2017年中国版グッドデザイン賞「中国好設計」発表(日経トレンディネット)

小米のイヤホンは中国土産にいいかも

 昨年末、中国版グッドデザイン賞「中国好設計」の授賞式が行われ、14製品が金賞、114製品が優秀賞、23製品が栄誉賞に選ばれた。このうち一般向け製品について、金賞受賞製品を中心に紹介していこう。

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 最も手に入れやすいと思われるのは、金属製のカナル型有線イヤホンの「小米P4 PRO」だろう。これは万魔声学科技が開発し、小米ブランドで販売されている製品で、価格は149元(2500円強)。中国のショッピングサイトや大都市の小米ショップなどで購入できる。ちなみに同じ開発、販売のUSB Type-C接続のイヤホン「小米降噪耳机」や、万魔声学科技ブランドの各種イヤホンも優秀賞を受賞している。

 スマートフォンと連携するスマート製品の中でも変わり種と言えるのが「牙偵探」だ。これは口の中を撮影するツールで、専用アプリで映像を再生すると虫歯や歯石、歯周病などをチェックできるというもの。専用アプリは口内の健康状態を管理できるほか、中国各地の歯科医にオンラインで予約を入れる機能なども搭載している。ただし、こちらはECサイト「京東」のクラウドファンディングで開発された製品のため、一定数の購入者が集まれば販売するとのこと。その際の価格は約700元(約1万2000円)となっている。

コンパクト、ポータブルをうたう製品が目立った

 中国人のライフスタイルが変わってきている影響もあるのか、今回は「ポータブル」を特徴とする製品の受賞が目立った。

 上海斐訊数据通訊技術の「PHICOMM AM1」というデジタル時計は、中国のシビアな環境を背景に誕生した製品だ。この製品は日付、時刻、温度、湿度を表示する機能に加えて、空気中のPM2.5やホルムアルデヒドの濃度を測定する機能も搭載している。PHICOMM AM1も京東のクラウドファンディングで開発された製品で、購入希望者を募集中。価格は799元(約1万4000円)となっている。

 また、旅行先に持っていきたいものとして金賞を受賞した電源タップ「TPLUG P1超薄挿線板」も紹介したい。北京元隆雅図文化伝播というメーカーが開発した製品で、2又と3又を兼用する差し込み口とUSB端子が2つずつ用意されている。評価ポイントは本体部分を17.5mmまで薄くしたデザインで、本体側面のスイッチをスライドさせると差し込み口がせり上がってシャッターが開くギミックも面白い。「Ultra-thin USB Travel Power Plug」という英名そのままの製品だ。

 北京一英里科技が設計した「光環微電折畳車」は、なんと折り畳める電動自転車。重量15.5kg、最高時速25km、3時間の充電で35kmの走行が可能といったスペックはさておき、その折り畳みのギミックはインパクト抜群だ。価格は5699元(約9万9000円)。

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上海で注目の最新無人コンビニ「猩便利」には人がいる(日経トレンディネット)

無人コンビニの新星「猩便利」は商品力で勝負

 この夏ごろから電子決済を活用した無人コンビニが中国の大都市に次々と登場し、話題となっている。その中で、上海に9店舗を展開している「猩便利」は、これまでの新技術の試験的導入場所という位置付けを超えた、実用的な無人コンビニとして評価が高い。

【関連画像】無人コンビニにもかかわらず温かい食べ物をラインアップ

 以前に当連載で紹介した中国の無人コンビニの商品はパッケージされたものばかりで、無人ゆえに肉まんなどの食品は扱っていなかった。ところが猩便利は、弁当やスイーツが充実しているほか、中国では定番の肉まんやおでん、揚げ物などもある。また、広い店内には従来の無人コンビニにはなかったイートインスペースまであり、モバイルバッテリーや傘の貸し出しも行っている。

 商品の購入にはスマートフォンに専用アプリをインストールする必要があるが、店内では無料のWi-Fiが利用できるので通信費の心配は無用だ。購入する各商品は、その商品に付いているバーコードないしは2次元コードを専用アプリで読み取ると合計金額が表示される。すべての商品の読み取りが終わったら、そのまま電子決済処理へ。中国の電子決済「支付宝(アリペイ)」または「微信支付(ウィーチャットペイ)」で支払いを済ませると専用アプリに「購入完了」の2次元コードが表示され、出入口に設置されたコードリーダーにそれを読み取らせる。後は店外に出るもよし、イートインで弁当を食べ始めてもよし。

