トランプ大統領は、なぜ脱北者を讃えたのか(東洋経済オンライン)

 平昌五輪では、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の妹、金与正氏と韓国の文在寅大統領との会談が大きく報じられた。南北首脳会談の可能性も報じられ、特使としての与正氏訪韓に対して、文氏も特使派遣を検討するとも伝えられている。

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 こうした南北融和ムードに対してドナルド・トランプ米大統領はどのように対応するのだろうか。

 五輪開会式レセプションに出席したマイク・ペンス米副大統領は、米ワシントンポスト紙とのインタビューで北朝鮮に対し「最大限の圧力と関与を同時に進める」と基本姿勢を示したうえで、北朝鮮が望めば「話をする用意がある」と米朝対話の可能性を示唆した。

■北朝鮮に対する姿勢は一貫している

米朝対話の可能性については、すでに本連載「トランプは『北朝鮮への特使』に誰を選ぶのか」で詳述したように、トランプ大統領自身、北朝鮮への特使の派遣をネゴシエーション戦略の選択肢の一つとして考えている可能性は十分ある。

 ただし、韓国の文大統領が北朝鮮に振りまいている「底の浅い広報」のような融和ムードは、トランプ大統領にはまったくない。「生き馬の目を抜く」競争主義のウォール街からさえも、長年、評価されている「ディール(取引交渉)の天才芸術家」としてのトランプ大統領だからこそ、必要であれば、その独特のネゴシエーション戦略を駆使する用意があるということだ。

 トランプ大統領の北朝鮮に対する姿勢は一貫している。それは、1月30日の一般教書演説でも明らかだ。この演説でトランプ大統領は、北朝鮮を「残虐な独裁体制」「邪悪な政権」と非難し、その政権の「不気味な性質を目撃した証人」として、脱北者のチ・ソンホ氏を議場に招待した。

 トランプ演説によると、チ・ソンホ氏は北朝鮮に住んでいた少年時代、飢餓に苦しみ、食料と交換する石炭を盗もうとしたが、空腹のため線路上で気を失い、列車にひかれて左足を失った。その後、自由を求めて脱北を決意し、松葉づえをついて中国、東南アジアを歩き回った。現在、韓国のソウルに住み、脱北者の支援にあたる一方、北朝鮮政権が最も恐れている「真実」を北朝鮮向けに放送しているという。

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ジョン・ウー監督が語る日本映画への思い(東洋経済オンライン)

二丁拳銃、スローモーションのアクション、シンボルとして登場するハト──。1986年に製作された『男たちの挽歌』を筆頭に、『M:I-2』(2000年)、『レッドクリフ』(2008、2009年)などを手掛けてきた映画界の巨匠、ジョン・ウー監督の作品は、特徴的なアイテムやシーンがふんだんに登場する。監督の作風を愛するファンは中国や日本をはじめ世界各国に及ぶ。
そんな監督の新作は、2月9日公開の『マンハント』(原題・追捕)だ。原作は、1976年に高倉健主演で映画にもなった小説『君よ憤怒の河を渉れ』。舞台となる大阪を中心にすべて日本で撮影を行い、キャストもほとんどを日本人が占める。劇中も日本語が多く含まれ、「ジョン・ウー監督が作った日本映画」といっても過言ではないだろう。公開前に来日した監督に、作品が生まれた経緯、日本の映画について聞いた。

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 ──今回の映画を作った経緯を教えてください。

 若い頃から高倉健さんの作品が大好きで、尊敬していたし、亡くなったときにはとても悲しみました。

 いつか彼の作品をリメイクしたいと考えていたときに、映画製作会社のメディアアジアから、原作小説の『君よ憤怒の河を渉れ』を再映画化する企画の話が来ました。あらためて脚本を読んで、昔撮った作品の一つに似ていることもあり、OKしました。

 以前から日本で映画を撮影するか、日本映画を作るのが夢でした。日本の映画から大きな影響を受けてきましたので、そういう意味では、長年の夢が実現できたと思っています。

■高倉健さんが大好きだった

 ──日本の撮影現場はどんな印象でしたか。

 印象はとてもよかったです。チームワークは申し分なかったし、日本の皆さんの意識の高さにも感心しています。数百人単位の人たちが必要な場面がいくつかあったのですが、そのとき、エキストラではなく、ボランティアの方々が出演してくれました。彼らは、別に仕事があるのに、今回のシーンの撮影のために来てくれたんです。日本の方は自分の好きなことなら損得を考えずに一生懸命やってくれる。ほかの国では考えられないことです。

