アパレルブランド「DOARAT」を展開していた(株)ドゥアラットが破産開始決定(東京商工リサーチ)

 (株)ドゥアラット(TSR企業コード:298535963、法人番号:9011001071525、渋谷区富ヶ谷2-36-5、設立平成22年11月、資本金100万円、西川大樹社長)は10月3日、東京地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には中村太一弁護士(江橋・鈴木法律事務所、千代田区丸の内2-2-3、電話03-3212-1628)が選任された。
 負債総額は債権者10名に対して3691万円。
 アパレルブランド「DOARAT」を中心に店舗販売や卸売を手掛けていた。ブランドを譲り受けて平成22年11月、事業を開始。原宿に店舗を構え、ファッション雑誌などに取り上げられるなど一定の知名度を有していたが、計画通りの売上高に達せず、業績不振が設立当初より続いていた。赤字も累積し、資金繰りも限界に達したため、事業継続を断念した。

仮想通貨取引所の「Zaif(ザイフ)」 事業を譲渡し仮想通貨交換業の登録を廃止へ(東京商工リサーチ)

 9月14日、ハッキングで70億円の仮想通貨が消失した仮想通貨取引所「Zaif(ザイフ)」を運営しているテックビューロ(株)(TSR企業コード:576983667、大阪府)は10月10日、(株)フィスコ仮想通貨取引所(TSR企業コード:017738717、登記上:大阪府)に仮想通貨取引所の事業を譲渡する契約を締結したことを発表した。
 事業譲渡の実行日は11月22日。テックビューロは事業譲渡の手続きが完了後、仮想通貨交換業の登録を廃止した上で解散手続を行う予定。

 テックビューロは、9月14日のハッキングで金融庁より異例の3度の業務改善命令を受けている。このハッキングで顧客分の約45億円、自社保有分の25億円が流出した。このため9月20日、ジャスダック上場の(株)フィスコ(TSR企業コード:293061823、登記上:大阪府)のグループ会社から50億円の資金支援、テックビューロの過半数の株式取得などを検討する契約を締結していた。
 フィスコ仮想通貨取引所は、テックビューロがハッキングで消失した顧客分の仮想通貨約45億円のうち、ビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)の調達を完了している。MONAコイン(MCO)については一部を日本円で補償するという。また、「ザイフ」に残る消失していない仮想通貨などの顧客財産は保護される見通し。
 「ザイフ」でビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)は、「簡単売買による購入や販売は継続するが、MONAコイン(MCO)の取引は10月10日、全面的に中止した。
 フィスコ仮想通貨取引所は東京商工リサーチの取材に対し、「本日はお答えできない」とコメントしていたが、午後7時30分過ぎに『持分法適用関連会社における事業の譲受けに関するお知らせ』をリリースしている。フィスコは、「テックビューロの倒産による資金回収不能のリスクを回避する観点や本件ハッキング被害による仮想通貨ビジネス業界全体の停滞及びマーケットの縮小を抑制するための迅速な顧客保護の観点」を譲り受けの理由にあげている。

 フィスコのリリースによると、テックビューロの2018年3月期の業績は、売上高5億4900万円、当期利益マイナス19億7800万円、純資産3億5500万円、総資産272億3900万円。

2018年1-8月の地ビールメーカー出荷量は1%増(東京商工リサーチ)

