伊バイク「DUCATI」正規ディーラーだった(有)トマトモータースが破産(東京商工リサーチ)

都内3店舗で「DUCATI TOKYO WEST」を経営

 (有)トマトモータース(TSR企業コード:297935534、法人番号:6012802002860、東久留米市柳窪3-2-37、登記上:武蔵村山市三ツ藤3-50-3、設立平成12年1月、資本金300万円、大河原康社長)は1月9日、東京地裁立川支部より破産開始決定を受けた。破産管財人には番場弘文弁護士(多摩八王子法律事務所、八王子市明神町4-5-3、電話042-631-5311)が選任された。
 負債総額は推定3億円。
 イタリアのオートバイメーカー・DUCATI社とBIMOTA社の正規ディーラー。一般顧客を対象とし「DUCATI TOKYO WEST」の店名で都内3店舗を運営するほか、オートバイのカスタムや車検・整備全般を手掛け、ピークとなる平成19年11月期には売上高約11億円をあげていた。しかし、オートバイ需要の落ち込みなどで、28年11月期の売上高は約6億円に落ち込んでいた。この間、経費削減や売上維持に努めたものの、資金繰りは限界に達し、今回の措置となった。

東京商工リサーチ

位置情報追跡アプリ「カレログ」開発の(有)マニュスクリプトが破産(東京商工リサーチ)

 (有)マニュスクリプト(TSR企業コード:300378726、法人番号:4011202008231、中野区東中野4-4-5、設立平成11年3月23日、資本金300万円、三浦義則社長)は1月5日、東京地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には齋藤理英弁護士(齋藤綜合法律事務所、港区芝公園3-1-4、電話03-5776-5921)が選任された。
 負債は現在調査中。
 アプリの企画を主体に、映像制作や出版業を手掛けていた。平成23年8月に企画したスマホアプリ「カレログ」は、アプリをダウンロードした観察対象スマートフォンの位置情報や電池残量などが閲覧でき、話題となった。しかし、スタート当初よりプライバシーの観点で総務省から指摘されるなど社会問題化した。サービス内容を変更するなど対策を講じたが、24年10月に同アプリの提供を終了するなど事業は計画通りに進まず、脆弱な財務内容から資金繰りを維持することができなくなり、今回の措置となった。

東京商工リサーチ

コンビニエンスストアの倒産が調査を開始以来、2番目の51件発生、5年連続で前年超え(東京商工リサーチ)

 2017年(1-12月)の「コンビニエンスストア」倒産は51件(前年比24.3%増)で、5年連続で前年を上回った。調査開始の2002年以降、最多の53件(2003年)に迫る水準で、過去2番目を記録した。負債総額は18億1900万円(前年比30.9%増)で、2年連続で前年を上回ったが、負債1億円未満の小・零細規模が94.1%を占めた。
 コンビニ業界全体は、店舗数の増加に伴い売上高も右肩上がりで伸びているが、個人消費が低迷する中で、コンビニ業界だけでなくスーパーなど他業態との競合も激化。休廃業・解散と倒産の合計が初めて年間200件を超え、新陳代謝が進む業界構造も透けて見える。

◇コンビニ倒産 14年ぶりの50件台
 2017年の「コンビニエンスストア」倒産は51件と、最多を記録した2003年(53件)以来、14年ぶりに50件台に達した。コンビニ業界の成長を反映し、倒産は2012年まで3年連続で減少をたどっていた。だが、2012年半ばから店舗数が前年同月比5%前後の増加率に上昇、競合が激化した2013年を境に増加に転じ、5年連続で前年を上回った。
 負債総額は18億1900万円(前年比30.9%増)と、2年連続で前年を上回った。小・零細規模の業者が多い業界の特徴を反映し、負債1億円未満が48件と9割超(構成比94.1%)を占めた。

◇休廃業・解散は4年連続で100件台
 2017年の「コンビニエンスストア」の休廃業・解散は、2014年から4年連続で100件台で推移。2017年は155件(前年比7.6%増)と過去最多を記録した。倒産との合計は2011年から7年連続で前年を上回り、2017年(206件)は初めて200件台に乗せて、最多記録を更新した。