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人望のない人はだいたい「世代の違い」を語る(東洋経済オンライン)

IT業界出身の人事コンサルタントである小笠原隆夫氏による連載「リーダーは空気をつくれ!」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

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■「世代の違い」を受け入れようとしたリーダーの工夫

 リーダーの皆さんは、メンバーとの間に「世代の違い」を感じたことがありませんか?  「ない!」とはっきり言い切れる人は、たぶんほとんどいないでしょう。しかし、私が今まで見てきた“できるリーダー”たちは、この「世代の違い」を絶対に言い訳しません。それどころか、逆にこれを歓迎している様子さえあります。

 最近では「多様性」が重視させるようになっていますが、多様な価値観を心から歓迎できないリーダーは成功しません。もしそれができないのであれば、自分自身の意識を変える取り組みが必要です。今回はそんな取り組みに役立つ事例を紹介します。

 これは、とある40代のリーダーの話です。彼は自分が若い時、自分はインフォーマルの飲み会などで周囲とのコミュニケーションを深めてきたという自負があります。しかし、今の時代はそれを一律に求めることはできません。声をかけてもはっきり断るメンバーもおり、正直「なぜこうなのか」とイライラすることもありました。これは多くのリーダーは経験があることでしょう。

 ほとんどの人はここであきらめてしまうところですが、このリーダーは少し違っていました。自分の価値観にこだわらず、それぞれのメンバーの気持ちに合わせようと、とにかくコミュニケーションのスタイルを増やそうとしたのです。飲み会ももちろんやりますが、決して参加を強制せず、やる時には必ず事前にスケジュールを組み、お店のタイプも偏らないように気を配りました。さらにランチタイムやコーヒータイム、会議室での雑談タイム、個別か集団かなど、メンバーの気質や性格に合わせて話し合う場のスタイルをいろいろ工夫しました。

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「日経平均2万円割れ」の懸念は消えたのか(東洋経済オンライン)

 日米株価の調整が進んだ。NY(ニューヨーク)ダウ工業株指数は2月9日(金)のザラ場安値2万3360ドル、日経平均株価は2月14日(水)の同2万0950円で、底値を形成した可能性が高い。

 それぞれの安値が、振り返ってみれば今年の最安値であった、ということになると考えているが、もちろん、その水準を割り込んで安値を更新する可能性はゼロではない。ただその場合でも深く大きく割れる公算は薄そうだ。したがって両指数は、ずばり底値でないとしても、底値「圏」を形成したと判断している。

■米株価下落の「本質」は、買われ過ぎからの「正常化」

 今回の世界的な株価下落は、米国発だった。そして米国株価がなぜ下落したかと言えば、当コラムで繰り返し述べてきたように、米国経済や企業収益が悪化したわけではなく、実態と比べて買われ過ぎていた株価が、適正な価値に向かって「正常化」したためだ。

 米長期金利の上昇は、株価の買われ過ぎが解消に向かうきっかけではあったが、逆に言えば、きっかけに過ぎなかったとも言える。米10年債利回りは、これまで上昇が鈍かったことが異常だった。

 好調な米経済指標等に照らしてみれば、10年債利回りは3.5%程度でもおかしくはなく、現在のような2.9%前後の水準自体は、問題ではない。景気が強いからこそ、金利が上昇したわけだ。そう考えれば、2.6%近辺から2.8%強に長期金利が上昇した際に、株式市場から債券市場に資金が流れると大騒ぎして株価が下落したのに、ここ数日は長期金利が2.9%を超え2.94%にまで一時迫る動きをしたにもかかわらず、米株価が平然と上昇したことも、うなずける。

 では、その米株価下落の「本質」を考えるうえでの、「買われ過ぎ」や「適正な価値」をどう判断するかというと、これも当コラムで述べたように、予想PER(株価収益率)でみるべきだと考えている。

 S&P500指数の予想PER(当期予想利益ベース)は、ここ数年は16~18倍の範囲で推移してきた。特に上限の18倍は、2006年辺りから見ても、上限として機能してきた。ところが2016年後半以降は、18倍を超えることが恒常化し、今年1月には20倍もはるかに超えて、買われ過ぎが際立っていた。

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「普通」を多用するのは絶対にやめるべきだ(東洋経済オンライン)

 こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。

 日常会話の中で頻繁に使われる「普通(ふつう)」という言葉、一見当たり障りのない表現としてとらえ、多用している方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、この「普通」という言葉、相手との関係性にひびを入れかねない表現でもあります。相手から嫌われないために、使いやすい言葉だからこそ気をつけたいポイントをお伝えしたいと思います。

■普通=多くの人が当たり前と感じていること? 

