自動車整備の旧「カーコンビニ倶楽部」などをグループで運営していた翼システム(株)が破産開始決定(東京商工リサーチ)

現在の「カーコンビニ倶楽部」事業は別会社で運営継続中

 翼システム(株)(TSR企業コード:292948280、法人番号:5010601022593、江東区亀戸6-21-8、設立昭和48年12月15日、資本金8000万円、道川研一社長)は2月6日、東京地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には斎藤淳一弁護士(さいとう法律事務所、港区西新橋1-21-8、電話03-3504-3651)が選任された。
 負債総額は約61億円だが、今後の債権調査で変動する可能性がある。
 
 パソコンによる自動車部品検索システムの開発を主力としていた。全国の自動車部品販売業者、自動車整備工場ならびに自動車関連業界に事業基盤を築いていた。また、子会社で旧「カーコンビニ倶楽部」の運営も行い、ピークとなる平成15年3月の売上高は約564億9900万円をあげていた。
 しかし、巨額の負債を抱え、平成11年1月に道川社長が脱税により逮捕起訴されるなど経営陣の不祥事なども重なり、信用不安が続いていた。24年3月期の売上高は約1億5300万円にとどまり、平成25年末には実質的に事業を停止。29年10月25日、債権者より破産を申し立てられ、今回の措置となった。

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群馬の「上毛森林カントリー倶楽部」運営、上毛森林都市(株)が破産(東京商工リサーチ)

 上毛森林都市(株)(TSR企業コード:292111703、法人番号:1010001047385、中央区八重洲1-8-12、設立昭和47年12月6日、資本金1億円、伊藤恭道社長)は2月14日、東京地裁に破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。破産管財人には曽我幸男弁護士(河野・川村・曽我法律事務所、港区虎ノ門4-3-1)が選任された。なお、問合せ専用窓口は、電話03-6438-5390(TMI総合法律事務所、平日午前9時30分~午後6時)。
 負債総額は債権者1077名(うち、預託金債権者1020名)に対して26億9415万円。
 上毛森林カントリー倶楽部(群馬県吾妻郡高山村)を運営していた。昭和51年8月に開業し、6792ヤード、18ホール・パー72で、過去にはJUNON女子オープンを開催したコースとしても知られている。バブル期には約20億円の年間売上高をあげていたが、その後は、ゴルフ人口の減少などもあって売上高は落ち込んでいた。赤字を散発するなどして資金繰りは逼迫し、今回の措置となった。

東京商工リサーチ

580億円流出のコインチェック 事業継続の意思を示すが補償や売買再開は明言避ける(東京商工リサーチ)

 不正アクセスで仮想通貨「NEM(ネム)」が580億円流出したコインチェック(株)(TSR企業コード:294733060、渋谷区)。1月29日に金融庁から業務改善命令を受けていたが、報告期日の2月13日に改善報告書を金融庁に提出し、同日20時からコインチェック本社で大塚雄介取締役が記者会見に応じた。
 
 本社1階ロビーで記者に囲まれて開いた会見で大塚取締役は、凍結していた日本円の出金について「出金を再開し、401億円はすでに出金指示を終了した」と語った。流出したNEMの補償については、「ある程度の目処はついている」としながらも「正式な日付が決まったら報告する」と補償時期の明言を避けた。ただ、1月28日に公表したNEM保有者への日本円で約463億円の補償方針は、「変更しない」とした。補償の資金手当てをできているか問われると、「左様でございます」と明言を避けながらも資金確保をにおわせた。
 会見に和田社長が出席していないことを指摘されると、大塚取締役は「私が内容を説明する責任を持っている」と語った。また、仮想通貨を売買できず損害賠償の動きがあることについては、「確認できておらずお答えしかねる」と述べるにとどめた。破産申請の憶測が流れていることを聞かれると、「事業継続の意思がある。ある程度の見通しも立っている」と強気に答弁したが、具体的な話は示さなかった。2月13日に金融庁に提出した報告書の内容は、「(詳細は)言えないことになっている」と言及しなかった。