第9回 地ビールメーカー動向調査

 大手メーカーのビール系飲料の需要が伸び悩むなか、2018年1-8月累計の全国主要地ビールメーカー出荷量は前年同期を1.0%上回った。主要地ビールメーカーの出荷量は、2017年に前年同期より0.7%減少したが、2018年は地ビールブームを背景に再び増加に転じた。 
 ビール大手5社の2018年1-6月のビール系飲料課税済み出荷量は、前年同期比3.6%減と上期では6年連続で過去最低を更新した。消費者の嗜好の多様化や2017年6月施行の酒類安売り規制で苦戦し、ビール系飲料の小売価格の大幅上昇も出荷減につながった。
 一方、地ビールメーカー各社はイベントでの自社販売を軸に、スーパー、コンビニへの拡販に加え、都市部でビアパブなどの開拓が進み、出荷量を増やしている。だが、出荷量が落ち込む地ビールメーカーも増えており、地ビールブームに沸く業界だが、いつまでブームが続くのか危機感を抱く地ビールメーカーも出始めている。 
 大手から地域限定まで、地ビール・クラフトビール市場は活況をみせている。しかし、ブーム持続には次の一手となる販売企画・商品開発など、新たな経営戦略が求められている。

※本調査は、2018年9月1日~25日に全国の主な地ビールメーカー217社を対象にアンケート調査を実施、分析した。出荷量は2018年1-8月の出荷量が判明した75社(有効回答率34.5%)を有効回答とした。その他の項目は、回答が得られた77社(有効回答率35.4%)を有効回答とした。本調査は2010年9月に開始し、今回で9回目。

◇出荷量トップ 7年連続でエチゴビール(新潟県)
 2018年1-8月の出荷量ランキングは、全国第1号の地ビール醸造所のエチゴビール(株)(新潟県)が7年連続でトップを守った。出荷量は生産設備も増強し1958kl(前年同期比0.9%増)と2位以下を大きく引き離した。
 エチゴビールの阿部社長は「今後、輸出に力を入れる。価格面や商品の方向性でクラフトビールブームがどう変わるか注目している」と、業界の先行きを模索し始めている。
 2位は「常陸野ネストビール」の木内酒造(資)(茨城県)で、1425klで出荷量は前年より0.4%増。以下、3位は「ベアードビール」の(資)ベアードブルーイング(静岡県)の380kl(同10.5%減)、4位は「べアレン・クラッシック」の(株)ベアレン醸造所(岩手県)の331kl(同6.4%増)、5位は「伊勢角屋麦酒」の(有)二軒茶屋餅角屋本店(三重県)の322kl(同4.2%増)だった。
 なお、昨年、出荷量1135.3klで3位だった「銀河高原ビール」の(株)銀河高原ビール(岩手県)は、当年の出荷量が非公開のためランク外とした。


大塚家具 抜本的な立て直し計画が未公表、最大80%OFFの「在庫一掃SALE」(東京商工リサーチ)

 経営再建を模索する(株)大塚家具(TSR企業コード:291542085、江東区、大塚久美子社長)の周辺が騒がしくなってきた。
 高級家具のイメージを誇った大塚家具は、ついに10月28日まで最大80%OFFの「在庫一掃SALE」に踏み切った。
 大塚家具は8月7日、抜本的な立て直し策の「新たな計画を策定中」と発表したが、2カ月を過ぎても具体的な計画の公表はない。2018年12月期の期末配当予想も未定のまま。
 さらに、大塚家具で注目されるのが減り続ける現預金だ。2015年12月末に109億7,182万円あった現預金は、2018年6月末で22億514万円まで減少した。資金の枯渇は目前だ。そんな憶測が広まる中、2018年12月期第3四半期中に約10億円の投資有価証券を売却したようだ。在庫一掃SALEは、資金確保の窮余の一策とも受け取られかねない。
 大塚家具によると、複数の金融機関と締結した50億円枠のコミットメントライン契約は「今も継続している」(広報担当者)という。
 大塚家具を信じ、取引を継続する家具メーカー。大塚ブランドの重みを大切にする顧客、株主も多い。だが、ここに至っても資金繰り状況や将来ビジョンを示せない大塚家具のブランド力は根底から揺らぎ始めている。

