夜間青LEDが有効 糖含量と着色高まる ハウスブドウで千葉大(日本農業新聞)

 千葉大学はハウス栽培のブドウで、夜間に青色発光ダイオード(LED)を照射すると、糖含量と着色が高まることを明らかにした。照射は日没後と日の出前のそれぞれ3時間行った。糖度が上がりにくい冬の作型や二期作で役立つとみる。

 ブドウ栽培で青色LEDを夜間に照射する試験は全国でも先進事例。試験では、波長450ナノメートルの青色LED電球を、果房の横20~30センチの距離に設置した。果粒軟化期となる満開後25日目から収穫まで照射した。試験では赤色LED区(波長660ナノメートル)と無処理区を用意し、糖含量と着色を比較した。

 ハウス栽培の「巨峰」で試験したところ、果実100グラム当たりの糖含量は、青色LED区で約140ミリグラム、赤色LED区で約130ミリグラムと、無処理区より3割以上多かった。

 アントシアニン濃度は青色LED区で最も高く、次いで赤色LED区、無処理区となった。着色は青色LED区が最も優れた。一方、着色に関係するとされていた植物ホルモンのアブシジン酸の含量は、着色と糖含量と関連は見られなかった。

 ブドウのハウス栽培は収穫時期をずらして販売できるが、糖度や着色に課題があった。大学院園芸学研究科の近藤悟教授は「日射量の少ない冬期や二期作の二期目で、青色LEDを活用すれば品質向上につながる」と期待する。

日本農業新聞

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地方創生へ連携宣言 シンポで事例共有 農林漁商工初イベント(日本農業新聞)

 地方創生へ向けた連携協定を結ぶJA全中や森林、漁業、商工の5団体は24日、各地での連携を通じて地域に活力を生む取り組みを促進することを宣言した。同日に内閣官房と共に東京都内で開いた初の大規模なイベント「共創の日2018」シンポジウムで表明。シンポでは、各地で進む商品開発や販路開拓などの連携事例を共有した。

 5団体は全中の他、全国森林組合連合会、全国漁業協同組合連合会、全国商工会連合会、日本商工会議所。全国・地域段階での団体間の連携を通じて、地方創生につなげようと、2017年5月に協定を締結。シンポジウムは内閣官房の事業を活用して開いた。

 梶山弘志地方創生担当相はあいさつで「これまでの成果を知恵を出しながら全国に展開すれば、地域が持続可能になる。これを契機にさらに連携を深めてほしい」と呼び掛けた。その後5団体の代表が登壇し、全中の中家徹会長が5団体宣言を読み上げた。宣言では「団体間の連携は、地域の魅力や力を引き出すことになると確信している」として、連携を促進する決意を示した。

 約500人が参加。5団体の地域組織代表が、他の団体と連携して成果を生んでいる事例を報告した。パネルディスカッションでは、連携を深め、成果を上げるためのポイントを共有した。

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生産現場の労働力確保 人材融通や職場づくり モデル産地を支援 19年度農水省(日本農業新聞)

 農水省は生産現場の労働力確保を目指し、新たな働き手の開拓や労働環境の改善に一体的に取り組む産地の支援に2019年度から乗り出す。農繁期に、他産地や地域の他産業と人材を融通する仕組み作りや、地域の子育て中の女性らも勤めやすい職場づくりなどを進める地域を20カ所ほど選定して支援。産地の維持、担い手の規模拡大につなげる。

 同省は、生産年齢人口の減少で、働き手の確保が今後はさらに厳しくなることは避けられないとみて、19年度予算概算要求に関連事業の新規予算1億円を盛り込んだ。働き手にとって魅力ある農業経営の育成、産地づくりを進め、人手を確保する。

 支援の対象となるのは、JAなど農業関連組織や他産業の団体、市町村などでつくる協議会。社会保険労務士や民間の職業紹介業者などの助言を得て人手確保に向けた計画を定めるための経費や、実行のための費用を助成する。

 計画に基づく活動の一つとして、地域の多様な人材を受け入れられるよう、農業経営の労務環境の改善を想定する。経営コンサルタントらによる研修会などを開き、勤務時間や休日、労務評価の仕組みなどの見直しを促す。地域の子育て中の女性や高齢者らを雇用しやすくなるよう後押しする狙いだ。