 会見前の15時すぎ、金融庁関係者とみられる複数名とコインチェックの顧問弁護士が本社に入ったことを、東京商工リサーチは確認している。だが、18分ほどで終了した会見に和田社長や顧問弁護士は最後まで顔を出すことはなかった。会見が終了しても本社の周囲には記者やカメラマンが多数残り、会見の消化不良ぶりが表れているようだった。

 今後、報告書の提出を受けた金融庁がどう対応するのか。被害者の会が結成される中で、補償や仮想通貨売買を再開できるのか。26万人の顧客を巻き込んだコインチェックの流出騒動は、まだ予断を許さない。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年2月15日号掲載予定「取材の周辺」を転載)

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元禄年間創業の老舗、堺市のガソリンスタンド経営、小走石油(株)が破産申請へ(東京商工リサーチ)

 小走石油(株)(TSR企業コード:630019770、法人番号:9120101002420、堺市堺区寺地町東1-1-24、設立昭和37年2月、資本金4600万円、小走好彦社長、従業員32名)は2月7日、事業を停止し、破産手続きを吉田幸至弁護士(弁護士法人あなたのブレーン、大阪市北区西天満3-3-17、電話06-6364-4837)に一任した。
 負債総額は12億994万円(平成28年12月期決算時点)。
 元禄年間に具足屋の屋号で貿易ならびに廻船問屋として事業を展開し、植物油の製造販売も手掛けていた老舗企業。現在は石油製品の小売・卸を主力とし、平成9年3月、車買取専門店ガリバー堺泉北店をオープン。11年12月には中古クラブ専門店ゴルフパートナー深井駅前店をオープンし、13年12月期の売上高は約27億5000万円を計上していた。
 しかし、自動車燃費の向上などの影響により売上高は低下。個人消費の低迷も加わり、中古自動車販売やゴルフクラブ販売も伸び悩んでいた。また、出店資金や運転資金を借入金に依存していたため、業績不振により資金繰りが逼迫。30年2月に入り臨時休業の貼り紙をして、連絡が取り難い状況が続いていた。そうしたなか、2月2日の決済資金が確保できず、資金繰りが限界に達したため今回の措置となった。

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イカの不漁で業績悪化、八戸の水産物加工(株)栄食が弁護士一任(東京商工リサーチ)

 (株)栄食(TSR企業コード:190022515、法人番号:6420001005636、八戸市市川町下揚45-39、設立昭和49年8月、資本金1000万円、古川剛社長)は1月31日、事業を停止し、事後処理を熊谷清一弁護士ほか1名(弁護士法人あおば綜合法律事務所、同市根城7-11-33、電話0178-47-3455)に一任した。
 負債総額は債権者約100名に対して約5億円。
 昭和43年に水産物加工業を目的に創業し、(株)丸栄古川商店とし法人化。52年4月には親族経営の(株)丸助古川水産を吸収合併し、現商号となった。
 イカ加工品の製造を主力するほか、貸冷蔵庫業を併営し、ピークとなる58年9月期には約29億5900万円の売上高を計上した。その後は、水揚不振や消費低迷を背景に徐々に売上が落ち込み、近時はイカ不漁が深刻化し28年9月期の売上高は約4億円にとどまった。原料コスト高による採算性の悪化から赤字を計上するなど業績が低迷し、先行きの見通しが立たないことから、今回の措置となった。

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社長の平均年齢61.45歳、過去最高を更新(東京商工リサーチ)

2017年 全国社長の年齢調査

 2017年の全国社長の平均年齢は、前年より0.26歳延び61.45歳となり、調査を開始した2009年以降で最高年齢を更新した。団塊世代の社長交代が進まず、高齢化が一層顕著になった。また、減収や赤字などの業績悪化と社長年齢を比較すると、業績悪化と年齢上昇に一定の相関があることもわかった。社長の高齢化や後継者難は、ビジネスモデル革新や生産性向上への投資意欲を抑制し、業績悪化に拍車をかけているようだ。
 2017年の倒産件数は8405件と9年連続で前年を下回ったが、休廃業・解散件数は2万8142件と倒産の3.3倍に達した。中小企業への金融支援の拡充に比べ、円滑な事業承継の取り組みは端緒についたばかりだ。経営者の高齢化は、中小企業の事業承継、転廃業の問題に直結しているほか、深刻さを増す人手不足にも絡んでくる。事業承継や起業は社長年齢の若返りを促し、本質的には成長分野への労働力の移動も視野に入ってくる。

