JATAがアバンティリゾートクラブへの申込者へ「認証申出書」を送付(東京商工リサーチ)

 11月20日に東京地裁から破産開始決定を受けた旅行会社、(株)アバンティリゾートクラブ(TSR企業コード:293361851、東京都、以下アバンティ)に旅行を申し込んでいた個人・法人の救済措置が動き出した。
 一般社団法人日本旅行業協会(JATA)は11月29日付で、申込者へ払い込み金額の弁済を受けるのに必要な「認証申出書」を送付した。JATAの担当者によると、約400先へ発送したという。JATAは2018年1月29日まで申出書を受け付け、認証の審査結果を3月頃を目途に申込者へ通知する。アバンティに対する旅行債権と認められると、4月頃に申込者の口座へ弁済金が振り込まれる予定。
 アバンティの弁済業務保証金限度額は7000万円。これを上回る金額が債権として認められた場合、按分で配当する。JATAの担当者は東京商工リサーチの取材に対し、「(認証申出の総額が)7000万円に収まるかはギリギリのラインだと思う」と話している。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年12月5日号掲載予定「SPOT情報」を転載)

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東芝、「債権取立不能」の開示が急増した理由(東京商工リサーチ)

 経営再建中の(株)東芝(TSR企業コード:350323097、東京都、東証2部)の「債権取立不能」の開示が、最近相次いでいる。

◇9月以降、開示が大幅に増加
 東芝は12月1日、子会社の山陰東芝エレベータ(株)(TSR企業コード:782022332、鳥取県)が、取引先だった(株)リライフ(TSR企業コード:732026970、鳥取県)に対する債権18万円の取立不能の恐れが生じたと発表した。11月28日にも上場子会社の東芝テック(株)(TSR企業コード:291099211、東京都、東証1部)が11万円の債権が取立不能の恐れがあると発表している。債権の取立不能は、資金繰りチェックに重要な情報だ。
 東京商工リサーチ(TSR)は2017年1月以降の東芝の適時開示状況を調べた。1月~8月は債権の取立不能に関する開示はなかった。だが、9月に2回。10月は11回と急増、11月も8回の開示があった。債権額が「6480円」と非常に少額な焦付も開示している。

◇開示の増加を心配する取引先
 開示回数の増加に伴いTSRに東芝の取引先から問い合せが急増した。「開示姿勢が変化したのか」、「焦付が散発しているのか」など、通常であれば格別問題視するほどではない内容だ。だが、再建に向け動向が注目されている時期だけに、取引先はナーバスになっているようだ。
 開示が頻発する理由について東芝に確認すると、担当者は「8月10日の2016年度の有価証券報告書の提出でバランスシートが確定した。このため、開示基準に照らし合わせて極めて業績への影響が軽微なものでも開示している」と説明する。
 東京証券取引所は取立不能または取立遅延の恐れが生じた場合の開示基準を「債務不履行のおそれのある額が最近事業年度の末日における純資産額の3%以上」と定めている。東証の担当者は、個別企業の開示状況についてはコメントできないとした上で、「通期決算で債務超過になると、すべての焦付の開示が基本。これは1部、2部上場ともに共通だ」と話す。
 東芝は8月10日に提出した有価証券報告書で通期での債務超過が明らかになった。このため、すべての焦付が開示対象になったようだ。

◇「焦付は増加していない」
 東芝の担当者はTSRの取材に対し、「焦付が8月以降増えたわけではない。ただ、債務超過が解消するまでは例え1000円の焦付でも開示する」とのスタンスを示した。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年12月5日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

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「フリーテル」を展開していたプラスワンマーケティングが民事再生(東京商工リサーチ)

 「FREETEL」事業を手掛けていたプラスワン・マーケティング(株)(TSR企業コード:294809686、法人番号:8010401102353、港区西新橋2-8-6、設立平成24年10月1、資本金52億3226万円、増田薫社長)は12月1日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。
 負債は現在調査中。
 「FREETEL」のブランド名でMVNO(仮想移動体通信)事業を展開していたが、11月1日付けで楽天モバイルへ事業を譲渡していた。

