ブランド保護 JA率先 団体商標 本物の証し偽物に待った(日本農業新聞)

 農産物の差別化や知的財産の保護につなげようと、JAグループで地域団体商標登録をする動きが広がっている。福島県JA会津よつばは、アスパラガスを登録し、ブランド化を推進。北海道JA今金町は、粗悪品が同JAブランドとして出回るのを防ぐためにジャガイモを登録。類似品と差別化し権利を守るだけでなく、産地に誇りが生まれ、市場の信頼度が上がるなどの相乗効果も生まれている。(齋藤花)

箱の悪用防ぐ アスパラガス 福島・JA会津よつば

 福島県のJA会津よつばは会津地方南部の3町で生産する「会津田島アスパラ」の差別化を図ろうと、地域団体商標に2017年2月に出願し、7月に登録が実現した。

 従来の紫、緑、白色のアスパラガスに加え、同JAが開発し紫アスパラを遮光生産して薄付きピンク色に仕立てる「桜アスパラ」も加え、「会津田島アスパラ」として春限定で直売所や町内の飲食店でPRする。

 「会津田島アスパラ」の登録は、同JAのブランド「南郷トマト」がきっかけだ。同JAの合併前、旧JA会津みなみは07年に南郷トマトを地域商標登録した。他産地が出荷箱を再利用し、「南郷トマト」として出荷することが数回起きたことがきっかけだ。

 商標登録は偽物商品の発生防止に成果を上げ、ブランドの認知度も向上。トマトの年間売り上げは10億円を超える産地に成長した。

 同JA田島営農経済センターの佐藤公生センター次長は「ブランド保護と顧客へのPR効果をトマトで経験しており、登録にちゅうちょはなかった」と強調する。

 登録には3年を掛けて特許庁や県の知財アドバイザーとやりとりをし、周知度合いを実績として証明するため、メディアに取り上げられた件数や内容を明示した。会津田島アスパラガス部会長を務める湯田重利さん(70)は「ブランド化で、部会にプライドと責任が芽生えた」と胸を張る。

周知に力入れ ジャガイモ 北海道・JA今金町

 北海道のJA今金町も、ジャガイモの「今金男しゃく」を今年3月末に登録した。今金町で栽培するでんぷん含有量13・5%の高糖度のジャガイモだ。

 同JAは05年に今金男しゃくのロゴを段ボール箱や商品包装に使ってきたが、同じ名称を使った規格外品が市場やインターネットで出回り、消費者から「欠陥品を得た」などと苦情が寄せられた。

 そこで、偽物を排除するために地域団体商標に出願。登録の要件を満たすために物産展への出品や車両広告などで周知性を高める工夫もした。

 同JAは「今後は、ポテトチップスなどの加工品にも地域団体商標マークを付け、ブランド化のために有効活用する」と計画する。

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静岡茶初取引 平均単価3715円(日本農業新聞)

 静岡茶の2018年産の初取引が18日、静岡市の静岡茶市場で行われた。前年の約6倍に上る1万1900キロが上場された。品質は良好だったものの、上場数量増や新茶商戦がまだ高まっていないことなどから、1キロ平均単価は3715円と前年を3548円下回った。

 最高値は、JA富士宮が出品した「さえみどり」の手もみ茶で、史上最高値が付いた昨年をさらに1万円上回る1キロ109万円で落札された。

 今年は春先の天候が良く生育が前進。1957年に同市場で始まった初取引の中で4番目に早い開催となった。同日は210口の取引が成立した。

 同市場の内田行俊社長は「今年は質量共に期待できる。生産者は安心・安全で良質な茶の生産を、茶商は品質に応じた価格での購入をお願いしたい」と呼び掛けた。

日本農業新聞

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皮ごとパクッ 独自の凍結解凍技術 寒さ・病害虫に強い ともいきBIO(日本農業新聞)

 種苗の研究開発や培養を手掛ける、ともいきBIO(バイオ)は18日、独自の凍結解凍技術で育苗し、国内で栽培できるバナナを開発したと発表した。寒さと病害虫に強く、鹿児島県で栽培が始まっており、糖度が高く無農薬のため「皮まで食べられるバナナ」として限定販売する。