◇原因別、販売不振が約9割
 原因別では、最多が販売不振の44件(前年比29.4%増、前年34件)で、全体の86.2%を占めた。次いで、既往のシワ寄せ(赤字累積)が4件(同33.3%増、同3件)で、販売不振と合わせた「不況型倒産」は48件(構成比94.1%)で9割を超えた。
 他には、別事業を手がける関連会社の倒産に連鎖した「他社倒産の余波」が3件(前年比50.0%増、前年2件)発生した。

◇地区別、関東がほぼ半数
 地区別では、最多が関東地区の25件(前年比31.5%増、前年19件)で、全体のほぼ半数(構成比49.0%)を占めた。次いで、中部地区が12件(前年比200.0%増、前年4件)、近畿地区が前年同数の8件、東北地区が3件(同200.0%増、同1件)で続く。この他、北海道、中国、九州が各1件、北陸と四国はゼロだった。
 都道府県別では、東京都が8件で最も多く、千葉県と神奈川県が各7件、静岡県と大阪府が各5件と続く。

 一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)の統計調査資料によると、コンビニエンスストア主要8社の店舗数は、2014年に初めて5万店を突破し、2016年12月で5万4501店舗を数える。売上高も2016年は前年比3.6%増と、スーパーマーケット(前年比3.0%増、日本スーパーマーケット協会ほか調べ)や、百貨店(同3.2%減、日本百貨店協会調べ)に比べ堅調に推移している。
 ただ、業績の伸びは店舗数の増加による部分も大きい。店舗数の増加はFC本部のドミナント戦略上のメリットと消費者の利便性向上にひと役買ったが、地域内の競合激化を招いた。さらに、ディスカウントストア(DS)やインターネット通販など、低価格で成長している他業態との競合も厳しさを増している。
 こうした状況に加え、人手不足による従業員確保、人件費上昇も追い打ちをかけている。高いブランド力や消費者の購買動向を反映したマーケティング戦略に長けた主要FC加盟店でも、FCオーナー企業の倒産や休廃業・解散が増加しており、厳しい経営環境に変化している。
 2017年10月、大手チェーンのファミリーマートが人手不足を背景に、24時間営業の見直しに着手することが報道された。これは「コンビニ」業界のビジネスモデル転換の可能性を示す動きとして注目される。成長をたどったコンビニ業界だが、今後はFC加盟店の経営動向にも注意が必要になっている。

東京商工リサーチ

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2017年「旅行業」倒産、負債総額は前年比5.6倍増の215億7,300万円 過去20年で2番目の高水準(東京商工リサーチ)

 2017年の「旅行業」の倒産は28件(前年27件)だった。前年より1件増加し、2年連続で前年を上回った。負債総額は、215億7300万円(前年比465.0%増)と大幅に膨らんだ。
 負債が膨らんだのは、被害者9万人を巻き込んで大きな社会問題に発展し、2017年11月に社長が逮捕された(株)てるみくらぶと関連会社1社が押し上げたため。過去20年では1998年(負債総額440億6400万円)に次ぐ、2番目に高水準となった。
 形態別では破産が25件(構成比89.2%)と約9割を占め、再建型の会社更生法、民事再生法はゼロだった。最近は、航空チケットや宿泊などの予約を個人で行う「セルフブッキング」スタイルが広まっているほか、企業がコスト削減で法人利用を縮小するなど、旅行業界は厳しい経営環境が続いている。こうした風潮への打開策を見出せず、旅行業の倒産は増勢気配を強めている。

※ 調査対象の「旅行業」には旅行業者代理業を含む。

◇2017年(1-12月)の「旅行業」倒産、前年比1件増加
 2017年(1-12月)の「旅行業」倒産は、28件(前年27件)で微増だった。過去20年間で最多だった1998年(79件)の3分の1と、件数は低水準だが、2015年(26件)から2年連続で前年を上回った。

◇大型倒産で負債は過去20年で2番目
 2017年(1-12月)の負債総額は215億7300万円(前年比465.0%増)と、前年比5.6倍に達した。過去20年間でみると、最大だった1998年(負債総額440億6400万円)に次ぐ2番目の水準。このうち(株)てるみくらぶと関連会社の(株)自由自在の2社で、負債合計は185億1300万円(構成比85.8%)を占め、全体を押し上げた。
 過去20年間で最大だった1998年(負債総額440億6400万円)は、旅行業倒産では歴代最大の(株)ジェットツアー(1998年2月破産、負債252億3500万円)が倒産したが、2017年は負債規模でこれに次ぐ水準となった。
 負債が大幅に膨らんだ一方で、負債1億円未満が18件(構成比64.2%)と6割を占めた。また、1億円以上5億円未満も7社(同25.0%)発生した。2017年は大型倒産が負債を押し上げ、小・零細規模の企業倒産が件数を押し上げたのが特徴。

