2018年度、企業の29.3%が「増収増益」見込み(帝国データバンク)

国内景気は、世界経済の回復を受けた輸出拡大や設備投資の増加などを背景に拡大基調で推移している。しかしながら、人手不足の深刻化や原材料価格の上昇など企業のコスト負担の増大などは、景気拡大を抑制する懸念材料ともなっているうえ、地域や業界、規模によって景気動向が業績に与える影響は異なる。

そこで、帝国データバンクは、2018年度の業績見通しに関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2018年3月調査とともに行った。

※調査期間は2018年3月16日~31日、調査対象は全国2万3,137社で、有効回答企業数は1万94社(回答率43.6%)。なお、業績見通しに関する調査は2009年3月以降、毎年実施し、今回で10回目

2018年度の業績見通し

2018年度(2018年4月決算~2019年3月決算)の業績見通し(売上高および経常利益)について尋ねたところ、「増収増益(見込み)」と回答した企業は29.3%と2年連続で増加し、過去最高だった2014年度見通し(30.5%、2014年3月調査)以来となる水準まで上向いた。また、「減収減益(見込み)」は1.0ポイント減少したほか、企業の46.8%が「増収」(「増収」は、「増収増益」「増収減益」「増収だが利益は前年度並み」の合計)、36.4%が「増益」(「増益」は、「増収増益」「減収増益」「増益だが売り上げは前年度並み」の合計)を見込むなど、2018年度業績は改善を見込む企業が多くなっている。他方、2017年度実績見込みは「増収増益」が32.8%、「減収減益」が19.4%となり、前回調査の2016年度実績見込みより改善した。

2018年度の業績見通しを上振れさせる材料を尋ねたところ、「個人消費の回復」が33.0%で最高となり、7年連続で上振れ要因のトップとなった。次いで、「公共事業の増加」「所得の増加」「東京五輪需要の拡大」「消費税率10%への引き上げを控えた駆け込み需要」が続いており、2020年五輪需要や駆け込み需要を上振れ材料として考える企業も多い。また、「人手不足の緩和」をあげた企業は14.9%となった。

一方、2018年度の業績見通しを下振れさせる材料では、「人手不足の深刻化」が39.3%で最高となった。次いで、「個人消費の一段の低迷」「原油・素材価格の動向」「所得の減少」「公共事業の減少」が続いた。また、労働市場がひっ迫するなか、「人手不足の深刻化」を下振れ材料にあげた企業は4割近くにのぼっており、労働力の確保・維持に危機感を強めている様子がうかがえる。

【関連記事】

個人投資家を中心に債権者は約270名、プレミアバンク破産開始(帝国データバンク)

 (株)プレミアバンク(TDB企業コード:533002498、資本金3500万円、登記面=神奈川県横浜市神奈川区栄町11-4、代表真山壮氏)は、東京地裁へ4月10日に自己破産を申請し、19日に破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は片山英二弁護士(東京都中央区八重洲2-8-7、阿部・井窪・片山法律事務所、電話03-3273-2600)。債権届け出期間は5月24日まで。

 当社は、2010年(平成22年)12月に設立され、有価証券、土地を中心に海外案件に投資していた。投資資金は当社発行の5年償還社債の販売により、個人投資家を中心に一部法人などから集めていた。投資物件は海外ファンドが発行する有価証券を中心に、ミャンマーやフィリピンの転売用不動産のほか、ベトナム国債、インドネシア政府保証債、マレーシアのコンドミニアムなど多岐にわたり、2016年11月期の年収入高は約8000万円を計上していた。

 しかし、従前から財務面は大幅な債務超過状態が続いていたうえ、投資案件の低迷などからここに来て事業継続を断念し、2018年3月末をもって実質的な活動を停止していた。

 負債は個人投資家を中心に債権者約270名に対し約20億円。

寛永3年(1626年)創業の工事用木製型枠製造業者、破産申請へ(帝国データバンク)