※本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(316万社)から代表者の年齢データを抽出、分析した。前回の調査は2017年2月。

◇年齢分布 70代以上の比率上昇が目立つ
 2017年の社長の年齢分布は、60代の構成比が31.98%で最も高かった。70代以上は26.18%となり、調査開始以降、最も高い構成比となった。一方、30代以下は3.22%にまで落ち込んだ。

◇年齢別企業業績 70代以上は減収、赤字の割合がワースト 
 社長年齢と業績の関係では、70代以上は「減収」、「赤字」の割合が最も多い。「連続赤字率」も10.7%に達し、社長が高齢化するほど業績に負の影響を与えていることがわかる。

都道府県別ランキング 平均年齢の最高は高知県の63.54歳

 都道府県別では、29都道県が全国平均の61.45歳以上となった。社長の平均年齢のトップは高知県の63.54歳で、前年の63.21歳から0.33歳上昇した。次いで、秋田県の63.36歳(同62.97歳)、岩手県の63.17歳(前年62.02歳)の順。
 年齢上位の県は総務省統計局の人口推計(2016年10月1日現在)の「都道府県別人口増減率」の減少率上位とほぼ同じだった。人口減少が新規開業の低迷や事業承継の難しさを反映しているとみられる。
 一方、平均年齢が低かったのは大阪府の60.20歳(前年59.92歳)。大阪府は2016年では全国で唯一、平均年齢が60歳未満だったが、60歳の「大台」に乗せたため、すべての都道府県の平均年齢が60歳以上となった。

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ジャパンライフ 債権者が破産申し立て、資産隠しの疑いも(東京商工リサーチ)

 2017年12月26日に銀行取引停止処分を受けたジャパンライフ(株)(TSR企業コード:291624898、千代田区)。その後も「倒産していない」と顧客に強弁していたが、2月9日に債権者22名(申立債権額4億5157万円)から東京地裁に破産を申し立てられ、同日保全管理命令を受けた。保全管理人には高松薫弁護士(隼あすか法律事務所、千代田区霞が関3-2-5)が選任された。
 負債総額は2405億円(平成29年3月末時点)。ジャパンライフによると平成29年7月末の預託者数(会員)は6855名。申立日に保全管理命令を受けるのは極めて異例。
 東京地裁から保全管理人が選任され、ジャパンライフが自由に財産を動かすことは難しくなった。ジャパンライフの今後の出方が注目される。東京地裁はジャパンライフに審尋を行い、破産開始決定を出すか検討する。ジャパンライフの山口隆祥代表は審尋に出席するのか。これまでの営業手法や責任について何を述べるのだろうか。

◇迅速な被害弁護団の申し立て
 2月10日、全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会(以下、被害弁護団)が16時から都内で記者会見を行った。
 団長の石戸谷豊弁護士(港共同法律事務所、横浜市)は、ジャパンライフを「組織的な詐欺商法」と述べた。その上で、「早期の(破産開始)決定を得て、売却された不動産や資産を集約して被害者へ多くの配当が行き渡るよう協力していく」と話した。また、「弁護士に相談していない被害者も、少しでも手元に戻るよう努力する。ぜひ名乗り出て欲しい」と呼びかけた。
 被害弁護団事務局長の大迫惠美子弁護士(荻窪法律事務所、杉並区)は、「(ジャパンライフは)組織的な締め付けが大きかったがやっと動き出した」と語り、「先行して被害者対策を行なっていたジャパンライフ中部被害対策弁護団(団長:杉浦英樹弁護士)が刑事告発などいち早く動いてくれ、また東京地裁が公正な手続きを迅速に対応した」と早期の破産申立に繋がった経過を説明した。
 数千万円が必要とされた破産手続きの予納金は「被害者の大半は全財産をジャパンライフに渡している。そのため裁判所と協議したほか、全国各地の弁護士の協力で消費者問題などに用いられるお金をお借りした。予納金は1000万円」(大迫弁護士)と、被害者に負担のない方法で予納金を裁判所に納付したことを明らかにした。
 石戸谷弁護士は「(ジャパンライフは)債務超過で、支払不能の状態を自ら認めており、(破産原因を)十分に疎明できる」と破産開始決定への自信をのぞかせた。
 今後、審尋を経て破産手続きを開始するか裁判所が判断する。被害弁護団は「(破産手続開始決定が下りるまで)早くても1カ月は掛かる」との見通しを述べた。

