復旧阻む 雪雪雪・・・福井(日本農業新聞)

 記録的な大雪に見舞われた福井県では、農道や細い道路の除雪が追い付かず、降り始めから10日以上たった16日も、被害を受けたビニールハウスなどに近づくことさえできない状況だ。果菜類の定植や水稲の育苗などを控えるハウスも多い中、先の見通しがつかない。昨秋の台風や1月の大雪による影響も尾を引いており、経営に追い打ちをかけかねない。今後も被害拡大が見込まれ、人手や資材の確保ができるのか。農家は不安を募らせている。

ハウス近づけぬ 園芸産地に打撃

 一面雪に覆われた丘陵地が広がる同県あわら市。5日から降り積もった雪は、高さ約3メートルのハウスの屋根近くまでを埋め尽くす。475戸が所属する花咲ふくい園芸組織協議会の上出儀作会長は「50年以上農業を続けてきたが、こんな雪は初めて。24時間で1メートル以上積もり、雨でいえば集中豪雨のような雪だった」と振り返る。自身のハウスの一部でも被害があった。周辺の積雪で近づくこともできないという。

 県内最大の園芸地帯を抱える地元のJA花咲ふくいでは、確認できた園芸用のハウスだけで約200棟がほぼ全壊。3月以降にはメロンなどの定植作業が控えるが、倒壊したハウスの再建を間に合わせるのは難しい状況だ。昨年10月の台風でも、65棟の倒壊を含む計312棟で被害が出た。その復旧半ばで、被害が重なった。

 上出会長は「年間計画が狂えば、産地全体の問題になる。高齢の農家の離農にもつながりかねない」と懸念し、ハウスの撤去にかかる人手や資材などの支援の必要性を強調する。JAは「露地品目に転換してもらうなどして何とか所得を確保したい。まずは状況を確認し、見舞金などの支援を検討していく」(園芸振興課)とする。

除雪や状況調査 県、JA懸命に

 影響を最小限に食い止めようと、県内の各JAや行政の職員らは、被害状況の調査や除雪支援などを懸命に続けている。約130センチの積雪を記録した越前市では、2年前に建てたばかりという耐雪性のハウスも押しつぶされた。急激に降り積もった影響で雪がやんだ後もハウスに近づけず、重みを増した雪で数日たってから倒壊する例も多いという。

 鯖江市や越前市などを管内とする丹南農林総合事務所とJAたんなん、JA越前たけふなどは、合同チームをつくり、9日から休日を返上して、作業に徹している。ただ、農道に降り積もった雪が被害状況の確認や復旧作業を阻んでいる。

 農水省によると、県内の園芸施設共済の加入率は51・8%(2016年度)だが、共済金の支払いには、まず現地での被害状況の確認が必要となる。

全半壊654棟 堆肥舎も

 県によると、農業被害(15日午後5時現在)がパイプハウスの全半壊で654棟、堆肥舎の倒壊で1棟確認されているが、今後も被害件数は拡大する見込みだ。農業生産や組合員の生活の再建に向け、JA福井県五連の雪害対策本部は、被害状況の把握と、人手や資材の確保など、必要な支援に努めていく構えだ。(斯波希)

日本農業新聞

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まるで宝石箱や~ イチゴ「1粒だけ」 高級感で海外向け 奈良(日本農業新聞)

 奈良県のイチゴ農家でつくる「奈良いちごラボ」は今季からイチゴを1粒だけ化粧箱に入れ、高級感を演出した販売で販路を拡大している。ターゲットは海外の富裕層や国内の贈答需要。箱には5L以上の「古都華」「淡雪」「パールホワイト」が入る。1箱の卸値は600~800円で、16日の春節(中国の旧正月)需要を見込んだ出荷がピークを迎えている。

 東京、大阪、奈良の3市場に出荷し、高単価の輸出や百貨店などに販路を持つ仲卸業者が仕入れている。ラボによると、香港での店頭価格は「1箱4000~5000円にもなる」(杉崎保巳会長)という。

 ラボに所属する5戸の農家が生産に携わり、今季は計1万5000個を売る計画。約1000万円の売り上げを見込む。

 「さらに付加価値を高めて販売できないか」(杉崎会長)と思案し、宝石箱に見立てた化粧箱による販売に行き着いた。県内のデザイナーに協力を依頼し開発した紙の化粧箱は、昨年開かれた日本包装技術協会主催の「日本パッケージングコンテスト2017」で食品包装部門賞を獲得した。