 単独の産地では、農繁期に集中する労働力を手当てするのが難しい場合の対応も協議会の取り組みとして想定。近隣から労働者を派遣してもらったり、地域の食品関連業の従業員に研修を兼ねて働いてもらったりする。こうした仕組みの実現に向けて、協議会で関係者の合意形成を進める。

 従来の公共職業安定所(ハローワーク)を通じた人材募集だけでなく、民間事業者へのインターネットを通じた人材募集の委託、地域の労働力の実態調査なども支援対象になる。

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遊休農地5%減少 「再生困難」扱いも 17年調査(日本農業新聞)

 2017年の遊休農地の面積は9万8519ヘクタールで、前年から5636ヘクタール(5%)減ったことが農水省のまとめで分かった。国の事業を活用するなどして再生の動きが広がっている。遊休農地への課税を強化する制度の導入2年目となり、農業委員会が遊休農地か否かの判断を厳格にしようと、従来は遊休農地と見なしてきたものを、より再生が困難とされる農地に分類にする動きが続いていることも影響した。

 農委が年1回行う農地の利用状況調査を基に、17年11月末時点の面積をまとめた。

 1年以上耕作されておらず、今後も耕作の見込みがない「1号遊休農地」は9万2454ヘクタールで、5538ヘクタール(6%)減。果樹などを植えているが、周辺の農地よりも利用の程度が著しく劣る「2号遊休農地」は6064ヘクタールで99ヘクタール(2%)減だった。

 都道府県別で最も面積の減りが大きかったのが長野県で、1347ヘクタール(23%)減の4489ヘクタール。718ヘクタール(15%)減の長崎、605ヘクタール(17%)減の青森なども減少が目立つ。

 こうした県からは「国の農地中間管理機構(農地集積バンク)関連予算を活用し、遊休農地の再生が進んだ」との指摘がある。一方、課税強化の導入で、従来は遊休農地として判断してきたが、森林化しているなどで復元しても利用が困難とされる分類に移行させたり、非農地と判断したりする動きもあるという。

 政府は遊休農地の課税強化の仕組みも創設。所有者が解消に向けた意向を示さず、農委が同機構と貸借の協議をするよう勧告しても、放置して越年した場合、固定資産税を1・8倍にする。

 課税強化直前の16年度の遊休農地面積は、前年度比3万680ヘクタール(23%)減と大きく減った。課税強化を控え、農委が遊休農地か否かを従来以上に厳格に判断する動きが進み、大幅減に結び付いた形で、複数県は「17年度も厳格に判断する傾向が続いた」と指摘している。

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国産間伐材 発電利用200万トン突破 17年調査 バイオマス拡大 林野庁(日本農業新聞)

 発電燃料向けの国産間伐材・林地残材などの利用量が263万トン(絶乾)に上り、初めて200万トンを超えたことが林野庁の2017年調査で明らかになった。再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)や各地で木質バイオマス発電所が本格稼働したことが利用量の増加を後押しした。一方、木質バイオマス燃料では輸入材の利用も増えており、国産材の利用拡大が今後の課題になりそうだ。

 発電機やボイラーを持つ全国1398事業所で、木材チップの使用量を調べた。

 国産間伐材・林地残材などの利用量は、40万トンを超えた13年以来、増加が続いている。12年からスタートした再生可能エネルギーの固定価格買取制度で、間伐材を使って発電した電気の買取価格は、1キロワット当たりで最高40円。木質バイオマスの中で最も高い。同制度をきっかけに間伐材を使う発電施設が多くなり、利用量の増加に結び付いた。

 木質バイオマスに対応した大型発電施設が増えたことも追い風となった。資源エネルギー庁によると16、17年にそれぞれ18、25カ所の発電所が新たに稼働。燃料としての需要が拡大した。

 間伐材・林地残材などの利用量を地域別に見ると、北海道は35万トンで前年の1・7倍に増えた。増え幅は最も大きく、次いで宮崎の27万トン(同1・5倍)、岩手の17万トン(1・9倍)と続く。

 資源エネルギー庁によると、北海道では16、17年合わせて、出力5万キロワットを超える木質バイオマスの大規模発電所を含め3カ所が新設。岩手でも、出力1万4000キロワットの大規模発電所を含む2カ所が新設した。

