企業の49.2%が正社員不足、4月では過去最高(帝国データバンク)

2017年度の有効求人倍率が44年ぶりの高水準を記録するなど、労働需給はひっ迫度を増している。こうしたなか、企業においては人件費の上昇などを通じて、収益環境への影響も表れはじめた。また、優秀な人材の確保が難しくなっていることに加え、人手不足にともなう供給制約が日本経済の成長に対する懸念材料となってきた。一方、労働環境は求職者側に明るい状況となっており、就業機会の拡大や労働者の賃金上昇につながる好材料ともなっている。

そこで、帝国データバンクは人手不足に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2018年4月調査とともに行った。

※調査期間は2018年4月16日~30日、調査対象は全国2万3,118社で、有効回答企業数は9,924社(回答率42.9%)

調査結果

1.正社員が不足している企業は49.2%で1年前(2017年4月)から5.5ポイント増加し、4月として過去最高を更新。例年、4月は人手不足が緩和する傾向がみられる一方、企業の人手不足感は継続している。業種別ではソフト受託開発などの「情報サービス」が69.2%でトップ。以下、「運輸・倉庫」や「建設」「飲食店」など6業種が6割台となった。また、「リース・賃貸」「機械製造」では1年前より10ポイント以上増加しており、人手不足が急速に高まっている。規模別では、大企業の不足感は一段と強まっているなか、小規模な企業の人手不足も拡大している

2.非正社員では企業の32.1%が不足していると感じている(1年前比2.5ポイント増)。業種別では「飲食店」「飲食料品小売」が7割を超えたほか、「電気通信」「メンテナンス・警備・検査」などで高い。上位10業種中6業種が小売や個人向けサービスとなっており、消費者と接する機会の多い業種で不足感が高い。正社員と同様、規模の大きい企業ほど不足感が強いなかで、人手不足が従業員の少ない企業でも深刻化している

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シェアハウス運営のゴールデンゲイン、破産開始(帝国データバンク)

 ゴールデンゲイン(株)(TDB企業コード361015401、資本金1億円、東京都港区愛宕2-5-1、代表日向司氏)は、5月22日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は堂野達之弁護士(中央区銀座1-5-8、堂野法律事務所、電話03-5524-7727)。

 当社は、2015年(平成27年)3月に設立された、シェアハウスを主体とした投資用不動産の開発及び売買業者。東京23区内を主な営業エリアに、一般個人投資家向けへの販売を手がけていた。用地販売後のシェアハウス建築請負から運営(サブリース)まで幅広く取り扱い、設立後間もないながらも2016年10月期には年売上高約43億1100万円を計上していた。

 しかし、シェアハウス等の投資用物件オーナーに対する金融機関側の融資姿勢が2017年に大きく変動。当社も新規のシェアハウス物件の販売が停滞する状況に陥っていた。その後はシェアハウスだけでなく、賃貸アパートの売買など新事業への展開を模索していたが、資金繰りに窮する状態が続き、昨年12月には代表以外の全役員が辞任。今年3月には本店事務所を閉鎖するなど動向が注目されていた。

 負債は2016年10月期末時点で約13億6900万円だが、その後に変動している可能性がある。

オリジナルブランドのドラム「SAKAE Drums」を製造していたサカエリズム楽器、債務整理を弁護士に一任(帝国データバンク)

ジミー・チェンバレンやシシド・カフカなど有名プロミュージシャンが使用していた

 2017年4月に実質的に事業を停止していた(株)サカエリズム楽器(TDB企業コード:588006157、資本金3000万円、大阪府大阪市東住吉区今川4-17-25、登記面=大阪府大阪市東住吉区今川4-21-27、代表中田栄藏氏)は、2018年5月1日に債務整理を大友道明弁護士(千葉県千葉市中央区本千葉町4-14、大友法律事務所、電話043-221-4060)に一任していたことが判明した。債権債務の調査を行った後、今後の方針を決定する。

