大和ハウス、IoT住宅「コネクテッドホーム」 来年上期に商品化(日刊工業新聞電子版)

■音声認識で家電や住宅設備操作

 大和ハウス工業は大阪と東京・渋谷の住宅展示場2カ所で、米グーグルの人工知能(AI)搭載スピーカー「グーグルホーム」などを活用したIoT住宅の実証実験を始めた。同実験は順次拡大し、年内に全国計10カ所の展示場で行う。展示場での体感を通じて、主力の戸建て住宅「ジーヴォΣ」に同機能を搭載した新商品を2018年上期に発売予定。IoTとAIを組み合わせた戸建て住宅の提案に乗り出す。

 実証実験は大阪府吹田市の大和ハウス住宅展示場で22日、公開された。住宅にIoT機器対応の照明器具やテレビ、カーテン、ロボット掃除機を設置。来場者は音声認識によりカーテン開閉やテレビ、照明のオンオフなどの操作を体感できる。

 実証実験を通じ、住宅設備や家電がネットワークでつながることで利便性の高い豊かな暮らしを提案する。顧客にグーグルホームを活用したIoT機器を体験してもらい、使いやすさなどを検証する。得た知見を今後のサービスに生かす。最終的に、IoT化した戸建て住宅の概念「コネクテッドホーム」を実現していく。

 現在のスマートハウス(次世代環境住宅)はエネルギーの有効活用が中心。その中で同社は「建てた後も顧客と寄り添う手段としてコネクテッドホームを提供したい」(和田哲郎執行役員住宅事業推進部長)としている。大和ハウスは、01年に携帯電話対応のカギの施錠や、照明を制御する留守宅モニタリングシステムを開発。05年にはホームネットワーク接続で尿糖値を測定するトイレなど、他企業との連携でIoT製品や同サービスを提供してきた。

 コネクテッドホーム普及には各企業との連携が重要になる。大和ハウスはグーグル以外に東急グループのイッツ・コミュニケーション(東京都世田谷区)のホームコントロールサービスも活用する。顧客のIoT活用の現状は「あったら便利だが、なくても困らない」という考えが根強い。顧客ニーズを掘り起こすサービスが提供できるか、コネクテッドホームのカギとなる。

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最大積載量700kg、ダイヘンが自律走行AI搬送ロボを実用化(日刊工業新聞電子版)

■独自オムニホイール4輪駆動、高精度に全方向移動

 ダイヘンは目的地と作業内容の指示だけで自律走行し、700キログラムの重い荷物を自動で運ぶ「AI搬送ロボット」を実用化した。重量物を独自開発の足回りでしっかりと支える。人工知能(AI)を活用し、事前に入力した工場地図情報と周囲検知で、最適経路を判断する。部品搬送やロール紙搬送、冷凍倉庫内搬送、車のフレーム搬送などの用途を想定する。

 11月末に受注を始め、2018年4月の納入開始予定。価格は未定。ロボット本体に給電するワイヤレス給電システムを含め提案し、22年度に売上高10億円を目指す。

 主力生産拠点の六甲事業所(神戸市東灘区)に近く2台配備する。生産した溶接ロボを自動で上階からエレベーターを使いトラックヤードまで運ぶ作業をさせる。顧客に工場を見学してもらい、需要を開拓する。

 製品サイズは幅1230ミリ×奥行き1480ミリ×高さ400ミリメートル(リフター下降時)。全方向移動と緻密な運転制御を可能にする独自開発のオムニホイール4輪を装着。液晶搬送ロボの設計技術を応用して部品寸法精度を高め、搬送時のがたつきを最小限に抑えた。

 他社品の多くはキャスターで荷物や本体を支えている。同製品は4輪で支えることで15ミリメートルの段差も安定姿勢で乗り越える。

 走行速度は時速2・5キロメートル。周囲センサーで4メートル四方の状況を把握する。人や障害物を自動回避しつつ、前後左右・斜めの全方向移動で狭い通路も進む。センサーとカメラで、重量物搭載時でもプラスマイナス2センチメートルの精度で目的位置に停止できる。

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COP23、成果乏しく閉幕 米離脱で資金面の不安表面化(日刊工業新聞電子版)

■米離脱で資金面に不安

 2020年以降の地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」のルールづくりを進めるため、ドイツ・ボンで開かれた国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23、11月6―18日)は、目に見える成果が乏しいまま閉幕した。合意文書には実施指針(ルールブック)の18年(COP24)採択に向けた作業の加速が盛り込まれたが、同会議では各国の意見をまとめただけにとどまった。トランプ米大統領によるパリ協定からの離脱表明で不透明感が増し、交渉の足かせになっている面も否定できない。

