メイ首相は党首不信任案否決でも薄氷踏む(東洋経済オンライン)

12/13(木) 16:00配信

東洋経済オンライン

 英国のEU(欧州連合)離脱をめぐる問題で、テリーザ・メイ首相の保守党党首不信任を求める署名が15%以上(48名以上)集まり、12日夕方(日本時間の13日未明)党所属下院議員による投票が行われた。結果は、信任200対不信任117の多数で、同氏の党首(首相)残留が決まった。

 保守党の内規により、党首不信任手続きは向こう1年間はできない(1年に1回に限られる)。過去にはマーガレット・サッチャー首相が党首不信任を乗り切った後に退陣に追い込まれた例もあるが、ひとまず離脱までは党内からのメイ降ろしの動きは封じ込められることになる。

 投票に先駆けて、メイ首相は2022年までに行われる次の総選挙に党首として臨まない(現議会任期で首相を退陣する)意向を示唆した。離脱を決めた段階でメイ首相は自ら辞任し、後継首相に将来関係協議を託す可能性が高い。

■EUと再交渉は成果なく、合意案否決の恐れ

 11日の採決を見送ったEU(欧州連合)との離脱合意案については、北アイルランド国境管理のバックストップ案(国境問題が解決するまで一時的に英国全体が関税同盟にとどまる)が半永久的に続きかねないとの保守党議員内の不満の声を踏まえ、これが時限的な措置であるとの政治上かつ法律上の確約をEU側から取り付けることを約束した。

 メイ首相は党首(首相)続投を手土産に、13-14日の欧州首脳会議に臨むことになる。ただ、EU側はメイ首相が置かれた厳しい政治情勢に配慮しつつも、11月25日の首脳会議で交わした離脱合意の再協議を否定している。バックストップが恒久的な措置ではなく、どこかの段階で終了する意向であるとの声明を発表することがあったとしても、それを法律で担保する形の約束は望めない。ほぼ手ぶらで帰国することになりそうなメイ首相に対して、英国内で再び厳しい批判が待ち構えていることは容易に想像できる。

 今回の投票では、党首(首相)交代による協議停滞や総選挙のリスクを恐れて、メイ氏に信任票を投じた議員もいた模様だ。それでも党内の117名が党首(首相)交代を求めたわけで、同氏がEUと交わした合意案に対する反対票はこれをさらに上回る恐れがある。閣外協力する北アイルランドの地域政党・民主統一党(DUP)も合意案に反対しており、延期された合意受け入れの是非を問う下院採決は引き続き大差で否決される公算が大きい。

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流行に乗って職場崩壊「危険な人事制度」2選(東洋経済オンライン)

12/13(木) 8:00配信

東洋経済オンライン

古くは「成果主義」「目標管理」「360度評価」「コンピテンシー」「オフサイトミーティング」、最近なら「AI人事」「リファラル・リクルーティング」など、人事の領域にもいろいろな流行があるという。飛び交うバズワードに目がくらむ人事担当者も多いのではないか。
しかし、『人事と採用のセオリー』を上梓した曽和利光氏は、「人事の世界に流行はいらない」あるいは「ない」と言う。そんな曽和氏に、「流行に流されて導入すると職場が崩壊する」危険がある、2つの人事制度を挙げてもらった。

 人事に限ったことではないかもしれませんが、私が専門にしている人事の世界では、毎年のように流行り言葉が出てきます。あまりよくわかっていないのに、キャッチだけに飛びついて「人事制度はいらない」とか、これからは「○○組織」だとか、そういう類いのものです。

 大抵の場合は、本やメディアが出発点であり、きちんとよく読めば、なるほど流行るだけはある示唆的な主張であると気づくのですが、残念ながら多くの場合は本を買って「積ん読」状態になったままで、タイトルから想像する曖昧で正確でない解釈のもと、さまざまな人事施策が実際に進んだりしてしまいます。

 今回は、その中でも流行りだからといって飛びついてしまうと大変な目に遭う可能性のある、何年かおきに形を変えては定期的に流行る危険な人事施策、人事の考え方を検討してみます。