 当社は、1925年(大正14年)創業、74年(昭和49年)12月に法人改組した楽器製造業者。ドラムを主体にパーカッション・ティンパニーなどの製造を手掛け、一部タンバリン、バトンなども取り扱っていた。主力のドラムの製造販売は本社工場で行われており、ダイキャスト、ベニヤ板、樹脂、ステンレスなど金属製品を仕入れ、円形への加工、色付け、成形、音合わせを行うなど、鍍金加工工程以外は全て自社で行っていた。大手楽器メーカーや国内外の楽器卸業者に営業基盤を確立し、88年9月期には年売上高約14億6000万円を計上していた。メイドインジャパンにこだわり、ジミー・チェンバレンやエリック・ハーランドなど海外プロミュージシャンや国内でもシシド・カフカなど有名ドラマーが使用するなど、ドラムメーカーとして相応の知名度を獲得。2009年以降は、自社ブランド「SAKAE Drums」の製造販売に注力して海外代理店を主体に当社ブランドの浸透を図ってアメリカ進出を果たしていた。

 しかし、大手メーカーのOEM受注が大幅に減少したほか、海外での自社ブランドの販売が伸び悩んだことで売上高は漸減し、2016年9月期には年売上高約3億1300万円にまでダウン、収益面も低調に推移していた。この間、海外販売において一部債権回収が滞る事態が発生し、急速に資金繰りが悪化。このため、2015年には金融機関へリスケを要請し、経費削減に努めていたものの苦しい事業環境からは脱却できず、2017年3月には決済難に陥っていた。

 負債は2016年9月期末時点で約7億7200万円だが、大きく変動している可能性がある。

2018年度、企業の62.4%で設備投資計画(帝国データバンク)

国内景気は、人手不足の深刻化や原材料価格の上昇などマイナス材料が目立ちはじめてきた一方、輸出が好調を続けているなか、企業業績の改善にともない設備投資が増加している。また、政府は2018年度予算において中小企業向け投資促進税制を拡充するなど、生産性向上に対する政策が進められている。

そこで、帝国データバンクは、2018年度の設備投資計画などに関する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2018年4月調査とともに行った。

※調査期間は2018年4月16日~30日、調査対象は全国2万3118社で、有効回答企業数は9924社(回答率42.9%)
※本調査における詳細データは景気動向調査専用HP(http://www.tdb-di.com)に掲載している
※設備投資には、事業所・店舗などの建物や機械設備、営業車両やオフィス机、工具備品などの有形固定資産のほか、会計ソフトや管理システムなどソフトウェア投資、さらに研究開発投資(R&D投資)を含む。なお、土地の取得は含まない

調査結果

1.2018年度に設備投資を行う予定(計画)が『ある』企業は62.4%。規模別では、「大企業」(70.7%)で7割を超えている一方、「中小企業」(60.3%)、「小規模企業」(49.0%)と規模による差が大きい。業界別では、『農・林・水産』(80.4%)で最も高く、『運輸・倉庫』(78.0%)、『製造』(75.0%)で高い。他方、「予定していない」は29.8%

2.設備投資の内容では、「設備の代替」(45.4%)がトップ(複数回答)。以下、「既存設備の維持・補修」(35.7%)、「省力化・合理化」(28.2%)、「増産・販売力増強(国内向け)」(24.1%)、「情報化(IT化)関連」(23.8%)と続く。更新需要に加え、人手不足に対する投資が上位に

3.設備投資にかける費用では、「1000万円以上5000万円未満」(28.0%)がトップで、平均設備投資予定額は約1億3928万円。「5人以下」の3961万円から「1000人超」の6億2104万円まで従業員数による違いは大きい。資金調達方法は「自己資金」(48.9%)が最も多く、「金融機関からの長期の借り入れ」(28.4%)と合わせて両者で全体の77.3%と全体の8割を占めた

