有料老人ホーム「未来倶楽部」「未来邸」を運営していた未来設計、民事再生を申請(帝国データバンク)

 (株)未来設計(TDB企業コード:981172738、資本金9000万円、東京都中央区日本橋箱崎町9-1、代表洞寛二氏)は、1月22日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。

 申請代理人は、高橋修平弁護士(東京都中央区銀座2-2-2、高橋修平法律事務所、電話03-6903-3210)ほか8名。監督委員は永沢徹弁護士(中央区日本橋3-3-4、永沢総合法律事務所、電話03-3273-1800)が選任されている。

 当社は、2000年(平成12年)2月に設立された介護付き終身利用型老人ホーム「未来倶楽部」「未来邸」の運営業者。企業の社員寮や福利厚生施設だった建物や遊休施設などを賃借し、老人ホームとして再活用する手法で大型施設を展開。東京都や千葉県、神奈川県、埼玉県など拠点数は37カ所(2019年1月現在、当社ホームページより)に達していた。施設稼働率も高く、業界内では中堅上位クラスに位置していた。2014年からは家事代行サービス「みらいホームサービス」も開始するなど業容を拡大し、2017年8月期には年収入高約100億700万円を計上していた。

 しかし、近時は、同業他社との競合が激しいなか、毎期のように施設を開設したことに伴う設備資金の増加や介護職員の確保に苦慮するなど経営環境が悪化し、信用不安が増大していた。こうしたなか、2018年7月に同業大手の系列会社が当社を買収していた。その後、前経営者当時の多額の経費支出が明らかになり資金面が行き詰ったため、法的手続きにより再建を目指すこととなった。

 負債は債権者約150名に対し、約69億9500万円。

 ※申請代理人の「高」は、正しくは「はしご高」です。

宮城県南部のスーパー「アサノ」、民事再生(帝国データバンク)

 (株)アサノ(TDB企業コード:100138525、資本金3000万円、宮城県岩沼市二木2-1-3、代表浅野正一氏、従業員40名)は、1月21日に仙台地裁へ民事再生法の適用を申請した。

 申請代理人は橋本芳則弁護士(大阪府大阪市北区西天満4-3-25、金子・中・橋本法律特許事務所、電話06-6364-6411)ほか3名。

 当社は、1969年(昭和44年)6月創業、71年(昭和46年)10月に法人改組したスーパーマーケット経営業者。「アサノ」の屋号で生鮮三品や惣菜・日配品、一般食品や雑貨などを取り扱い、宮城県南部を中心に多店舗化を図り、2001年9月期には年売上高約44億8900万円を計上していた。

 しかし、近年は出店するエリアに進出攻勢を強める県外のスーパーや大手スーパーとの競合により業績が悪化。このため、2016年6月には競合店の近隣に「蔵王店」を出店し売り上げ拡大を図ったものの、2017年3月に撤退を余儀なくされ、出店・撤退に伴う経費負担が収益を圧迫していたうえ、売り上げは減少傾向を辿り、2018年9月期の年売上高は約20億3000万円にまで減少し、3期連続の営業損失を計上するなど赤字経営から大幅な債務超過に転落していた。

 今期に入っても売り上げは低迷し、赤字経営からの脱却が見通せないため自主再建を断念し、今回の措置となった。

 負債は2018年9月期末時点で8億4000万円。

カーアクセサリー事業などを展開していたミラリード、事業停止(帝国データバンク)

 (株)ミラリード(TDB企業コード:982734322、資本金3000万円、東京都品川区東品川4-12-6、代表東山克基氏)は、1月18日までに事業を停止し、事後処理を小川朗弁護士(東京都中央区八丁堀2-10-9、東京桜橋法律事務所、電話03-3523-3217)ほか1名に一任した。

 当社は、1977年(昭和52年)9月に創業、79年(昭和54年)2月に法人改組。製造を中国の現地法人や現地企業、また韓国企業などに委託する形態で、携帯電話充電器、ハンズフリー、ウインドウフィルム、日よけ、灰皿、トレイ、車内装飾品、カーナビ、イルミネーション、テレビチューナーなどのカーアクセサリーやカーエレクトロニクス用品を販売。東京、札幌、仙台、名古屋、岐阜、大阪、福岡の7カ所に営業拠点を開設し、カー用品専門店やホームセンターなどに販売ルートを構築。また、2014年9月にはコーヒー豆販売、カフェ「ボイドコーヒー」の運営、中古車販売を手がける企業を吸収合併したことで、2015年9月期からこれらの事業が加わり、2016年9月期には年売上高約39億700万円を計上していた。