■危険な人事施策その1:AI人事

 AI(人工知能)という言葉自体が何度目かの流行ですが、とうとうそこに「人事」がからむようになりました。そもそも「AIって何よ」と私も思うのですが、厳密に統一された意味はなく、今、いろいろなところで用いられている意味合いで言えば、「人事のさまざまな現象を数値・データ化し、統計処理やAIの力で、何らかの法則性を見いだして、それを組織マネジメント向上のために適応する」というようなことです。

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マスコミは言論の自由をはき違えている(東洋経済オンライン)

12/13(木) 7:30配信

東洋経済オンライン

近ごろ、言論の自由を笠に着て、まるで品位もなく言いたい放題の「蔭弁慶」的なジャーナリズムが日本中を席巻しているようではないか――。ヘイト言論に揺れるメディアの現状に、昭和史の大家はそう警告する。
言論の自由は、ヘイトスピーチを止められないのか。そうではない、とかつて喝破したのは元慶應義塾塾長の小泉信三氏であった。時代が変わっても、変わらず私たちが大切にすべき言論の自由と品位の関係、そして「ジャーナリズムの根本」とはなにか。半藤一利著『語り継ぐこの国のかたち』から考えてみたい。

■言論界は何かおかしくなりつつあった

 今から半世紀以上前になりますか、『文藝春秋』の巻頭で「座談おぼえ書き」という連載を書かれていた小泉信三先生という方がおりました。私は一介の編集者として先生の謦咳に接するというよりは、むしろいつもばか話をいたしまして、笑われたり呆れられたりしながら、たくさんのことを教えていただきました。

 小泉先生は1966(昭和41)年5月にお亡くなりになりましたが、その直前まで「座談おぼえ書き」をお書きになっていました。その晩年のころの先生が、いちばん力を込めたといいますか、関心をお持ちになってお書きになっていたのは、つまり昭和40年から41年にかけてお書きになっていたのが、言論の問題ではなかったかと思います。

 あるいはときを同じくしまして、産経新聞に、題はちょっと忘れてしまいましたが、短いコラムをお書きになっています。そこでも言論の自由ということに対してお書きになっている。ということは、昭和40年ぐらいから言論界というのが何かおかしくなりつつあるということを、独特の勘をもってお感じになっていたのではないでしょうか。

 ちょうど中央公論社が深沢七郎氏の小説『風流夢譚』で攻撃を受けたりしている事件があった直後のことでした。

 「半藤君、君は中央公論の問題をどう考えるかね。君ならばあれを載せたかね」と先生にきかれたので、「いや、わたくしならたぶん載せないと思います」というようなお話をしたことがあります。

 そのときに小泉先生は、「言論の自由というそのことは非常に大事である、大事ではあるがその言論の自由ということを表に立てることにおいて、人に対していかなる非難攻撃を加えるのも自由であるというわけにはいかないのじゃないかと思う。

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徳川家の末裔「95歳」で作家になった女の一生(東洋経済オンライン)

 そろそろ平成も終わり、新しい元号になる。

 「昭和時代」という言い方にも慣れてきた。

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■おてんばなお姫様がつづった自伝

 そんな2018年の6月、1人の作家がデビューした。井手久美子さんだ。

 井手久美子さんのお歳はなんと95歳。大正11(1922)年生まれだ。推理小説作家の松本清張は40代にデビュー、『マディソン郡の橋』のロバート・ジェームズ・ウォラーは50代デビューと遅咲きの作家はいるが、さすがに90代でデビューされる作家はほとんどいないだろう。

著書は『徳川おてんば姫』(東京キララ社)である。久美子さんは、江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜の孫であり、自身の波乱万丈な人生をつづった自伝だ。

 徳川慶喜と言えば、大河ドラマ「西郷どん」にも登場する、幕末の重要人物の一人だ。歴史上の人物の孫がまだご存命だというのに驚く人は多かった。

 発売後の反響は大きく、あっという間に売り切れて重版がかかった。本の表紙に使われた若き日の久美子さんの写真は、とてもかわいらしく若い人の間で、たとえばウェブ上で話題になった。