 一方、輸入木材チップの利用量は13万トン。前年の15倍に増えた。木材チップ全体に占める割合は2%程度だが、伸び率だけで見れば間伐材・林地残材などを上回る。

 林野庁は「輸入木材は量が集めやすい。国産需要をさらに拡大するには、路網整備や伐採の機械化などによる効率化を進め、まとまった量を安定供給できる体制づくりが有効」(木材利用課)と話す。

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米生産費 家族経営60キロ9820円 JAグループ愛知が実証 目標実現へ大幅減(日本農業新聞)

 「米のトータル生産コスト低減プロジェクト」を推進しているJAグループ愛知が、2017年産の実証試験で、家族経営(想定規模40ヘクタール)で60キロ当たりの生産コスト9820円、大規模法人(同120ヘクタール)で60キロ8907円を実現した。「24年産で60キロ9600円」という国が掲げる目標を、5年前倒して19年産での達成を目指す。今年は参加農家を増やして19年産から本格展開につなげ、農家所得の向上につなげる。

 プロジェクトはJAあいち経済連が中心となって県などと連携して17年産から開始。農機や肥料などの物財費削減、栽培管理や作業効率などを柱とする労働費削減、多収性品種導入などの生産性向上という3つのテーマを設定し、あいち海部とあいち豊田の2JA管内の農家4戸が協力して取り組んできた。

 物財費では、低コストの一発肥料の開発、これまで10キロが主流だった除草剤ケースに30キロや50キロといった超大型規格を設定。労働費ではトヨタ自動車が開発した農業IT管理ツール「豊作計画」を活用して、作業の無駄を洗い出す「カイゼン」を導入した。さらに水温や水量を測定する水田センサーの試験など、先端技術を使った農作業の効率化を探ってきた。

 生産性向上では、多収性品種「あきだわら」の導入を推奨。県による土壌分析で窒素の不足傾向が出たことが分かったことから、窒素を強化した土壌改良材を開発した。3項目でのコスト低減の取り組みメニューは29項目に上る。

 試験の結果、専業の家族経営で60キロ当たりのコストは1万544円から6・9%減の9820円、大規模法人で9615円から7・4%減の8907円となった。プロジェクトでは将来的に大規模法人で8000円にすることを目指す。

 同経済連は「肥料や農薬、資材だけでコストを削減していくのは難しい」として、裏作の麦や大豆もメニューに組み込み、水田をフル活用してのコスト削減を模索する。麦は播種(はしゅ)や施肥の最適化、大豆は摘心技術や品種選びなどをモデル農家に提案する。

 18年産は新たに6JAが取り組みに参加。29項目のメニューから地域にあったものを選び検証する。経済連は「農家の所得アップは生産コストの削減は不可欠。県やJAと連携し、担い手に提案したい」と意気込む。

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明治40年創業し底引き網漁業を行っていた久栄漁業、破産開始(帝国データバンク)

 久栄漁業(株)(TDB企業コード:110095065、資本金1000万円、青森県八戸市湊町大沢52-3、代表柳谷俊一氏)は、9月10日に青森地裁八戸支部より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は小野晶子弁護士(青森県八戸市根城9-19-9、浅石法律事務所、電話0178-43-1425)。債権届出期間は10月10日までで、財産状況報告集会期日は12月11日午前10時。

 当社は、1907年(明治40年)創業、65年(昭和40年)12月に法人改組し底引き網漁業を行っていた。過去には6隻の自有船を保有し約15億円の売上高を計上するなど、地元同業界では中位にランクされる実績を収めてきた。しかし、慢性的な操業赤字から99年に3隻体制に規模縮小したほか、多額の繰越損失を抱え込むなど厳しい財務事情を余儀なくされてきた。

 その後も八戸港の長引く水揚げ不振の影響を受け、2016年12月期の年売上高はピークを大きく下回る約5億3000万円まで落ち込み、2018年2月27日付で事業を停止し、事後処理を弁護士に一任していた。

 負債は債権者約43名に対し、約30億6909万円。

明治40年に創業し底引き網漁業を行っていた久栄漁業、破産開始(帝国データバンク)