◇破産が9割で再建型はゼロ 販売不振が7割占める
 形態別では、事業消滅型の破産が25件(構成比89.2%、前年23件)と全体の9割を占めた。再建型の会社更生法、民事再生法はゼロ(前年ゼロ)で、取引停止処分が3件(同10.7%、前年1件)と、厳しい事業環境を反映した。
 原因別では、最多が販売不振の19件(構成比67.8%、前年23件)で、全体の7割を占めた。次いで、既往のシワ寄せ(赤字累積)が3件、他社倒産の余波と放漫経営(事業上の失敗)がそれぞれ2件と続く。
 都道府県別では東京都が14件(構成比50.0%)で最多だった。以下、大阪府と滋賀県で2件(同7.1%)発生し、10府県で1件発生した。

◇旅行業の休廃業・解散は倒産件数の2倍超
 旅行業の休廃業・解散は2008年以降、毎年60件以上のペースで推移し、2017年は64件だった。このうち、資本金1000万円以上5000万円未満が5割、1000万円未満と個人企業で4割を占め、倒産件数が沈静化をみせるなかで小・零細規模の旅行業者を中心に休廃業・解散が高止まりしている。

 東京商工リサーチが2017年10月に実施した「旅行業の業績」調査によると、大手を含む旅行業1700社の2016年度の売上高は約2兆6241億円で、前年度から約609億円減少した。また、利益は合計155億円で前年度から約130億円減少(45.6%減)と半減した。頻発するテロ事件による旅行の手控えやセルフブッキングの浸透で、高収益が見込めるヨーロッパなどの海外旅行も落ち込んでいる。
 こうしたなか、2017年3月のてるみくらぶの倒産は、被害者数がケタ違いに多かった。倒産時のずさんな顧客対応、挙げ句に社長が粉飾決算で金融機関から融資をだまし取った詐欺容疑で逮捕されて刑事事件に発展するなど、社会的にも大きな話題になった。
 同社は、航空会社や大手旅行代理店が販売しきれなかった航空券を安く仕入れてパッケージツアーに組み込み、格安でネット販売するビジネスモデルだった。だが、航空会社がオンライン直販に乗り出し、小型機の導入で余剰チケットが品薄になり採算が悪化。顧客からの前受けで得た金を運転資金にまわす自転車操業に陥っていた。また、激安商品など派手な広告戦略で顧客に現金入金を急がせ、被害がさらに拡大した。
 だが、厳しい経営環境はてるみくらぶに限ったことではない。「格安旅行業者」はかつて、割安感を全面に押し出した戦略で大手旅行業者と差別化を図ってきた。ところが、LCC(格安航空会社)のほとんどは自社サイトでの直販体制をとり、セルフブッキングの浸透もあって存在意義すら危うくなっている。倒産自体は低水準だが、将来的な見通しが厳しく休廃業・解散は倒産の2倍以上で推移していることからもその兆候が窺える。
 旅行代理店ビジネスが大きな曲がり角を迎えている。旅行業の倒産は資金力に乏しい小・零細規模を中心に推移しているが、中堅クラスでも厳しい経営環境は変わらず今後の動向を注視していくことが必要だろう。

東京商工リサーチ

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倒産件数が8,405件、9年連続して前年を下回る 上場企業倒産が2件発生【2017年の全国企業倒産】(東京商工リサーチ)

 2017年(平成29年)の全国企業倒産(負債総額1,000万円以上)は8,405件、負債総額が3兆1,676億3,700万円だった。
 倒産件数は、前年比0.4%減(41件減)。2009年から9年連続で前年を下回り、1990年(6,468件)以来の低水準だった。これは金融機関が中小企業のリスケ要請に積極的に対応しているほか、上向きな景況も影響しているとみられる。ただし、月次ベースでは2017年3月以降は、前年同月比増加と減少を交互に繰り返し、10月には6年3カ月ぶりに2カ月連続で増加した。さらに都道府県別では、東京・大阪・兵庫が8年ぶり、愛知が6年ぶりに増加に転じ、神奈川も2年連続で増加するなど大都市圏の増勢が目立つように状況の変化がみられ、倒産減少の「底打ち」を窺わせた。また産業別では、10産業のうち唯一、飲食業などを含む「サービス業他」が前年を上回り、今後の個人消費関連の動向が注目される。