 杉崎会長は「タイやスペインの業者とも商談が進んでおり、今後販路を広げ、県産イチゴを世界にアピールしたい」と意気込む。出荷は2月下旬まで。

日本農業新聞

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ジビエ調査 北海道が鹿利用最多 てこ入れ必要な地域も(日本農業新聞)

 農水省は、鹿やイノシシなど野生鳥獣の肉(ジビエ)について、2016年度の都道府県別の利用実態をまとめた。ジビエ利用された野生鳥獣が最多だったのは北海道で2万9189頭・羽と全体の3割を占めた。獣種別では、鹿の利用頭数は北海道、イノシシは兵庫県が最多。一方、鹿やイノシシによる農作物被害が大きいがジビエ利用が進んでいない地域もあり、てこ入れが必要となる。

 調査では、野生鳥獣を扱う全国の食肉処理施設を対象に、鹿やイノシシの他、熊や鳥類などの利用量を聞いた。

 ジビエ利用された野生鳥獣が最多だったのは北海道。兵庫県(6452頭・羽)、和歌山県(4326頭・羽)と続いた。北海道に加え、近畿や中部地方で比較的進んでいる。

 一方、農作物被害が大きいが、ジビエ利用が進んでいない地域もある。例えば、鳥獣による農作物被害額(16年度)が全国2位だった福岡県は1222頭・羽、全国8位だった山口県は998頭・羽にとどまった。

 今回の調査結果を獣種別に見ると、鹿の利用頭数が最も多いのは、エゾシカの利用が盛んな北海道。2万8026頭で、全体の5割を占めた。長野県(3356頭)、兵庫県(3202頭)が続いた。

 イノシシの利用頭数が最多だったのは、「ぼたん鍋」発祥の地とされる兵庫県の3235頭。熊本県(2453頭)、和歌山県(2113頭)が続いた。

 熊は長野県(63頭)、アナグマは鹿児島県(164頭)、カモやキジなどの鳥類は新潟県(2277羽)が最多だった。

 政府は、年間172億円(16年度)にも上る鳥獣による 農作物被害を減らそうと、ジビエの利用を推進する。16年度に1283トンあった利用量を19年度に2566トンに倍増させる目標を掲げる。

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米検査抜本見直し 22年度までに等級廃止 農水省(日本農業新聞)

 農水省が2022年度までに米の農産物検査の仕組みを抜本的に見直す方向で検討に入っていることが14日分かった。検査規格規程で定められている外観検査に重きを置いた1等、2等といった等級を全面的に廃止し、品位鑑定の新たな方法を示す。現行の検査員の目視から、機器による計測にシフトすることも盛り込む。米のトレーサビリティー(生産・流通履歴を追跡する仕組み)制度などを踏まえ、農産物検査を受けなくても、米の販売時に品種や年産などを表示できる方向で検討する。品質の安定した米供給の確保に向け、慎重な議論が必要になる。

 同省は農業競争力強化プログラムに盛り込まれた農産物検査法の規格見直しに向け、具体化を進める。同省が生産者や流通業者などを集めた意見交換会では、「現行の目視による検査はぶれがある」とした意見があった。また、「農産物検査では実需者が求める品質まで調べておらず、社内で独自基準を設けている」(米卸)など流通の実態とずれが生じていることが、制度見直しの背景にある。

 機器による計測に向け、検査機器メーカーは既に対応を進めており、大手3社が共同で穀粒判別器技術委員会を設けるなど、業界で自主的に統一の判別基準の作成を済ませている。米の流通業者が取引で重視する「着色粒」や「死米」などの項目に絞り込み、農産物検査で用いていた「形質」などは外した。農業競争力強化プログラムの方向性と合わせており、業界関係者は「実質、国の品位鑑定基準に沿ったものになるのではないか」とみている。

 農産物検査は06年に民営化して以降、登録検査機関の農産物検査員が検査を担っている。専任の検査員が少ない上、業務が収穫期に集中することから、検査員の確保が課題となっていた。多くの新興銘柄米の出荷基準に1等米の格付けが条件となっているなど、検査は生産現場の良質米生産の指標にもなっている。等級がなくなれば、現場の混乱も想定される。