 (株)パネシス(TDB企業コード:570017698、資本金4600万円、大阪府岸和田市木材町17-5、代表貴多野秀史氏、従業員8名)は、4月23日に事業を停止し、事後処理を仲井敏治弁護士(大阪府大阪市中央区備後町2-4-9日本精化ビル8階、仲井敏治法律事務所、電話06-6208-3277)に一任した。今後、自己破産を申請する予定。

 当社は、1626年(寛永3年)に木材商大阪屋五兵衛として創業、1956年(昭和31年)2月に法人改組した老舗の工事用木製型枠製造業者。創業以来木材商を営んできたが、54年から松パネルの生産を開始し、型枠主体の業態に変更していた。特殊形状に対応した土木・建築工事向け型枠製造のほか木材・合板の卸も手がけ、高い加工技術を背景として兵庫県立美術館、淡路夢舞台国際会議場・ホテル、京阪電鉄中之島新線など各工事に実績を持ち、ピークとなる96年2月期には年売上高約22億400万円を計上していた。

 しかし、住宅市況の低迷や公共工事削減に加え技術力の高い職人の流出なども重なって年商は縮小傾向で推移。物流パレット、ウッドデッキなど新商材の開発を進めて事態の打開に努めていた。その後も基礎杭打ちの偽装問題を背景としたマンション建設の遅れ、特殊型枠の需要縮小に伴い、2017年2月期の年売上高は約3億3700万円にまでダウン、2期連続で営業段階からの赤字計上を余儀なくされていた。

 多額の在庫を抱えるなか、借入金の返済負担は重く厳しい資金繰りのなか、2017年1月には本店土地建物を売却。リストラにも取り組んでいたが、一部社員が独立するなど体制面での混乱も見られたことで業績低迷に歯止めが掛からず、資金繰りはひっ迫。事業の継続を断念し今回の事態となった。

 負債は約3億円。

ホテル・旅館経営業者の2016年度収入高合計、過去10年で最高(帝国データバンク)

年商規模による二極化が鮮明に

1.ホテル・旅館経営を主業とする企業(7915社)の2016年度の収入高合計は、前年度を2.1%上回る4兆9012億2500万円と、過去10年で最高を記録した

2.2016年度の収入高動向を年商規模別にみると、増収の構成比は「100億円以上」が62.1%を占め最高。一方、「1億円未満」の増収の構成比は最も低い14.6%となった。年商規模が大きな企業ほど増収の構成比が高いことが判明し、年商規模による二極化が鮮明となった

3.地域別にみると、「近畿」はインバウンド消費の伸び率が高く、増収の構成比は33.1%と11地域中最高となった

4. 業歴別にみると、増収の構成比が最も高かったのは「10年未満」(38.2%)で、減収の構成比が最も高かったのは「100年以上」(27.5%)となった

業界としては好調だが、課題も残る

 政府が2017年5月に策定した「観光ビジョン実現プログラム2017」において、インバウンド需要に対応した「コト消費」の取り組みが掲げられたほか、多様な訪日プロモーションが進むことで、今後も訪日外国人旅行者数は増加基調で推移することが予想される。また、格安航空会社を利用した旅行プランや、快適な移動に向け改善が進んだ高速バスを移動手段とする旅行などの商品開発も進展した。新商品・サービスの普及で日本人国内旅行者数の増加が見込まれ、今後のホテル・旅館経営業者の業績は増加基調で推移することが見込まれる。

 しかし、2018年6月に施行予定の「住宅宿泊事業法」により民泊が全国で解禁されることで、集客競争は激しさを増すことが懸念されるほか、従業員不足などの問題も解消へのハードルは高い。今後は、顧客の満足を得られるサービスを提供しつつ、IT技術の導入などで生産性向上を図った働きやすい職場づくりを目指すなど、顧客や従業員の満足度を高める対応が求められよう。

【関連記事】

シェアハウス「かぼちゃの馬車」 展開のスマートデイズ、民事再生が棄却され破産へ(帝国データバンク)

 4月9日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請していた、(株)スマートデイズ(旧商号:(株)スマートライフ、TDB企業コード:121007301、資本金11億20万円、東京都中央区銀座1-7-10、代表赤間健太氏)は、18日に東京地裁より民事再生の申し立てを棄却され、保全管理命令を受けた。今後、職権による破産手続き開始決定を受ける予定。