 パリ協定は先進国に温室効果ガス排出削減を義務付けた京都議定書(97年、COP3で採択)に代わって20年以降、すべての国が協調して地球温暖化対策に取り組む国際条約。各国が自主的に温室効果ガスの排出削減目標を策定し、5年ごとに見直して取り組みを徹底するスキームだ。15年のCOP21で採択され、オバマ政権時代の米国と中国が批准の先陣を切り、16年11月に締結国数などの要件を満たして発効した。

 採択後1年足らずでの発効は国際条約として極めて異例。直後にモロッコ・マラケシュで開かれたCOP22に合わせてルールづくりのための会合も開かれたが、準備作業が追いつかず2年後のCOP24までに、検証や報告などの詳細な運用ルールを策定することが決められた。

■トランプ・ショック、前進ムードに水

 COP22で日本など批准が遅れた国を含め、すべての国がルールづくりに参加できる措置が取られ、協定発効の祝賀ムードが広がっていたところに水を差したのが、開幕直後の米大統領選。民主党のオバマ前大統領による温暖化対策を真っ向否定していた共和党のトランプ氏が勝利し、“トランプ・ショック”となった。

 だが、オバマ大統領とともに批准の先陣を切った中国政府は選挙結果を受け「我々は自国で決めた目標に向かって温暖化対策を進めていく」と表明。先進諸国首脳もこぞって温暖化対策に取り組む強い意志を示し、パリ協定を採択したCOP21のモメンタム(勢い)は維持された格好だ。

 トランプ米大統領が大統領選での公約通り、パリ協定からの離脱を表明したのは今年6月。国際社会は平静を保ったが、最も影響が懸念されていたのが途上国への資金支援。パリ協定では、すでに先進国側で合意した20年までに官民合わせて年間1000億ドル(約11兆円余)をベンチマークに増額する方向だけが示されていたが、当然、米国抜きでの上積みは難しい。

 今回のCOP23で、この懸念が表面化した。途上国はルールづくりに当たり資金支援の増額を担保する仕組みを求め、議論を深めることができなかった。長年にわたり先進国が大量に排出してきた温室効果ガスに起因する気候変動による海面上昇(高潮)などで生じた損失・被害への補償問題もくすぶる。

 交渉を見守った名古屋大学大学院環境学研究科の高村ゆかり教授は「COP24でのルールブック合意に向けて、作業は着実に進んだと思う」と前向きに評価する。ただ、先進国のみに削減目標を課した京都議定書と異なり、パリ協定は途上国も対象。「その交渉は京都議定書以上に難しいものになる」(高村教授)と合意に向けた作業が容易ではないことも指摘する。

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LINEで起業相談、AIが回答 中小機構がチャットボット(日刊工業新聞電子版)

■来春から試験サービス

 中小企業基盤整備機構は、人工知能(AI)が顧客の相談に回答する新たなサービスについて、対話アプリケーション「LINE」を使って2018年3月に運用開始する。利用者が起業や経営に関する質問を入力すると、AIが中小機構のサービスなどを元に適切な回答を返す。窓口での相談とは異なり年中何時でも回答でき、若年層に親しまれているLINEでやりとりすることで、20代後半―30代前半の起業希望者を支援する。

 新たなサービスは、AIにより、利用者に会話形式で情報提供する中小機構の自動応答サービス「起業支援チャットボット」。LINEのほか、中小機構の経営支援サイト「J-Net21」で提供する。利用は無料。

 例えば、「起業にはどんなお金が必要か?」といった質問を入力すると、中小機構が保有するデータからAIが瞬時に適切な回答を判断。「新しいビジネスを始めて軌道に乗せるためには、開業資金、運転資金、当面の生活資金が必要です」といった簡単なメッセージで答える。専用キャラクターを設定するほか、支援事例の紹介や関連サイトの案内も行う。

 18年3月の運用開始後はAIがデータを学習して回答精度を上げ、10月に本格稼働する計画。将来は音声対応にもつなげる。

 中小機構は、起業したいが具体的な準備や方法が分からない「初期起業準備者」が約42万人いると見ている。これまで起業準備者が事業計画の策定や資金準備などに役立つ支援策の情報を取得するには、相談窓口に出向いて対面で聞くか、ホームページの膨大な情報の中から自分で探すなど手間がかかっていた。

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東京都心マンション販売、高額物件勢い衰えず(日刊工業新聞電子版)

