小菊品薄2割高 台風、猛暑で生育不良 秋の彼岸向け取引(日本農業新聞)

 秋の彼岸(20~26日)を前に小菊が品薄高だ。12日の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は1本40円で前年同期比2割高。主力の東北産が台風や猛暑の影響で生育不良となっており、9月の5営業日の販売量は380万本と過去5年平均(平年)より2割以上少ない。来週前半が取引ピークで、卸売市場は「出回りの急増はない。需要期以降の増量も見込まれ、相場が乱高下する恐れがある」とみる。

 小菊は彼岸に需要が高まるが、今シーズンは入荷が伸び悩んでいる。JA全農あきたによると、一部地域で台風21号による塩害や倒れが発生。「被災地域の出荷は計画より2、3割少ない」と明かす。一方、福島県JAふくしま未来は夏の猛暑が響き、「生育が昨年よりやや遅れている。丈も短め」と話す。

 仏花で好まれるスターチス(シニュアータ系)も堅調だ。12日の日農平均価格は1本53円で前年同期比1割高。販売量は15万本で1割少ない。主産地の北海道JAきたそらちは「8月までの曇天の影響で生育が鈍い」と説明。北海道地震による物流の乱れも出荷を減らしていたが、今ではほぼ正常化したという。

 彼岸向けの取引ピークは17日の見込み。全農あきたは「ここ数日の寒さもあり、小菊の増量ペースは緩やか」とみる。卸売会社は「最需要期は供給が少ない可能性があり、高値基調が続く」と見通す。ただ、それ以降は遅れ分が増量し、反落する恐れがあるという。

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豚コレラで肉輸出停止 越・マカオで再開 農水省(日本農業新聞)

 農水省は12日、岐阜市で発生した豚コレラの影響で輸出を停止していた日本産豚肉について、岐阜県を除いて、ベトナムとマカオへの輸出が可能になったと発表した。11日にも最大の輸出先である香港にも同県産を除いて輸出が可能になっており、今後も輸出実績がある国・地域に許可を求めていく。

 政府は9日の豚コレラ発生から、豚肉の輸出を停止。再開には相手国の受け入れ許可が必要な状況だ。発生前に豚肉が輸出可能で、まだ許可が出ていない国・地域は、台湾、カンボジア、シンガポール、モンゴル、アラブ首長国連邦となっている。

 日本の豚肉(くず肉を含む)の輸出は2017年で10億1000万円。国・地域別では、香港が6億1000万円で最多、マカオの1億6000万円、シンガポールの1億4000万円と続く。

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酪農再開やっと 7年半──震災後の苦節経て 来年1月出荷へ北海道から8頭 福島県葛尾村(日本農業新聞)

避難前 超える規模に

 東京電力福島第1原子力発電所事故後の避難指示で、牛全頭がいなくなった福島県葛尾村に乳牛が戻ってくる。東日本大震災から7年半となる11日、村内の酪農家が北海道の家畜市場から乳牛8頭を購入。来年1月からの出荷再開を目指す。2018年度中に乳牛を70頭にし、5年後には事故前を大きく上回る300頭まで規模を拡大する計画だ。くしくも、北海道で地震被害が発生。生産者は被災者の苦悩に寄り添いながら、自身の新たな一歩を踏み出す。(塩崎恵)

 牛が1頭もいないがらんとした牛舎に、真新しい水槽。「まずは思い出す作業から。楽しみというより不安が大きい」。村で酪農を再開する、佐久間牧場の佐久間哲次さん(42)は、気を引き締める。

 村では東日本大震災が発生する前、佐久間さんを含め2戸が搾乳牛約130頭を飼養していた。11年3月14日夜、村による全村避難指示が防災無線から流れた。搾乳牛80頭を飼養していた佐久間さんは「1日くらい餌をやらなくても平気だろう」と、家族で福島市へ避難。しかし村に戻れたのは4日後の18日だった。