 しかし、近年は同業他社との競合が激しく、主力のカーアクセサリー事業が伸び悩み、2017年9月期の年売上高は約34億200万円に減少していた。この間、2017年6月には、新規事業として間伐材や農業廃棄物等の未利用資源および石膏ボードやアルミパウチ等のリサイクル困難品を有効活用した新素材、バイオプラスチック樹脂ペレットの開発、製造を手がけるバイオマスプラスチック事業に参入し、愛知県一宮市に製造工場を開設。また同年12月には新商品としてアクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進を防ぐ「ペダルの見張り番」を発売、さらには販売促進費をはじめ各種コストを削減するなど経営改善に努めたものの、「ペダルの見張り番」が売れず、在庫を抱えるなど2018年夏以降、資金繰りが悪化。取引先に対する支払いや金融債務の弁済に不履行が生じるなど動向が注目されていたなか、先行きの見通しが立たなくなったことから、今回の事態となった。

 負債は2017年9月期末時点で約27億5200万円。

「ギネス・ワールド・レコーズ」に登録された「慶雲館」を経営していた湯島(旧:西山温泉慶雲館)、特別清算(帝国データバンク)

 (株)湯島(旧商号:(株)西山温泉慶雲館、資本金1000万円、山梨県南巨摩郡早川町湯島825、登記面=東京都千代田区八重洲2-8-7、代表清算人深沢雄二氏)は、2018年6月30日開催の株主総会で解散を決議し、1月8日に東京地裁より特別清算開始決定を受けた。

 当社は、705年(慶雲年間)創業、1951年(昭和26年)1月に法人改組した旅館経営業者。世界で最も歴史のある旅館として、「ギネス・ワールド・レコーズ」に登録された「慶雲館」を経営していた。日本建築の粋を集めた純和風の建物と、4つの源泉により趣の異なる6種類の風呂、山河の素材を使った海山会席料理が好評で、全国でもサービス優秀旅館に選ばれるなど知名度を有し、2002年3月期には年収入高約9億3200万円を計上していた。

 しかし、団体客の減少に加え、平均客単価が3万円台と比較的高く、個人消費の低迷などから稼働率が低下し、2013年3月期の年収入高は約6億2200万円にまで減少していた。2万円以下のリーズナブルなプランを設定し稼働率の回復を図ったが、2016年3月期の年収入高は約5億9600万円にとどまり、また大型設備投資に伴う借入金負担が収益を圧迫し赤字決算となっていた。

 このため、2017年3月に別会社を設立し会社分割により事業を同社に譲渡。当社は(株)西山温泉慶雲館から(株)湯島に商号変更し、今回の措置となった。

 負債は約10億円。

 なお、「慶雲館」は、別会社で営業を続けている。

JASDAQ上場のシベール(山形県)が民事再生を申請、東北では「ラスクフランス」で有名(帝国データバンク)

「ラスクフランス」に代わるヒット商品が生み出せず、売り上げが減少していた

 (株)シベール(TDB企業コード:160091313、資本金4億8835万5000円、山形県山形市蔵王松ケ丘2-1-3、代表黒木誠司氏、従業員167名)は、1月17日に山形地裁へ民事再生法の適用を申請した。

 申請代理人は粟澤方智弁護士(東京都中央区京橋1-2-5、奥野総合法律事務所・外国法共同事業、電話03-3274-3805)。監督委員には田中暁弁護士(山形県山形市相生町5-25、弁護士法人あかつき佐藤欣哉法律事務所、電話023-632-2070)が選任されている。

 当社は、1966年(昭和41年)に創業、1970年(昭和45年)10月に法人改組した洋菓子・パン製造、同小売およびレストラン経営業者。当初は山形市と仙台市での展開であったが、フランスパンを味付けして焼いた「ラスクフランス」がヒット商品となり、全国的な知名度を有することとなった。その後、2005年(平成17年)7月にはJASDAQ上場を果たし、レストランやそば店の経営にも進出、ピークとなる2008年(平成20年)8月期には年売上高約44億5300万円を計上していた。