 国内でのバナナ栽培は、沖縄県など温暖な地域に限られていた。同社が開発した「凍結解凍覚醒法」を使って育苗したバナナ苗は、氷点下17度まで耐えられる。温帯地域で栽培でき、定植から収穫までの期間は約9カ月で、通常のバナナの半分以下。病害虫にも強く、田中節三代表は「一度凍らせることでバナナ本来の生命力が現れるのでは」と話す。

 世界ではバナナの木を枯らす「新パナマ病」が広がり、フィリピンなどの産地では生産量の減少が懸念されている。田中代表は「耕作放棄地を活用して鹿児島を拠点に、全国でバナナ生産を目指す」と意気込む。開発した技術はパパイアやカカオなどでも効果を確認し、他の熱帯作物の生産も期待できる。

 生産したバナナは、三重県伊勢市の伊勢安土桃山城下街内の売店やホームページで購入できる。

日本農業新聞

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バナナ 皮ごとパクッ 寒さ・病害虫に強く無農薬 ともいきBIOが販売(日本農業新聞)

 種苗の研究開発や培養を手掛ける、ともいきBIO(バイオ)は18日、独自の凍結解凍技術で育苗し、国内で栽培できるバナナを開発したと発表した。寒さと病害虫に強く、鹿児島県で栽培が始まっており、糖度が高く無農薬のため「皮まで食べられるバナナ」として限定販売する。

 国内でのバナナ栽培は、沖縄県など温暖な地域に限られていた。同社が開発した「凍結解凍覚醒法」を使って育苗したバナナ苗は、氷点下17度まで耐えられる。温帯地域で栽培でき、定植から収穫までの期間は約9カ月で、通常のバナナの半分以下。病害虫にも強く、田中節三代表は「一度凍らせることでバナナ本来の生命力が現れるのでは」と話す。

 世界ではバナナの木を枯らす「新パナマ病」が広がり、フィリピンなどの産地では生産量の減少が懸念されている。田中代表は「耕作放棄地を活用して鹿児島を拠点に、全国でバナナ生産を目指す」と意気込む。開発した技術はパパイアやカカオなどでも効果を確認し、他の熱帯作物の生産も期待できる。

 生産したバナナは、三重県伊勢市の伊勢安土桃山城下街内の売店やホームページで購入できる。

日本農業新聞

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食品ロス推計646万トン 15年度外食など事業系増える(日本農業新聞)

 農水省と環境省は17日、食べられるにもかかわらず捨てられている「食品ロス」が2015年度で646万トンに上るとの推計値を発表した。飢餓に苦しむ人に向けた世界の食糧援助量をはるかに上回る量だ。推計値を公表し始めた12年度以降で最も多く、14年度に比べて25万トン増えた。農水省は「外食産業の市場規模が拡大し、それに伴ってロスも増えている。外食での食べ残しなどの対策が重要になっている」と分析する。

 646万トンのうち、外食産業や食品製造業など事業系の食品ロスは推計357万トンと55%を占めた。残り45%は家庭系。事業系の食品ロス量は、14年度に比べて推計18万トン増えた。内訳は、食品製造業が39%、外食産業37%、食品小売業19%、食品卸売業5%だった。

 同省は、食品製造業での食品ロス対策は一定の成果を上げているとしており、今後は“川下”である外食産業やスーパーなど小売店で食品ロスを減らすことが課題となる。外食店では食べ切りを促すとともに、食べ残した料理は自己責任で持ち帰ってもらうなどの対策を広げていく考え。小売店では手前から商品を取る、見切り品を買うなどを消費者に推奨する。

 農水省は「消費者を巻き込んで、いかに対策に取り組むことができるか。それが食品ロスを減らす鍵になる」とみる。

 同日は、食品ロス削減に向けた新たな啓発資材も発表した。

日本農業新聞

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食品ロス646万トン もったいない どう共有?(日本農業新聞)