 保全管理人には監督委員の清水祐介弁護士(東京都中央区銀座8-9-11、ひいらぎ総合法律事務所、保全管理対策室:電話03-5524-5554)が選任された。

 当社は、2001年(平成13年)10月にシェアハウス事業を目的に創業、2012年(平成24年)8月に法人改組された投資用不動産販売業者。女性専用のシェアハウス「かぼちゃの馬車」を主体に、シェアハウスのサブリース事業では草分け的な存在として知られ、2017年3月期には年売上高約316億9600万円を計上していた。

 しかし、2017年10月頃より物件オーナーが金融機関との間で結んだ契約状況等が大きく変動。新たなシェアハウスの販売が難しい状況に陥り、信用不安が広がっていた。サブリース事業からの撤退など大幅な業容の転換を余儀なくされるなか、2018年1月にはオーナーに対する賃料の支払いをストップ。この間、一部オーナーが損害賠償請求訴訟の動きを見せるなか、管理するシェアハウスにおける水道光熱等のインフラが寸断される恐れがあることなどから、新たな管理者への運営引継ぎを円滑に進めるため、4月9日に民事再生法の適用を申請していた。

 その後、4月12日および14日に開催された債権者説明会において、不動産オーナーを中心に不透明な資金の流れなどを指摘する声があがるなか、今回の措置となった。

 負債は2018年3月末時点で債権者約911名に対し約60億3500万円(このうち、約23億円が物件オーナー約675名に対するもの)。

【関連記事】

広島の自動車部品メーカー、エスキスなど2社が破産開始(帝国データバンク)

 (株)エスキス(TDB企業コード:835000098、資本金500万円、広島県広島市西区三篠町2-6-4、代表丸重元紀氏)および関連会社の(株)エスキスプラスチック(TDB企業コード:927010047、資本金300万円、同所、同代表)は、3月30日に広島地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人には、兒玉浩生弁護士(広島県広島市中区白島北町3-14、兒玉法律事務所、電話082-227-2200)が選任されている。

 (株)エスキスは、2007年(平成19年)創業、2010年(平成22年)6月に法人改組された自動車部品メーカー。従前は輸入・国産中古車の販売や修理、カスタマイズなどを主体に手がけていたが、その後はサイドブレーキのグリップやハンドルを中心に、内装部品などの製造にシフトし、積極的な設備投資を進めて生産能力の拡充を図っていた。本店や白木工場、熊野工場を拠点に、一時期は広営業所や東広島営業所を開設して業容を拡大、2015年5月期には年売上高約8億円を計上していた。

 しかし、それ以降は同業者との請負価格競争の激化により受注が落ち込み、2017年5月期の年売上高は約4億円にまでダウン、収益性も振るわず財務内容は債務超過に陥っていた。年商を上回る借入金が重荷となるなか、仕入れ先への支払い遅延の発生や、2016年1月に広島市より本店不動産の差し押さえを受けるなど、資金繰りの悪化が表面化していた。このため、中古車販売事業からの撤退や営業所を閉鎖するなど業容の縮小を余儀なくされ、その後も収益の悪化に歯止めがかからず、本店や東広島営業所の不動産を売却して財務内容の改善を図っていたが、ついに支えきれなくなった。

 (株)エスキスプラスチックは、2013年(平成25年)9月に設立され、(株)エスキスと連携して同様の事業を展開していたが連鎖した。

 申し立て時点の負債は、(株)エスキスが約18億7000万円、(株)エスキスプラスチックが約7億9600万円、2社合計で約26億6600万円だが、その後に変動している可能性がある。

滋賀県のゴルフ場「朽木ゴルフ倶楽部」経営会社が民事再生を申請(帝国データバンク)

滋賀県内で負債額50億円以上となる倒産は5年9カ月ぶり

 (株)朽木ゴルフ倶楽部(TDB企業コード:500163574、資本金1000万円、滋賀県高島市朽木宮前坊67-212、代表前田義礼氏)は、4月9日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全・監督命令を受けた。

