米粉用で多収品種 難消化性でんぷん豊富 ダイエット食材に 秋田県立大など(日本農業新聞)

 秋田県立大学などが、多収で消化しにくいでんぷん(難消化性でんぷん=RS)を含む新たな米粉向け品種「あきたさらり」を育成した。10アール当たり収量が800キロ程度と多収で、栽培コスト低減が期待できる。RSの含量は3%で、「あきたこまち」の3倍以上と多い。ダイエットなど健康志向の消費者にPRできることから、県内企業と、同品種の米粉を使ったうどんなどの商品開発を進めている。

 「あきたさらり」は同大と県農業試験場、国際農林水産業研究センター(JIRCAS)などが育成。2018年秋に農水省に品種登録出願を申請し、出願が公表された。

 米粉は製粉費用がかかるが、多収で栽培コストを下げることでカバーする。熟期は「あきたこまち」より1週間遅く、作業分散が期待できる。

 同大と企業の共同研究で、米粉を小麦粉に20%ほど混ぜてうどんを作ると、腰が強く、ゆでた後もべたつきにくい麺が作れることが分かった。「あきたさらり」はアミロース含量が高く、大粒で米粉適性が高い。

 同大生物資源科学部の藤田直子教授は「小麦アレルギーの人向けに、グルテンフリーのうどんなども作れる可能性がある。水田転作にも役立つ」と期待する。現在の栽培面積は約1ヘクタールだが、さらに拡大する見込みだ。

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切り花輸入13億本超 過去2番目規模 18年(日本農業新聞)

 2018年の切り花輸入量(サカキ・ヒサカキ類を除く)が13億1743万本と、過去最大の12年に次ぐ規模となったことが、農水省の植物検疫統計で分かった。国内の生産基盤弱体化に加え、猛暑などの天候不順で国産の出回りが伸びず、輸入物への代替需要が強まった。菊の輸入量は過去最高を更新した。切り花は既に大半が関税撤廃されており、輸入攻勢が年々強まっている。(三宅映未)

 切り花の輸入量は、東日本大震災後の消費回復に「円高ドル安」が重なった12年の13億4300万本がピーク。いったん落ち着いたが、16年から再び右肩上がりで推移。18年は当初、国産の相場低迷により輸入は伸び悩むとの見方があったが、猛暑で国産が品薄となると夏以降に急増した。

菊類は最多 3・4億本

 品目別で、大きく伸びたのが菊類だ。輸入量は3億4108万本で前年より1・8%増え、過去10年間で最多。国別ではベトナム産が10・9%増の8314万本と大きく増えた。この5年間で1・6倍となっており、スーパーを中心にスプレイ菊を輸入物で手当てする動きが強まっている。

 大手輸入商社は「ベトナムは人件費などの生産コストが安く、今後も輸入が増える可能性が高い」と分析する。最も輸入量の多いマレーシア産は、2・1%増の1億9749万本だった。

 カーネーションも3億7038万本と0・8%増えた。主力のコロンビア産が微減したものの、代わりにエクアドル産が9・2%増の2956万本と押し上げた。スプレイ菊と同様、スーパー向けのスプレイカーネーションの引きが強い。

 輸入が増える背景には、国産の出回り減がある。農水省によると、17年の国産花きの生産量は37億本と、この10年で2割減り、過去最低を記録。国産の生産基盤強化が課題となっている。

 業界関係者は、国産の生産回復には有利販売が欠かせないと指摘。「マーケットが今後拡大するとは考えにくく、専門店は販売に苦戦している。スーパー向けなど販売先を捉えた産地戦略が一層重要になる」とする。

 一方、バラは8・9%減の5709万本。主力のケニア産が秋以降の航空機運賃の値上げ、インド産と韓国産が自国での消費増加により、日本への仕向けを抑えた。

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だるま型容器入り 合格祈願米を販売 食で受験生後押し 南関町産で難関突破 JA熊本経済連(日本農業新聞)

 受験シーズンを迎え、JA熊本経済連グループは合格に向けて学業に励む受験生を応援しようと、新たな試みとして、だるま型容器に入った精米「難関突破!合格祈願米」の販売に乗り出した。県内の南関(なんかん)町の名前にあやかった同町産「ひのひかり」を使う。紅白2種類で、300グラムの少量タイプ。メッセージカードも付属し、応援の気持ちを込めた贈り物にも向く。

 商品開発は、合格祈願にあやかったグッズを受験生に送ったり、家族・友人らが購入したりすることが定番化していることを踏まえた。全国的に米の消費量が伸び悩む中、少量タイプで手軽に手に取れる機会を新たにつくり、県産米の消費拡大につなげたい考え。