 久美子さんのお孫さんはツイッター上で祖母の写真を発見して、とても驚いたという。

 僕も本の存在を知り、ぜひ本人にお話を伺いたいと思った。

 しかし残念ながら、久美子さんは本が発売された直後に体調を崩され、今年の7月に亡くなられてしまった。

 とても残念であったが、それでも縁者に話を伺いたいと思い、長く一緒に暮らしたご子息である井手純さんの元を訪れた。

 久美子さんが最後に純さんと住まわれていたのは、千葉県にある団地だった。

 きれいに片付いている部屋だったが、それでもいわゆる団地の部屋で、今夏までクーラーもついていなかったという。

 徳川の末裔ならば当然お屋敷に住んでいるものと思っていたので、少し驚いた。

 久美子さんが生まれたのは、「徳川慶喜終焉の地」として知られる「第六天」と呼ばれたお屋敷だった。

 現在は、国際仏教学大学院大学の敷地になっている。敷地の広さは3400坪、建物の広さは1300坪という信じられないほど広いお屋敷である。屋敷内では、つねに50人ほどの使用人が働いていたという。

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前田裕二氏「GAFAには、弱点があると思う」(東洋経済オンライン)

12/13(木) 6:10配信

東洋経済オンライン

Google、Apple、Facebook、Amazon――GAFA。現在の世界で最も影響力があるこれら4社の強さの秘密を明らかにし、その影響力の恐ろしさを説く書籍『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』がいま、世界22カ国で続々と刊行され、話題を集めている。

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「GAFAには大きな隙・弱点があると思っています。端的に言うと、彼らは、”精神”を奪えない。これから、所得や時間を奪う時代から、”可処分精神”を奪い合う時代に入っていくという強い仮説を持っています。そんな中で、日本人が持っている深い慈愛や思いやりなどといった”心”のパワーこそが、GAFAの覇権にわれわれがヒビを入れるためのハンマーになると思っています」

アーティストやアイドルなどの配信が視聴でき、さらに誰でもすぐに生配信が可能な双方向コミュニケーションの仮想ライブアプリ「SHOWROOM」を運営、新刊『メモの魔力』(幻冬舎)が話題となっている若手起業家、SHOWROOM株式会社代表取締役・前田裕二氏が見通す今後の世界とは? 

■GAFAには大きな隙がある

 『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』を読んで、GAFAの弱点が少し見えてきた気がします。著者のスコット・ギャロウェイ氏は、さまざまな角度から警鐘を鳴らしていますが、僕も「GAFA最高!」とは特段思っていませんし、必ずしも未来永劫GAFAが覇権を握り続けるとは思いません。むしろ、僕らが倒していこうと常々本気で考えています。

 長い商いの歴史において、企業は今までいろいろなものを奪い合って富を得てきました。まずいちばんシンプルなところでは、顧客のお金。企業群が、「誰がいちばん、お客さんの財布からお金を払ってもらえるか」というレースをする。つまり可処分“所得”を奪い合うわけです。

 次に、「誰がいちばん、お客さんに時間を割いてもらえるか」という、可処分“時間”の奪い合いへとレースは移り変わってきています。僕らは、Google検索するときに、お金を払っていないですよね。それでもここまで大きな企業価値を作れる。これは、人の時間を奪っているプレーヤーが価値を持つようになった証左です。当然ですが、テクノロジーの進化によって、奪った時間を広告で大きくマネタイズできるようになったことが変化の背景にはあります。

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暗号通貨が下落から上昇に転じるのはいつか(東洋経済オンライン)

12/13(木) 6:00配信

東洋経済オンライン

 12月1日の米中首脳会談での「追加関税棚上げ(90日延期)」で相場が一息ついたのもつかの間、足元市場は再び正念場を迎えている。一方、ビットコインを筆頭とした主要な暗号通貨(仮想通貨)は、相次いで年初来安値を更新したあとも反発力は弱い。年末高を想定していた筆者としては、今のところ厳しい師走相場となっている。