◇「在庫一掃SALE」の後は…
 2018年6月末の商品在庫は115億7,285万円に達した。そして、9月28日から10月28日まで実施の「在庫一掃SALE」。背に腹を変えられぬ在庫圧縮と現金獲得を同時に実現できるか、大塚家具にとって意味は軽くない。
 2018年12月期中間決算で商品の評価基準を見直し、たな卸資産評価損を計上。これで展示品など在庫商品の値引販売がしやすい環境はできた。
 破格セールで来店客数は大幅に増えているようだ。連休中の10月7日、有明ショールームを訪れると大塚久美子社長が自ら接客する姿が目に入り、意気込みが伝わってきた。
 これで2017年8月から今年9月まで14ヵ月も続く店舗売上の前年同月割れに歯止めがかかるのか。「在庫一掃SALE」が起爆剤になるのか。10月の売上が試金石になるだろう。

◇赤字の業績予想
 大塚家具の2018年12月期第3四半期(7-9月期)は、11月14日に開示を予定している。店舗売上高は7月(前年同月比73.4%)、8月(同78.5%)、9月(同87.9%)と落ち込み、特に応接やダイニング関連が不振という。
 2018年12月期中間決算で下方修正した同期の通期計画は、売上高376億3,400万円(前期比8.4%減)、営業利益マイナス51億円、経常利益マイナス52億円、当期純利益マイナス34億2,600万円と、赤字を前提にしている。それでも業績予想の実現には、赤字でも「在庫一掃SALE」に取り組まざるを得なかったのかも知れない。
    
 「資本増強や事業シナジーを生む業務提携について様々な選択肢を多面的に検討している」(大塚家具の担当者)。様々な支援先の名前も飛び出すが、情報開示の姿勢は見られない。
 手元資金が減少し、頼みの投資有価証券も底が見え始めた。じわじわと迫る時間との勝負を前に、次の一手は何が残されているのか。大塚久美子社長の真価が問われている。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年10月11日号に掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

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航空機部品加工で有名な(株)朋栄工業が民事再生法申請(東京商工リサーチ)

 (株)朋栄工業(TSR企業コード:260032123、法人番号:7060001001209、宇都宮市不動前2-2-46、設立昭和33年5月、資本金3000万円、加治康正社長、従業員38名)は10月9日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。申請代理人は村上達明弁護士(西村あさひ法律事務所、東京都千代田区大手町1-1-2、電話028-636-7011)。監督委員には小畑英一弁護士(LM法律事務所、東京都千代田区永田町2-11-1、電話03-6206-1310)が選任された。
 負債総額は約23億5200万円(平成30年4月期決算時点)。
 昭和7年創業。金属表面処理では栃木県内有数の設備を整備し、42年には機械事業部を開設するとともに機械精密加工や治工具の設計製作を開始した。平成1年には日本で数少ない米国ボーイングの特殊行程認証を取得し、航空機部品の治具の設計から加工、表面処理(メッキ)、組み立て、検査に至るまで一貫した生産体制を確立。加工では5軸制御マシニングセンターを駆使するほか、表面処理・塗装では高度な品質点検システムを導入し、国際特殊工程認証システムのNADCAPを取得した。
 平成24年4月期にはボーイングが台湾で進める航空機部品工場整備について直接契約を締結し、栃木県内有数の航空機部品製造業者に成長。しかし、相次ぐ投資に連動して金融債務が急速に肥大化していたうえ、対外的な信用を維持するために以前から在庫の調整などによる不鮮明な会計処理が行われ、これが数年前に表面化して信用が失墜した。
 このため、栃木県中小企業再生支援協議会の支援を仰ぐとともに、再建スキームとして金融債務を劣後ローンに切り替えるほか、(株)とちぎネットワークパートナーズ(TSR企業コード:262222205、法人番号:9060001025032、宇都宮市)を引受先とする優先株式を発行するなどして、栃木県も含めて各方面からの強力な支援体制が整えられた。
 しかし、27年4月期~29年4月期には連続して赤字を計上するなど、経営計画とは大きな乖離が生じるようになったため、第二会社形式による再建を模索。スポンサーとして米国企業が名乗りを挙げ、29年9月に受け皿を設立し、29年12月には加治金属工業(株)から現商号に変更した。
 しかし、米国企業の支援計画が実行に移されることはなく、経営資源を主力の金属表面処理・メッキ加工に集約させ、付帯事業として行っていた機械加工から撤退したことに加え、人材の流出などで正常な経営を行えなくなり、30年4月期の売上高は約6億7200万円まで落ち込んだ。資金繰りも限界に達し、今回の措置となった。
 現在、スポンサー候補として(株)新潟事業継承パートナー(TSR企業コード:200319990、法人番号:3110001003698、新潟市東区)との間で基本合意書を締結し、同社の支援・協力の下で事業の再生が図れるよう具体的な協議を継続している。