4.設備投資を行わない理由、「先行きが見通せない」(40.0%)がトップ。次いで「現状で設備は適正水準である」(35.8%)、「投資に見合う収益を確保できない」(21.2%)が続く。特に中小企業は、将来の不確実性や収益性に対する不透明感、経営環境の厳しさが設備投資を見送る要因に

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ゴルフ場の収入高合計、前年比0.3%減で回復続かず(帝国データバンク)

 スポーツというジャンルのなかでも、根強い人気を誇るゴルフ。同業界はレジャー産業の一角として存在感を示しており、業界動向に注目が集まる場面は少なくない。一方、近時は競技人口の減少や高齢化が進むなか、若年層の取り込みや女性プレーヤーの獲得が喫緊の課題となっている。このほか、多くのゴルフ場が預託金の償還問題を抱えているなど、経営課題は山積している。

 帝国データバンクでは、2018 年5 月時点の企業概要データベース「COSMOS2」(147 万社収録)の中から、3期連続(2015年~2017年決算)で業績比較可能なゴルフ場経営業者951社を抽出。収入高の推移などについて分析した。

調査結果(要旨)

 2017年(1月期~12月期決算)の収入高合計は約6456億3300万円。2015年(収入高合計約6301億7800万円)から2016年(同約6478億1100万円)にかけては収入高合計が2.8%増加したが、2017年は前年を0.3%下回り、減少に転じた
 
 増収を果たした企業は、2016年が359社(構成比37.7%)だったのに対し、2017年は253社(同26.6%)となり、約3割減少となった。

 2018年の倒産件数は、4月時点で13件となっており、すでに前年(12件)を上回っている。これは、リーマン・ショック以降で最多のペースとなった。

ゴルフ場の倒産はリーマン以降最多のペースで発生

 2016年にゴルフがオリンピック公式競技として復帰し、2020年開催の東京五輪への期待感が高まるなど、追い風が吹くゴルフ業界。来場者数の下げ止まりがうかがえるなど、「経営環境の悪化に歯止めが掛かりつつある」と楽観する声が一部では聞かれる。一方で、来場者は高齢者層に偏っており新規プレーヤーが取り込めていないほか、預託金の償還問題を抱えたまま営業を続けているゴルフ場が多いといわれる。

 今回の調査における2017年の収入高合計は、前年を0.3%下回る約6456億3300万円となった。また、倒産件数を見ると、2017年は年間12件だったのに対し、2018年は4月時点で13件となっており、このペースで倒産が続いた場合、2018年は年間40件前後の倒産が発生する可能性ある。
 
 これまでは、ゴルフ場経営業者が倒産したとしても、他社にゴルフ場運営が引き継がれるケースが少なくなかった。しかし、近年は倒産後にゴルフ場が閉鎖するケースやソーラー事業に転用されるケースが増えてきており、今後は経営業者の倒産増加とともに、国内ゴルフ場の減少が一層進むことが危惧されている。

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国内景気は足踏み状態続く(帝国データバンク)

2018年4月の動向 : 足踏み状態続く

2018年4月の景気DIは前月比0.6ポイント減の49.8となり、2カ月ぶりに悪化した。

4月の国内景気は、新年度に入り例年以上に公共工事量が落ち込んだことや住宅着工戸数の減少継続がマイナス要因となり、建設業の景況感が悪化した。また円高傾向で推移するなか、大型連休を控え生産活動が停滞したことが製造業の下押し圧力となった。石油および非鉄金属などの原材料費や輸送費、人件費の上昇にともなう負担増が続いたほか、海外経済リスクの高まりが企業マインドにマイナスの影響を及ぼし、2017年10月以来6カ月ぶりに50を割り込んだ。