 申請代理人は溝渕雅男弁護士(大阪府大阪市中央区北浜3-7-12、共栄法律事務所、電話06-6222-5755)ほか3名。監督委員には小松陽一郎弁護士(大阪府大阪市北区中之島2-2-2、小松法律特許事務所、電話06-6221-3355)が選任されている。

 当社は、1976年(昭和51年)1月に設立されたゴルフ場運営業者。「朽木ゴルフ倶楽部」の名称で、かつては27ホールの自然豊かな地形を生かしたコースとして約1万名を超える会員を集めていた。
 
 しかし、都市部から離れた朽木地域の山間部に位置していたため会員数が広がらず、加えて冬場の積雪のために3カ月程度はクローズとなるなど営業環境は良好とは言えず、2001年8月に負債約143億円を抱えて大津地裁へ民事再生法の適用を申請していた。

 2005年11月に再生手続が終結していたものの、その後も会員の脱会や資格放棄は止まらず、2016年頃の会員数は約4500名にまで減少、同年5月期の年収入高は約1億3200万円にとどまり、赤字決算を余儀なくされていた。この間、2014年にはコースを18ホールに変更し、管理費を抑えるとともに空いたスペースに太陽光発電設備を設置(当社は土地賃貸と管理)するなどして採算改善に取り組んでいたが、会員数や利用客数の減少が続くなかで経費の支払いに窮するようになり、恒常的な資金不足を解消できないことから、民事再生手続きの申立を行い、スポンサーの支援の元で再建を図ることとなった。

 負債は、2017年5月期末時点で約77億3200万円。

 なお、滋賀県内で負債額50億円以上となる倒産は、2012年7月に民事再生法の適用を申請した(株)富士スタジアムゴルフ倶楽部(負債額約430億円)以来、5年9カ月ぶりとなる。

未上場総合建設業、中小業者の労務・外注費率が上昇(帝国データバンク)

 底堅い官・民の受注に支えられ、市場は活況を見せている。大手ゼネコン各社も好業績を続けており、2017年の建設業の倒産件数は1571件と9年連続で減少が続いている。しかし、全産業でみると倒産件数は増加に転じており、建設業界と関連が深い不動産業の倒産件数も増加している。また、深刻化する人手不足や資材価格の動きを踏まえると、建設業界においても労働力確保や生産性の向上など課題は多い。

 帝国データバンクは、企業概要データベース「COSMOS2」(147万社収録)および企業財務データベース「COSMOS1」(82万社、590万期収録)の中から、過去との業績比較が可能な未上場総合建設業者を抽出。「売上高」「売上原価率」「労務・外注加工費率」などについて、分析を行った。

2年連続で増収企業が過半数割れ

1、未上場総合建設業者の2016年度売上高合計は23兆5061億円となり、前年度比0.9%の増加となった。2年連続で増収企業が過半数割れしており、増加率は鈍化した

2、「原価率」の平均は81.8%と前年度比0.9pt低下、「労務・外注費率」の平均は54.4%で前年度比0.1pt低下した

3、地域別にみると、9地域中5地域で売上高合計が増加。「労務・外注費率」は5地域で上昇。都市圏では高止まりの傾向が続いた

4、売上規模別にみると、年商50億円以上の企業と10億円未満の企業で「労務・外注費率」が低下しており、1000億円以上では前年度比3.0ptの大幅低下となった。一方、10億円~50億円のレンジでは増加しており、規模間で差がつく結果となった

人手不足が労務・外注費などコスト上昇要因にも

 2011年の東日本大震災以降、アベノミクスや増税前の駆け込み需要を経て、地域や売上規模にかかわらず増収傾向にあった建設業界。2016年度は、業界全体としては増収ながら伸び幅は鈍化、一部の地域や中小企業では売上減少に転じている状況も見受けられるなど、好調が続いていた同業界にも陰りが見え始めている。現状、過半数の企業で選別受注により収益確保はできているものの、都市圏では労務・外注費率が高止まりし、売上10億円以上50億円未満の企業では、労務・外注費率が徐々に増加しており、人員の確保が建設業界においても主要課題となっていると推測される。2020年の東京五輪に向け、大型案件が本格的に動き出しているなか、人手不足が続くと労務・外注費がコスト上昇要因となることも考えられ、建設需要のピークアウト以降の業界動向にも大きな影響を及ぼす可能性が高い。

