[活写] ほっ、思わず…(日本農業新聞)

 神戸市のアーティスト、森田優希子さん(32)が作る本物のパンを使った照明器具「パンプシェード」が人気だ。市内のパン店から仕入れたパンの中をくり抜き、腐敗しないように樹脂を塗り発光ダイオード(LED)を仕込んだ。点灯すると薄い部分から柔らかな光がこぼれる。

 パン店でアルバイトをした際に思いつき、2007年に最初の作品を製作。10年から販売し、これまでに5000個以上が売れた。クロワッサンを使った小ぶりな電池式のものや、コンセントにつなぐ長さ50センチほどのフランスパンなど7種類。くり抜いたパンの中身は、ラスクなどの菓子にして顧客に贈る。インターネット通販などで購入できる。値段は1個5500~1万5000円(税別)。(富永健太郎)

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野菜片手に 選手エスコート 農業もPR 愛媛・JA越智今治女性部(日本農業新聞)

 愛媛県のJA越智今治女性部は10日、今治市の地元サッカーチーム「FC今治」のホーム試合で、選手入場の際に手をつないで入場する「エスコートウーマン」を務めた。片手には管内で旬を迎えたトマトや、ナスなどの野菜を持参。同女性部として初の取り組みで、チームの応援に駆け付けた地元住民に、管内農業をPRした。

 JAおちいまばりグループは「FC今治」のスポンサーだ。地域で農業に携わる女性部員がサッカーチームを後押しすることで、地域貢献活動につながるとして取り組んだ。

 女性部の部長や各地域支部長ら22人が参加した。2000人以上の観客が詰め掛ける中、選手11人と手をつなぎ、緊張した面持ちでグラウンドに立った。女性部の井手順子部長(66)は「雲の上を歩いているようだったが、管内農産物をPRできた」と振り返った。

 試合前にFC今治の岡田武史オーナーが、JAの黒川俊継理事長にユニホームを贈呈。同JAグループがマッチデーとして協賛、来場した先着1000人にみかんジュースを提供した他、会場でブランドかんきつ「瀬戸の晴れ姫」を使ったみかんジュース蛇口などで来場者をもてなした。

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メロンスイーツ“最高峰”? 現る 2キロの「アムス」使用 愛媛・JA周桑(日本農業新聞)

 愛媛県西条市のJA周桑の直販所「周ちゃん広場」の敷地内にある「周ちゃんまるごとカフェ」で9日、直径18センチ、重さ2キロのメロン「アムス」を使ったスイーツ「メガマウンテン」(1500円)が登場した。糖度15以上のメロンを半分にカットし、ソフトクリームを載せた商品。写真映えするスイーツで、メロンの消費拡大を狙う。

 同カフェは4年前から、メロンスイーツを販売する。今年は大玉傾向のため、例年販売する「メロンマウンテン」(880円)に加え、2倍の重さのある特選5L級を使った「メガマウンテン」を新発売した。

 今治市から来店した石川大輔さん(26)とかなさん(26)夫妻は、開店と同時に「メガマウンテン」を注文、早速スマートフォンで写真を撮った。かなさんは「並ばないとすぐ売り切れると聞いて駆け付けた。メロンがクリームに負けないくらい甘い」と舌鼓を打った。

 同JA管内は、県内メロンの出荷量の8割を占める主力産地。カフェを運営するPENTA FARM(ペンタファーム)の大亀剛志マネージャーは「食べ応えは十分。スイーツを呼び水に、メロンの消費につながれば」と期待を込める。

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所有者不明農地が山林化 現場「お手上げ」(日本農業新聞)

 所有者不明の農地が増え続け、近隣農家や農業委員会に重い負担となっている。中山間地では山林化した土地が多く調査は難航、所有者が死亡し子孫が分からないケースも多い。農水省は所有者不明の耕作放棄地を知事裁定で農家に貸し出す仕組みを始めた。ただ、開墾が必要な農地も多く「誰が管理するのか」「活用できない農地こそ問題」と切実な声が出る。条件の厳しい中山間地で、所有者不明の農地の問題が深刻さを増す。(猪塚麻紀子、尾原浩子)

借り手農家少なく 静岡県東伊豆町

 急傾斜地の農地が点在する静岡県東伊豆町。軽トラック1台がやっと通れる細い山道を上り、ミカンを作る楠山節雄さん(69)は「規模拡大や集約化と盛んに言われるが、伊豆の山間地の実態とは懸け離れている」と険しい表情を見せる。同町の耕地面積は249ヘクタール。大半は車が通れない山奥にあり、農家は消毒タンクを背負い山道を何往復も“登山”する。収穫も重労働だ。