 しかし、主力の「ラスクフランス」に競合商品が出現したことや、「ラスクフランス」に代わるヒット商品が生み出せなかったことから、売り上げは次第に減少。売上ダウンに対して人件費の削減が進まず、2016年(平成28年)8月期から3期連続での赤字を余儀なくされていた。

 今期に入っても採算性の改善が進まないなか、2019年(平成31年)1月の借入金返済のメドが立たなかったことから自力での再建を断念、今般の措置となった。

 なお、1月17日19時よりホテルメトロポリタン山形で記者会見を行う予定である。

 負債は2018年(平成30年)8月期末時点で約19億6200万円。

国内景気は弱含み傾向続く、輸出減速が響き、製造業が悪化(帝国データバンク)

2018年12月の景気動向は弱含み

 帝国データバンクが実施した調査によると、2018年12月の景気DIは前月比0.1ポイント減の49.4となり、2カ月ぶりに悪化した。

 12月の国内景気は、幅広い業種で年末需要が発生したことから雇用過不足DI(非正社員)が過去最高を更新するなど人手不足に拍車がかかり、一部で受注機会の損失や進捗遅れにつながった。中国向け輸出の減速などを背景に製造業が悪化したほか、月末にかけ株価や為替相場など金融市場は不安定な動きとなった。他方、災害復旧・復興工事や住宅着工などの建設需要が堅調に推移し、燃料価格の低下や冬季賞与増加はプラス材料となった。
 
 特に『製造』(49.2)は前月比0.8ポイント減。2カ月ぶりに悪化。「電気機械製造」(同2.0ポイント減)は、半導体メモリーの価格下落などを背景に電子部品製造が悪化した。「輸送用機械・器具製造」(同2.6ポイント減)は、中国の新車市場減速や小型乗用車の国内販売低迷が響いた。5カ月連続で悪化した「機械製造」(同1.6ポイント減)は、アジア向け輸出の低迷を背景に半導体製造装置の悪化が続いた。「化学品製造」(同1.2ポイント減)は、原油価格下落による石油製品の値下がりを見据えた買い控えが一部で発生。『製造』は2カ月ぶりに50を割り込み、2017年8月以来の低水準となった。一方、「パルプ・紙・紙加工品製造」(同2.8ポイント増)は、段ボール箱製造の好調などを受け過去最高を更新した。

 国内景気は年末需要がみられたものの、一方で人手不足に拍車をかけたほか、輸出減速などにともない製造業が悪化するなど、弱含み傾向が続いた。

今後は不透明感強まる

 今後、設備投資は省力化やシステム投資を中心に底堅く推移し、個人消費は良好な雇用・所得環境を受け、緩やかながら回復が続くであろう。2019年10月の消費税率引き上げを見据えた駆け込み需要が表れる一方、その後の反動減が懸念され、落ち込みの軽減に経済対策が一定の効果を果たすと期待される。海外動向は、中国などを中心に世界景気の減速を受け、輸出の増加基調が鈍化すると予想される。また日米物品貿易協定(TAG)の行方や、米金利政策・英EU離脱などを受けた金融市場の動向を注視していく必要がある。

 今後は、消費税率引き上げにともなう需要増と反動減が予想されるほか、中国など外需の減速や日米通商交渉の行方が懸念され、不透明感が一層強まっている。

TDB景気動向調査 調査概要
調査対象企業:2万3059社
有効回答企業:9619社、回答率41.7%
調査期間:2018年12月14日~2019年1月7日
調査方法:インターネット調査

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サンダル・靴製造販売のマルチウ産業、再生手続き廃止決定、保全管理命令受ける(帝国データバンク)

 2018年8月28日に横浜地裁へ民事再生法の適用を申請していた、マルチウ産業(株)(TDB企業コード:200279197、資本金5000万円、神奈川県横浜市西区平沼1-2-23、代表小川陽清氏)は、1月4日に同地裁より再生手続き廃止決定および保全管理命令を受けた。今後は破産手続きに移行する予定。