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格安スマホ「FREETEL(フリーテル)」を展開していたプラスワン・マーケティングが民事再生(東京商工リサーチ)

 格安携帯電話「FREETEL(フリーテル)」事業を手掛けていたプラスワン・マーケティング(株)(TSR企業コード:294809686、法人番号:8010401102353、港区西新橋2-8-6、設立平成24年10月15日、資本金52億3226万円、増田薫社長)は12月4日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は柴原多弁護士(西村あさひ法律事務所、千代田区大手町1-1-2、電話03-6250-6200)。監督委員には蓑毛良和弁護士(新宿区新宿1-8-5、三宅・今井・池田法律事務所、電話03-3356-5251)が選任された。
 負債総額は債権者185名に対して約26億円。
 債権者向け説明会を12月6日13時より「TKP御茶ノ水会議室」(千代田区)で開催予定。

 自社ブランド「FREETEL」を確立し、格安スマートフォンの製造販売やMVNO(仮想移動体通信)サービスを展開していた。自社ブランドの端末は中国企業などへ製造委託する一方、MVNO事業は積極的な広告宣伝で利用者を獲得し業容を拡大。ベンチャーキャピタルなどから出資を仰ぎ、平成29年3月期は売上高100億5800万円を計上、一時はIPOも視野に入れていた。
 しかし、製品開発や広告費に伴う資金需要が嵩み先行投資の負担が重荷となり、同期は54億9000万円の最終赤字に陥っていた。また、MVNO事業でも競合激化で顧客数が伸び悩み経営悪化が深刻化していた。
 こうしたなか29年9月、MVNO事業を11月1日付で楽天(株)(TSR企業コード:294045082、法人番号:9010701020592)へ会社分割により譲渡していた。
 スポンサー候補として(株)MAYA SYSTEM(TSR企業コード:297240803、法人番号:4040001042158、新宿区、内藤献代表)との間で基本合意書を締結している。

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ビットコイン高騰を受けて破産手続中の(株)MTGOXに対して債権者が民事再生法適用を申し立て(東京商工リサーチ)

 破産手続中の(株)MTGOX(TSR企業コード:298819350、法人番号:6011001070356、渋谷区渋谷2-11-5、設立平成23年8月、資本金500万円、カルプレス・マルク・マリ・ロベート社長)は平成29年11月24日、債権者から東京地裁へ民事再生法の適用を申し立てられ同日、調査命令を受けた。調査委員には伊藤尚弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所、中央区八重洲2-8-7)が選任された。
 MTGOXは平成26年4月24日に東京地裁より破産開始決定を受け、破産手続き中だった。
 仮想通貨「ビットコイン」の取引所として機能するサイト「Mt.Gox(マウントゴックス)」をネット上で運営するベンチャー企業。海外ユーザー中心に会員数は60万人以上にのぼる世界有数の規模として知名度を有していたが26年2月、システムのバグを悪用した不正アクセスにより、ユーザーや会社保有のビットコインがほぼ全部なくなっていることが判明し、事業継続が困難となり26年2月28日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。しかし、民事再生案の立案や遂行が困難との判断で民事再生法申請が棄却され同年4月24日、東京地裁から破産開始決定を受けていた。
 代理人の福岡真之介弁護士(西村あさひ法律事務所、千代田区大手町1-1-2)によると、破産手続きを進めるなかで、最近ビットコイン価格が急上昇し、当社が保有するビットコインの価値も大幅に高まり、破産債権に対して100%配当が見通せる状況となっていた。100%配当となった場合、残余の財産については当社の株主に分配することになる可能性が高まり、ビットコインの多額の含み益が株主である(株)TIBANNE(TSR企業コード:298130840、法人番号:8011001069784、渋谷区、同社長、破産手続き中)や同社の100%株主であるカルプレス・マルク・マリ・ロベート社長に分配されることを防ぐため、債権者が民事再生法の適用を申し立てた。
 なお、破産手続きでは現金での配当しか認められていないが、民事再生手続きではビットコイン債権者に対してビットコインで配当することを再生計画に定めることも可能とされる。
 今後、調査委員による調査結果の踏まえ、東京地裁が判断していくこととなる。