 同町では毎年、農家と役場職員が農地の利用状況を調査する。対象農地は7300筆を超え、地図と照らし合わせる確認作業は時間を要する。登記上は農地でも、山林化した耕作放棄地は相当数ある。その面積は把握できず、多くは所有者も分からない。「現場から言うとお手上げ」(同町農林水産課)の状況だ。

 同町は2017年、所有者不明の農地889平方メートルを全国で初めて知事裁定し、農地中間管理機構(農地集積バンク)を通じて農家に貸し付けた。同町が戸籍をたどると、所有者は戦後間もなく死亡し、5人の子どもも孫も亡くなっていた。ひ孫まで調べたが、所有者がつかめなかったことから知事裁定に至ったという。雑草どころか雑木が生え、花のハウスの日照を阻害していた耕作放棄地は現在、借りる農家が、かんきつ栽培に向け農地に復元する作業を進める。

 ただ同町によると、金と手間をかけて耕作放棄地を解消したいとする農家は一握り。農業委員会会長も務める楠山さんは「脚立を真っすぐ立てられないほどの急傾斜の農地ばかりで、高齢で耕作を諦める人が多い。農地を相続するメリットが乏しく、所有者不明の農地は増えるばかり」とみる。

 政府は6月、登記の義務化や、所有者が土地を放棄する制度を検討する方針を示した。8日に閣議決定した土地白書でも、8割が土地の所有権を「放棄を認めても良い」と回答する。ただ、同町農業委員会の梅原巧事務局長は「放棄後に費用をかけて農地に復旧しても、誰が管理するのか」と不安を募らす。

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そーだ北海道、行こう 果汁入り メロメロ(日本農業新聞)

 北海道が拠点の航空会社AIRDO(エア・ドゥ、札幌市)がJA夕張市の特産、夕張メロンの炭酸飲料の乗客への無料提供を始めた。果実の出荷時期に合わせて、名物のアピールに一役買っている。

 飲料はJAも開発に携わり、原料の果汁も供給する「Ribbon夕張メロンソーダ」。ポッカサッポロフード&ビバレッジ(名古屋市)が2009年に発売し、風味の良さなどで人気を集めている。

 昨年AIRDOの客室乗務員(CA)約230人に、機内サービスで提供したい「CAイチオシ!」飲料のアンケートをとったところ、最多の支持を得て採用された。

 JA特販係主任の菊地貴広さんは「夕張メロンのおいしさに触れ、果実の消費拡大につなげる機会になれば」と期待する。同社の全路線で7月下旬まで提供する予定。(江口和裕)

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豚枝肉高騰 1キロ673円 頭数減、PED影響なお(日本農業新聞)

 豚枝肉相場が高騰している。東京食肉市場では上物が1キロ700円に迫る勢い。6月は出荷減で相場が上昇する時期だが、例年以上に落ち込みが大きく、相場はここ10年で2番目の高水準。豚流行性下痢(PED)の影響で、昨秋以降の子豚出生頭数が少ない影響が続いている。相場高は今後も続く見通しから、「割安な輸入の出回りが増える」(産地関係者)との警戒感が強まっている。

 同市場の7日の上物価格は1キロ673円。前年同期を3%(22円)上回る。5月から高騰した相場は高値だった前年を上回り、11営業日連続で1キロ650円以上で推移する。7日まで5営業日の東京市場の取引頭数は前年同期比3%減の3315頭。市場関係者は「出荷頭数が予想以上に集まらない」とこぼす。全国的に品薄で、相場が高騰している。

 関東の主産地では昨秋以降の子豚出生頭数が前年を約5%下回る。「PEDで母豚の出産能力が低下し、回復が遅れている」と関東の畜産関係者。2014年のPED発生以降、生産基盤の弱体化が進む。全国の豚飼養頭数は17年2月現在で934万頭。10年で4%(40万頭)減った。

 相場高から国産需要は鈍い。仲卸業者は「大手スーパーがバラを中心に輸入品に切り替えた」と話す。国産の相場高が今後も続くとの見方が広まっているため、東京都内の大手輸入業者は、「7月輸入分の注文が増えている」と説明する。

 今後の輸入は他国の動向によって、変わりそうだ。メキシコ政府は米国による鉄鋼・アルミニウムの輸入制限への報復措置として米国産豚肉に20%の追加関税を課すとしている。輸出が止まった場合、「メキシコに多く輸出される米国産モモ肉などの現地相場が下がる」(都内の輸入業者)。モモ肉は日本がほとんど輸入しない部位であるため、国内市場への影響は不透明だが、「他の部位を含め、(米国から)日本へ売り込みをかけるきっかけになる」(別の輸入業者)との見方もある。