■契約率90%、大手と中堅の差拡大

 大手不動産各社のマンション販売が堅調だ。住友不動産は4―9月のマンション契約戸数が過去最高を更新。三井不動産は4―9月期の個人顧客向け住宅分譲が売り上げ計上戸数、1戸当たり単価とも前年同期を上回った。三菱地所や東急不動産ホールディングス(HD)、野村不動産ホールディングス(HD)も2018年3月期計画に対する契約が順調に進んでいる。首都圏マンション市況全体が低迷するなか、大手の健闘ぶりが目立つ。

 住友不動産の4―9月期は、マンションと戸建て住宅を合わせた売り上げ計上戸数は前年同期比6・8%増の3763戸となり、9月末時点で18年3月期の売り上げ計上戸数に対する契約率は90%となった。「東京都心部やタワーマンション、郊外の物件も総じて売れ行きは順調」(尾台賀幸取締役)。20年3月期に引き渡し予定の物件の契約も進んでいるという。

 三井不動産レジデンシャルは横浜市で建設中の分譲マンション「ザ・タワー横浜北仲」を25日に発売する。第1期販売の最多価格帯は6600万円台で730戸を発売する予定。不動産経済研究所によると10月に販売戸数が100戸を超えた物件はなかった。佐藤雅敏三井不動産取締役は「付加価値が高く、駅前で住みやすい立地の物件は評価が高い」と足元の好調ぶりを説明する。

 野村不動産HDの4―9月期はマンションの売り上げ計上戸数が、前年同期比10・2%増の2006戸となった。「販売のスピードアップが数字に表れている」(沓掛英二社長)。粗利益率の低下から住宅部門の営業利益は減少したが、マンション市場の価格高騰に対し、戦略的に価格を抑えている面もある。

 一方、マンション市況自体は決して好調ではない。不動産経済研究所によると10月の首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)マンション発売戸数は2カ月連続で前年同月を下回った。1―10月累計では2万6052戸と前年並みの低水準で、年間では2年連続の4万戸割れも懸念されている。最も発売戸数が多かった00年の半分以下。

 同研究所の松田忠司主任研究員は「今は全体的に在庫処理が進んでおり、完成済み在庫数は非常に低い水準で推移している」と解説する。足元の発売戸数の減少は今後の決算に響く可能性がある。

 ただし「大手が主戦場とする東京23区内の市況は悪くない」(松田主任研究員)。大手が得意な富裕層向けの高額物件の売れ行きも好調に推移しており、今後は中堅以下のデベロッパーとの差がさらに広がる可能性がある。

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国産初、量子コンピューターがもたらすインパクト(日刊工業新聞電子版)

■NTTなど開発、27日からクラウド経由で一般利用

 これまで量子コンピューター開発で後れをとっていると言われてきた日本。ついに国産初の量子コンピューターがお目見えしました。

 NTT物性科学基礎研究所、国立情報学研究所などが内閣府の支援事業である「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT=インパクト)」の一環として開発した「量子ニューラルネットワーク(QNN)」計算装置がそれ。20日にメディアに公開するとともに、11月27日からはクラウド経由で一般ユーザーも利用できるようにすると発表しました。(リンク先はhttps://qnncloud.com)

 これまで量子コンピューターの分野でもっぱら注目されてきたのは、米国のグーグルやIBMなどが進める量子ゲート型、それにカナダのディーウェーブ・システムズが実用化した量子アニール型でした。QNNはそれらとは原理や構造が異なり、光の量子力学的な特性を利用したネットワーク型と言われるものです。他の二つのタイプに比べ、超電導素子を使っていないので極低温まで冷却する必要もありません。

 QNN計算装置の主な構成要素は、長さ1kmのリング状の光ファイバー、光増幅器、それに後からプログラムを組み込める半導体チップのFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ)と、いたってシンプル。光ファイバー中に光増幅器で生成した最大2000個の光パルスを巡らせ、解きたい問題に対応する相互作用をFPGAから加えると、光ファイバー中を1000回周回したあたりで2000個のパルス群が全体として最もエネルギーの小さい、安定した位相の組み合わせを取り、それが問題の答えになるのだという。

 例えば、27日からQNNのクラウドで提供する「最大カット問題」。それぞれがつながりを持った複数の要素(ノード)をグループ分けするのに、違うグループに分割した時の要素のつながりの数(カット数)が最大になるようにする、代表的な組み合わせ最適化問題です。