 一方、負債総額は前年比57.8%増(1兆1,615億1,800万円増)。2年ぶりに前年を上回り、2012年(3兆8,345億6,300万円)以来の3兆円超えになった。この大幅増は、製造業では戦後最大の倒産になったタカタ(株)(6月・負債1兆5,024億円)の民事再生法申請が影響した。ただし、全体では負債1億円未満が6,263件(構成比74.5%)を占め、小規模倒産が大半を占めた。

東京商工リサーチ

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「円滑化」利用後倒産、2017年12月は3件、年間件数は前年より半減(東京商工リサーチ)

 2017年12月の「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産は3件(前年同月5件)にとどまり、3カ月連続で前年同月を下回った。景気の緩やかな拡大を背景に、金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に応じていることも影響して、企業倒産は低水準で推移している。

◇2017年12月の負債総額、3カ月連続で前年同月を下回る
 2017年12月の「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産での負債総額は22億6100万円(前年同月比38.2%減、前年同月36億6200万円)で3カ月連続で前年同月を下回った。負債額別では、10億円以上の大型倒産が1件(前年同月1件)だった。

◇2017年の倒産件数、前年より半減
 2017年(1-12月)の倒産件数は38件(前年比50.0%減、前年76件)で、前年より半減した。これに対して、負債総額は426億9600万円(同4.6%増、同408億600万円)で前年を上回った。2017年1月に負債220億円の大型倒産が発生したことが影響した。
 2017年の負債額別では、10億円以上の大型倒産が9件(前年10件)で、最多は1億円以上5億円未満の17件(同35件)だった。

 産業別では、最多が製造業の13件(同23件)。次いで卸売業8件(同16件)、建設業5件(同18件)、サービス業他5件(同9件)と続く。
 原因別では、販売不振21件(同39件)が最も多かった。次いで、既往のシワ寄せ(赤字累積)が12件(同30件)と続く。

 形態別では、最多が事業消滅型の破産が25件(同46件)だったのに対し、再建型の民事再生法は6件(同7件)にとどまった。業績不振から事業継続を断念するケースが依然として多い。
 従業員数別では、5人以上10人未満が15件(同21件)で最も多かった。次に5人未満の8件(同27件)だった。この結果、従業員数10人未満は23件(構成比60.5%、前年48件)で、小規模企業が全体の6割を占めた。

東京商工リサーチ

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「飲食業」の倒産が昨年は3年ぶりの750件超え(東京商工リサーチ)

 2017年(1-12月)の「飲食業」の倒産は766件(前年639件)になった。前年より約2割増になり、3年ぶりに750件を上回った。
 負債総額は、負債1億円以上5億円未満の企業倒産が5割増と負債を押し上げ、前年を上回った。ただし、全体では負債1億円未満の小・零細規模が88.7%を占めた。
 仕入価格高騰や人手不足による人件費増加などのコストアップが影響し、さらに、景気実感の乏しさを背景とした個人消費の鈍さが、倒産増加に拍車をかけているとみられる。

※ 調査対象の「飲食業」は、食堂,レストラン、専門料理店、居酒屋などの酒場,ビヤホール、喫茶店、宅配飲食サービス業、持ち帰り飲食サービス業などを含む。

◇2017年(1-12月)の「飲食業」倒産、前年比19.8%増
 2017年(1-12月)の「飲食業」倒産は766件(前年639件)に達し、水準としては2014年(768件)以来、3年ぶりの750件超えになった。全体の倒産件数が低水準で推移するなかで約2割増(前年比19.8%増)になり、2年連続で前年を上回った。

◇負債1億円未満が約9割
 2017年(1-12月)の負債総額は、420億1000万円(前年比24.7%増)になり、2年連続で前年を上回った。
 負債10億円以上の大型倒産は前年同数の4件だった一方で、負債1億円以上5億円未満が75件(前年比50.0%増、前年50件)と大幅に増加したことが影響した。
 ただし、全体では負債1億円未満が680件(構成比88.7%)と約9割を占め、小規模倒産がほとんどを占めている。
 主な大型倒産では、ステーキ店「KENNEDY」を都内中心に27店舗展開していた(株)ステークス(東京、負債13億8000万円)、ピザ専門店「NAPOLI」などを展開していた(株)遠藤商事・Holdings.(東京・同12億7800万円)、宅配ピザ店「10・4(テン・フォー)」を展開していた(株)オーディンフーズ(北海道、同7億円)など。

