幅広い層が楽しめる大人の趣味として認知を広げつつあるという。

 もっとも筆者のようなアラフォー世代にとってエアソフトガン自体はなじみのあるホビーだろう。子どものころはプラモデルやミニ四駆などを買いに模型店へ足を運ぶことが多く、そこにはエアソフトガンも売られていたからである。俗に“1900円シリーズ”と呼ばれる東京マルイ(東京都足立区)の製品は、筆者を含めて多くの友人たちが持っていた。しかし、本格的にサバゲーをやったことがあるのはその中でもごく一部だけ。当時は今のような専用のフィールドはほとんど整備されておらず、「危険な遊び」と見なす世間の目もあり、どこか後ろ暗いイメージがあった。

 それがなぜ変わったのか。お台場にあるサバイバルゲーム専門フィールド「ブレイブポイント台場」を運営するエッジイノベーション(大阪府吹田市)の生田篤史社長に話を聞いた。

都市型のインドアフィールド増加と共に普及

 生田社長は、「10年ほど前から山奥の私有地を使ったサバイバルゲームの専用フィールドが整備されるようになり、それ以前よりもかなりハードルが下がった」と話す。ただし現在のようにエアソフトガンにまったく触わったことがない層まで普及したのは都市型のインドアフィールドが増えたここ3~4年のことで、銃が登場する『24-TWENTY FOUR-』などの海外ドラマや、『メタルギアソリッド』などのゲーム、YouTubeに上がっている動画を見てサバゲーに興味を持ったという人も多いという。

 「かつてのようにエアソフトガン好きが高じてサバゲーを始めるという流れではなく、最初からサバゲーが目的というのが近年の傾向」(生田社長)。実際にブレイブポイント台場店を訪れるユーザーは、9割以上がサバゲー未経験者。たまたま通りかかり「ちょっとやってみようか」とライトな感覚で遊んでいく人も多いという。

 サバゲー専用フィールドには、エアソフトガンをはじめ目を保護するゴーグルやグローブ、迷彩服などの装備品はレンタルが用意されているのが一般的だ。ブレイブポイント台場店では、ゴーグルさえ装着していれば服装は普段着のままでもプレイできるという。インドアのフィールドはアウトドアと違って土や泥などで洋服が汚れることがなく、そういった点も遊びやすさにつながっている。

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粗鋼生産の今年度見通し、8100万トン割れ-2年ぶり(日刊工業新聞電子版)

 高炉4社を合わせた2017年度の粗鋼生産量が、2年ぶりに8100万トンを割り込みそうだ。4社の見通しを合計すると8050万トン程度と、16年度の8157万トンを100万トンほど下回り、15年度の8080万トンとほぼ同水準になる。各社とも工場の事故やトラブルに足を引っ張られた。東京五輪・パラリンピック関連などの需要が盛り上がる中での稼働率の低下は、需要の取りこぼしにつながる。アジアの強豪に対抗する上でも、安定操業が重要課題となる。

 新日鉄住金は大分製鉄所(大分市)の厚板工場で17年1月に起きた火災事故が響き、生産量が落ち込んだ。同社の18年3月期連結決算は、台風の影響なども含む生産・出荷面の制約で、経常利益が570億円下押しされる見通しだ。佐伯康光副社長は「じくじたる思いだ」と振り返る。

 JFEスチールも同年8月に東日本製鉄所京浜地区(川崎市川崎区)の転炉設備でトラブルが起き、生産量が伸び悩んだ。日新製鋼は周南製鋼所(山口県周南市)で15年7月に運転を始めた連続鋳造機の初期トラブルの影響が尾を引いた。

 各社の業績は内需回復を受けた値上げの効果で好調だが、先行きは人口減少などに伴う需要減退で、設備稼働率に下向きの圧力がかかる。ここに事故などが重なれば、固定費が重い装置産業にとって深刻な事態になる。

 トラブルの一因とされるのが、高度経済成長期に導入した設備の老朽化や、熟練工の退職だ。各社もこうした課題への対応に力を注いでいる。新日鉄住金は総額640億円を投じ、君津製鉄所(千葉県君津市)と鹿島製鉄所(茨城県鹿嶋市)でそれぞれコークス炉の改修や増設を進めている。18年度上期には室蘭製鉄所(北海道室蘭市)のコークス炉でも130億円を投じ、改修工事を始める。

 JFEスチールも東日本製鉄所千葉地区(千葉市中央区)にあるコークス炉の一部で更新工事に取り組んでいるほか、西日本製鉄所福山地区(広島県福山市)でも18年度上期からコークス炉の更新作業を進める。いずれも最新設備の導入で操業の安定性やエネルギー効率が高まるほか、低品位の石炭を使えるようになり、原料費も減ると期待している。

 一方の技能継承問題では各社とも、トラブルへの対策や予防策にビッグデータや人工知能(AI)を生かす取り組みに力を入れている。若手技能者らの経験・知識不足を補い、安定操業に寄与する技術の確立が急がれる。

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伊豆のロングセラー観光銘菓「あけびあん」などを製造していた丸伊が破産開始(帝国データバンク)

 (株)丸伊(TDB企業コード:410022361、静岡県伊東市宇佐美1659-14、資本金1000万円、代表渡邊秀樹氏)は、2月5日に静岡地裁沼津支部より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は梅田欣一弁護士(静岡県沼津市御幸町17-12、梅田法律事務所、電話055-931-1500)。財産状況報告集会期日は5月14日午後3時。