 経済連の野田憲総合営業課長は「米は脳を活性化させるエネルギー源になる。この商品には、あげて終わり、もらって終わりではなく、弁当や受験当日の朝に飾っていたこの米を食べて“難関”を突破してほしいという気持ちを込めた」と開発の狙いを明かす。この商品の利用を機に「県産米の消費拡大と、朝にご飯を食べる習慣がつながればうれしい」と話す。

 商品は2月ごろまで、県内スーパーをはじめ、熊本県世安神社や福岡県の太宰府天満宮参道にある土産店など約30店舗が取り扱う。今後、さらに販路を拡大し、合格祈願グッズとしての定着と認知度向上を図る。

 価格は700円前後。問い合わせはJA熊本経済連総合営業課、096(328)1109。

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巣作り区域 止まり木 採卵鶏に動物福祉 OIEが指針案 多様な管理求める 農水省(日本農業新聞)

 国際獣疫事務局(OIE)が、採卵鶏の養鶏場で、鶏が巣を作る区域や止まり木の設置を求める動物福祉(アニマルウェルフェア)指針案を加盟国に示していたことが分かった。日本国内の養鶏場ではほとんど設置されていない。農水省は設置を必須とせず、多様な飼養管理を認めるように主張していく方針だ。

 OIEの専門家によるコード委員会が昨秋、採卵鶏のアニマルウェルフェア指針の2次案を提示した。この中に養鶏場に巣を作る区域や止まり木、砂浴び場、ついばみ区域などの設置を必須とするような記述を盛り込んだ。この2次案について、欧州連合(EU)が支持しているという。EUはアニマルウェルフェアに積極的で、既に同水準の規制を行っている。早ければ2020年5月のOIE総会で採択され、国際基準となる可能性がある。

 農水省は、これらの設置が外部寄生虫の増加などを招く恐れがあることなどから、設置を必須とせず、設置する場合の留意事項にとどめる修正を求めていく方針だ。日本と同様の立場とみられている米国などにも働き掛ける。

 今回の2次案に設置が盛り込まれた巣を作る区域や止まり木、砂浴び場、ついばみ区域は、日本の養鶏場ではほとんど設置されていない。仮に国際基準となれば、国内生産者は対応を迫られることになる。

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作物と微生物の共生 LANタンパク質が関与 減肥栽培応用に期待 筑波大などのグループ(日本農業新聞)

 筑波大学や基礎生物学研究所、関西学院大学の研究グループは、植物と、根粒菌や菌根菌などの微生物が共生するために必要なタンパク質を明らかにした。このタンパク質が植物にないと、共生が正常に進まない。共生微生物には、植物の栄養吸収を助ける働きがある。このタンパク質を含む共生の仕組みを応用すれば、本来は共生しない植物でも共生させることができ、貧栄養の土壌や減肥栽培でも育ちやすい作物が作れると期待する。

 植物の中には、土壌中の微生物と共生し、他の植物より有利に生育できる種類がある。例えばマメ科植物は、根粒菌と共生し、効率良く窒素を吸収している。また、菌根菌は、リン酸や水分吸収を助ける役割を果たしている。

 研究グループは、マメ科植物のミヤコグサで、根粒菌と正常に共生できない株を見つけた。調べたところ、この株は「LAN(ラン)」と名付けたタンパク質を作らず、菌根菌を根に招き入れるためのトンネル構造がなくなっていた。LANタンパク質がなくても共生はするが、共生までに時間がかかることも分かった。同様に、菌根菌との共生にも異常があった。

 筑波大によると、共生にはLANを含めて20個ほどの遺伝子が関わることが分かっているという。これらを水稲など共生しない作物で働かせることができれば、「栄養に乏しい土地での農作物栽培や、化学肥料に頼らない栽培ができる」と期待する。

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ひよこ→鶏→卵 命の循環絵本に 関東の生産者プロジェクト 親子で楽しんで(日本農業新聞)

 関東地区の養鶏家の有志で組織する「ぼくらのひよこプロジェクト」が、卵とひよこにまつわる絵本『にわとりからのおくりもの』を製作した。学校や病院などに配布した他、それぞれが経営する直売店でも販売。リーダーを務める愛鶏園(横浜市)の齋藤大天代表取締役は「子どもが卵と命の関わりを考えるきっかけになってくれれば」と話している。

 プロジェクトは、共同で開設した種鶏場・ふ化場のホームページ(HP)を刷新するために2年前に発足。HPで何を訴えるかを考えるうちに、消費者のイメージの中では、ひよこと卵がつながっていないのではないかと思い至った。