投資用不動産事業で急成長していた(株)わひこが事業停止(東京商工リサーチ)

 (株)わひこ(TSR企業コード:298628171、法人番号:1010001138944、港区新橋2-12-17、設立平成23年3月、資本金3000万円、浅野恵太社長)は10月10日までに事業を停止した。わひこのホームページには「今後は法人の解散・清算の準備をしていく予定」と記載されている。
 負債総額は推定10億円。
 不動産売買のほか、資産運用や不動産コンサルティングなどを手掛けていた。不動産取得のアドバイスや物件の選定・調査、融資交渉、税務サポートまでをトータルに行っていた。浅野社長は「9割の不動産営業マンは“お勧め物件“を自分では買わない」などの著作があり、不動産投資セミナーの講師も務めていた。平成25年2月期の売上高は4145万円であったが、セミナー開催など積極的な営業展開で個人顧客が増加し、28年2月期には売上高12億3490万円に伸長。直近の年間売上高は約100億円まで拡大していた。
 しかし、シェアハウス問題に端を発した金融機関の貸出姿勢の変化や、個人投資家の投資不動産に対する意識の変化から業況は悪化。また、一部で業務の履行体制を疑問視する声が上がるなど、動向が注目されていた。
 10月10日午前8時過ぎ、わひこ本社には複数の従業員が出社する姿が確認された。東京商工リサーチの取材に応じた従業員は、「今日は残置物撤去で出社した。従業員は30名程度在籍していたが、(10月10日までに)少しずつ辞めていた」とコメントした。

キッチン用品専門店「金山新吉」を経営する(株)吉安が民事再生(東京商工リサーチ)

 (株)吉安(TSR企業コード:291567614、法人番号:1010001031686、足立区千住関屋町8-12、登記上:千代田区岩本町2-1-15、設立昭和16年6月4日、資本金5766万8000円、佐藤和成社長)は10月9日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。
 申請代理人は荒井清壽弁護士(中央総合法律事務所、新宿区四谷三栄町1-1、電話03-3358-2702)。監督委員には三森仁弁護士(あさひ法律事務所、千代田区丸の内2-1-1、電話03-5219-2258)が選任された。
 債権者説明会を10月11日午前10時よりコンベンションルームAP品川(東京都港区)で開催予定。
 負債総額は21億4234万円(平成29年12月期決算時点)。
 
 昭和16年設立の老舗のキッチン用品販売会社。ホーロー、ステンレス製キッチン用品を主力に調理器具、魔法瓶などの生活調理家電などを扱いスーパー、専門店などに販売するほか、大手百貨店などに「金山新吉」の店名で店舗を出店するなどして知名度を有し、ピークとなる平成21年12月期には売上高65億5025万円をあげていた。
 しかし以降は、主力先の商況悪化や海外安価品などの流入などにより29年12月期売上高は36億5799万円に減少。この間、百貨店などへ出店していた不採算店の閉鎖など経費見直しを進めたが売上は回復せず資金繰りも逼迫し、今回の措置となった。