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「為替」関連倒産、11月は「円安」関連が2件、「円高」関連が発生なし(東京商工リサーチ)

2017年11月速報値

 11月の外国為替市況は、6日に一時1ドル=114円台後半まで円安・ドル高が進んだが、その後は輸出企業が海外で得たドル資金を円に換える実需が強まったことで円高に振れて推移した。
 さらに、米国政治の先行き不透明感や、米国の長期金利の低下などを材料にして月後半のドル円相場は、1ドル=111円付近の円高・ドル安水準が続いた。

 こうしたなか、企業倒産は依然として沈静化が続き、11月の「円安」関連倒産は2件(前年同月3件)だった。また、「円高」関連倒産は2カ月ぶりに発生なし(前年同月1件)だった。
 外国為替市場での月末のドル円相場は、予想を上回る好調な米国の経済指標を受けて、ドル高に振れたが、依然として朝鮮半島情勢など地政学リスクを抱えていて、今後の為替相場の動きには注意を怠れない。

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「東日本大震災」関連倒産が11月は5件発生、8カ月連続で10件未満(東京商工リサーチ)

11月速報値

 2017年11月の「東日本大震災」関連倒産は5件(速報値:11月30日現在)だった。8カ月連続で1桁台で推移し、収束傾向が続いている。ただし、累計件数は震災から6年半を経て、1841件(11月30日現在)に達している。また、11月の負債総額は7億8100万円で、3カ月ぶりに10億円を下回った。

◇2017年11月の倒産事例
 食肉用牛飼育の(株)白峰(TSR企業コード:262135507、法人番号:5060001011127、栃木県)は、子牛を福島県や宮崎県から買付け和牛・交雑牛の肥育を行っていた。しかし、東日本大震災により、放射能被害から福島県からの買付けルートが途絶え、経営が厳しくなった。新たなルート開拓したものの、最近は子牛価格の高値が続き、運転資金の増加から借入金が売上高に匹敵するまでに膨らみ、支えきれず破産を申請した。
 スーパーマーケット経営の(有)スーパーいづみや(TSR企業コード:282272577、法人番号: 5050002029846、茨城県)は、昭和21年創業の老舗だったが、東日本大震災で店舗近くの湖にかかる橋が崩落し、利用客数の伸び悩みに拍車がかかった。経営状況が回復する見通しが立たないことから、今年8月に事業を停止して破産手続きに踏み切った。

 2017年11月の地区別は、関東3件(茨城2、栃木1)と東北2件(福島2)だった。
 「震災関連」倒産の累計1,841件を都道府県別でみると、最多は東京の553件。次いで、宮城158件、北海道85件、神奈川76件、岩手・茨城・千葉が各73件、福岡70件、群馬60件、福島59件、栃木58件、静岡50件、山形47件、埼玉46件、大阪45件と続く。直接被災地の東北6県の倒産件数は392件(構成比21.2%)だった。
 「震災関連」倒産の累計1,841件を産業別でみると、最多は宿泊業・飲食店などを含むサービス業他の487件(11月ゼロ)。次いで、製造業が415件(同2件)、卸売業が340件(同ゼロ)、建設業が222件(同ゼロ)、小売業が173件(同2件)と続く。
 被害型で分類すると、「間接型」1,670件(構成比90.7%)に対し、「直接型」は171件(同9.2%)だった。

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JT 英国の取引先に最大221億円の焦付の可能性(東京商工リサーチ)