 乳房炎で10頭近い牛が死に、牛舎には生臭いにおいが漂っていた。生きている牛は腹の底から鳴き、「何かくれ」と訴えているかのようだった。

 その後、国による避難区域の再編で村全域が避難指示区域となり、村に住めなくなった。未経産牛は北海道の牧場に預け、残りの100頭近くの牛は食肉用に出荷。県内の建築業の手伝いなどをしながら、営農が再開できる日を待った。

 16年6月、帰還困難区域を除いた村の避難指示が解除され、同年12月には原乳の出荷制限が解除された。避難中に雪かきできずつぶれてしまった自宅を建て直し、今年4月に帰還した。

 以前使っていた飼料置き場は帰還困難区域のため使えず、佐久間さんらがパーラー脇の斜めだった畑をパワーショベルで削り、ブルドーザーでたたいて造成。イノシシ対策の鉄柵を牛舎周りに設置したり、機械や堆肥を置いていた牛舎を除染したりして準備してきた。同村で搾乳牛50頭を飼養していた古舘敬一さん(41)も佐久間牧場の役員として参加する。

「恩返したい」

 佐久間さんは11日、北海道のホクレン十勝地区家畜市場で初妊牛8頭を購入し、13日に牛舎に搬入する予定だ。北海道では6日未明、最大震度7の地震が発生。自身と同じ酪農家が被害を受けた。「出荷できず生乳を処分した震災直後のことを鮮明に思い出した。震災の時に助けてもらった恩返しに、できることは何でもしたい」と力を込める。

 導入後は原乳のモニタリング調査を受け、1月からの出荷再開を目指す。5年後には搾乳牛300頭規模まで拡大する計画。農林中金福島支店と日本政策金融公庫福島支店が連携し、乳牛導入資金などとして、スーパーL資金1億円を同牧場に融資する予定だ。

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国産ジビエ 初の認証 「京丹波自然工房」(日本農業新聞)

 農水省は7日、鹿やイノシシなど野生鳥獣の肉(ジビエ)の適切な衛生管理に取り組む食肉処理施設を認証する「国産ジビエ認証」制度の第1号として、京都府京丹波町の食肉処理施設、「京丹波自然工房」が認証を受けたと 発表した。

 同工房では独自マニュアルに基づき衛生、品質面の管理を徹底。首都圏や関西圏で精肉を販売する。

 同認証を受けるには、厚生労働省が定める肉処理施設の認証基準(チェックシート)に基づく衛生管理、捕獲から販売まで追跡できるデータ管理などを 満たしていることが条件となる。

 ARTCUBEが同工房を運営。全工程を記録し、個体ごとに識別番号を付けるなどの管理を徹底する。大手百貨店と連携し、衛生面や安全性の確認を受け、販路を確保。イノシシのロースなどを京都府内の2店舗で販売する。認証機関の日本ジビエ振興協会が認証した。

 同社の垣内規誠社長は「徹底した衛生、品質管理に基づき、安心・安全という点を、飲食店や消費者にアピールできる」と話し、販路拡大に意気込む。

日本農業新聞

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「上越あるるん村」人気上昇 加工施設と直売所併設効果 農家の所得向上に貢献 食育活動にも注力(日本農業新聞)

 新潟県のJAえちご上越が4月に開業した複合施設「上越あるるん村」が消費者に人気だ。レストラン・農産加工品直売施設の敷地内に農産物直売所を移築し、鮮魚センターを新設した施設。農業体験など食農教育にも取り組み、食と農のテーマパークとして消費者を呼び込む。来店者数の増加で売上高は1割ほど高まり、農業者の所得増大にも一役買っている。

 水稲単作地帯のJAは、組合員に水稲と園芸の複合経営による所得確保を呼び掛ける。園芸出荷の受け皿としてJAは2006年に直売所「あるるん畑」を開店。地場産品の付加価値アップを目的として加工品や総菜を扱う「あるるんの杜(もり)」を16年に開業した。JAの担当者は「地域住民は開店当初、地元で地場野菜を買う習慣がなかった。定期的な催しを通じて地産地消を訴えた結果、あるるん畑は17年に年間38万人が訪れる店になった」と説明する。