 1.不平を表す「普通」

 「普通そんなこと言う?」

 「普通そんなことする?」

 この場合の「普通」には、相手の言動への不平不満が表れています。普通=多くの人が当たり前と感じていること、という意味合いで使い、自分の思惑どおりでない相手の言動に対し、「普通」という言葉を使うことによって、自分の立場の正当化を図っています。相手への非難をより強める言い方なのです。よって、直接的にしろ、間接的に誰かに話すにしろ、「普通」は攻撃的な意味合いを含むということになるのです。

 また、「普通」と言われると、相手は反論しづらいものです。なぜなら、反発することによって、自分の考えが「普通」でないことを認める形になってしまうからです。

 相手の言動に対する「普通」は言い訳のすきを与えない、強い表現なのです。

 2.やる気のなさを露呈する「普通」

 「普通です」

 「普通でした」

 何かを問われて、「普通」と答えることはないでしょうか。

 飲食店でのご飯の盛りの量なら、「普通」の基準は明確ですが、感想などを求められての「普通」は、尺度が明確にありません。たとえるなら、可もなく不可もなくというところなのでしょうか。

 問われている内容が「好き」か「嫌い」だったら、「受け入れられる範囲」という意味にとらえられる場合もあるかと思います。また、取り立てて具体的な意見がないから「普通」というオブラートに包んだ答え方になるともいえるので、この表現を使うと、相手から主体性がないと思われる可能性が高くなります。もしくは、答える気がない、投げやりと受け取られる場合もあるかもしれません。

 いずれにせよ、相手に対して真摯に向き合っているときに使う言葉としてふさわしくありません。

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社員の能力が伸びない会社に欠けている視点(東洋経済オンライン)

 多くの企業の人材開発ニーズと日々向き合っている米人材開発支援会社、コーナーストーンオンデマンド。今回はその経営陣のブログから、従業員の能力を伸ばすのに必要な組織の在り方について紹介します。

 最新のテクノロジーによって、従業員はいつでも、どこからでも情報にアクセスし、仕事ができるようになりました。しかし、情報へのアクセスのしやすさは、必ずしも従業員の学習機会につながるわけではありません。従業員が自らの能力を最大限に発揮し、成長し続けてほしいと願うならば、カリキュラムだけではなく、「学習する組織」になることが必要です。

 多くの経営幹部は、組織文化の醸成を人事部に任せています。研修や能力開発プログラムを管理するのは人事部門なのだから組織文化作りも人事部が担うべきである、というわけです。

■学習プログラムの成否を左右するのは

 これはちょっと違います。組織文化作りに人事部が重要な役割を果たすことは確かですが、単独ではできません。デロイト社が世界の人事部門責任者および管理職を対象に行った調査によると、「学習・能力開発の重要性を認識している」と回答した企業数と、「学習・能力開発を実行できている」と回答した企業数のギャップは、2014年から2015年の1年間で200%以上も拡大しています。

 このギャップを埋めるには、トップダウンで「学習する組織」作りに取り組む必要があります。リーダーの行動、価値観、発する言葉が、組織全員の行動を形作り、学習プログラムの成否を左右するのです。

 私は30年近くにわたり、教育機関、企業のそれぞれで「組織における学習」に携わってきました。その経験から、従業員の学習支援にあたってリーダーが心得ておくべきこととして、次の3つを挙げたいと思います。

 1. 教師のメンタリティを持つ

 私はつねづね、企業リーダーに、「組織における教師であれ」と言っています。おそらくこれは、私に教育者としての経験があるからなのでしょうが、「教師のメンタリティ」の有無によって従業員が能力開発と学習に取り組む方法に大きな違いが生じることが判明しています。

 どの企業リーダーも一夜で今の地位を築いたわけではないでしょう。懸命に働き、失敗し、教訓を学んできたはずです。その経験を共有することで、従業員との信頼関係を強化し、困難を克服する力を身に付けさせることができます。実際、エデルマン社の調査によると、従業員の68%はCEOの個人的なサクセスストーリーを聞きたいと思っており、73%はCEOが克服してきた障壁について知りたいと考えています。

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イギリスが19~20世紀に大繁栄した真の理由(東洋経済オンライン)

■世界中の商品がクリックひとつで自宅に届く

 インターネット通販大手のアマゾンという企業が誕生したのは、世界の一体化を如実に示す事例だ。クリックひとつで、世界中の商品が購入できる。世界のあらゆる地域からさまざまな商品が自宅にまで届く。