【関連記事】

浅草・新仲見世商店街の老舗呉服小売店「ゑりの高砂屋」経営会社が破産(帝国データバンク)

 (株)高砂屋(TDB企業コード:980527721、資本金2000万円、東京都台東区浅草1-22-9、代表目谷昌彦氏)は、3月29日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は佐藤真太郎弁護士(東京都港区西新橋1-6-12、佐藤真太郎法律事務所、電話03-6257-3811)。債権届け出期間は4月26日まで。財産状況報告集会期日は6月28日午後2時。

 当社は、1907年(明治40年)創業、56年(昭和31年)に法人改組。浅草・新仲見世商店街で100年以上の業歴を有する老舗の呉服小売店「ゑりの高砂屋」を運営し、呉服や半襟、帯留めなどの和装小物を販売、98年12月期には年売上高約3億7000万円を計上していた。

 しかし、近年は消費者の和服離れを背景に市場が縮小傾向となるなか、売上減少に歯止めがかからず、赤字計上が続いて債務超過に陥っていた。金融機関からの借入金負担も重くのしかかり、業況も好転せず今回の措置となった。

 負債は債権者約60名に対し約3億3000万円。

2017年度の企業倒産、9年ぶりに増加(帝国データバンク)

サービス業の増加が全体の件数を押し上げる

 2017年度の倒産件数は8285件(前年度8153件、前年度比1.6%増)と、9年ぶりに増加に転じた。四半期別では、第1四半期以降増減を繰り返し、月別では12カ月中7カ月で前年同月を上回った。

 2017年度の負債総額は1兆6934億7500万円(前年度1兆9465億1500万円、前年度比13.0%減)と、3年ぶりに前年度を下回った。ただし、この負債総額はタカタ(株)の負債額を2017年6月26日発表の1826億3300万円として集計したもの。取材等で判明した国内主要自動車各社のリコール費用に係る求償債権の合計を含めると、負債総額は3兆234億7500万円(前年度比55.3%増)となり、3年連続での前年度比増加となる。

 2017年度の倒産動向は前半と後半で地域的な違いがみられた。年度前半は東京都・大阪府・愛知県の3都府県が前年同期比10.4%増と増加傾向を示していたが、年度後半は減少に転じた。反対に、年度後半は公共工事の減少などで建設業が増加に転じた3都府県以外の地域が同5.4%増となるなど、2017年度は都市部から他の地域へと倒産の増加地域が移っていったことが特徴的だった。また、業種別では、3都府県を中心にサービス業の増加が目立ち、なかでもソフトウェア業や広告代理業、労働者派遣業、理美容業などが倒産件数全体を押し上げる結果となった。

人手不足倒産は114件発生

 2017年度の人手不足倒産は114件(前年度比44.3%増)発生した。業種別では、建設業(31件)とサービス業(27件)の2業種で半数を占めた。また、負債10億円以上の倒産では、地域の有力な医療機関の誠広会(負債87億円、岐阜県、民事再生)やサービス付き高齢者向け住宅を運営していたエヌ・ビー・ラボ(負債13億9700万円、神奈川県、破産)など、医療・福祉関連の倒産が目立った。

 正社員が不足していると感じる企業の割合は52.2%まで上昇し過去最高となっている(帝国データバンク「TDB景気動向調査2018年3月」)。帝国データバンクの分析によると、こうした現在のような人手不足の状況では、社会全体として、人手不足がなければ本来得られたはずの付加価値の多くが失われてしまうという結果が導かれており(同「TDB景気白書2018年版」)、企業業績に与える影響も無視できなくなっている。

 人手不足の高まりは、日本の人口減少が継続するなかで、人手不足倒産の増加につながる可能性が高い。

【関連記事】