東京商工リサーチ

倒産件数4124件 「人手不足」関連倒産が5割増【2018年度上半期の全国企業倒産】(東京商工リサーチ)

 2018年度(平成30年度)上半期(4-9月)の全国企業倒産(負債額1000万円以上)は、件数が4124件、負債総額が8375億6900万円だった。 
 倒産件数は、前年同期比2.2%減(96件減)。年度上半期としては2年ぶりに前年同期を下回り、過去30年ではバブル景気時の1990年度上半期(3070件)、1989年度上半期(3652件)に次いで3番目に少ない件数にとどまった。
 ただし、都道府県別では前年同期を上回ったのが26府県、減少が18都道府県になり、地区別では全国9地区のうち、6地区(東北、中部、北陸、中国、四国、九州)で前年同期を上回るなど、地域によって「まだら模様」をみせた。
 また、産業別では10産業のうち、7産業で前年同期を下回ったが、サービス業他(前年同期比0.5%増)が年度上半期では3年連続の増加、小売業(同4.3%増)が6年ぶりに増加に転じるなど、個人消費関連業種を中心に今後の推移が注目される。

 負債総額は、前年同期比60.4%減(1兆2798億900万円減)で、年度上半期では過去30年で4番目に少ない金額だった。これは前年同期の製造業で戦後最大倒産となったタカタ(株)(負債1兆5024億円)の反動減と負債10億円以上の大型倒産が98件で、2016年度(94件)以来2年ぶりの100件割れになったことが影響した。

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2017年「全国社長の出身大学」調査、東は「日大」、西は「地元大学」と東西で違いが鮮明に(東京商工リサーチ)

 2017年の全国社長の出身大学では、来年創立130周年を迎え、約116万人の卒業生を数える「マンモス大学」の日本大学が調査開始から8年連続の断然トップを守った。しかし、都道府県別の上位をみると、西日本では地元や域内の大学が目立ち好対照をみせた。このように概して東日本の「中央」志向に対して、西日本の「地元」優先が浮き上がり、東西で社長の出身大学に異なる傾向が表れたのが興味深い。

※ 本調査は、東京商工リサーチの企業データベース約480万社の代表者データ(個人企業を含む)から、公開された出身大学を抽出、集計した。なお、同一人物が複数の企業で社長を務めている場合、売上高が高い企業を優先し重複企業を集計対象外とした。集計対象外企業は22万1819社。
※ 出身大学が名称変更、統合している場合、現在の大学名で集計した。本調査は2010年から8回目。

◇日本大学が8年連続トップ
 社長の出身大学のトップは日本大学の2万2,183人で、調査開始以来8年連続トップ。卒業生が圧倒的に多いこともあり、唯一の2万人超え。次いで、2位が慶応義塾大学の1万918人、3位が早稲田大学の1万696人と続く。この上位3校は1万人を上回り抜け出ている。
 以下、4位が明治大学8,866人、5位が中央大学8,146人、6位が法政大学6,505人と、東京都に本部を置く大学が続く。上位10位は前回と同じ顔ぶれで、関東以外では7位に近畿大学、9位に同志社大学、10位に関西大学の近畿勢3校が入り、10校すべてを私立大学が占めた。

◇国公立大学は上位100位内に25校
 国公立大学では、11位の東京大学3,878人を筆頭に、21位に京都大学2,489人、22位に大阪大学2,414人、26位に北海道大学2,161人、27位に九州大学1,984人、29位に東北大学1,927人の順になり、旧帝大が並ぶ。このほかの国公立大では、33位に神戸大学、34位広島大学、44位名古屋大学、46位千葉大学、53位岡山大学、54位長崎大学、57位鹿児島大学、61位新潟大学と続き、国公立大学は上位100位内に25校(前年25校)がランクインした。