 食品ロス対策か、食品衛生を巡るトラブル回避か──。飲食店で食べ残した料理を客が持ち帰る運動が、少しずつ広がってきた。ただ、食中毒の恐れから「リスクが大きい」と敬遠する店も多い。農水省の17日の発表では、食品ロスは年間646万トンにも上る。政府や自治体は、持ち帰りに対し、自己責任を前提に進めていくことを呼び掛ける。(猪塚麻紀子、尾原浩子)

専用容器を普及 残したらお持ち帰り

 横浜市のイタリア料理店「Pizzeria Passo(ピッツェリアパッソ)」。歓迎会で同店を訪れた近隣の会社員、吉村浩志さん(27)が笑顔で店から渡された「シェアバッグ」にピザを詰めて持ち帰った。同店はシェアバッグを紹介し、食べ残した料理を持って帰ってもらうよう客に呼び掛ける。

 山口征二マネジャーによると特に団体客から好評で、食べ残しは半分に激減した。「パッケージもかわいく、喜んで持ち帰ってもらっている」と手応えを話す。

 同市では、「食べ残しをする人が多く、作ったのにもったいない」という飲食店の声を受け、市と飲食店予約・グルメ情報サイトの「ホットペッパーグルメ」が協力。約100店舗の飲食店が中心となって、シェアバッグの普及を進める。持ち帰り用の紙箱と紙袋を配るキャンペーンを4月末まで開く。同店はキャンペーン終了後も続ける意向だ。

 長野県は食品ロスの削減を目指し、飲食店や宿泊事業者の協力を得て食べ残しを減らす運動を展開する。

 運動に呼応し、JA佐久浅間の多目的ホール「べルウィンこもろ」は2年前から、宴会時などに料理を持ち帰ることができる容器を準備している。当初、従業員が詰めていたが保健所の指導で、現在は客自身が詰めるように変更した。生ものは避けるなどの注意点も説明する。

 「お客さんは、当たり前のように喜んで持ち帰ってくれるようになった。注意点をしっかり伝えれば、問題はない」と、宮下富雄支配人は実感する。容器代は店側の負担だが、大量発注しており大きな負担ではないという。

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咲かせてみせましょもう “一花”(日本農業新聞)

 熊本県宇城市の宮川洋蘭が作る、規格外のランの花を使ったボトルフラワーが人気だ。デンファレやカトレアを乾かしてガラス容器に密封し5年以上、色が保たれるという。

 同社は約300種類のランを栽培し、年間およそ20万鉢を出荷する。形が出荷に向かず廃棄していた花を生かそうと、水分が多いランの花を1週間ほどかけて乾かす方法を考案。「森のグラスブーケ」と名付け2013年に売り出した。製作担当の小田美佐登さん(37)は「乾かした花は破けやすく、丁寧に作業している」と話す。

 贈り物向けに人気を集め、インターネットなどを通して年間約3万個を販売。1個1500円(税別)から。専務の宮川将人さん(39)は「生花を持ち込めない病院の場合でもお見舞いに役立っている。多くの人に華やぐ気持ちを味わってほしい」と話す。(木村泰之)

日本農業新聞

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「ガーベラ記念日」向けPR 産地と小売り連携 需要喚起に注力 フェアや市場展示(日本農業新聞)

 4月18日の「ガーベラ記念日」に向け、産地と小売店、市場関係者が一体となり消費地で売り込みを強めている。チェーン店で販売フェアを積極的に仕掛け、市場で展示してアピールするなど、消費の掘り起こしに力を入れる。洋花取引が苦戦する中、売り込みでガーベラの相場が上向くなど効果も出てきた。卸売会社は「母の日(5月13日)までは安定した引き合いが続く」と見通す。

 東京都内の生花店、モンソーフルール銀座店は16日、静岡県JAハイナンのガーベラフェアを始めた。大輪7本、小輪12本束(共に1080円)をメインに、1週間で7000本以上の販売を予定。同店は「他の春商材の出回りが落ち着き、売れ行きは良い」とみる。

 主産地のJA静岡経済連は今シーズン、都内の生花店20社以上と連携して売り込みを仕掛ける。「4月は生花の出荷が最盛期となるが、ガーベラは販促の機会が少なかった。継続的な販促で小売店も消費拡大に手応えを感じている」と同連。