国内景気は、コスト負担増に工事量減少や生産活動の停滞も重なったことで50を割り込み、足踏み状態が続いた。

今後の見通し : 拡大傾向に変調の可能性

国内経済は、東京五輪や消費税率引き上げにともなう駆け込み需要が追い風となり、緩やかな拡大傾向での推移が見込まれる。好調な輸出に加え、業績拡大や省力化需要の高まりを背景とした設備投資が引き続きけん引役となるほか、個人消費は雇用環境の改善や賃金上昇などを受けて緩やかな回復が続くと予想される。

マイナス要因として、人手不足の深刻化や経済政策の停滞は一部懸念材料となろう。世界経済は回復が続くと予測されるものの、保護貿易主義の台頭にともなう貿易摩擦の激化や地政学的リスクが景気へ及ぼす影響に一層の注意が必要である。今後は緩やかな拡大傾向での推移が見込まれる一方で、懸念される貿易摩擦の激化などが景気を下押しするリスクを注意深く見守る必要がある。

調査結果のポイント

1.2018年4月の景気DIは前月比0.6ポイント減の49.8となり、2カ月ぶりに悪化した。国内景気は、コスト負担増に工事量減少や生産活動の停滞も重なったことで50を割り込み、足踏み状態が続いた。今後は緩やかな拡大傾向での推移が見込まれる一方で、懸念される貿易摩擦の激化などが景気を下押しするリスクを注意深く見守る必要がある。

2.10業界すべてが悪化。全業界が悪化したのは、株式・為替市場の大幅な変動が響いた2013年6月以来となる4年10カ月ぶり。コスト負担が重くのしかかるなか、年度末需要の反動による工事量減少や生産活動の低迷を受け、『建設』など3業界が1ポイント超悪化した。

3.『北関東』『近畿』『九州』など10地域中9地域が悪化、『北陸』の1地域が改善した。好調なインバウンド需要や設備投資の堅調さがみられた一方、公共工事の減少に加え、鋼材や燃料価格を含む原材料費の上昇などが悪材料となった。

TDB景気動向調査2018年4月
-調査概要-
調査対象:2万3118社、有効回答企業9924社(回答率42.9%)
調査時期・方法:2018年4月16日~30日(インターネット調査)

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人気ゲームソフト「初音ミク-Project DIVA-」「フォトカノ」などを開発していたディンゴなど2社が破産開始(帝国データバンク)

 (株)ディンゴ(TDB企業コード:986901821、資本金1000万円、東京都渋谷区本町1-17-12、代表庄司竜也氏)は、4月25日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は櫻井和子弁護士(東京都港区新橋3-1-12、港さくらい法律事務所、電話03-5510-5300)。債権届け出期間は5月30日まで。

 当社は、1998年(平成10年)8月に設立されたコンシューマーゲーム・スマートフォンゲーム企画・開発業者。ゲームクリエイターとして相応の知名度を有する代表を中心に、PlayStationや任天堂DS向けなどのコンシューマーゲームをはじめ、近時はスマートフォンゲームなど幅広いジャンルの開発に関わり、かつてはアーケードゲームの開発も行っていた。PlayStation Portable向けソフト「初音ミク -Project DIVA-」や「フォトカノ」などの人気ソフトの開発も手がけ、大手ゲームメーカーとのタイアップで相応の評価を得ていた。

 しかし近年は、ゲーム業界でのコンシューマーゲーム市場が縮小傾向にあったなかで、同業他社との競合が激化。精力的に複数の開発案件に取り組んでいたものの、売り上げが減少するなかで取引先への支払いにも支障を来す事態に陥り、支え切れず昨年3月までに事業を停止していた。

 負債は約3億4000万円の見込み。

 なお、関係会社の(株)クリエイティブネットワークス(TDB企業コード:502006633、資本金300万円、同所、同代表)も、同日に破産手続き開始決定を受けた。

建機販売・レンタルのビバックなど2社が破産開始、負債合計約195億円(帝国データバンク)

震災復興需要で急成長、今年2番目の大型倒産

 (株)ビバック(TDB企業コード:985262360、資本金1000万円、東京都品川区旗の台2-1-6、代表山田泰之氏)は、5月7日に東京地裁へ自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は高井章光弁護士(東京都港区西新橋1-15-5、高井総合法律事務所、電話03-3519-7800)。