 当社は、1957年(昭和32年)10月創業、63年(昭和38年)11月に法人改組した観光用土産菓子製造業者。和菓子70%、洋菓子30%の比率で、伊豆半島一円ほか、一部は神奈川県箱根一帯までを商圏として、観光施設やホテル、旅館、ドライブインなどに販売していた。観光銘菓「あけびあん」などのロングセラー製品を扱い、知名度が高く、商品開発力には定評があった。

 しかし、ここ10数年来は、観光産業の不振が続き、当社においても販売量の低下から売上は減少の一途を辿っていた。打開策として、2008年には首都圏に進出し、鉄道会社や航空会社などとの取引も開始するなど販路開拓を進めてきたが、その後の経済環境の悪化もあって、業績の改善には結び付かず、2012年6月期には年売上高約2億2000万円にまで落ち込んでいた。同時に累積損失の拡大で資金繰りが悪化し、資金調達も限界に達したため、2013年10月8日に事業を停止していた。

 負債は約3億9670万円。

スタンバイOK!! 宇宙で船外活動-金井飛行士(日刊工業新聞電子版)

■宇宙服は“小さな宇宙船”

 こんにちは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙飛行士の金井宣茂です。2017年12月から国際宇宙ステーションに滞在しており、世界中の研究者から提案されたさまざまな科学実験や、宇宙ステーションの保守に関わる作業を、日々行っています。

 宇宙ステーションを安全に維持していく上で欠かせない保守・点検作業は、地上と同じとなるように気圧や空気に制御されている船内だけでなく、ときには船外の宇宙空間に出て行うこともあります。宇宙服を着て、宇宙ステーションの船外で行う作業は「船外活動(EVA)」と呼ばれます。

 この宇宙服は、宇宙ステーションから空気や電力の供給を受けることなく、独立して宇宙飛行士が活動を行うことができるシステムで、いわば“小型の有人宇宙船”としての機能を備えています。このため、サッと手早く身にまとってハッチの外に出るというわけにはいきません。

■伸びる身長に合わせる

 現在、16日に予定されてる船外活動に向けて、軌道上では少しずつ準備作業が進んでいます。宇宙服は、特大、大、中とサイズがあります。長期に宇宙滞在を続けていると、背骨と背骨の隙間が広がって身長が伸びるなど体形の変化が出ることがあるので、船外活動の前には、必ずサイズ合わせをする必要があります。

 本番と同じように宇宙服に身を包み、内部を加圧してみて、手足の長さがちょうど良くなるように、袖や裾を伸ばしたり縮めたりするのです。

■0.3気圧、エベレストの頂上

 「宇宙服を加圧する」と書きましたが、宇宙服は外気圧よりやや高い圧(約0.3気圧)を常に保つように中を空気(正確には純酸素)で満たして、人間が生存できる環境を維持する仕組みになっています。宇宙ステーションの内部にいるときは、1気圧よりやや高い圧となりますが、船外の宇宙空間に出たときの外気圧はほぼゼロですから、宇宙服の内部はおよそ0.3気圧に保たれます。これは地上でたとえるとエベレストの頂上と同じくらいの気圧なのですが、空気ではなく100%の酸素を使いますので高山病になることはありません。

 宇宙飛行士が呼吸することで減る酸素は、宇宙服の背中についたバックパックに収納された酸素タンクから補充されます。一方、宇宙飛行士が吐き出した二酸化炭素は、特殊な吸着キャニスターで吸収する仕組みになっています。

 このキャニスターの用意も、船外活動に向けての大切な準備作業です。ベイクアウトといって、特別な加熱処理をすることでキャニスターの内部に閉じ込められた二酸化炭素を追い出して、再度使えるようにするのです(船内のキャビンに放出された二酸化炭素は、宇宙ステーションの生命維持システムにより除去されます)。

 酸素タンクとは別に、宇宙服の背中のバックパックには水のタンクが備え付けられています。長時間の作業でのどが渇いたときのため…ではありません。

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なぜ日本では医療系VBが育ちにくいのか、厚労省が「資金・人材」好循環探る(日刊工業新聞電子版)

 厚生労働省は、医療系ベンチャーを育てる好循環(エコシステム)の確立に向けた政策研究を2018年度に始める。日本では医薬品をはじめ、実用化につながりそうな優れたシーズ(種)が複数存在していても、それが十分に生かされていない課題がある。大学や研究機関といったアカデミア、医療系ベンチャーがそれぞれ抱える課題を明確にすることで、ベンチャー育成に向けた環境を整備していく。

 研究対象は、アカデミアにおける医薬品や医療機器、再生医療等製品に関するシーズと実用化に向けた開発状況、医療系ベンチャーの資金調達や人材確保などに関する課題。

 厚労省は医療産業発展のため、医療系ベンチャー振興を活発化している。効果の高い政策を打つために、より本格的な政策研究が必要と判断し、予算を計上した。研究により課題を正確に把握し、今後の政策につなげる。研究費の規模は1課題あたり年間500万円程度で、研究実施予定期間は最長で1年間とする。採択数として1課題の予定。

 採択先としては、医療産業に詳しい大学研究者やベンチャー企業などを想定。審査では、医薬品や医療機器、再生医療等製品に関する研究開発や知的財産、薬事などに関する知見を持つ専門家が研究代表者となるなど、研究体制が構築されていることを要件とする。

 併せて臨床研究中核病院など、革新的な医薬品や医療機器の開発推進で中心的な役割を担う機関との協力体制が築けていることなども求める。これらの要件により、研究成果を政策に移せる実践的なものにする方針だ。

 厚労省は、17年4月に医療系ベンチャーの支援業務を行う「ベンチャー等支援戦略室」を設置。同年10月には、医療系ベンチャーを振興するためのイベントを神奈川県内で開催した。今回の研究を通じてアカデミアとベンチャーそれぞれの現状や課題の把握につなげる。

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