 ひよこは卵から生まれ、ひよこが鶏になり、元気な鶏が栄養豊富な卵を産む。その卵を人間がありがたく頂く。命の循環と不思議を、伝えたかった。

 料理をしようとおじさんが卵に手を伸ばすと卵からひよこが生まれる。母鶏が心配しているといけないので母鶏を探し、ひよこと母鶏を会わせてあげると、母鶏はおじさんに産みたて卵を置いてくれていた、というストーリーを、ユーモラスな絵に収めた。

 卵は安売り競争にさらされている一方で、養鶏場のイメージは良くない。卵の品質は鶏に影響されるのに、特殊な餌を与えた卵が注目され、卵を生む元気な鶏のことは考えてもらえていない、という思いがある。愛鶏園の齋藤代表取締役は「命の輪を感じながら親子で楽しんでほしい」と話している。

 絵本は1冊200円。詳しくは神奈川養鶏連、(電)0299(27)6333。

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北海道米の販売拡大 独自ブランドで勝負 農家ごとに品質公表、種子更新率に基準 各産地が切磋琢磨(日本農業新聞)

 北海道米の販売拡大へ、生産者やJAグループ北海道では独自の栽培基準を設けるなど、品質向上や安全・安心な米作りに力を入れたブランド化を進めている。JA新すながわ管内の生産部会は栽培に厳しい水準を設け、結果を「見える化」。構成員が切磋琢磨(せっさたくま)し、品質向上を目指す環境を整備する。道内の主力品種の一つ「ゆめぴりか」でも、産地JAや生産者らでつくる協議会やホクレンが食味の維持に一体で取り組む。

 稲作の盛んな空知地方の奈井江町で昨年12月中旬に開かれた、JA新すながわ特別栽培米生産組合の出荷反省会。JAの会議室に集まった生産者は、生産・出荷実績が書かれた資料を確認した。資料には組合員の名前や面積、種まき時期に加え、品質の基準となるタンパク含量の割合が記されている。平均タンパク含有率と製品収量に基づきA~Dの評価も示す。

 自らの栽培履歴と成績だけでなく、仲間の結果も一目瞭然。生産者の顔は真剣で、ざわつきもない。結果を公表することについて、同組合の加藤勉組合長は「他の組合員と、どこが違うかを考えるようになる。競争しないとレベルは上がらない」と強調する。

 昨年は全道的な夏場の日照不足などで、同生産組合も収量や品質は例年より大きく落ち込んだ。米24ヘクタールなどを栽培する大関光敏さん(56)は「2年連続で同様の状況は回避したい。良い苗を作り品質を守りたい」と意気込む。

 同組合は前身となる研究会を経て、2013年に発足した。構成員は現在71人。目標収量10アール510キロ、全量タンパク含有率6・8%以下の基準を設ける。基準達成へ全筆の土壌分析と施肥面談を行う他、栽培講習会や消費地の視察など、全体のレベル向上も進める。

 JA管内には同組合以外にも、生産者らが「JAゆめぴりか生産協議会」や「JAカエル倶楽部(くらぶ)」を組織。それぞれ、独自基準などを設け品質向上にしのぎを削る。加藤組合長は「量ではなく、特色のある米を作らないと生き残れない」と強調。ブランド化で品質を向上させ産地を維持する戦略だ。

 昨年11月のJA北海道大会の決議でも、農業所得増大への取り組みの柱に、米のブランド化を据えた。道内の生産者や産地JAなどでつくる「北海道米の新たなブランド形成協議会」は、「ゆめぴりか」の種子更新率100%やタンパク含有率などの基準を設定。基準を満たせば同協議会の認定マークを表示する。産地では品種ごとに部会を設け、協議会の基準に独自のこだわりを加え、ブランド化を進める動きも広がっている。ホクレンは「北海道の結集力を生かし、ゆめぴりかのブランドを維持し、北海道の米を守りたい」(米穀部)と強調する。

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[活写] 花産地ならでは… 一足早く“春”満開(日本農業新聞)

 千葉県鋸南町の江月地区で、農家が露地栽培するスイセンが多くの観光客を引き寄せ、町の活性化に一役買っている。

 同町は温暖で土壌の水はけが良く、香り豊かなスイセンが育つ。花は町の北側を通る3・5キロの道沿いの農地などに多く、ここから厳選した花を農家が11月から12月に切り花として市場へ出荷する。

 出荷後に残った花は12月末に満開となり、年明けも地域の観光資源として役立つ。町観光協会などが主催する「水仙まつり」は今回で25回目。今月末までの見頃に、毎年およそ10万人の観光客が足を運ぶ。

 約1ヘクタールでスイセンを栽培する吉本行男さん(69)は「見物人が多いと、やりがいも出る」と話す。まつりは2月3日まで。(木村泰之)