◇不透明な不動産取引と荷物の運び出し
 ジャパンライフは高齢者を中心に数百万円の磁気ベストなどの預託販売を行ってきた。しかし、消費者庁が昨年1年間で4回の行政処分を出し、営業手法が社会問題化していた。 
 また、昨年12月に突然、当時の山口ひろみ社長が辞任し、本社不動産を売却していた。さらに取引先への支払い遅延も常態化し、12月26日には銀行取引停止処分を受けて事実上倒産している。
 だが、今年に入ると一転して全国各地で顧客向け説明会を開き、「(東京商工リサーチが報じた)倒産はしていない。事業を継続していく」と話し、新会社の設立なども説明していた。
 ジャパンライフが事業継続に向けて活発に活動を再開する中で、東京商工リサーチはジャパンライフが水面下で見せる不穏な動きを追い続けていた。
 例えば、所有不動産の売却だ。ジャパンライフは昨年12月に銀行取引停止処分を受けた後に、所有不動産を取引業者へ売却したことを示す登記内容の変更が確認された。だが、不動産登記簿によると、売却日は取引停止処分や税金滞納などの差押日に遡って売却したことになっていた。その後、今年1月18日(登記日2月1日)、合意解除により取引業者の所有権が抹消されたが、この取引以外も所有権移転日を遡る不動産取引が確認された。

 また、ジャパンライフに電話が繋がらなくなった12月22日、本社から書類などを従業員が運び出す様子がみられた。銀行取引停止処分後もジャパンライフ本社では従業員とみられる複数の人物が荷物を運び出していた。
 1月30日、ジャパンライフ本社前に大量の段ボールやゴミ袋があった。その中には、速達郵便物や重要書類と思われる資料が無造作に詰められており、外からもひと目で中身がわかる状態で置かれていた。それを従業員とみられる人物が乗用車に黙々と運び込んでいた。
 2月に入っても本社では書類などを段ボール箱に詰め込む作業が続いていた。債権者が破産を申し立て、東京地裁が保全管理命令を出した2月9日夜も、本社には大量の書類が詰め込まれた箱が並んでいた。
 本社にあった大量の証拠資料をすべて運び出す寸前の保全命令だったのだろうか。関係者のひとりは、「ジャパンライフは本社を埼玉県の工場に移すようだ」と話していたが、重要書類の行く先はどこなのか。

 被害弁護団の迅速な破産申し立てで、東京地裁はジャパンライフに保全管理命令を出した。破産開始決定が下りると幹部や社外への資金、資産の流出先などを管財人が調査する。果たしてパンドラの箱が開くのだろうか。
 保全管理命令が出てからジャパンライフは対外的なコメントを一切出していない。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年2月14日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

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事実上倒産していたジャパンライフ(株)に対して保全管理命令が下りる(東京商工リサーチ)