 QNNでは、2000人の人がいてそのうち誰かを嫌いだと思う人間関係が2万組ある場合、それをグループ分けする最大カット数が1万3313だと、わずか5ミリ秒以内に計算。20日に会見したNTT物性科学基礎研究所の武居(たけすえ)弘樹上席特別研究員によれば、「通常のコンピューターが長い時間かけて計算した答えより、良い回答が得られた」そうです。

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日本のベンチャー投資 17%増も米国の50分の1(日刊工業新聞電子版)

■圧倒的な海外勢との差

 ベンチャーエンタープライズセンター(VEC)がまとめた年次報告「ベンチャー白書2017」では、2016年度の日本のベンチャーキャピタル(VC)による国内外の総投資額は1529億円と前年度比17.4%増となった。国内向けでは同24.9%増と着実に増加。だが、圧倒的な伸びを示す米国や中国などの海外勢と比べるとその差は歴然で「日本の大きな課題」(市川隆治理事長)だ。人材や技術、資金面などの環境整備を進めたオープンイノベーションの加速が日本経済に求められている。

 VECは日本に法人格があるVCなどに対して「2016年度に行ったベンチャー企業への投資」をテーマにアンケートを実施し、114社から回答を得た。それによると、2016年度の総投資額は前年度比17・4%増の1529億円、投資先件数は同19・4%増の1387件だった。投資金額はリーマン・ショックの翌年度(09年度)で底を打ったのを機に、現在は回復傾向にある。政府や関係機関がスタートアップ企業に対する支援に乗り出したり、事業会社がベンチャー投資を積極的に実施したりしていることなどが背景だ。

 国内向け投資額は前年度比24・9%増の1092億円となり、13年度以降は堅調な伸びを示す。投資件数は1108件と同16・1%増えた。

■伸び際立つ「バイオ・医療」

 業種別でみると金額ベースで「IT関連(パソコン・モバイル・通信など)」が約半数を占め47・0%。次いで「バイオ、医療、ヘルスケア」が23・5%。「IT関連」は、金融とITを融合したフィンテックやIoT、人工知能(AI)といった成長分野の投資がけん引したが、前年度から4・9ポイント下落し「アプリを含めスマホへの投資はほぼ一巡した」と見る向きも多い。

 一方、1件当たりの平均投資金額が大きい「バイオ、医療、ヘルスケア」は4・8ポイント増加と伸びが目立つ。17年度の国内ベンチャー投資額について、市川隆治理事長は「今後も着実に増えると見ている」と分析する。

 日本のVCによる海外向けの投資は2・4%増の429億円だった。北米、欧州への投資が増加したが、中国への投資は減少した。米国向けはコンピューター、バイオ関連が増えた。欧州向けは、15年度は「IT関連」のみだったのに対して16年度は「バイオ、製薬」「金融・不動産、法人向けサービス」が加わり、業種の広がりが見られた。

 米国、欧州、中国、日本の4地域におけるベンチャー投資を国際比較すると、日本(1529億円)は海外を大きく下回る。米国は7兆5192億円。中国は2兆1526億円、欧州は5353億円と続く。米国は前年をピークに金額・件数ともに減少したが、全米で急成長を遂げつつあるスタートアップ企業の新製品開発に向けた投資が旺盛。他の地域は横ばいだった。

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誕生から10年「ヒトiPS細胞」 近づいた再生治療(日刊工業新聞電子版)

■再生医療、進む他家移植ストック

 京都大学iPS細胞研究所(CiRA)所長の山中伸弥教授が、ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)作製に成功したと発表し今月で10年になる。人体の組織を再現できる細胞として期待され、再生医療や創薬・薬剤試験、疾患の仕組み解明などの応用が進む。iPS細胞の研究の今を追った。

 6日に京都市内で開かれたCiRA主催のシンポジウムで、山中教授は「多くの科学者の熱意と努力のおかげで急速にiPS細胞の活用研究が進んだ」と手応えを強調した。

 中でも研究が大きく進んだのは、再生医療分野。最近は他人のiPS細胞を使用する他家移植の研究が主流。CiRAは良質なiPS細胞のストック作製を進めている。患者本人の細胞を使う自家移植に比べ、事前に良質な細胞を貯蔵できるため、迅速な治療が可能だ。

 理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらによる眼疾患の加齢黄斑変性治療は、臨床研究まで到達している。今年2月に網膜色素上皮細胞懸濁液の他家移植の臨床研究が始まり、5件の手術を完了した。