■なぜ暗号通貨は下落基調が続いているのか

 当初、金融庁が10月24日に「一般社団法人日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)」を認定資金決済事業者協会として認定したことなどをプラス材料視して、筆者は「暗号通貨の年末高のシナリオ」を考えていた。だが、11月に入って、ビットコインキャッシュの分岐がトリガーとなり年初来安値を下回ったことから、投げ売りが一気に膨らんでしまった。

 暗号通貨は需給面が価格形成の多くを占めていることからダイナミックな動きとなっている。代表的なビットコインの価格は11月15日に年初来安値水準の65万円を割り込んだあと、11月に一気に40万円を割り込み、12月12日時点では約38万円前後(フィスコ仮想通貨取引所)になっている。

 まず年初来安値を一気に下回るきっかけとなったといわれるビットコインキャッシュの分岐に関して説明したい。11月16日未明、ビットコインキャッシュはかねて注目されていた機能更新を目的とした仕様変更(ハードフォーク)の完了後に、「ビットコインABC」側と「ビットコインSV」側という2つの暗号通貨に分岐した。ビットコインABCとビットコインSVはそれぞれネットワークの仕様をめぐって対立していた開発陣営で、ハードフォーク後は互換性のない2つのチェーンとしてそれぞれにマイニング(暗号通貨の新規発行や取引承認に必要となる計算作業)が行われている。

 分岐前まではビットコインSV側のハッシュレート(マイニングの計算力を表す単位)が全体の7割超を占める状態だったが、ハードフォーク後にビットコインABC側が大幅にハッシュレートを追い上げて逆転。11月末時点では、ビットコインABC側が全体の約7割を占める(コインダンスより)。ビットコインドットコムというABC側の大手マイニングプールが分岐に併せて大幅にビットコインキャッシュに対するマイニングの計算力を高めたことがきっかけとなった。

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ユニーク採用の雄、サイバーAはここまでやる(東洋経済オンライン)

12/13(木) 6:00配信

東洋経済オンライン

 「新卒入社した社員をいきなり子会社の社長に据える」「内定者だけで子会社設立を認める」――。ネット広告からスマホゲーム、インターネットテレビ局「Abema TV」などを展開するサイバーエージェントは、そんな驚きの新卒採用をおこなっている会社としても知られている。

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 同社は会社を設立した1998年から新卒採用を開始。当時のネット広告はまだまだ小さな市場で、そのベンチャー企業に優秀な人材を集めるため、さまざまな採用の手法を模索してきた。冒頭で述べた超抜擢人事は、その中の1つだ。

 そんなサイバーエージェントが、さまざまな新卒採用の経験を経て2017年に大きな改革をおこなった。新卒採用強化プロジェクト「YJC」の立ち上げである。

■現場の社員が自ら採用する「YJC」

 YJCとは「良い人を(=Y)自分たちで(=J)ちゃんと採用する(=C)」の頭文字をとった造語。ただの言葉遊びにも見えるが、そこには今の採用の現状を踏まえた、サイバーエージェントとしてのある結論が垣間見える。

 では具体的に何を変えたのか。それは新卒採用を、人事といった専属の採用チームだけでおこなうのではなく、各事業部門の社員にも参加してもらうことだ。現場が主体的になって採用するという考え方を提唱・実践しているのである。

 改革の意図について、同社の執行役員で新卒採用の責任者をしている石田裕子氏は、次のように説明する。

 「弊社の採用のポリシーは、『能力の高さよりも、一緒に働きたい人を採用する』こと。そんな人材と出会うために、これまでも弊社はインターンシップなどで、優秀な学生と接する努力をし続けてきました。しかし、約20人程度の採用チームだけでは、限度があります。また弊社の業務内容もネット広告業だけでなく、メディア事業やゲーム事業などに広がってきたことで、各事業で求める人材像が異なってきました。それなら、人事だけでなく、現場の社員もいっしょになって、新卒採用を行ったほうが良いのではないかと考えたのです」

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ジャカルタ「歩かない」街に地下鉄は根付くか(東洋経済オンライン)