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有機食品 スーパー、専門店“熱視線” 五輪が商機 訪日客に照準 課題は供給力(日本農業新聞)

 スーパーや専門店などが有機(オーガニック)食品の販売を強化している。2020年の東京五輪・パラリンピックで、有機食品への関心が高い訪日外国人が増えることを商機と捉えた動きだ。一方、供給面では生産の伸び悩みが課題となる。安定供給に向けて産地と企業の連携が鍵となる。(三宅映未)

 イオンが手掛ける有機食品専門店「ビオセボン」は、ここ2年で首都圏に8店舗を展開する。野菜の9割で有機JAS認証を取得した商品を扱うなど品ぞろえを充実させ、イートインスペースも設置。「食に関心の高い人や、30、40代の子育て世代を取り込んでいる」と同社は手応えをつかむ。

 ライフコーポレーションの有機食品を充実させた業態「ビオラル」は、18年の売り上げが前年比2割増と好調だ。「通常商品と有機食品を比較して購入でき、気軽に立ち寄れる点が好評」と同社。近年は、通常のライフの店舗でも改装時に有機野菜コーナーを新設する。

 首都圏に展開するいなげやは、17年から有機食品宅配大手のオイシックス・ラ・大地との連携を開始。同社が仕入れた有機農産品を売り場に並べることで、「安定的な供給が可能になり、顧客のニーズに応えることができる」(いなげや)とみる。

 調査会社の矢野経済研究所によると、有機食品市場規模は1857億円(推計値)でこの5年間で1割増えた。背景にあるのが、有機食品の購買意欲が高い訪日外国人の増加だ。政府によると18年は3119万人と過去最多を記録し、「(五輪がある)20年に4000万人の目標も視野に入った」(石井啓一国土交通相)。「五輪に向けて、有機食品市場の拡大が今後も続く」(同社)見通しだ。

 一方で、課題となるのが供給面。農水省によると、有機農業の耕地面積は2万4000ヘクタール(16年度)で、全体の0・5%にとどまる。栽培の難しさや病害虫発生などのリスク、流通網の整備が課題となり、大幅な生産増には至っていない。

 飲食店や業界などでつくる「次代の農と食を創る会」は16年に、有機農産物のマッチングサイト「farmO」(ファーモ)を立ち上げた。生産者と実需者双方が登録し、出荷情報や欲しい農産物などを書き込み、直接取引へつなげる仕組みだ。

 11日現在で登録生産者数は全国46都道府県の365件、飲食店や小売業者は186件に上る。創る会は今年からサイト上で受注や発注業務ができる仕組みを試験的に始め、受発注を簡便化することで、生産に集中したい農家を支援していく方針だ。

シイタケ菌床 輸入量が過去最高 産地に危機感 「国産」で流通(日本農業新聞)

 2018年のシイタケの植菌済み菌床の輸入量が過去最高となった。財務省の貿易統計によると、1~11月の輸入量は1万8650トン。12月分の結果が出るのを待たずに、これまでの最高だった17年実績(1万5649トン)を上回った。輸入菌床は国産に比べて安く、発生したシイタケは国産として販売できるため、国内産地は危機感を強めている。

 シイタケ菌床の輸入量が前年を上回るのは11年連続。12月分が前年並みなら年間2万トンの大台を超えることになる。輸入先は99%以上が中国だ。

 現行の産地表示では、輸入菌床を使って国内で培養、発生させたシイタケは国産として販売できる。国内種菌メーカーでつくる全国食用きのこ種菌協会によると、輸入菌床の価格は国産菌床の半額ほど。このため関東地方を中心に海外資本の業者が工場を建て、輸入菌床を使ったシイタケ生産に乗り出すケースが増えているという。

 菌床重量の3分の1がシイタケとして発生するといわれる。18年産の菌床輸入量が2万トンとして計算すると、そこから発生するシイタケは約6700トン。18年の菌床シイタケ生産量が17年産並み(約6万3000トン)だったとしても、全体の1割を輸入菌床から発生したものが占める格好だ。

 菌床きのこ類の中でも特にシイタケは、国産菌床にこだわる生産者が多い。価格の安い輸入菌床を使った国産シイタケの増加は、国内生産者にとって大きな脅威となっている。このため同協会は、販売するシイタケに菌床製造国を表示するなどの制度見直しを求め、消費者庁などと協議を進める。

 さらに 同協会などは2017年、国産菌床で生産したシイタケであることを 消費者にPRするため、登録商標「どんぐりマーク」を作成した。菌床のおが粉原料の75%以上が国産樹木であれば、育てたシイタケに付けて販売できるというもので、国内生産者に積極的な利用を促している。

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