 静岡と愛知、和歌山、福岡の4県のJAグループなどは合同で今月、都中央卸売市場大田市場で品種展示を実施。16日には千葉県の生産者が仲卸会社と消費宣伝もした。

 相場も上向いてきた。16日の日農平均価格は1本23円と4営業日連続で上伸。卸売会社は「記念日に向けて売り込みを強める生花店が増えた」と話す。記念日以降の販売について、卸売会社は「需要はいったん落ち着く。だが、春の季節花が終盤を迎えているため、母の日に向けて再び上向く」と見通す。

<ことば> ガーベラ記念日

 全国ガーベラ生産者交流会で2005年に記念日に制定。出荷最盛期であり、国産品種が初めて登録された4月と、「よいはな(4月18日)」の語呂を掛けた。

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訪日客「商機」 農畜産物 日本土産に(日本農業新聞)

 インバウンド(訪日外国人)に、日本産の農畜産物を土産として売り込む動きが広がってきた。和歌山市の事業者は、JAと連携し検疫済みの果物を旅行者が空港で受け取れる検疫代行サービスを開始。検疫が不要な国の旅行者にターゲットを絞り、厳選した農畜産物の専門店を設ける空港も出てきた。国や品目によって動植物検疫の条件が異なるため、販売を増やすには条件に合わせたサービスやPRが求められそうだ。(斯波希)

JAと連携検疫代行 和歌山の企業

 地域特産品のブランド戦略などを手掛けるスターフードジャパン(和歌山市)は2017年から、和歌山県特産のかんきつや桃、イチゴなどをインバウンドに持ち帰ってもらおうと、関西国際空港内での検疫代行サービスを始めた。

 大阪市内のホテルに申込書を設置し、注文のあった商品を同県のJA紀の里から調達。最短4日で、出国時に空港内にある同社直営の土産物店で検疫済みの商品を受け取れる仕組みだ。

 検疫が必要な国からの旅行者が農産物を土産として持ち帰る場合、帰国時に植物防疫所や空港内の検疫カウンターへの持ち込みが必要だ。代行で手間を省くことで、気軽に果物を持ち帰れる。

 今夏には、旅行者がインターネット上で検疫代行の申し込みや決済ができる電子商取引(EC)サイトを立ち上げ、利便性を高める。同社の新古祐子代表は「工場で大量生産されたものではなく、地域ならではの手作り品を海外に発信したい」と話す。JAは「産地を知ってもらい、実際に訪れるきっかけになればうれしい」(直売課)と期待する。

手間なし空港へ配送 兵庫の道の駅

 兵庫県朝来市の道の駅・但馬のまほろばは、直売コーナーの農産物をインバウンドに売り込もうと、検疫条件の案内と関西国際空港への配送サービスを16年に始めた。1件2000円で、事前にツアー会社を通じてちらしを配布するなどしてPRする。

 今後、シンガポールからの誘客に力を入れる方針だ。個人消費用の簡易証明書が添付されていれば、空港での手続きなしで牛肉を持ち込める同国向けに「但馬牛」などを売り込む戦略。福丸泰正支配人は「都市部の観光に飽きた外国人は、地方に流れてくる。収穫体験なども含めて但馬の食をPRしていきたい」と意気込む。

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伝統絶やさぬ  150キロ超てんてこ舞い 桜の塩漬け(日本農業新聞)

 食用八重桜の産地、神奈川県秦野市で「桜の塩漬け」の加工作業がピークを迎えている。同市千村地区で収穫から加工、販売までを手掛ける農家グループ「千村若竹加工部」のメンバーが、漬け込み作業を進めている。

 花びらのピンク色が濃い品種「関山」の花を軸が付いたまま、白梅酢と塩で漬け込む。「かながわブランド」などに登録されている。今年は150キロ以上を加工。JAはだの農産物直売所「はだのじばさんず」や特産センター秦野・渋沢の両店で、6月から販売を始める予定だ。

 メンバーの岩佐スエ子さん(78)は「手間の掛かる作業だが、秦野の伝統を絶やさないように仲間と共に続けていく」と話した。

日本農業新聞

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