12/13(木) 6:00配信

東洋経済オンライン

 今年8月から9月にかけて、2020年東京オリンピックの前哨戦ともいえる第18回アジア競技大会(アジア大会)がジャカルタにて開催された。普段あまりスポーツになじみのないインドネシア国民にとっては、当初はそもそもアジア大会とは何ぞや? という声も聞かれるほどだったが、後半のほうではチケットが売り切れる競技も目立ち、大いに盛り上がった。

【写真】試運転中のLRT車内。アジア大会までの開業を見越していたのか「大会をサポートしています」との文言があった

 大きな混乱もなく約1カ月の会期を終えた大会であったが、大会そのもの以外にも大きな見どころがあった。それは、公共交通を中心とした街づくりという認識の芽生えである。開業が近づくインドネシア初の地下鉄、ジャカルタ地下鉄公社(MRTJ)南北線にもプラスとなりそうな動きだ。

■LRTは間に合わなかったが…

 今回のアジア大会は、首都ジャカルタとスマトラ島第2の都市パレンバンとの共同開催となり、両都市で高架式の軽量軌道交通(LRT)の建設が進められた。ただし結果から先に言うと、ジャカルタのLRTの開業は間に合わなかった。車両の搬入までは漕ぎつけ、とりあえず走ることはできる状態になったため、開会式直前の8月15日に関係者を乗せた試運転を行い、9月中旬までの間は招待客のみ乗せる(途中一切下車はできず乗車駅に戻る)形での試運転を行った。

 その後、公式情報は音沙汰なしだが、関係者によると、進捗が遅れていた途中駅の完成を待って2019年1月ごろの開業を目指すという。また、試運転時には使用されていなかった信号・保安装置も、同月の開業時には供用を開始するという。

 パレンバンでは大会になんとか間に合わせる形で開業した。駅舎の工事および車両整備の遅れから、開業時は一部主要駅のみの停車で、最大100分近く運転間隔が開くこともあり、LRTと呼ぶにはほど遠いものであったが、大会関係者を優先的に乗車させるなどして、なんとか会期を乗り切った。

 こう書くと、いかにも公共交通による大会輸送はさんざんな結果に終わったのでは、と思われるかもしれないが、実はそうではない。

 まず1つは、バス高速輸送システム「トランスジャカルタ」の改善だ。主に専用レーンを走行する13路線と、接続するフィーダー路線を営業しているが、大会開催に向け2017~2018年中旬までに車両を約1000台増備した。故障が頻発した中国・韓国製の導入を取りやめて欧州製への切り替え、置き換えを進め、インドネシアで初となる低床バスも登場。小型車は日系メーカー製も幅を利かしている。

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年俸額でみたプロ野球「最強球団」はどこだ!(東洋経済オンライン)

12/13(木) 6:00配信

東洋経済オンライン

 「広島の丸が5年25億5000万円で巨人へ」「西武の浅村は4年20億円で楽天へ」ーー。この時期、プロ野球の話題の中心は大物選手の移籍と年俸だ。

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 選手にどれだけお金をかけるかは、その球団の考え方がストレートに現れる。データがあればそれを前提に読み解きたいところだが、残念ながら球団経営会社の大半は決算を公開していない。会社法440条の決算公告義務すら履行していない球団が2球団(巨人と中日)あり、残る10球団も資本金の大きいソフトバンク以外の開示義務は貸借対照表のみだ。

 12球団のうちで唯一、損益計算書も開示義務を負うソフトバンクも、経費の内訳までは開示をしていない。

■球団経費の4割は人件費

 経費の内訳を示す公表資料は存在しないが、一般的に球団経営会社の経費の4割弱を占めるのが人件費であり、その大半は選手の人件費とされている。

 選手の年俸に関する唯一の公表データは、日本プロ野球選手会のものだが、実はこれが当てにならない。選手会は労働組合的な機能を持ち、加入できるのは日本人選手のみ。外国人選手でも一定期間日本でプレーし、FA権を取得できれば外国人枠を外れて加入資格を得るし、外国籍でも日本国内の学校出身だとドラフト対象になるので、プレー年数に関係なく最初から加入資格がある。