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芝栽培キックオフ サッカーJ3・ガイナーレ鳥取運営会社 管理費セーブ収入アシスト 米子市(日本農業新聞)

 プロサッカークラブが農業に本格参入する、国内では前例のない試みが鳥取県で始動した。育てるのは芝生。日本プロサッカーリーグ3部(J3)のガイナーレ鳥取を運営するSC鳥取が、昨年から米子市で生産を始めた。今年の作付面積は3ヘクタール、数年で10ヘクタールの目標を掲げる。事業の柱に育て、遊休農地の発生を防ぎ、ホームタウンの課題解決にも一役買う。(橋本陽平)

ゴールは遊休農地解消

 県西部の中心地、米子駅から車で10分。畑作物の生産が盛んな同市の弓浜地区に、白ネギ畑などに混じって整然と刈りそろえられた芝生が広がる。同社が種をまいて育てた。根の繁殖力が強い西洋芝を使い、1平方メートル(縦50センチ・横2メートル)単位に切り分けて販売する。

 同社は、ホームグラウンド「チュウブYAJINスタジアム」の芝生を自ら管理する。Jリーグクラブの大半は芝の管理を外部に委託しているが、年間で1000万円は下らない費用を節約しようと挑戦。社員を芝生生産会社へ研修に送り、スタジアムで5年間管理を手掛けてきた。

 ノウハウを生かし昨年10月、芝生の生産・販売プロジェクト「Shibafull(しばふる)」を立ち上げた。「芝生」と「満ちる」を掛けた造語で「芝生で街を、人を、笑顔で満たしたい」との思いを込めた。

 高島祐亮経営企画本部長は「クラブの規模を考えると、広告スポンサー料や入場料収入だけでは経営は厳しい。芝の販売で安定した収益を生み出す」と狙いを語る。

 農地は農地中間管理機構(農地集積バンク)を介し、極力集約して借り受ける。栽培期間は3~5カ月。販売先は幼稚園や小学校、町の空き地、観光施設、家庭の庭など幅広く提案する。農薬や化学肥料を使わない栽培も試し、安全性をPR。価格は未定だが、「相場から試算すると10アールで300万円程度の収益を見込める」(同)という。

疲れ知らず農機を投入

 コスト削減の秘密兵器もある。プロジェクトに賛同した本田技研工業が開発したロボット芝刈り機「Miimo(ミーモ)」だ。動く範囲や刈る長さを設定でき、雨も苦にせず24時間稼働が可能だ。4月から2台を稼働させ、1台で約30アールを管理している。

 米子市と境港市にまたがる同地区には、米子市側だけで990ヘクタールの農地がある。砂地の平たん地が多く地下水が豊富で、芝の生産に適した条件がそろう。一方、担い手不足から同市の遊休農地の6割(82ヘクタール)が集中する。芝の栽培は「成長性はもちろん、地域の課題解決の面でも可能性がある」(高島本部長)と、事業化に踏み切った。

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米消費中食が苦戦 原料、人件費の上昇影響 米穀機構の調査(日本農業新聞)

 堅調な需要が見込める中食分野で、米の消費が苦戦している。米穀機構がまとめた米の消費動向調査によると、2017年度の中食の1人1カ月当たりの平均消費量は、前年から8・8%減の777グラムだった。18年度も4月が前年同月を5%下回るなど、同様の傾向が続く。米価や人件費の上昇を受け、コンビニやスーパーがおにぎりや弁当で使うご飯の量を減らしたことが影響したもようだ。

 17年度の1人1カ月当たりの平均精米消費量は全体で前年比1・3%減の4603グラム。うち7割を占める家庭内消費は1・6%増の3262グラムとわずかに増えた。

 一方、外食は5・8%減、中食は8・8%減と、特に中食の落ち込みが大きかった。18年度の4月も中食の消費は戻らず、前年同月から5%減った。

 日本惣菜(そうざい)協会の調査によると、総菜や弁当など中食市場の規模は17年に10兆円を突破。共働き世帯の増加で、調理済み食品を手軽に食べられる中食利用は今後も拡大すると見込まれている。

 米も中食分野で需要の伸びが期待されるが、「米価が上がり、使用量を減らす業者もある」(炊飯業者)。製造業の人件費上昇分も商品価格の改定に影響している。

 調査は、米穀機構が全国の消費者モニターを対象にインターネットで行い、4月は約2200世帯から回答を得た。

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5月和子牛 77万円今年最安値 6割の25市場で下げ(日本農業新聞)