せっかちな人にも年配者にもやさしい

 猩便利は無人コンビニのカテゴリーに入るのだが、実際にはそうではなかった。購入手順を説明するためのスタッフのほか、カウンターでコーヒーや肉まんのオーダーに対応するスタッフがいるのだ。客は、店員と現金のやり取りをすることなく店を出てもいいし、スマートフォンがなければ現金で支払ってもいい。時間を節約したい人にも、ハイテクに弱い年配者にも優しいコンビニなのである。

 無人コンビニにスタッフがいるというのもおかしな話だが、猩便利の決済システムを導入するコンビニは、今後も増えていく可能性が大きい。中国ではすでに、特に庶民的な食堂や商店において猩便利と同様の決済方法が広く普及しているからだ。

 猩便利はまた、オープン記念として弁当9.9元(約170円)をはじめとするいくつかの商品をセール価格で販売した。それらのセール品を目当てに客が殺到したわけだが、購入には専用アプリが必須というのがポイントで、猩便利はまんまと顧客の囲い込みに成功したことになる。

 店舗を実際に訪れた筆者は、システム、商品、店内のどれをとっても既存のコンビニよりも洗練されているという印象を受けたのだが、それもそのはず。猩便利は、コンビニのノウハウを知り尽くした元ローソン副総裁と、実店舗とインターネットのシナジーを知り尽くした元阿里巴巴(アリババ)副総裁がタッグを組んで始めたコンビニなのだ。この最新の無人コンビニは、その将来性を見込まれて豊富な投資資金を得ており、今後さらに店舗を増やし、システムや品ぞろえを一層パワーアップしていくだろう。

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中国で「深夜食堂」ブーム 新しい日本食が広がる(日経トレンディネット)

不人気だったドラマ「深夜食堂」がブームに!?

 中国では知る人ぞ知るコンテンツだった「深夜食堂」がブームになっている。「深夜食堂」とは、安倍夜郎による人気コミックを原作としたドラマのことだ。深夜0時から朝の7時ごろまでしか営業しない食堂のマスターと客たちとの交流を描く作品で、2009年に日本でドラマ化され、その後、中国でもネット配信されて話題になった。

【関連画像】レシピサイト「下厨房」には「深夜食堂」というジャンルができた

 このドラマが今ごろになって再び注目を浴びたのは、今年6月にスタートした中国および台湾向けのリメーク作品「深夜食堂(華語版)」がきっかけ。鳴り物入りで登場したものの、中国にはない小料理屋風の店が舞台となっており、物語も日本の食文化をベースとしているため中国人には違和感がありすぎたようで、評価サイトでもまれに見る低評価作品となった。ところが逆にその“違和感”が面白いと注目され、ドラマの認知度が上がるという皮肉な結果につながったのだ。

 しかも、話はそれで終わらない。「ふりかけ(だけの)ご飯」や「一手間かけた即席麺」は中国ではあり得ないという多数派の意見をよそに、そういった食文化に興味を示す中国人も少なからずいて、「深夜食堂」のレシピを真面目に紹介するウェブサイトなどが人気に。さらに、書店では日本の大衆食堂を紹介するガイド本などをよく目にするようになり、「淘宝網」などのECサイトでは深夜食堂“非”公認スマホケースをはじめ、作中によく登場する卵焼き器などの調理器具や、かつお節などの日本の食材を取り扱う店が増えたのだ。

「深夜食堂」をモチーフにした実店舗も急増!

 検索サイトの「百度」や、口コミサイトの「大衆点評」や「美団」で「深夜食堂」を検索すると、「深夜食堂」をモチーフ、または店名そのものにした食堂が中国各地にあることが分かる。また、それらの多くが「日式」または「日本」とうたっていることから、日本料理を提供する店であることも推測できる。

 そうした店には、マンションの一室をカフェ兼食堂にしたところが多いのも特徴だ。マンションの一室を改装してカフェにしたり、カルチャースクールにしたり、民泊用にしたりといった動きは近年の中国におけるトレンドだが、「深夜食堂」をモチーフにした食堂もそれらの1つと言えるだろう。確かに、即席麺にちょっと調味料や食材を加えるだけ、ご飯にかつお節としょうゆを振りかけるだけでよいので「深夜食堂」風の店は手っ取り早い。