■ヒトへの影響確認、臨床リスク低減へ

 心臓病の治療の研究も進む。大阪大学大学院医学系研究科の澤芳樹教授らは、他家iPS細胞から作製した心筋細胞シートの臨床研究を2018年前半に始める。澤教授はマイクロファイバーを培養の足場とし、人工的に細胞配列の方向性をそろえた成熟度の高い心筋細胞組織片の作製成功にも携わっている。次世代の再生医療製品として期待される。

 山中教授も今後の発展を期待するのが、iPS細胞から分化した細胞や組織で医薬品の有効性や毒性を評価する創薬研究。動物実験で確認しきれなかったヒト独自の生体構造への影響を確認できる。臨床試験のリスク低減につながる。

 治験が実現した創薬研究が、CiRAの戸口田淳也教授と池谷真准教授らの進行性骨化性線維異形成症(FOP)治療研究。患者由来のiPS細胞を使い、約7000種類の化合物の反応から免疫抑制剤「ラパマイシン」の症状抑制効果を発見した。既存薬の新たな効果の発見としても注目度は高い。

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国内ワインメーカー、自社畑の充実急ぐ メルシャンは倍増(日刊工業新聞電子版)

■過当競争で収益上がらないチリワイン

 日本のワインメーカーが、自社畑の充実を急いでいる。メルシャンは合計約40ヘクタールある自社畑を、2027年までに同76ヘクタールへ増やす計画。背景にあるのが品質管理とともに、ブドウの安定調達。サッポロビールやアサヒビールなど同業各社も、自社畑の取得や拡大に動く。国内ワイン農家の高齢化進展もあって、自社畑の拡大が急務になっている。

 「ワイン市場を活性化するため、新たな起爆剤が必要だ」―。メルシャンの代野照幸社長は力を込める。ビール市場縮小が続く中、ワイン市場は伸びてきたが、16年の出荷数量は前年比ほぼ横ばい。17年も同傾向が続く公算が大きい。

 15年までワイン市場の伸びをけん引したのは、チリワインだった。チリはEPA(経済連携協定)の関係で他国より関税が安く、各社が競って1本500円前後の低価格ワインの輸入を拡大。大手スーパーもプライベートブランド(PB)で輸入を増やした結果、店頭にはチリワインがあふれている。店頭競争のため利益が出にくくなっているうえ、円安と現地不作で調達コストが上昇している。

 メルシャンは過当競争で収益が上がらないチリワインに代わり、国産ブドウの日本ワインに期待を寄せる。日本ワインは単価も1本数千円台で、収益性が高い。国際コンクールの相次ぐ入賞と和食人気で、関心が高まっている追い風もある。

 日本ワインの構成シェアは約5%。その中でメルシャンは販売量を16年の3万5000ケース(1ケースは720ミリリットルの12本換算)から、27年に6万7000ケースへ増やす青写真を描く。

 サッポロビールは安曇野池田ヴィンヤード(長野県池田町)の新たな畑に、18年にブドウ苗木を植栽する。「畑面積を広げることで原料確保と最大化を図りたい」と同社。アサヒビールは北海道余市町の自社畑で、サポーター募集を始めた。ブドウの芽かきや剪定(せんてい)、収穫作業などを一緒にやることで日本ワインの認知を広げる意向だ。初ワインは23年の出荷を計画している。

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三菱電、走行しながらインフラ劣化点検 8Kカメラで高精度化(日刊工業新聞電子版)

■3次元レーザー併用、検出精度は0.3mm

 三菱電機は、専用車両を使って、トンネルなどの交通インフラ設備を計測・解析し劣化を検出するサービスを始めた。車両に搭載したレーザーとカメラにより、道路や鉄道を計測・解析し、幅0・3ミリメートル単位のひびまで自動検出できる。道路管理事業者や鉄道会社に提案する。

 三菱電機が始めたサービスは「三菱インフラモニタリングシステム(MMSD)II」で、料金は個別見積もり。

 小型トラックに自動焦点機能を備えた「8K」の高解像度ラインカメラと高密度3次元(3D)レーザーを搭載し、走行しながらトンネル全周や道路を計測して解析。ひび、ボルトの取り付け状態、漏水状況などを点検できる。車両は鉄道車輪を備えており、レール上も走れる。

 三菱電機は今回のサービスの前身となる「MMSDI」を2015年10月に始めた。乗用車を使ったMMSDIはカメラを標準搭載しておらず、レーザーによる3D計測データの作成が主な用途だった。MMSDIIでは新たに高解像度ラインカメラを搭載し、より細かく劣化状態を点検できるようにした。

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