 考えてみれば、これは驚異的なことなのだが、この点において「物流」の重要性を私たちは忘れがちだ。インターネットの発展が、グローバリゼーションの大きな要因であると考える人は多い。それは間違いなく正しい。それと同時に、物流がどのように発展していったのかという側面に目を向けなければ、グローバリゼーションの重要な一面を見落とすことになってしまう。

 世界中の商品が自宅に届くということは、国際的な物流システムの発展があるということである。それにより、われわれの生活は非常に便利になった。だが、そのような物流システムの発展は、何も現代社会にとどまるものではなく、はるかに以前からあったはずなのである。

拙著『物流は世界史をどう変えたのか』でも詳しく解説しているが、物流が歴史を変えたことの典型例として、「パクス・ブリタニカ(イギリスの平和)」の真因について考えてみたい。イギリスはなぜ、19~20世紀に世界の覇権を握ることができたのか。イギリスが18世紀後半、世界で最初に産業革命に成功し、世界の工場として活躍したというイメージはかなり強いものと思われる。

 しかし、1710~1910年のあいだ、イギリスの貿易収支が黒字であることは、ほとんどなかった。「世界の工場」といわれ、綿織物工業によって世界最初の工業国家になったイギリスだったが、貿易収支から見るかぎり、それはイギリス経済に大きなプラスを与えてはいない。

 イギリスの覇権の要因は、実は工業ではなく海運業であった。19世紀後半以降、海運業からの収入が大きく増えた。これは、イギリスが世界中に蒸気船を送り、世界の物流に大きな影響力を及ぼしたからこそ実現できたことであった。

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人生100年時代「稼ぎ続ける人」に肝要な選択(東洋経済オンライン)

 1月下旬の週末、山形県南陽市にある赤湯駅から車で10分ほど走ると、雪景色の中に小学校が現れた。ただし、その中から聞こえたのは小学生ではなく、中高年の男女の笑い声。校舎の一室で、講師の声に熱心に耳を傾けている。

【写真とグラフ】大人が学び直す時代、社会人の副業容認も広がる

 ここは「熱中小学校」。起業家などが講師役の「大人の社会塾」だ。2015年、元日本IBM常務の堀田一芙氏らが中心となり、廃校となった小学校の校舎を改装して開校。授業は月2回。経営者や音楽家、デザイナーら約100人がボランティアで講師役を務める。

 生徒は20代の若者から子育てを終えた主婦、定年を控えた男性まで多彩な面々だ。「大人が小学校に入学した7歳の頃の目線に戻って、もう一度世の中を眺めてみようというのが設立の狙い」と堀田氏は話す。

 通常の講義型の授業に加え、ワイン生産などの農業を手掛けたり、3Dプリンタでモノづくりしたりする体験型授業をそろえる。仙台から通う銀行員の女性は、「ここに来ると普段会えない人と会える。大人になってこり固まってきた考え方が、柔軟に変わっていく」と話す。

■政府がリカレント教育に本腰

 人生100年時代に備え、教育→仕事→引退の順に同世代が一斉行進する「3ステージ」の人生から、複数のキャリアを渡り歩く「マルチステージ」の人生へのシフトを勧めたのが、英ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏らが著した『ライフ・シフト』(小社刊)である。2016年11月の発売以降、反響は続き、2017年秋には安倍晋三政権が目玉政策に掲げる「人づくり革命」の一環で「人生100年時代構想会議」を設置、グラットン氏も有識者議員に起用された。

同会議で幼児・高等教育の無償化とともに、改革の柱として議論されているのが、社会人の「リカレント(学び直し)教育」である。長寿化に伴い現役で働く期間が延びる一方、インターネットの発達やAI(人工知能)の台頭など環境変化は著しく、一つの分野のスキルで一生稼げる時代は終わりつつある。だからこそ社会人に、異分野の知識や能力を磨くリカレントの必要性が高まっている。『週刊東洋経済』の2月19日発売号は、「ライフ・シフト 学び直し編」を特集。その学びの現場やノウハウについて詳しく紹介している。

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「新卒でないと入りにくく給料も高い」134社(東洋経済オンライン)

 いよいよ本格的な就職活動がスタートする。今年も売り手市場が続くと見られ、現在3年の大学生はいい時代に巡り合ったと言えそうだ。ただ、こうした時期は、慢心して企業研究もおろそかになりがち。準備をせずに人気ランキングの上位企業ばかりを狙い、なかなか内定が取れないといったケースもあることには注意していただきたい。