 当社は、2004年(平成16年)5月に設立された建設機械販売・レンタル業者。クレーン車を主力に国内大手メーカー製の建設機械、ダンプ、トラック等を取り扱い、新車販売ではメーカーからの仕入れのほかリース会社、レンタル業者を経由して販売、中古車では土木・建築業者や同業者、オークションなどからの仕入れで販売していた。販路は東京本社のほか中部支店、東北支店を設け、盛岡、秋田、いわきにも営業所を開設。国内の需要家にとどまらず、ロシアをはじめ米国、韓国、フィリピンなどにも現地法人を設立し、海外市場開拓に注力していた。国内にも多数のグループ会社を有し、ドイツの建機メーカーから販売権利を取得してのアドブルー(ディーゼルエンジン浄化用の尿素水溶液)の販売など新たな事業展開にも積極的だった。

 大手建機メーカーに勤務していた代表の人脈と経営手腕によって一定の営業基盤を構築、近年は東日本大震災後の復興需要を取り込んで、順調に業容を拡大していた。2012年3月期の年売上高は約72億600万円だったが、2017年3月期の年売上高は約192億3900万円に達するなど、年商200億円の大台を目前としていた。

 しかし昨年末、親密取引先だった(株)PROEARTH(神奈川県厚木市、2017年12月26日民事再生法申請→2018年2月28日破産開始決定、負債約151億8539万円)が破綻し、当社へも連鎖的に信用不安が波及。同社との取引関係において多額の不良債権が発生したことが明らかとなり、金融機関や取引先の警戒感が高まる状況となっていた。近時も余裕のない資金繰りが続くなか、ここに来て今回の措置となった。

 なお、関係会社の(株)ビバックレンタル(TDB企業コード:989710171、資本金1000万円、東京都品川区旗の台2-1-6、登記面=宮城県仙台市宮城野区中野4-1-39、代表山田泰之氏)も、同日破産手続き開始決定を受けた。

 負債は(株)ビバックが債権者約100名に対し約185億円、(株)ビバックレンタルが約10億円、2社合計で約195億円。なお、負債規模としては、2018年に入り2番目の大型倒産となった。

※破産管財人弁護士名の「高」は、正しくは「はしご高」です。

今年2番目の大型倒産、建機販売・レンタルのビバックなど2社が破産開始(帝国データバンク)

震災復興需要で急成長、今年2番目の大型倒産

 (株)ビバック(TDB企業コード:985262360、資本金1000万円、東京都品川区旗の台2-1-6、代表山田泰之氏)は、5月7日に東京地裁へ自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は高井章光弁護士(東京都港区西新橋1-15-5、高井総合法律事務所、電話03-3519-7800)。

 当社は、2004年(平成16年)5月に設立された建設機械販売・レンタル業者。クレーン車を主力に国内大手メーカー製の建設機械、ダンプ、トラック等を取り扱い、新車販売ではメーカーからの仕入れのほかリース会社、レンタル業者を経由して販売、中古車では土木・建築業者や同業者、オークションなどからの仕入れで販売していた。販路は東京本社のほか中部支店、東北支店を設け、盛岡、秋田、いわきにも営業所を開設。国内の需要家にとどまらず、ロシアをはじめ米国、韓国、フィリピンなどにも現地法人を設立し、海外市場開拓に注力していた。国内にも多数のグループ会社を有し、ドイツの建機メーカーから販売権利を取得してのアドブルー(ディーゼルエンジン浄化用の尿素水溶液)の販売など新たな事業展開にも積極的だった。

 大手建機メーカーに勤務していた代表の人脈と経営手腕によって一定の営業基盤を構築、近年は東日本大震災後の復興需要を取り込んで、順調に業容を拡大していた。2012年3月期の年売上高は約72億600万円だったが、2017年3月期の年売上高は約192億3900万円に達するなど、年商200億円の大台を目前としていた。