◇業種別、居酒屋など「酒場,ビヤホール」が約4割増
 業種別では、「食堂,レストラン」203件(前年比36.2%増、前年149件)と日本料理・中華料理・フランス料理店などを含む「専門料理店」203件(同13.4%増、同179件)が最も多かった。
 次いで、居酒屋などを含む「酒場,ビヤホール」が116件(同36.4%増、同85件)、「喫茶店」が59件(同34.0%増、同44件)とそれぞれ増加が目立った。
 このほか、宅配ピザ店などを含む「宅配飲食サービス業」が42件(同7.6%増、同39件)、持ち帰り弁当店などの「持ち帰り飲食サービス業」が23件(同27.7%増、同18件)など。

◇原因別、販売不振が8割
 原因別では、最多が販売不振の621件(前年比18.2%増、前年525件)で、全体の8割(構成比81.0%)を占めた。次いで、事業上の失敗が42件(前年比50.0%増、前年28件)、既往のシワ寄せ(赤字累積)が34件(同17.0%減、同41件)の順。
 形態別では、事業消滅型の法的手続きである破産が711件(同20.5%増、同590件)にのぼり、全体の9割(構成比92.8%)を占め、特別清算も12件(前年4件)と3倍増になり厳しい経営環境を反映した。また、再建型の民事再生法は23件(前年21件)、取引停止処分が18件(同18件)だった。

 2017年(1-12月)の飲食業の倒産は、前年より約2割増で推移して厳しい経営環境を反映したが、東京商工リサーチ調べの飲食業の休廃業・解散企業数でも、2013年の574件以降は、2014年617件、2015年622件、2016年724件と3年連続で増加している。これは、仕入価格高騰や人手不足による人件費の増加などのコストアップが影響しているとみられる。
 飲食業は「参入は比較的容易だが、生き残ることが難しい業界」と言われる。さらに、顧客の飽きが早く、次々にブームは起きても冷めやすく、一つのメニューやビジネスモデルが持続する期間が長続きしにくいとの指摘もある。
 さらに、各種経済指標が改善をみせても、消費者が景気上昇の実感に乏しいことも、外食や飲酒など飲食関連に向ける個人消費の伸び悩みの背景として考えられる。このため、飲食業倒産の今後の増勢が懸念される。

東京商工リサーチ

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「医療,福祉事業」の2017年倒産は、2000年以降で最多の250件(東京商工リサーチ)

 2018年度の診療報酬と介護報酬の同時改定を前に、2017年(1-12月)の「医療,福祉事業」の倒産件数は250件にのぼり、介護保険法が施行された2000年以降で最多になった。
 このうち、業種別で最も多かったのが「老人福祉・介護事業」の111件(前年比2.7%増)で、件数を押し上げた。
 また、「医療,福祉事業」の負債総額も2年連続で前年を上回ったが、全体では負債1億円未満の小・零細規模が84.8%を占めるなど、小規模倒産が目立った。
 高齢化社会の成長産業として注目される医療福祉業界だが、介護職員の人手不足が深刻化するなど、経営のかじ取りが難しさを増し、業界内では淘汰の動きが加速している。

※調査対象の「医療,福祉事業」には、病院、医院、マッサージ業や鍼灸院などの療術業、老人福祉・介護事業などを含む。

◇2017年(1-12月)の「医療,福祉事業」倒産件数、2000年以降で最多
 2017年(1-12月)の「医療,福祉事業」倒産件数は、250件(前年比10.6%増、前年226件)に達し、6年連続で前年を上回るともに介護保険法が施行された2000年以降で最多になった。

◇負債1億円未満の小規模倒産が18.4%増
 2017年(1-12月)の負債総額は364億100万円(前年比18.7%増、前年306億4500万円)になり2年連続で前年を上回った。
 内訳では、負債10億円以上の大型倒産は9件(前年7件)と前年を上回ったが、倒産全体では負債1億円未満が212件(構成比84.8%)と8割を占め、前年比で18.4%増(前年179件)と小規模倒産が増勢をみせた。