 とはいえ、ウェブサイトの紹介画像をチェックしてみた限りでは、店内に日本風の中古家具を置いて、そこに日本の書籍を何冊か並べた程度の殺風景な店が多いように思う。実際に筆者が訪れた店も、「ねこまんま」や「お茶漬け」「カレーライス」がメニューにあったものの、内装からは「深夜食堂」を本気で再現しようという熱意が感じられず、ブームに乗って飲食店を始めてみただけという印象だった。

 「深夜食堂」は、すしやてんぷらといったステレオタイプの日本料理とは違う日本の食文化を伝えるコンテンツとして成功したと思う。多くの中国人にとっては受け入れ難いものでありながらも、手軽でトレンディーであることから出店ブームに結び付いたのは面白い。「深夜食堂」ブームがどこまで広がるのか、そして定着していくのか、興味深いところではある。

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自動車型の山寨機はスマホに進化しても残念だった(日経トレンディネット)

定番の山寨機がスマートフォン化して登場!

 ファーウェイやオッポ、ビーボといったスマートフォンメーカーが、アップル、サムスンの牙城を崩さんばかりにシェアを伸ばしている一方で、中国では“山寨機(シャンジャイジ)”と呼ばれるチープでうさん臭い端末もいまだに売られている。山寨機を扱っている店は、携帯電話の卸売市場などに限られるので、買うならオンラインショップが楽だ。

【関連画像】自動車型ほか、キャラクターものやたばこの箱のようなデザインの山寨機もよく見掛ける

 筆者もこれまでもさまざまな山寨機を購入してきたが、結局は使いものにならず、話の種のためのオブジェと化している。理由は従来の山寨機がフィーチャーフォンであり、OSが中国語と英語しか対応していないからである。

 今回紹介するのは、山寨機の独特なデザインを継承したスマートフォンだ。山寨機としては以前から自動車型のフィーチャーフォンがあるのだが、そのスマートフォン版が登場したのである。言うまでもなくスペックは貧弱だが、Androidを搭載したおかげで日本語のウェブサイトも表示可能になった。

ふたの開閉でヘッドライトが無駄に点滅

 自動車型端末には、ストレート型と折り畳み式がある。筆者が購入したモデルは折り畳み式で、智新というブランドの製品だ。購入価格は188元(約3200円)だったが、8GBのmicro SDカードとUSB LEDライトが同梱されていた。価格だけで言えばかなりお買い得である。ちなみに、この手の自動車型端末は、赤や青や銀色などさまざまなカラーバリエーションがあるのだが、筆者が選んだのは金色のモデルだ。

 筆者が購入した端末の長さは、ふたを占めた状態で11.5cm、開けた状態で19.3cm。幅は6cm、厚さは1.5cm、重量は120gとなっている。自動車をモチーフにした端末らしく、ふたを開閉するたびにプップーとクラクションが鳴り、ヘッドライトが点滅する。また、裏ぶたの一部が半透明になっていて、電源ボタンを押すとふたを占めたままでも液晶に表示されている日付が見えるというギミックが面白い。

 電源ボタンと音量ボタンは、ふたの開閉に関係なく押せる。ふたを開けると、Androidのホームボタン、戻るボタン、メニューボタンが現れる仕組みだ。

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スマホユーザーにもうれしい中国製mp3プレーヤー(日経トレンディネット)

Hi-Fi音質と急速充電が売りのmp3プレーヤー

 中国の電脳街を歩いていると、たまに面白いものに出くわすことがある。ここで紹介するmp3プレーヤーも、電脳街の広告を見た筆者が実際に購入したものだ。

【関連画像】本物かどうか疑ってしまうほど質素なパッケージ

 その広告によると、音質にこだわった本格志向のmp3プレーヤーらしい。「充電5分で再生2時間」「Bluetooth&タッチスクリーン搭載」「老舗がリリースした製品」といった文言も書かれている。メーカーは紫光電子(UnisCom)という、中国でパソコンが普及していないころからスキャナーやmp3プレーヤーをリリースしてきた企業だ。

 興味を持った筆者は、まずは手元のスマートフォンでECサイトの「淘宝網(タオバオ)」と「天猫(Tmall)」で商品をチェックして、100元(約1700円)程度が相場であることを確認。それから店に入って実物を試用してみた。確かに金属ボディーの質感はいい。