 国民に食料を安定的に供給する責任を果たすため、農産物検査が果たしてきた役割は大きい。政府は流通の合理化を掲げる一方、品質を担保する仕組みが崩れることがないよう、慎重な対応が求められる。

<ことば> 農産物検査

 米や麦、大豆など10品目が対象。米では品種と年産の表示は農産物検査による証明が前提で、「コシヒカリ」などと品種名を表示するには受検が課せられている。米トレーサビリティ法により産地を表示する際も、未検の場合は「産地未検査」とただし書きが必要。政府備蓄米の買い入れ条件にもなっている。

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施設被害1500件超 2月の大雪 農作物にも(日本農業新聞)

 今月4日からの大雪で、農水省は14日、同日午後3時現在、農業用ハウスの倒壊などの被害が1508件に上ることを明らかにした。昨年からの雪による一連の被害件数の5割以上を占めており、記録的な大雪で、急激に被害が膨らんでいる状況だ。

 4日以降の大雪による被害はその他、野菜や果樹など農作物などで22ヘクタールに上る他、畜舎などでも9件の被害が出ている。一部の県では依然調査中で、さらに被害が広がる可能性がある。

 4日以降の雪も含め、昨年からの雪による被害状況は、農業用ハウスなどは北陸や北海道など20都道府県で2786件、農作物などの被害は253ヘクタール、畜舎などは25件、果樹の枝折れなど樹体の被害は33ヘクタールに上った。

 被害額では農業全体で9億5000万円に上るが、4日以降の雪による被害額は集計中。

 4日以降の大雪によって、北陸で水稲の育苗ハウス、北海道でピーマンをはじめとする園芸作物のハウスなどで被害が広がっている。

日本農業新聞

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ハウス被害1500件超 2月の大雪 農作物にも(日本農業新聞)

 今月4日からの大雪で、農水省は14日、同日午後3時現在、農業用ハウスの倒壊などの被害が1508件に上ることを明らかにした。昨年からの雪による一連の被害件数の5割以上を占めており、記録的な大雪で、急激に被害が膨らんでいる状況だ。

 4日以降の大雪による被害はその他、野菜や果樹など農作物などで22ヘクタールに上る他、畜舎などでも9件の被害が出ている。一部の県では依然調査中で、さらに被害が広がる可能性がある。

 4日以降の雪も含め、昨年からの雪による被害状況は、農業用ハウスなどは北陸や北海道など20都道府県で2786件、農作物などの被害は253ヘクタール、畜舎などは25件、果樹の枝折れなど樹体の被害は33ヘクタールに上った。

 被害額では農業全体で9億5000万円に上るが、4日以降の雪による被害額は集計中。

 4日以降の大雪によって、北陸で水稲の育苗ハウス、北海道でピーマンをはじめとする園芸作物のハウスなどで被害が広がっている。

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JA4割が婚活事業 後継者確保へ活発化 全中調査(日本農業新聞)

 JAの4割超が婚活事業に取り組んでいることがJA全中の全JA調査で分かった。地域の後継者を確保するため、JAが取り組みを活発化させている。JAが取り組んできた旅行客や施設見学者の受け入れなど、都市と農村の交流活動で培った地域外から人を受け入れるノウハウが生きているという。一方で、女性参加者の確保で苦労しているJAもあり、全中は少人数での開催や他団体との連携を対策に挙げる。

 全中は婚活イベントを実施するJAの増加を受けて、2017年度全JA調査に、婚活の取り組みの有無に関する項目を追加。この結果、43%が「実施している」と回答し、10%が「実施していないが、今後実施する予定」と答えた。

 全中は「青年部が中心になって取り組む事例もあるため、実際の数はもっと多くなるだろう」(組合員・くらしの対策推進課)とみる。

 全中によると、リピーター(再来訪者)になる女性参加者もいるといい、「男性農家への関心の高まりと、JAの安心感が背景にあるのでは」(同)とみる。一方で、女性参加者の確保に苦労しているJAもあるという。全中は対策として、大人数を集めるのではなく、相手を見極めることに時間を多く取れる少人数での開催にしたり、婚活に取り組む漁協や商工会をはじめとした他の団体と連携することなどを挙げている。