◇業種別、「老人福祉・介護事業」が2000年以降で最多件数を更新
 業種別では、最多が「老人福祉・介護事業」の111件(前年比2.7%増、前年108件)で、介護保険法が施行された2000年以降で最多件数になった。次いで、マッサージ業、整体院、整骨院、鍼灸院などを含む「療術業」が68件(同17.2%増、同58件)、「病院・医院」が27件(同12.9%減、同31件)、「障害者福祉事業」が23件(同109.0%増、同11件)など。

◇「老人福祉・介護事業」倒産、原因別では「事業上の失敗」が増勢
 業種別で最多だった「老人福祉・介護事業」の内訳では、「訪問介護事業」の45件(前年48件)を筆頭にして、デイサービスなどの「通所・短期入所介護事業」が44件(同38件)、サービス付き高齢者住宅などを含む「その他の老人福祉・介護事業」が9件(同6件)、「有料老人ホーム」が6件(同11件)などだった。
 「老人福祉・介護事業」倒産の原因別では、最も多かった販売不振(業績不振)が51件(前年比26.0%減、前年69件)と前年を下回ったのに対し、「事業上の失敗」が26件(同44.4%増、同18件)と増勢が目立った。これは、安易な起業や本業不振のため異業種からの参入など、事前準備や事業計画が甘い小・零細規模の業者が思惑通りに業績を上げられず経営に行き詰まったケースが多いとみられる。
「老人福祉・介護事業」倒産の地区別では、全国9地区のうち、近畿24件(前年23件)、中部14件(同9件)、北海道7件(同3件)、中国7件(同5件)、北陸4件(同2件)の5地区で前年を上回った。一方、九州12件(同16件)と東北2件(同9件)の2地区で減少し、関東39件(同39件)と四国2件(同2件)が前年同数だった。

◇原因別、販売不振が過半数
 医療,福祉事業の原因別では、最多が販売不振(業績不振)の137件(前年比2.1%減、前年140件)で、全体の過半数(構成比54.8%)を占めた。次いで、事業上の失敗が51件(前年比54.5%増、前年33件)、既往のシワ寄せ(赤字累積)が17件(同13.3%増、同15件)の順。
 
◇形態別、事業消滅型の破産が9割
 医療,福祉事業の形態別では、事業消滅型の破産が226件(前年比8.6%増、前年208件)と全体の9割(構成比90.4%)を占め、業績不振に陥った事業者の再建が難しいことを反映した。
 また、再建型の民事再生法は17件(前年11件)と増加した。この17件の主な内訳では「病院・医院」が6件、「療術業」が5件、「老人福祉・介護事業」が4件など。「病院・医院」の中には、地元では大規模な総合病院を経営していた地方の有力病院もみられた。

◇地区別件数、9地区のうち5地区で増加
 医療,福祉事業の地区別では、全国9地区すべてで倒産が発生した。近畿の88件(前年65件)を筆頭にして、関東73件(同72件)、九州26件(同28件)、中部26件(同23件)、中国16件(同8件)、北海道8件(同9件)、北陸5件(同7件)、東北4件(同11件)、四国4件(同3件)の順。
 前年より上回ったのは、関東・中部・近畿・中国・四国の5地区。これに対して減少は北海道・東北・北陸・九州の4地区だった。

 東京商工リサーチの調査では、全国の医療,福祉事業者1万4,834社の2017年3月期決算は、「増収増益」企業の構成比が33.1%に対し、「減収減益」企業も同29.1%と拮抗した。
 さらに、「減益」企業は51.4%と半数を超え、同業との競合や人手不足を補うための人件費上昇が収益悪化につながり、収益確保が難しいことが透けてみえる。
 2018年度の診療・介護報酬の同時改定では、診療報酬が医師技術料などの「本体」部分を0.55%引き上げる一方で、「薬価」などの引き下げにより全体ではマイナス1%前後になる見通しになった。また、介護報酬は0.54%の引き上げに決定したが、通所介護での事業規模やサービス提供時間に応じた基本報酬の細分化など「給付適正化」も進められる方向である。
 このように医療・福祉関連業界では、淘汰の動きに緩みがないことから、引き続き今後の動向から目を離せない。

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2017年の「チャイナリスク」関連倒産は前年から半減(東京商工リサーチ)