 久栄漁業(株)(TDB企業コード:110095065、資本金1000万円、青森県八戸市湊町大沢52-3、代表柳谷俊一氏)は、9月10日に青森地裁八戸支部より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は小野晶子弁護士(青森県八戸市根城9-19-9、浅石法律事務所、電話0178-43-1425)。債権届出期間は10月10日までで、財産状況報告集会期日は12月11日午前10時。

 当社は、1907年(明治40年)創業、65年(昭和40年)12月に法人改組し底引き網漁業を行っていた。過去には6隻の自有船を保有し約15億円の売上高を計上するなど、地元同業界では中位にランクされる実績を収めてきた。しかし、慢性的な操業赤字から99年に3隻体制に規模縮小したほか、多額の繰越損失を抱え込むなど厳しい財務事情を余儀なくされてきた。

 その後も八戸港の長引く水揚げ不振の影響を受け、2016年12月期の年売上高はピークを大きく下回る約5億3000万円まで落ち込み、2018年2月27日付で事業を停止し、事後処理を弁護士に一任していた。

 負債は債権者約43名に対し、約30億6909万円。

※代表者名の「柳」は、正しくは異体字です

野菜を多く食べられる 鍋物の魅力 レシピの提案も メーカー各社(日本農業新聞)

 鍋物の魅力を「野菜をたくさん食べられる」と考えている人が3年連続で最も多いことが、ミツカンの「鍋定期調査」で分かった。同社は「鍋に健康ニーズを求める傾向が高まっている」と分析する。メーカー各社は、野菜に合う鍋つゆの考案や野菜の高騰に対応したレシピを提案するなど、工夫を凝らす。

 調査は、2018年2月、20~69歳の男女4000人を対象に実施。鍋物料理の実施回数や鍋つゆの使用実態を聞いた。

 「鍋の良い点」との質問には、「野菜がたくさん食べられる」が42・8%で最も多く、次に「体が温まる」が40・3%、「野菜がおいしい」が38・2%と続いた。「鍋を実施したきっかけ」の質問には、「寒かったから」が33・9%と最も多く、次に「野菜がとりたかったから」が21・3%だった。

 同社は、鍋物を食べるきっかけは気温だけでなく、野菜を多く取りたいとの意向も影響すると分析する。

 同社はホームページで、厚生労働省が1日当たりの摂取目安として勧める野菜350グラムを鍋物で食べられるレシピを公開している。「健康ニーズに応え、必要量の野菜をとるだけでなく、栄養バランスも良い鍋メニューを提案していきたい」と話す。

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「スマート農業」始動 見て 触って 使って…便利さ実感 実証農場50カ所 農水省19年度(日本農業新聞)

 農水省は2019年度から、ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用したスマート農業の普及に向けて、全国50カ所に「スマート実証農場」を整備して大規模な実証試験を始める。水稲や野菜、果樹、畜産など各品目で、1作通して複数のスマート農業技術を組み合わせ、省力効果や経営効果を確認。最適な技術体系を確立する。全国8カ所で説明会を開き、協力する生産者やメーカーを募る。

協力農家を募集 8会場で説明会

 19年度予算概算要求に「スマート農業加速化実証プロジェクト」事業として50億円を盛り込んだ。事業は19年4月~21年3月の2年間。

 「スマート実証農場」は、生産者や農機メーカー、研究機関、JA、自治体などでつくるコンソーシアムが運営する。各品目で、さまざまなスマート農業技術を導入したときの生産データや経営データを蓄積・分析する。

 同省は稲作で使える技術として、ロボットトラクター、自動運転田植え機、自動水管理システム、ドローン(小型無人飛行機)を使った種子・薬剤散布などを挙げる。その他にも、施設園芸では統合環境制御システム、接ぎ木ロボット、収穫ロボットなど、果樹では人工知能(AI)によるかん水制御、自動草刈り機、作業者が身に着けるアシストスーツなどの導入を提案する。

 事業では、これらの技術の導入や改良に要する費用、人件費などを補助する。

 事業を管轄する同省農林水産技術会議事務局は「スマート農業普及のためには、技術体系の確立だけでなく、農家に実際に見て使ってもらうことが重要」(研究推進課)と説明。実証農場には、農家の視察や農機の試乗などを積極的に受け入れるよう求める。

 事業説明会は18日の広島、島根を皮切りに、北海道、岩手、東京、愛知、香川、熊本で開く。参加希望者が定員を上回った会場もあり、追加で開くことも検討している。

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