「新卒でないと入りにくく給料も高い」会社11位以下

 ​「比較的楽に内定が取れる」とされる年でも、自分に合った会社選びはじっくり行う必要がある。そこでまず、会社選びの参考になる情報として、「新卒でないと入りにくい会社(新卒採用占有率)」ランキングを作成した。

 「新卒採用占有率」は、『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2018年版の掲載データを使い、2017年4月新卒入社者(一部は通年採用や第2新卒等を含む)と2016年度の中途採用者数の合計に対して、新卒採用者が占める割合を計算したものである。

 今回はさらに条件を加え、「平均年収が650万円以上」で「新卒比率80%以上」の134社を、紹介する。いわば「新卒でないと入りにくく、給料が比較的高い会社」のリストだ。なお対象は、採用数が新卒・中途合計50人以上の会社に限っている。

■コーセーと丸井グループは新卒比率100%! 

 ランキング1位はコーセー、丸井グループの2社が新卒占有率100%で並んだ。化粧品大手のコーセー(新卒62人)は、大卒30歳平均賃金が35万5957円と高い。平均年収も848.2万円と、日本全体の民間企業正規雇用者の平均年収486.9万円(2016年データ、国税庁調査)を、大きく上回る。

 20時一斉消灯など、残業削減の取り組みにも積極的。さまざまな部署を対象にした「コーセー人材公募制度」など、やる気のある社員を応援する制度も充実している。

小売店の丸井グループ(新卒58人)は、残業時間の少なさには定評がある。月平均3.7時間は昨年11月に発表した「最新版! 『残業時間が少ない会社』トップ100」の17位。大手流通ではダントツのトップだ。部署単位での時間外労働の数値目標を設定し、人事部と各部署で進捗管理や改善の取り組みを行う。さらに所属長に結果をフィードバックするなど、「働き方改革」ではトップランナーといえる存在である。

 3位は大阪ガスの99.2%。新卒127人に対して中途1人。こちらは有給休暇取得率が2016年度で90.1%と高い。残業時間も月16.3時間と多くない。大卒30歳平均賃金は31万9000円である。推奨資格取得に対する支援金支給や受験料援助といった支援制度も多い。

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楽天、ネット通販大改革で狙う新たな「金脈」(東洋経済オンライン)

 IT大手の楽天が、祖業であるEC(ネット通販)で新戦略を矢継ぎ早に打ち出している。

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 一つは楽天自身が商品を売る直販ビジネスの拡大だ。2017年12月にビックカメラと、今年1月には米ウォルマート傘下の西友と相次いで合弁会社の設立を発表。従来直販で手掛けてきた書籍や日用品だけでなく、家電や生鮮食品でも独自EC網を構築する。

 出店者への“場所貸し”ビジネスで成長した「楽天市場」。だが、ECの役割がカタログ通販の代替から日常的な買い物へ広がる中、品ぞろえや在庫、配送をより柔軟にコントロールできる直販モデルの重要性が増している。

■楽天市場の決済・配送の仕組みも大改革

 4万5600店に上る楽天市場の店舗向けにも、大胆な新方針を掲げる。決済と配送だ。これまで各出店者が専門業者と契約していたが、楽天が一元管理する体制への完全移行を目指す。

 ECの決済方法はクレジットカード、コンビニ、後払いなど、多岐にわたる。楽天市場では店舗によって使える支払い手段がまちまちだ。同様に配送も、受け取りの場所や日時指定などで店舗間に利便性の差がある。今回の体制変更には、ユーザーから見たサービスの質を統一する狙いがある。

 特に配送面は、楽天にとって一定の投資を伴う大仕事だ。同社は相模原をはじめ全国に三つの物流拠点を持つが、2年以内に七つを新設する計画だ。倉庫内では自動化も進め人手不足に対応する。直販か出店者かにかかわらず、すべての荷物を「エンド・トゥ・エンドでわれわれが管理する」(三木谷浩史会長兼社長)。

 独自物流網構想はさらに広がる。「荷物到着の前にユーザーのスマートフォンに通知を送り再配達率の軽減を図るほか、配送のクラウドソーシングも実現したい」(同)。

 ECの変革に取り組む背景には、グループ内のほかの事業への波及効果がある。

 最たる例はカード事業だ。2017年の楽天カードのショッピング取扱高は年間6兆円を超え、国内首位に立った。今や全社の2割となる年間300億円以上の営業利益を稼ぐ。楽天市場は、このカードの利用や新規会員獲得の起点になる。以前はEC事業単体での収益確保を重視していたが、カード事業の拡大とともに姿勢が変わってきた。

■ECを起点に他事業を伸ばす戦略

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