 しかし、いわゆる「助っ人外国人」は加入しておらず、選手会の公表数値には高額の年俸で雇われる外国人選手分が反映されていない。さらに、日本人選手の数値ですら、実際の金額よりも少なく自己申告する選手が多いらしく、「公表されている球団別の合計金額は実際の金額よりもだいぶ少ない」という話を筆者は球界関係者から聞いたことがある。

 本誌では各種報道をもとに球団別の年俸総額の推移を集計してみた。あくまで推定レベルに留まることをお含みいただきたい。

 12球団中、突出して高いのがソフトバンクで推計65億円超。2位が巨人で55億円。3位が40億円の阪神で、オリックス、ヤクルト、西武、楽天、横浜、広島の6球団が30億円台。日本ハム、中日、ロッテの3球団が20億円台だった。ソフトバンクの年俸総額は下位3球団の2球団分に相当する。

 「金満球団」の誉高い巨人軍だが、その巨人のはるか上を行くのがソフトバンク。しかもここ数年はチームの成績に比例してうなぎ登りで増えている。

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75歳以上「年長社長」未上場会社版ランキング(東洋経済オンライン)

 約400万社(法人としては約200万社)が存在しているとされている日本企業の中で、上場会社は約3700社、それ以外は未上場会社だ。

東洋経済新報社が会社四季報「未上場会社版」データを基に掲載企業の代表者の年齢を年長順にまとめた。

 上位には80歳以上、中には90歳を超えても、会社を束ね続けているトップがいることがわかる。

 また、今回用意した年長者ランキング上位185人はすべて75歳以上(注:9月生まれまで)が並んでいる。社長の高齢化が進んでいる印象を受ける結果となった。

 ランキングに使用した社長の年齢は2018年11月時点のもの。

 調査対象者は、2018年9月に刊行した『会社四季報 未上場会社版』の調査に基づく会社代表者とした。未掲載項目は「―」としている(『会社四季報 未上場会社版』では未上場会社のうち、売上高が一定規模以上の有力会社を中心に1万2500社を掲載している)。

■ランキング上位には90歳を超える代表者が連なる

 1位は、轟産業の社長「酒井貞美」氏だ。工業技術関連の専門商社で工業計測器等を取り扱う。年齢は94歳で、会社設立時(1954年)から今日まで半世紀以上、社長を務めている。

 2位は、北辰商事の社長「太田実」氏。埼玉県を中心にディスカウントストアを展開。年齢は93歳で、こちらも会社設立時(1970年)より48年間務めた。2018年6月30日に退任しているが、今回のランキングでは太田氏は2018年6月時点のものとして掲載した。

 3位は、伊藤組の社長「伊藤義郎」氏。伊藤組土建のグループ会社で、ビル・不動産事業や北海道内でケンタッキーフライドチキンの店舗営業を行う。年齢は91歳で社長就任から50年以上経過、会社自体も創業1893年の老舗だ。

 同3位は、岐阜放送の代表取締役会長「杉山幹夫」氏。岐阜県でラジオ・テレビの放送事業を行う会社。年齢は91歳、就任が2004年のため前3者と比べると就任期間は短いがそれでも約14年間務めている。

 続く5位からの会社もそれぞれ代表者は90歳。上位50社でも80歳以上の代表者が並ぶ。高齢者が活躍する一方で、社長交代や事業承継の困難さが浮き彫りとなっているとも言える。

 今回の調査でも回答全体での企業トップの平均在任期間は8.1年、20年以上在任しているトップも1割以上いることがわかった。中小企業では、人手不足が深刻さを増し、廃業せざるをえない会社も出ているという声も聞かれる。未上場会社会社は日本経済を支えるうえで重要な存在であり、その存続のために、次世代への継承や発展も重要な要素だ。

■出典
2018年版「中小企業白書」全文総務省統計局 平成24年経済センサス-活動調査 調査の結果

川久保 学 :東洋経済データ事業局データベース3部

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