 ジャパンライフ(株)(TSR企業コード:291624898、法人番号:3010001070195、千代田区西神田2-8-5、設立昭和50年3月、資本金4億7640万円、代表取締役:山口隆祥氏)に対して2月9日、東京地裁から保全管理命令が下りた。保全管理人には高松薫弁護士(隼あすか法律事務所、千代田区霞が関3-2-5)が選任された。
 なお平成29年12月26日、銀行取引停止処分を受け、事実上倒産していた。
 負債総額は2405億円(平成29年3月末時点)。ジャパンライフによると平成29年7月末の預託者数(会員)は6855名。
 磁気治療器や化粧品などの販売を手掛け、昭和60年2月期には売上高1509億円をあげたが、同時期に豊田商事(株)(TSR企業コード:570305349、大阪府)の「マルチまがい商法」が社会問題化し、事業を縮小。平成13年4月には、東京国税局から所有不動産の差押を受けていた(平成18年1月抹消)。その後、再び事業を拡大させ、平成28年3月期は売上高248億5360万円をあげていた。しかし、28年12月、29年3月と立て続けに消費者庁から預託法や特商法違反で行政処分を受け、29年3月期の売上高235億725万円へ減少した。さらに同年11月に3度目、同年12月にも異例の4度目の行政処分を消費者庁から受けていた。これと前後して12月12日に本社不動産を売却し、12月15日には山口ひろみ社長が代表取締役を辞任した。
 銀行取引停止処分後は、顧客や代理店を集めて説明会を開催し、当社幹部が「ジャパンライフは事業を継続する。倒産していない」と事業再開の意欲を示し、「新たに販売会社を設立し、3年間で280億円の返済」を「目標」にすると説明していた。
 そうしたなか30年1月20日、ジャパンライフ問題の相談を受け付けていた全国の弁護士20名が名古屋市で「全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会」(代表:石戸谷豊弁護士)を立ち上げ、「東京地裁に債権者破産の申し立てを視野に入れている」と語っていた。

大赤字の大塚家具、大塚久美子社長「自分の手で黒字化」(東京商工リサーチ)

 業績悪化が続く(株)大塚家具(TSR企業コード:291542085、江東区、大塚久美子社長)が2月8日、都内で決算説明会を開いた。
 2017年12月期決算は2期連続の大幅赤字で、2015年12月期に約110億円あった現預金は約18億円にまで減少した。
 大塚久美子社長は「ブランドイメージが揺れ動いたが、営業利益は2017年上期がボトム(底)」と改善を強調。2018年12月期は「旺盛なホテル新築などでコントラクト(建装)部門がさらに伸びる。家賃の減少など固定費の圧縮から営業黒字を見込んでいる」と強気の見通しを示した。
 やや緊張気味に語り始めた大塚社長も、今期の黒字化を説明した場面では笑顔もみられた。

◇2017年12月期の決算内容
 2017年12月期は、売上高410億798万円(前年比11.3%減)だった。旗艦店の有明や大阪の大型店で来店客数が下げ止まらなかった。また、まとめ買いから単品買いへの流れが加速したことや小商圏化、ネット販売(EC)の台頭に加え、秋の週末に襲来した2度の台風も響いたという。
 利益は賃借料などの抑制で販管費を圧縮したが、減収により営業損失は51億3659万円で前期の45億9756万円の赤字から拡大した。また、店舗規模の最適化を進めたことで事業構造改善引当金16億9004万円の特別損失が発生し、当期純損失は72億5993万円に膨らんだ。
 大塚社長は、「秋は台風で下振れしたが、おおむね売上高400億円の水準で安定してきた。経費をどれだけ抑えれば黒字が可能かわかったことは明るいニュース」と話し、「経費のコントロールも計画通り」(大塚社長)と述べた。
 配当を40円で維持したことには、「よほどのことがなければ(予定を)変えない。総合的に判断した結果」と説明した。

◇2018年12月期は強気の予想
 2018年12月期の売上予想は、前年比11.2%増の456億6300万円とした。大塚社長は、「店舗売上は横ばいが見込まれるが、卸売部門の(ホテル向けなど)コントラクトは、3倍の売上約60億円に伸びる」と増収予想の背景を話した。
 利益については、「賃借料(家賃)が(すでに引当済みのため)前年より約17億円削減できる。これを含め固定費を圧縮し、営業黒字は2億円を見込む」と話した。また、会見では詳細が明かされなかったが、上半期に十数億円規模とみられる特別利益も計上予定で、通期の当期純利益は3年ぶりの黒字となる13億9000万円を見込んでいる。
 固定費削減について、大塚社長は「人員は自然減と補充抑制で減っている」と話し、合理化に取り組むことなく営業利益の黒字化を目指す意向だ。
 また、配当は10円に減配を予想。「次の利益に繋げるため投資にまわす」と減配を説明した。