 11月29日、日本たばこ産業(株)(TSR企業コード:292148852、東京都、東証1部、以下JT)は、Palmer & Harvey(Holdings)Plc(DUNS:211041896、イギリス、以下P&H)が28日にイギリス企業倒産法に則した手続の適用を申請したことに伴い、最大221億円(1億4800万ポンド)の取立不能または遅延が生じる恐れがあると発表した。
 債権を有するのはJTの子会社で海外事業を統括するJT International S.A(スイス、以下JTI)の管轄下にある法人。JTの担当者によると、「JTIの管轄下にある法人とP&Hは企業間の契約関係がある」という。JTの英国での販売量のうち、P&Hが約25%を占めている。JTは今後、取引関係のあるP&H以外の流通業者などを活用し、英国での商品供給を行う方針。
 JTは、「現時点では当社グループへの財務影響を合理的に算定することは困難」(リリース資料)として、業績予想を変更していない。JTの担当者は東京商工リサーチの取材に対し、「債権が回収不能になるのか、遅延して回収出来るのか読めないため」とコメントしている。
 なお、JTの2017年12月期の業績予想(連結)は、売上高2兆1300億円、営業利益5650億円、当期純利益4020億円。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年12月4日号掲載予定「SPOT情報」を転載)

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テレビドラマ「駅前タクシー湯けむり事件案内」で撮影協力、静岡の熱海交通自動車(株)が破産(東京商工リサーチ)

 熱海交通自動車(株)(TSR企業コード:440061539、法人番号:4080101012528、熱海市渚町24-1、設立昭和15年12月、資本金1000万円、原英之社長)は11月28日、静岡地裁沼津支部から破産開始決定を受けた。破産管財人には平岩哲行弁護士(平岩法律事務所、沼津市市場町8-15、電話055-935-4833)が選任された。
 負債総額は約2億5000万円。
 熱海市では古参のタクシー会社。近年はタクシー約35台を稼働させ、民間車検工場として自動車修理も行っていた。観光客を主な利用対象としてきたが、平成に入ってからは熱海地区の観光客数の減少により次第に業績が悪化。採算性も低迷し、資金繰りも限界に達したことから今回の措置となった。
 なお、平成15年から17年にかけて放送されたTBS系列の2時間テレビドラマ「駅前タクシー湯けむり事件案内」シリーズで登場し、同作品の撮影協力を行っていた。

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新型風力発電機の開発難航、新潟のベンチャー(株)WINPROが民事再生(東京商工リサーチ)

 (株)WINPRO(TSR企業コード:742011003、法人番号:9110001008907、新潟市中央区新光町19-8、設立平成15年4月、資本金4億9054万円、原明緒社長、従業員14名)は11月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、保全命令を受けた。申請代理人は中村信雄弁護士ほか3名(サン綜合法律事務所、東京都港区愛宕2-5-1、電話03-5408-7491)。監督委員には早川学弁護士(森・濱田松本法律事務所、東京都千代田区丸の内2-6-1、電話03-5223-7748)が選任された。
 負債総額は8億9420万円(平成28年12月期決算時点)。
 広島市で会社を設立した後、しばらく休眠状態だったが、平成18年11月に風力発電を主体として事業を再開。主力商品の風力発電機は、従来のプロペラ型ではなくバーティカル型で効率よく風をとらえ、低周波音がなく、太陽電池と併用することで災害発生時の電力供給源としても使えることから、環境エネルギーに関心がある企業や自治体から注目を集めていた。
 25年3月期には自治体向けの販売が好調で売上高3億1845万円をあげたが、その後投入を予定していた新型風力発電機の開発が思うように進まず、27年3月期以降は売上不振で億円単位の赤字が連続し、多額の債務超過に陥っていた。
 この間、ファンドや提携先などからの出資や資金援助を受けて事業を継続してきたが、29年9月頃には債権者から破産を申し立てられるなど信用不安が増幅し、動向が注目されていた。
 12月5日(火)午前11時より、TKP新橋汐留ビジネスセンター(東京都港区)で債権者説明会を開催する予定。

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