 直売所の人気が高まるにつれて出荷者も年々増え、施設が手狭になってきた。そこで、新たな収入源を確保しようと、「村」への発展を構想。魚介類を求める声にも応えた。

 現在の来店客数は平日が平均1600人、週末が同2000人。これは「村」の開業前の1割増に当たる。売上高も1割の増加となった。18年度の売り上げ目標は「畑」が7億5000万円、「杜」が1億9500万円。

 新たな客層も獲得できた。担当するJA園芸畜産課の亦野潤一さんは「従来の中心ユーザーの高齢者層に加え、家族連れや県外からの観光客が大きく増えた。複数の施設がそろい、長時間の滞在が可能になったためだ」と分析する。

 食育活動では小学校の授業と連動し、トウモロコシの栽培・販売体験を初めて行った。収穫したトウモロコシを使い、今後はオリジナルの加工商品の開発も手掛ける。将来の消費者と産地の担い手を育てる取り組みで、地域農業の継続的な発展につなげていく構えだ。

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サラダチキン スーパー97%が販売 国産のシェアは5割切る 栄養面、簡便性に支持(日本農業新聞)

 蒸した鶏ムネ肉を真空パックした「サラダチキン」を販売するスーパーの比率が2017年は97%に上ったことが、農畜産業振興機構の調査で分かった。低カロリーで高タンパクな栄養面や簡便性が受け、5年間で3・6倍に増加。原料産地シェアは国産の落ち込みが続く一方、以前はなかったタイ産が国産と並ぶほど急拡大した。安価な輸入品に伸びる需要を奪われている実態がある。

 13年1月~17年12月に沖縄県を除く全国のスーパー約1000店を対象にした販売時点情報管理(POS)データを同機構が調べた。近年、サラダチキン市場が成長していることに注目し、初めてまとめた。

 17年にサラダチキンを販売したスーパーは97%になり、ほぼ全ての店舗で販売されていた。統計がある13年(27%)と比べて70ポイント増、16年比でも17ポイント増えている。

 しかし、全売り上げに占める原料産地の割合を見ると、14年までゼロだったタイ産が44%に急拡大。半面、国産は100%から45%に落ち込んだ。16年比ではタイ産が13ポイント増、国産は13ポイント減。

 1個当たり平均価格は国産が244円だった。国産ムネ肉の相場高などにより5年間で9%高。銘柄指定やカット商品などが増えた。タイ産は国産より23%安の187円だった。

 販売された商品数は51と、前年より18(55%)増えた。13年は11だったが、食肉メーカーがさまざまな 風味の新商品を相次ぎ投入し、拡大した。

 同機構は「安価なタイ産がシェアを拡大していることから、国産品との競合が激しくなる」と指摘する。今後は、切り落としといった食べやすさに重点を置いた商品や、産地などにこだわった高付加価値商品の拡充が求められるという。

食肉メーカー増産

 食肉メーカーは増産へ動いている。伊藤ハムは愛知県豊橋市の食肉加工工場にサラダチキンの大型製造ラインを増設し、9月中に稼働する予定だ。全国に4カ所あった生産拠点を同工場に集約し、効率性を向上。1時間当たりの生産能力はこれまでの倍に高まる。

 加えて、今月1日には、同社として初めて糖質を抑えたサラダチキン(183グラム、324円)を発売するなど、商品力も強化する。

 プリマハムはスーパー向けに、ナショナルブランド商品の生産に注力する姿勢だ。秋田県にある子会社の工場を増強したことで、17年下期の同工場の生産能力は前年同期に比べ倍増した。

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食用花でカラフル塩 愛知県豊明市のたこ焼き店(日本農業新聞)

 エディブルフラワー(食用花)の生産が盛んな愛知県豊明市のたこ焼き店「濱蛸(はまたこ)」が、食用花を使ったカラフルな塩を開発した。天日塩と食用花をもみ合わせ、色と香りを付ける。食用花独特の風味がアクセントになるという。10種類を作り販売する他、たこ焼きの付け塩としても提供する。