 5月の和牛子牛価格が今年の最安値を付けた。JA全農がまとめた主要家畜市場の取引結果によると、1頭平均価格は77万7818円。前月を3%下回り、10カ月ぶりの大きな下げ率となった。全国的に枝肉販売が不振だったことや、子牛導入の需要期を過ぎたことが重なった。6月も情勢は変わらず、「子牛相場は小幅に下げる」(市場関係者)見込み。

 平均価格は2カ月ぶりに80万円を割った。需要期で積極的な購買があった前月を3%下回った。下げ幅が3%台だったのは2017年7月(3・8%)以来。去勢牛は3・4%安の82万6187円、雌牛は2・5%安の71万3648円だった。

 取引があった41市場のうち6割に当たる25市場で下げた。枝肉相場が下げたことが影響した。全国の建値となる東京食肉市場の枝肉相場は、高値で安定していた上位等級が下げに転じた。

 例年5月の子牛相場は不需要期から下げる傾向だが、「今年は肥育農家の資金繰りが難しくなっており、購買意欲が弱く下げが進んだ」(九州の市場関係者)という。

 市場別では、全農岩手県本部中央家畜市場(12・6%安)や兵庫県の但馬家畜市場(7・1%安)など、前月に大きく上げた市場で下げが目立った。主産地の九州で最も下げ 幅が大きかったのは、鹿児島県の曽於中央家畜市場。5・8%安の80万2798円だった。

 北海道を除く東日本で最大の取引頭数を誇る全農みやぎ総合家畜市場は7・1%安の74万1020円。同市場関係者は「県外客が少なかった」と話す。取引頭数が増加傾向にあることも相場の下げ要因となった。全農みやぎが取り組む繁殖事業の成果が表れ始めたという。

 6月の子牛相場は「上げ要因がない」(市場関係者)として、引き続き下げ基調の見込み。「枝肉相場が上向かない限り、肥育農家の購買意欲は戻らない」と市場関係者はみる。

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自伐型林業 持続的収入、初期投資低く、環境守る(日本農業新聞)

 移住者や若者が他人の山を借りて伐採や搬出を自ら行う「自伐型林業」が全国の中山間地に広がっている。持続的に森から収入を得ることができ、初期投資も低いとして、実践者は全国で推定2000人。環境を守りながら小さな規模で稼げ、若者の価値観に合った新たな働き方だ。定住政策に据える山村の自治体も40に増えている。(尾原浩子)

若者 価値観にぴたり

 高知県佐川町の森林。間伐を終え、樹齢50年を超えた木が立ち並ぶこの山を滝川景伍さん(34)が誇らしげに見渡す。

 「10年後にまた間伐する。木の価値はさらに高まって収入にもなる」と見据える滝川さん。多少の土砂災害でも崩れないよう緻密な計算をした作業道は、先輩林業者に教わって造った。長期的な視点で経営する林業は、目先の結果だけを追求しがちな今の時代の対極にあるように思え「僕に合っている」と言う。

 京都市出身の滝川さんは4年前に地域おこし協力隊として同町に移住した。協力隊を卒業した現在は、地域の人から委託された森林の伐採管理を請け負う。月収は30万円弱。木材の売り上げの10%は山主に返している。

 妻と共稼ぎで2人の子育てをし、山に向かう日数は月15日程度。長時間労働が当たり前だった20代の会社員の頃に比べ、ゆとりある暮らしを送っている手応えがある。

 滝川さんは「やり方次第で見向きもされなかった山がきれいになり、何世代もが稼げて、地域の人にも喜ばれる。中山間地が盛り上がる」と自伐型林業の魅力を話す。

 5年前から自伐型林業を町政の柱の一つに据える同町は、専任担当部署を設置するなど林業の担い手育成に力を入れる。これまでは森林所有者が業者などに委託して伐採や植樹する以外、山を自ら管理する人はほとんどおらず、森林は荒れ放題だった。同町によると、ここ5年で若者定住の道筋ができ、住民の山への目線も変わってきた。

 滝川さんら協力隊員を卒業した5人が定住した他、森林を所有する住民4人が新たに林業を始めた。現在、自伐型林業を学ぶ地域おこし協力隊は8人だ。小型のチェーンソーなどは町が貸与し、同町は林業で生計が立てやすい。元病院経営者で、兵庫県姫路市から移住し林業を目指す入江健次郎さん(50)は「最小限の機械で木を自ら切り搬出する自伐型林業。農山村の価値と山づくりの奥深さを知った」と話す。

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