 購入すると店員に伝えたところ、250元(約4300円)と言われたので値引き交渉を開始、結局150元(約2600円)で手に入れた。ECサイトよりも50元ほど高いのだが、8GBのmicro SDカードをおまけしてくれたので納得だ。ちなみにmicro SDカードには、「トムとジェリー」の動画とイーグルスの名曲「ホテル・カリフォルニア」がサンプルとして入っていた。

 気になったのが、同じメーカーで同じ型番にもかかわらず、微妙に機能とデザインが異なる製品が存在すること。万歩計機能が付いたモデルと、付かないモデルがあるのだ。店舗には万歩計機能なしのモデルしかなかったが、ECサイトではどちらも販売されている。“どちらかがニセモノ”ということはないだろうが、何とも腑に落ちない。

ひらがな、カタカナ表示もできる

 紫光電子のmp3プレーヤー「K188」の最大のセールスポイントは、原音に忠実なHi-Fi音質と急速充電だが、1.8型カラー液晶を搭載しているため「mp3プレーヤー」と称しつつも動画の再生やテキストの表示が可能だ。内蔵ストレージは8GBで、さらにmicroSDカードスロットが本体側面にある。重量は82g。

 バッテリーは600mAhでありながら、宣伝文句の「充電5分で2時間再生」は少し大げさだとしても、持ちはとてもいい。バッテリーを使い切った状態から10分間ほど充電しただけで、ゲージの残量は4分の3程度まで回復し、1時間以上も音楽を再生し続けることができた。カタログでは1~2時間の充電で60時間の再生が可能となっている。

 初期設定は簡体字表記だが、ひらがなやカタカナも簡体字フォントに入っているため、ひらがなやカタカナを含む曲名やテキストも表示できる。さらに言語選択で日本語表示にすることも可能だ。簡体字と異なる漢字フォントが文字化けしたり、「bluetoothを終了ですか?」のようなおかしな表現があったりするが、何とか使える。

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中国製LEDスタンドライト選びは多機能すぎて悩ましい(日経トレンディネット)

スタンドライトは、あえて実店舗で探す

 中国語で「台灯」ことスタンドライトは今、中国で最も旬な家電かもしれない。家電量販店はもちろん、スーパーや雑貨店、書店などでも見かけるのだ。各店がさまざまなメーカーのさまざまなスタンドライトを販売している。

【関連画像】リマックスの店舗。スマートフォン関連ではないが、スタンドライトも置いてあった

 いくつもの機能を詰め込んであるのが中国製品の特徴ともいえるが、スタンドライトも例外ではない。筆者が見かけただけでも「日付や気温を表示」「スピーカー搭載」「ウェブカメラ搭載」「Wi-Fi中継機能搭載」など、いろいろな付加機能を搭載したスタンドライトがあった。しかも、悩ましいことに“全部入り”の製品がない。一度気になりだしたら止まらなくなり、何か面白いものはないかとあちこちの店を巡り歩くことになった。

 言うまでもないが、多機能なものやエッジの利いたデザインのものは、「淘宝網(タオバオ)」などのショッピングサイトを探せばいくらでもある。しかし、やたらに多機能で肝心のライトが残念で使いものにならないという製品もすくなくない。あえて実店舗を回ったのは、実用的かどうかを見極めたかったからだ。

 結果、リマックスというブランドのBluetooth接続スピーカー内蔵LEDスタンドライト「RBL-L3」を買うことに決めた。価格は399元(約6800円)。筆者は黒の本体カラーを選んだが白もある。

 ちなみにリマックスは、昨年あたりから中国全土で急増したスマートフォン関連製品のブランドで、日本にも進出しているようだ。当連載でも半年ほど前に「異色のスマホ用アクセサリーショップが面白い」という記事で取り上げた。日本語版のウェブサイトもあるので、のぞいてみるといいだろう。

スピーカーはそこそこ、操作性に難あり!?