◇前年調査よりランキング上昇が26校
 前年調査との比較で、ランキングが上昇したのは、青山学院大学(13→12位)、大阪大学(25→22位)、九州大学(29→27位)、東北大学(30→29位)、東京農業大学(32→31位)など。上位100位の中では26校でランキングが上昇し、このうち国公立大学が13校と半数を占めた。

◇都道府県別、19都県で日本大学がトップ
 都道府県別では、日本大学出身の社長が19都県(前年20都県)でトップを占めた。特に、東北・関東で目立ち、日本大学が上位3校に入っていないのは、東日本では宮城県と愛知県のみ。
 西日本では「関関同立」や地元大学が強い滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、広島県、福岡県、熊本県、沖縄県の9府県だった。
 日本大学出身の社長が地元大学を上回り、全国で多いのは、(1)卒業生が116万人超、(2)全国各地の付属校・系列校から地方の企業経営者の子息、子女が大学へ進学し、卒業後に事業を継承している、(3)教育理念の「自主創造」に則った校風、などが背景にあるとみられる。

◇地元大学出身トップの地域が増加
 都道府県別で、地元大学(東京都を除く)が社長出身大学のトップを占めたのは、東日本では北海道大学(北海道)、岩手歯科大学(岩手県)、東北学院大学(宮城県)、愛知学院大学(愛知県)、三重大学(三重県)、富山大学(富山県)、金沢大学(石川県)、福井大学(福井県)の8校(前回7校)。
 西日本では、同志社大学(京都府)、近畿大学(大阪府)、甲南大学(兵庫県)、鳥取大学(鳥取県)、島根大学(島根県)、岡山大学(岡山県)、広島大学(広島県)、山口大学(山口県)、徳島大学(徳島県)、松山大学(愛媛県)、福岡大学(福岡県)、長崎大学(長崎県)、熊本学園大学(熊本県)、大分大学(大分県)、鹿児島大学(鹿児島県)、琉球大学(沖縄県)の16校(前年15校)だった。東西ともに前年より地元大学出身社長が増え、地元色が強まった。

 2017年の社長出身大学ランキングは、日本大学のトップが揺るがなかった。しかし、都道府県別でみると、日本大学がトップを占めたのは東日本を中心に前年より1県減って19都県にとどまり全県制覇には及ばない。逆に西日本では地元や地域大学の強さが目立った。
 東京商工リサーチが9月に発表した「2017年 全国社長の輩出率、地元率」調査の、地元出身者が地元企業の社長を務める「地元率」ランキングと照合すると、地元率上位5位内にある沖縄県、愛知県、北海道、広島県は、香川県を除き県内企業の社長出身大学のトップを地元大学が占めていることが分かった。
 「地方再生」が政府の主要課題になるなかで、今後は東京への一極集中の見直しが進んでいくとみられる。これに伴い地方の学生の進学が地元大学に定着することで、人材流出の改善も期待される。このため都道府県別の社長の出身大学の動きは、地方再生の動きを知る、一つのバロメーターになるかもしれない。

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2018年3月期決算「主要151信用金庫 総資金利ざや」調査、総資金利ざやは2年連続の最低水準、「逆ざや」は高水準の21信金に(東京商工リサーチ)

 地域密着の信用金庫でも「総資金利ざや」の縮小が進み、「逆ざや」の信金が全体の1割強(構成比13.9%)の21信金にのぼっていることがわかった。
 主要151信用金庫の2018年3月期決算では、貸出金や余裕金等の運用収益力を表す「資金運用利回り」は、約9割の信用金庫が前年同期より低下した。マイナス金利の導入で貸出金利息や資金の運用益が落ち込み、信用金庫の資金運用は一層厳しさを増している。

※ 本調査は、2013年3月期本決算から6期連続で、「総資金利ざや」、「資金運用利回り」、「資金調達原価率」が判明した主要151信用金庫を対象に、2018年3月期決算の「総資金利ざや」を調査した。「総資金利ざや」は、(「資金運用利回り」-「資金調達原価率」)で算出されている。資料は各信用金庫のディスクロージャー誌から抽出。