 保全管理人は橘川真二弁護士(神奈川県横浜市中区不老町1-1-5、きつかわ法律事務所、電話045-681-8400)。

 当社は、1968年(昭和43年)5月に設立されたサンダルや靴の製造販売業者。ビーチサンダルやリゾートサンダルなどのサンダル類を主力に、スニーカーやケミカルシューズ等の靴類を外注で製造し、全国約120社の販売代理店を経由して販売。バンダイやサンリオなどの人気キャラクターをデザインした当社商品は人気が高く、国内の大手スーパーやアパレルチェーン店の大半に当社製品が納入され、2002年3月期の年売上高は約54億1600万円を計上していた。

 しかし、その後は少子化や廉価な同業他社製品に押され、売り上げはジリ貧で推移する一方、人件費や外注費の高騰で収益性が悪化。2014年には中小企業再生支援協議会による支援のもと、経営立て直しに向け動き出したものの、売り上げの減少に歯止めがきかず、2017年3月期の年売上高はピーク時半減以下となる約19億8600万円にまで減少。海外生産委託先の見直しや人件費等の削減等も奏功せず、厳しい資金繰りが続くなか、2018年8月28日に横浜地裁へ民事再生法の適用を申請し、31日に再生手続き開始決定を受けていた。

 その後、再生計画案に盛り込んだスポンサー候補との事業譲渡契約の確約を期限内に得られず、今回の措置となった。今後、当社は破産に移行するが、約1カ月の保全管理期間中に当該スポンサー候補への事業譲渡ないし事業用資産の譲渡について協議を進め、事業承継を図る。

 負債は、申請時点で債権者約114名に対し約27億762万円。

「一目千本桜醤油」「ゆずぽん酢醤油」などを製造していた玉松味噌醤油、事業停止し自己破産申請へ(帝国データバンク)

大手業者との競合激化に加え、人手不足による経費負担増も影響していた

 玉松味噌醤油(株)(TDB企業コード:100424633、資本金2000万円、宮城県柴田郡大河原町字町210、代表渡辺芳徳氏ほか1名、従業員25名)は、1月11日付で事業を停止し、事後処理を後藤泰己弁護士(宮城県仙台市青葉区一番町2-10-26、エール法律事務所、電話022-227-6167)ほか2名に一任、自己破産申請の準備に入った。

 当社は、1937年(昭和12年)9月に設立した味噌・醤油製造業者。味噌製造を主体に、醤油および自社製品をベースとした「めんつゆ」に代表される各種つゆもの・ドレッシング類・加工調味料の製造も手がけ、当社オリジナルの「幸せブランド」として「一目千本桜醤油」「一目千本桜つゆ」「ゆずぽん酢醤油」「梅酢しょうゆ」など約35商品を開発。「地産地消」をコンセプトに地元食材にこだわった製法を特色に、地元宮城県を中心とする東北6県の大手スーパーマーケットや食品卸売業者などを主な得意先とし、2009年2月期には年売上高約5億9600万円を計上していた。

 しかし、近年は大手業者との競合激化に加え、得意先からの値引き要請も強まり受注量及び受注単価の低迷を強いられていたうえ、営業力不足から新規開拓も進まず、2018年2月期の年売上高は約2億9600万円にまで減少し当期純損失を計上していた。このため、支店閉鎖のほか資産売却を図ったものの売却には至らず、その後も人手不足に伴う経費負担増から財務内容の悪化が進み、先行きの見通しが立たないため事業継続を断念、今回の事態となった。

 負債は2018年2月期末時点で約3億7000万円。

【特集】2019年に創業20周年を迎える企業は全国に2万515社(帝国データバンク)

 1月14日(月・祝)は成人の日。総務省によると、今年は約125万人が成人を迎え、それぞれ人生の節目を迎えることだろう。

 企業においても周年という形で節目を迎えるが、今回は1999年に創業し、今年で20周年を迎える企業を特集する。なお、企業の創業からの年数は通常数え年でカウントするため、“20歳”ではないことを前置きしておく。