 同店は、食用花を使う地元飲食店などのグループ「豊明エディブルフラワー会」のメンバー。同市は花きの専門市場があり、行政や地元企業などが「花の街とよあけ」としてPRしている。ただ、店主の濱田正人さん(42)によると、地元住民の花への親しみは薄いといい、「もっと興味を持ってほしい」と、花を使った塩の開発を開始。食用花の流通が減る夏と冬にも楽しんでもらう狙いだ。

 使う花は同市産中心。JAあいち尾東を通じて仕入れる。色鮮やかな花びらと天日塩をもみ合わせ、乾燥させる。花の種類によっては、塩と合わせることで変色するためレモン汁を加えることもある。これまでに10種類ほど完成させた。4グラム入りの小瓶に入れて店舗やイベントで販売している。

日本農業新聞

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雪のような白さ特徴 エノキタケ新品種 JA福岡大城(日本農業新聞)

 福岡県のJA福岡大城は4日、管内の主力農産物であるエノキタケの新品種を発表した。品種名は「大木白雪919」。黄色みがかかった従来品種と違い、雪のような白さを持つのが特徴だ。昨年から栽培を始め、現在は全生産者が新品種に転換。今月から黒い商品パッケージに切り替え、品種名も打ち出して販売する。JAは特徴の白さを武器に販促を進め、ブランド力を強化していく。

 エノキタケはここ数年、全国的な生産過剰で価格が低迷している。西日本有数のエノキタケ産地であるJA管内でも、経営難から生産を中止する農家が出てきていた。

 価格回復のためにJAが打ち出したのが、育成に携わった新品種の利用だ。収量や作りやすさよりも、他産地との違いを出しやすい外観の個性にこだわった。商品パッケージでも特徴を押し出す。食品では基本的に採用しない黒をあえて中心に使い、エノキタケの白さを際立たせた。

 青果物の中でも、エノキタケは産地ごとの違いを押し出しにくい品目。JAのエノキタケを取り扱う青果卸の熊本大同青果は、「特徴が前面に出ており、スーパーの売り場でも目立つため、バイヤーから好評だ」と手応えをつかむ。

 JAの添島喜久組合長は「エノキタケは価格が低迷して厳しい状況。新品種で産地に活力を与えたい」と力を込める。

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“輸出好調”実は輸入頼み 国産原料以外が多数 本紙調べ(日本農業新聞)

 今年上半期の農産物の輸出実績が前年同期に比べて344億円増え、2628億円に達した。政府の資料には牛肉やリンゴなど主要品目で成果が並ぶ一方、「その他」に分類される品目には、ほぼ全量が輸入原料に頼る加工食品や、農産物とは思えない化学物質なども多く含まれていることが、日本農業新聞の調べで分かった。輸出実績が必ずしも農家所得の向上に結び付いていない実態が浮き彫りになった。(特別編集委員・山田優、金哲洙、田中秀和)

メントールも農産物

 「え、農産物に分類されているの」

 上半期に22億円を稼いだ輸出向けメントールの多くを販売する高砂香料工業の担当者は、記者の質問に驚いた。同社はメントールを木材原料から化学合成する最大手企業。国際競争力の高い製品は欧米やアジアなど幅広い国に向け輸出する。主な用途は化粧品、シャンプーなど日用品、薬品、食品添加物向けだ。政府の輸出統計でも「有機化学品」に分類されるれっきとした工業製品だが、政府の発表では農産物に含まれる。

 かつてメントールは国内農産物のハッカから天然成分として抽出していた。一時は輸出も盛んだった。インドやブラジルなどから安価な製品が輸入され、さらに安い合成メントールの出回りで国内生産の大半は一掃された。現在の栽培面積は北海道滝上町などで10ヘクタールに満たない。地元の高品質天然ハッカ油を観光客向けなどに生産者が直売している。

 0・8ヘクタールを栽培する同町の農家の一人、佐々木渉さんは「メントール輸出が伸びても農家の経営に役立つとはとても思えない」と語る。

 農水省によると、以前からメントールは同省所管品目で「これまでの輸出統計と整合性を保つため入っている」(輸出促進課)と説明する。農産物輸出額総額の中で国産農産物が占める割合は「計算しておらず、分からない」(同)という。