 しかし昨年末、親密取引先だった(株)PROEARTH(神奈川県厚木市、2017年12月26日民事再生法申請→2018年2月28日破産開始決定、負債約151億8539万円)が破綻し、当社へも連鎖的に信用不安が波及。同社との取引関係において多額の不良債権が発生したことが明らかとなり、金融機関や取引先の警戒感が高まる状況となっていた。近時も余裕のない資金繰りが続くなか、ここに来て今回の措置となった。

 なお、関係会社の(株)ビバックレンタル(TDB企業コード:989710171、資本金1000万円、東京都品川区旗の台2-1-6、登記面=宮城県仙台市宮城野区中野4-1-39、代表山田泰之氏)も、同日破産手続き開始決定を受けた。

 負債は(株)ビバックが債権者約100名に対し約185億円、(株)ビバックレンタルが約10億円、2社合計で約195億円。なお、負債規模としては、2018年に入り2番目の大型倒産となった。

※破産管財人弁護士名の「高」は、正しくは「はしご高」です。

「ニチコン」ブランドの自社製品も製造、コンタクトレンズ卸の日本コンタクトレンズなど2社が民事再生を廃止し破産へ(帝国データバンク)

 2016年11月に名古屋地裁へ民事再生法の適用を申請、2018年3月に再生計画の認可を受けていた(株)日本コンタクトレンズ(TDB企業コード:400132762、資本金3億6820万円、愛知県名古屋市中川区好本町3-10、代表水谷純氏)と、子会社の(株)日本コンタクトレンズ研究所(TDB企業コード:982196995、資本金4840万円、東京都中央区日本橋箱崎町1-7、同代表)は、5月1日に名古屋地裁に民事再生手続きの廃止を申請した。

 今後、破産手続きに移行する見込み。

 申請代理人は若杉洋一弁護士(大阪府大阪市北区中之島2-3-18、弁護士法人大江橋法律事務所、電話06-6208-1500)ほか。

 (株)日本コンタクトレンズは1964年(昭和39年)5月に設立したコンタクトレンズの卸業者。ディスポレンズを主力に扱っていたほか、ハードコンタクトレンズ「ニチコンRZX」などの自社製品を製造、さらに点眼薬や眼内レンズなどのケア用品の製造や卸も手がけていた。創業者の水谷豊氏はコンタクトレンズの研究・開発分野の先駆者で、中部地区の眼科医を中心に「ニチコン」ブランドの製品を供給、円錐角膜用や角膜移植後の角膜不正乱視向けハードコンタクトレンズ、遠近両用ハードコンタクトレンズなど他社の参入が少ない分野に特化し、ディスポレンズの普及が進んだ96年2月期には年売上高約38億7000万円をあげていた。

 しかし、以降は同業他社や海外メーカーの参入による低価格化やソフトレンズへの需要の高まり、廉価メガネとの競合などとも相まって販売数量は漸減し、2016年2月期の年売上高は約20億1000万円にとどまっていた。金融機関からの資金調達のメドも立たず、9月には決済不履行となり自力再建を断念。2016年11月15日に名古屋地裁に民事再生法の適用を申請、今年3月には再生計画の認可を受けていた。

 しかし、スポンサー企業との間で締結していたスポンサー契約に定める条件を満たせず、支援が受けられない事態となったことから、今回の措置となった。

 日本コンタクトレンズ研究所は1960年(昭和35年)5月創業、1964年(同39年)2月に法人改組したコンタクトレンズの卸業者。「ニチコン」ブランド商品を扱っていたが、親会社と同様の措置となった。

 民事再生法申請時の負債は、日本コンタクトレンズが約14億2000万円、日本コンタクトレンズ研究所が約4億7000万円で、2社合計約18億9000万円だが、変動している可能性もある。