 JA都市農村交流全国協議会では、婚活イベントを開くJA職員らを対象にした研修会を14年度から開いている。

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大雪の農業被害甚大 6道県ハウス全半壊1300棟超 本紙調べ(日本農業新聞)

 日本海側を中心とした2月の記録的な大雪が、甚大な農業被害を及ぼしている。日本農業新聞が13日、聞き取り調査をした結果、倒壊や半損壊など農業用ハウスの被害は6道県で1300棟を超えた。雪が降り続いている地域は、調査が進んでいないため、被害はさらに拡大しそうだ。

 被害が最も大きいのが福井県。ハウスの倒壊だけで479棟(12日午後5時現在)に上った。育苗ハウスの損壊もあり、春からの水稲栽培に影響が出そうだ。北海道は、日高地方でハウスの被害が530棟。ピーマンやミニトマトなどの園芸作物のハウスに被害が出ている。

 北陸では石川県でもハウス232棟で被害を確認、富山県でも51棟が全半壊した。東北や中四国、九州などでは、被害状況を調査中としており、今後明らかになりそうだ。全国各地でハウスだけでなく、農業施設にも影響が出ている。

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ジビエ処理 移動可能施設 実証へ けん引型で安価に 岐阜県(日本農業新聞)

 岐阜県は、野生鳥獣の肉(ジビエ)の1次処理ができる機能を備えた移動可能な「サテライト施設」の開発に取り組んでいる。2016年度に試作機を製作し、17年度は実証試験を行う。解体施設や自走式のジビエ解体車両の導入に比べ、コストが低いのが特徴。処理施設までの持ち込み時間の短縮も可能で、同県認定の「ぎふジビエ」として流通ができ、同県ジビエの有効活用や猟師の手取り向上にもつながりそうだ。

 サテライト施設は高さ2・75メートル、幅1・8メートル、奥行き3・64メートルの車輪取り付け可能なコンテナタイプ。自動車でけん引できるように、フレームにアルミを使い、軽量化した。県内で木製トレーラーハウスなどを手掛けるモールデック社(同県各務原市)に委託して製造。同社は秋から1台325万円(税別)で受注生産を始めた。

 同施設には個体を検査する前室、床に触れることなく解体できる作業室、零下10度以下で保存できる冷蔵室を完備。血抜きや内臓摘出などの1次処理が可能。鹿なら3、4頭、大型イノシシも収容できる。

 県は、郡上市に試験的に設置。16年度は7頭の解体利用があった。

 県は、県産ジビエの認知を高め、消費拡大のため「ぎふジビエ」として流通させている。そのガイドラインでは、県認証施設に持ち込んで処理するまでの目安が約1時間としている。しかし、山中で捕獲した場合、施設まで1時間以内に持ち込むのは難しいのが実態だ。

 サテライト施設があれば、猟師は1次処理を従来よりも早く行える。“1時間の壁”をクリアしやすくなり、ジビエの安定確保とともに、猟師の手取りアップにもつながることが期待される。

 同対策室は「高価な車両を1台導入するより、低コストな簡易施設を複数設置する方が効果がある。実証試験を通じて改良を重ね、商品化できるレベルに持っていきたい」と意気込む。

 同県の鹿の年間捕獲数は1万7000頭、イノシシは1万5000頭(いずれも14年度)。県鳥獣害対策室は「ガイドラインに沿って処理されたものは、そのうちの5%に満たないのではないか」と指摘する。

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見て、味わってベジフル逸品(日本農業新聞)

 溶かしたチョコレートに乾燥させた野菜や果物を載せて華やかに彩り、冷やして固めた「ベジフルマンディアン」。写真映え抜群とあって、インターネット交流サイト(SNS)上に、写真を投稿する人がいるなど、人気を集めている。

 チョコレートの新しい楽しみ方を提案しようと、菓子メーカーと「日本野菜ソムリエ協会」が協力し、昨年考案した。チョコレートにナッツ類やドライフルーツを載せた洋菓子「マンディアン」をアレンジした。

 同協会認定の「野菜ソムリエプロ」の香月りささんは、バレンタインデーの前に料理教室で作り方を参加者に教えた。「誰でも簡単に作れて見栄えがいい。チョコの甘さが野菜の苦味を抑えるので子どもにもお薦めです」と話している。(江口和裕)

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