みそ、しょうゆまで…

 メントールに限らず、政府が上半期の農産物輸出額とする2628億円には、国産農産物と縁の薄い品目が並ぶ。キャンディー類(36億円)、チョコレート菓子(34億円)、インスタントコーヒー(12億円)などはその一例だ。

 一見すると国産農産物との関係がありそうな品目でも、実際にはほとんど海外産を主原料にしているものが少なくない。小麦粉(34億円)はほぼ全量が輸入小麦を日本国内で製粉したもの。野菜の種(42億円)も、中身は海外で生産した種子が9割以上を占める。和食ブームで好調なみそ(18億円)、しょうゆ(37億円)も原料のほとんどが輸入された大豆や小麦であることが分かった。牛骨を主原料とするゼラチンは10億円が輸出されたが、最大手のメーカーによると、大半の原料は海外から手当てする。

 政府が胸を張る「上半期に農産物輸出が344億円増えた」という説明も、調べると増加額のうち150億円余りが「その他(でんぷん・イヌリンなど)」という項目が稼ぎ出したものだ。内訳は「清涼飲料水」などがあるが、残りはなじみのない加工品の品目名が並ぶ。

 「農産物輸出拡大で農家所得の向上」という政府のスローガンは、割り引いて聞いた方がよさそうだ。

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メントールも農産物

 「え、農産物に分類されているの」

 上半期に22億円を稼いだ輸出向けメントールの多くを販売する高砂香料工業の担当者は、記者の質問に驚いた。同社はメントールを木材原料から化学合成する最大手企業。国際競争力の高い製品は欧米やアジアなど幅広い国に向け輸出する。主な用途は化粧品、シャンプーなど日用品、薬品、食品添加物向けだ。政府の輸出統計でも「有機化学品」に分類されるれっきとした工業製品だが、政府の発表では農産物に含まれる。

 かつてメントールは国内農産物のハッカから天然成分として抽出していた。一時は輸出も盛んだった。インドやブラジルなどから安価な製品が輸入され、さらに安い合成メントールの出回りで国内生産の大半は一掃された。現在の栽培面積は北海道滝上町などで10ヘクタールに満たない。地元の高品質天然ハッカ油を観光客向けなどに生産者が直売している。

 0・8ヘクタールを栽培する同町の農家の一人、佐々木渉さんは「メントール輸出が伸びても農家の経営に役立つとはとても思えない」と語る。

 農水省によると、以前からメントールは同省所管品目で「これまでの輸出統計と整合性を保つため入っている」(輸出促進課)と説明する。農産物輸出額総額の中で国産農産物が占める割合は「計算しておらず、分からない」(同)という。

みそ、しょうゆまで…

 メントールに限らず、政府が上半期の農産物輸出額とする2628億円には、国産農産物と縁の薄い品目が並ぶ。キャンディー類(36億円)、チョコレート菓子(34億円)、インスタントコーヒー(12億円)などはその一例だ。

 一見すると国産農産物との関係がありそうな品目でも、実際にはほとんど海外産を主原料にしているものが少なくない。小麦粉(34億円)はほぼ全量が輸入小麦を日本国内で製粉したもの。野菜の種(42億円)も、中身は海外で生産した種子が9割以上を占める。和食ブームで好調なみそ(18億円)、しょうゆ(37億円)も原料のほとんどが輸入された大豆や小麦であることが分かった。牛骨を主原料とするゼラチンは10億円が輸出されたが、最大手のメーカーによると、大半の原料は海外から手当てする。

 政府が胸を張る「上半期に農産物輸出が344億円増えた」という説明も、調べると増加額のうち150億円余りが「その他(でんぷん・イヌリンなど)」という項目が稼ぎ出したものだ。内訳は「清涼飲料水」などがあるが、残りはなじみのない加工品の品目名が並ぶ。

 「農産物輸出拡大で農家所得の向上」という政府のスローガンは、割り引いて聞いた方がよさそうだ。

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