 2017年(1-12月)の「チャイナリスク」関連倒産は、件数が54件(前年比50.9%減)、負債が389億4700万円(同45.7%減)と、件数・負債ともに前年から半減した。件数が前年を下回るのは、2014年に調査を開始以来、初めて。
 また、12月単月の同倒産は3件(前年同月比57.1%減)、負債総額は25億7100万円(同26.7%増)だった。「チャイナリスク」関連倒産は急速に落ち着き、件数は2016年12月から13カ月連続で2ケタ割れが続き、小康状態を維持している。
 なお、倒産に集計されない事業停止や破産準備中などの「実質破綻」は、12月はなかった(前年同月もゼロ)。

 2017年の「チャイナリスク」関連倒産は、前年から半減した。単月では4月を除いて、前年同月以下の水準が続き、年間でみても2016年をピークに沈静化した。
 2017年の倒産を要因別でみると、最多は人件費や製造コスト上昇による「コスト高」の18件(構成比33.3%)。ただ、前年の68件からは73.5%減と大幅に減少した。「品質問題」は9件(同16.6%)発生した。前年は4件に留まっており、要因の中では唯一増加した。
 金網製造のヘキサフォ(株)(TSR企業コード:294516085、東京都、負債9億9100万円)は、中国で製造した製品クレームなどで業績が悪化し、9月6日に東京地裁から破産開始決定を受けた。中国に製造拠点を構えたり、資材調達を依存している企業は、高騰する調達コストと品質のかじ取りでリスクが大きく異なり、業績の明暗を分ける状況が続いている。

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2017年に「求人難」型の「人手不足」関連倒産が2倍増(東京商工リサーチ)

 企業倒産が低水準な推移の一方で、中小企業を中心に人手不足が深刻化している。「人手不足」関連倒産は、「後継者難」型が中心で現状は推移しているが人手不足感が解消されない中で「求人難」型が、2017年(1-12月)では前年より2倍増で推移し、今後の動向が注目される。
 
◇2017年12月は23件発生
 2017年12月の「人手不足」関連倒産は23件(前年同月27件)で、2カ月連続で前年同月を下回った。
 内訳は、代表者や幹部役員の死亡、病気入院、引退などによる「後継者難」型が19件(前年同月24件)、人手確保が困難で事業継続に支障が生じた「求人難」型が3件(同ゼロ)、中核社員の独立、転職などの退職から事業継続に支障が生じた「従業員退職」型がゼロ(同1件)、賃金等の人件費のコストアップから収益が悪化した「人件費高騰」型が1件(同2件)だった。

◇12月の産業別では建設業が最多
 12月の産業別では、最多は建設業の7件(前年同月7件)だった。次いでサービス業他が6件(同6件)、製造業と運輸業が各3件と続く。

◇12月の地区別、9地区のうち8地区で倒産が発生
 12月の地区別では、全国9地区のうち北陸を除く8地区で倒産が発生した。内訳は関東6件(前年同月11件)と東北6件(同4件)を筆頭にして、九州4件(同2件)、中部2件(同3件)、北海道2件(同3件)、近畿1件(同3件)、中国1件(同ゼロ)、四国1件(同ゼロ)の順。
 
◇12月の都道府県別、最多は福岡4件
 12月の都道府県別では、福岡4件(前年同月2件)、東京と宮城が各3件の順だった。

◇2017年(1-12月)の要因別、「求人難」型が2倍増
 2017年(1-12月)の「人手不足」関連倒産は317件(前年326件)で、全体の倒産が減少するなかで、ほぼ前年並みで推移している。
 内訳をみると、「後継者難」型が249件(前年比7.4%減、前年269件)、「求人難」型が35件(同105.8%増、同17件)、「従業員退職」型が18件(同5.8%増、同17件)、「人件費高騰」型が15件(同34.7%減、同23件)になり、「求人難」型の著しい増加が特筆される。

◇2017年(1-12月)の産業別、建設業とサービス業他で約半数を占める
 2017年(1-12月)の産業別では、最多が建設業の79件(前年比3.9%増、前年76件)。次いで、サービス業他が76件(同13.4%増、同67件)と続き、この2産業だけで約半数(構成比48.8%)を占めた。このほか、製造業42件、卸売業39件、小売業26件の順。
 2017年(1-12月)の地区別では、全国9地区のうち北海道(17→24件)、中部(25→32件)、四国(6→10件)、九州(35→40件)の4地区で前年を上回った。この一方、減少は東北(30→21件)、関東(135→132件)、北陸(7→4件)、近畿(50→33件)の4地区で、中国が前年同数の21件だった。

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