◇資金全体の収益力を示す「総資金利ざや」
 「総資金利ざや」は、貸出金や余裕金等の運用収益力を表す「資金運用利回り」から、預金などの資金調達コストを示す「資金調達原価率」を差し引いた数値。運用・調達全体の状況を利回りの差で表し、経営効率や収益力をみる指標の一つになっている。「総資金利ざや」がプラスだと資金運用で収益を上げ、マイナスは「逆ざや」で貸出や運用で利益が出ていないことを示す。

◇「総資金利ざや」の中央値は0.08%、2年連続で調査開始以来の最低に並ぶ
 151信金の2018年3月期決算では、「総資金利ざや」の中央値(全データを昇順または降順に並べた場合、真ん中に位置する値)は0.08%だった。前年同期と同率で、調査開始の2013年以降、2年連続で最低にとどまった。
 
◇主要信金の4割で「総資金利ざや」が縮小
 主要151信金の「総資金利ざや」を前年同期と比較すると、2018年3月期決算は66信金(構成比43.7%)が前年同期より縮小した。一方、前年同期より「総資金利ざや」が拡大したのは59信金(同39.0%)で、前年同期と同じが26信金(同17.2%)だった。
 「総資金利ざや」の分布状況は、最多が「0.0%以上0.1%未満」の65信金だった(同43.0%)。次いで、「0.1%以上0.2%未満」が34信金(同22.5%)と続く。

◇「逆ざや」は高水準の21信金
 「総資金利ざや」がマイナスの「逆ざや」は、2018年3月期決算は21信金(構成比13.9%)だった。前年同期の23信金より2信金減ったが、高水準が続いている。
 3月期決算の「逆ざや」は、調査を開始した2013年が5信金、14年が4信金、15年が5信金、16年が7信金と緩やかな増加で推移していた。だが、2017年からは一転して23信金に急増、2018年も21信金と高水準だ。「逆ざや」の急増は、金融機関の貸出競争や2016年2月の「マイナス金利」導入の影響が窺え、地域に密着した信金でも本業収益が深刻な状況にあることを示している。

◇約9割の信金で「資金運用利回り」が低下
 また、貸出金や余裕金等の運用収益力を表す「資金運用利回り」は、2018年3月期決算は132信金(構成比87.4%)と約9割の信用金庫が前年同期より低下した。
 2018年3月期決算の「資金運用利回り」の分布状況をみると、「1.0%以上1.2%未満」が75信金(同49.6%)で最も多かった。次いで、「1.0%未満」が43信金(同28.4%)と続く。
 3月期決算で資金運用利回り「1.0%未満」の推移をみると、2013年ゼロ、14年1信金、15年3信金だったが、16年は10信金と急増。さらに17年は19信金、18年は2.2倍増の43信金に拡大し、信用金庫の資金運用が急速に深刻さを増している姿を浮き彫りにしている。
 
 主要151信用金庫の2018年3月期決算では、「総資金利ざや」の中央値が前年同期と同じ0.08%で、調査開始の2013年以降では2年連続で最低水準にとどまった。
 今年8月、東京商工リサーチが発表した「銀行112行 2018年3月期決算 総資金利ざや」調査では、銀行の「総資金利ざや」の中央値は前年同期比0.02ポイント上昇の0.15%だったのに比べ、信用金庫の厳しい経営環境を浮き彫りにした。
 営業地域が限定されているなか信用金庫は、マイナス金利の導入で貸出金利息や資金の運用益が落ち込み、地域経済の疲弊が経営の厳しさに追い打ちをかけている。
 もともと信用金庫は企業に寄り添い、密接な関係を築き金利競争には強い。だが、「資金運用利回り」の低迷で、本業だけの収益力では限界が見えてきており、新たなビジネスモデルの構築が避けられなくなっているようだ。

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