「20周年記念企業」は全国に2万515社

 「20周年記念企業」が創業した1999年といえば、ソニーが犬型ロボット「AIBO」を発売したほか、カルロス・ゴーン氏が日産自動車の最高執行責任者(当時)に就任し、同社の経営再建に向け「日産リバイバルプラン」を発表したことで知られる。さらに、年越し時にコンピュータが誤作動を起こす可能性があるとされた「2000年問題」が世間を騒がせたのもこの年である。

 帝国データバンクの調査では、2019年に創業から節目の年を迎える「周年記念企業」(創業年以降10年刻み、200周年超は50年刻み)は全国に14万1,550社判明した。このうち、1999年に創業し、今年で20周年を迎える企業は2万515社。これは全周年記念企業の14.5%にあたる。

 「20周年記念企業」を業種別に見ると、サービス業(6,194社)が構成比30.2%を占め最多。また、サービス業の内訳を見ると、クリニックなどの無床診療所(815社)、受託開発ソフトウェア業(537社)、老人福祉事業(488社)が上位となっている。上場企業は60社を数え、ゲーム・コンテンツ制作のディー・エヌ・エー(東京都渋谷区、東証1部)のほか、アフィリエイト・サービス・プロバイダ事業を展開するファンコミュニケーションズ(東京都渋谷区、東証1部)などが名を連ねた。

「モノ」の時代を経て、「サービス」時代へ―20周年記念企業はその転換点に?

 周年記念企業の業種構成は、各時代の趨勢そのものである。欧米に「追いつき、追い越せ」の精神が息づいていた1919年に創業した企業を見ると、製造業が最も多い。空前の高度経済成長期を迎えた1969年、バブル景気による「財テクブーム」下の1989年に創業した企業では、いずれも建設業が最多となっている。周年記念企業の業種構成を見ると、その時々の社会や経済の情勢が浮かび上がってくる。

 それでは、1999年はどうか。1990年代後半から2000年代前半は、「モノ」によって支えられていた日本経済が、それまで以上に「サービス」を求めるようになった時代である。情報社会への対応を求められたIT関連はもちろん、少子高齢化のなかで医療、老人福祉分野が重要視されるようになったことは、容易に想像できる。

 ちなみに、2009年に創業し、今年で10周年を迎える企業も、「20周年記念企業」と同様にサービス業が最多となっている。すなわち、「20周年記念企業」は、「モノ」から「サービス」への転換点を見た世代なのである。2019年、そしてこれからの日本経済は、どんな道を歩んでいくのだろうか―「20周年記念企業」の動向に注目したい。

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国家プロジェクトの一環で可視光通信技術の研究開発を手掛けるアウトスタンディングテクノロジー、民事再生を申請(帝国データバンク)

2015年の日経優秀製品・サービス賞において審査委員特別賞を受賞するなど、高い評価を得ていた

 (株)アウトスタンディングテクノロジー(TDB企業コード:989684554、資本金2億1128万5000円、東京都中央区日本橋3-5-12、代表伊藤行雄氏)は、12月27日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日監督命令を受けた。

 申請代理人は高野大滋郎弁護士(東京都港区六本木6-10-1、TMI総合法律事務所、電話03-6438-5707)ほか3名。監督委員は濱田芳貴弁護士(東京都千代田区大手町1-8-1、ときわ法律事務所、電話03-3271-5140)。

 当社は、2007年(平成19年)6月に設立された。創業以来、国家プロジェクトの一環として、光と通信をテーマとした研究を手がけ、LEDの光に信号を重畳し通信する空間通信技術である可視光通信技術事業を主体に開発を進めていた。電波を使用しないため電波の干渉を受けず、周辺機器への影響も与えないため、これまで無線通信の利用が難しかった場所(医療・プラント・電力施設等)でもワイヤレス通信を実現できるとして、2015年の日経優秀製品・サービス賞において審査委員特別賞を受賞するなどの評価を得ていた。

 この間、民間企業からの研究受託費や助成金で繰り回していたものの、先行する研究開発費が大幅にかさみ債務超過に転落するなど、収益面の伸長が課題となっていた。当初は年間30億円の収入を目指していたが、大口顧客とのプロジェクトが長期化するなど、2018年12月期の年収入高は約4000万円に低迷。運転資金が枯渇し財務面の回復も見込めないことから、今回の措置となった。

 負債は、債権者約20名に対し約3億5000万円だが変動する可能性がある。