◇現預金減少と新たなコミットメントライン
 2015年12月期末時点の現預金は約110億円と潤沢だった。しかし、経営権を巡る「父娘喧嘩」などで「ブランドイメージが揺らいだ」(大塚社長)。さらに、「大塚家具は高いし入り難いなどの誤解が引き続きある」と話したが、ECの台頭やニトリ、イケアなどとの競争も激化している。
 こうした業績悪化から2期連続赤字を計上し、2017年12月期末の現預金は18億678万円にまで減った。
 これについて大塚社長は、「今期は営業黒字を見込んでおり、営業利益と営業キャッシュフローはパラレル(並行)」と説明し、現預金の減少に歯止めが掛かる見通しを示した。また、10億円のコミットメントラインを複数の金融機関と50億円に拡大したことを発表した。
 大塚社長は、「1990年後半を最後に借入は行っていない。予備的なものだ」と話したが、「黒字化に向かうのでほぼ使わないで済みそうだ」とも述べ、業績次第では資金調達の可能性に含みを持たせた。
 ただ、当面は50億円のコミットメントラインに加え、保有する27億5303万円の投資有価証券などで一定の手元資金は確保したようだ。

 2018年1月の店舗売上高は全店で前年同月比83.1%(速報値)と、2017年8月から6カ月連続で前年割れが続いている。
 また、来店客数が増加している商業立地路面店も売上増に結び付いていない。このため、 新商品の投入や法人との提携販売の修復、ECサイトの本格展開、リワース(リユース)、レンタル強化など、業績改善に向けた対策に取り組んでいる。
 決算説明会で注目されたのは、コントラクトだ。2017年12月期の売上高は約20億円にとどまったが、2018年12月期は61億円と3倍を見込んでいる。大塚社長によると、「すでに20億円の受注残がある」という。
 厳しい決算にも、「自分の手で黒字化する。最後までやり遂げるのが重要」と述べ、大塚社長は続投意欲を示した。業績不振の場合を聞かれると、「仮定の話はできない」と明言を避けた。増収増益の強気見通しに終始した大塚社長だが、3期連続の赤字になれば経営責任の追及は避けられない。勝負の年は始まったばかりだ。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年2月13日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

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借入金の簿外化などの不正会計で信用失墜、大阪のエルエスエム(株)が破産(東京商工リサーチ)

 破産申請の準備に入っていたエルエスエム(株)(TSR企業コード:571827985、法人番号:6120001072194、大阪市中央区安土町2-3-13、昭和63年10月、資本金4000万円、松田充泰社長)は2月5日、大阪地裁に破産を申請し2月7日、破産開始決定を受けた。破産管財人には秋山洋弁護士(弁護士法人御堂筋法律事務所、同市中央区南船場4-3-11、電話06-6251-7266)が選任された。
 負債総額は債権者166名に対し61億5026万円。
 運送管理システム等のパッケージ・受託ソフトウェア開発のほか、物流事業も手掛けていた。ロジスティクス全般の管理・運用・保守を中心に、大手コンビニチェーンなどに受注基盤を築いていたが、物流事業においては過去より採算が低調で、外部資金に依存した資金運営に陥っていた。
 新規事業を立ち上げるなどして業績向上を図ったが、設備投資などで多額の資金需要が発生。これに対し、売上高の前倒し計上や一部借入金の簿外化などの不正会計に手を染めるかたちで対外信用を維持し、資金調達を行っていた。
 ところが、平成29年7月頃からこの不正会計が金融機関に知れ渡り、対外信用が失墜。同時期には関係先の要請もあり沖縄県内で開始していた新規事業を円滑に進めるため、同県に登記上本社を移転するなどし、事態の打開に注力してきたものの、資金繰りは限界に達していた。さらに代表者の体調不良などもあって事業継続を断念し、今回の措置となった。

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