 購入したRBL-L3は、アームが自由に曲げられるタイプのデスクトップライトだ。一直線に伸ばした長さは約760mmとかなり長く、下から10㎝ほどが円筒形のスピーカーになっている。カタログによれば重量は約1340gで、LEDの照度は1800ルクスとのこと。

 スピーカーの上部には電源のスイッチと光量の調整ボタン、「ライトモード」の切り替えボタンが並ぶ。ライトモードは青みを抑えた「リラックスライト」、青白い「スタディーライト」、太陽光に近い自然な色合いの「ナチュラルライト」の3種類が選べる。

 また、スピーカーは5Wのステレオスピーカーで、bluetoothまたは有線で接続した端末の音声を再生する仕組み。スピーカーを内蔵するデスクトップライトの中でもひときわ大きいRBL-L3の音は、安物のBluetoothスピーカーよりはずっといい。

 スピーカーを操作するボタン類は照明とは別で、スピーカー部の背面に電源スイッチと再生/停止ボタン、音量調整ボタンが並んでいる。Bluetoothで接続した端末からも操作できるとはいえ、本体の裏側を見ないと操作できないのは不便だ。ステレオスピーカーなのだから、前面でもスピーカーとスピーカーの間に配置できたはず。しかもステレオスピーカーには、本体の向き次第で音が偏るという問題もある。

 気になるところはあるが、それなりの光量と音質を備えたLEDスタンドライトは、この製品くらいしか見当たらない。操作の不自由さに耐えられるならRBL-L3は買いだと思う。

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食と伝統にうるさい中国人にパン食文化は根付くのか!?(日経トレンディネット)

“超芳醇もどき”や“ランチパックもどき”で急成長

 数年前にシンガポールや台湾のベーカリーチェーンが進出したこともあって、若い人たちを中心にパン食が根付いてきたようだ。そんな中、1年ほど前からスーパーやコンビニのパン売り場で、日本にあるようなデザインの商品を目にするようになってきた。

【関連画像】こちらは「サンドイッチパン(三明治面包)」。見た目はランチパックそっくりだ

 それらは桃李面包(面包はパンの意味)というメーカーが製造しているもので、同社のパンは、山崎製パンの「超芳醇」や「ランチパック」「薄皮ミニパンシリーズ」にそっくりなのだ。中国人からも「日本に旅行に行ったら桃李のパンにそっくりなパンばかりを見かけたのだが、桃李は日本のパンのニセモノなのか」といったインターネット上の書き込みがあったほどだ。

 桃李は、従来とは異なるレベルでパンを量産し、それらを中国全土に卸すことで急成長している。これまで、スーパーで売られているパンは、地元のパン工場で生産されていたため、品質は期待できなかった。ところが桃李のパンは見た目もさることながら、味も日本のオリジナルに似ていてまずくはない。桃李によって庶民的なパンの品質が底上げされ始めたと言ってもいいだろう。

街のベーカリーも急増で競争激化

 もう1つ、中国のパン事情を紹介したい。筆者が中国の複数都市を歩いてみて感じているのが、この1年足らずの間にベーカリーが急増していることだ。口コミサイト最大手「大衆点評」によると、今年1月に中国全土で58万2000店だったベーカリーの数が、4月には73万3000店まで増えたとのこと。とはいえ消費者のパンへの関心が高まったわけではないため、変わらぬ需要に対して供給だけが増え、競争が激化しているようだ。

 ベーカリーの数が最も多い広州市の地方紙「信息時報」によると、80%のベーカリーチェーンが消費者に「古くさい」と思われている一方で、高級パンが市場を拡大しているという。そうした変化に対応すべく、面包新語などの既存ベーカリーチェーンは、高級パンの販売を始めた。価格は従来のパンが1個10元(170円)程度からあるのに対し、高級なパンは1個15元(255円)程度からとなっている。食パン1斤が約300円もするのは中国の感覚ではかなり高いのだが、それでもちゃんと売れているようだ。

 同様の変化は、沿岸部、内陸にかかわらず都市部で起きているように思う。実際、いろいろな都市のショッピングモールを訪れてみても、「高級」「こだわり」をうたうベーカリーが必ずある。

 高級なパンは材料にこだわり、かつ砂糖、塩、油を控えめにした健康志向が特徴。また、それらを扱う店は内装が華やかで、若い女性客が多いという。中国人の主食といえば米や麺だが、おいしくて健康的なパンの登場でパン食がさらに広まりそうだ。

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謎解きが楽しい! リアル脱出ゲームが中国で急増中!(日経トレンディネット)

マンションの一室がゲーム施設に!?

 「真人密室逃脱遊戯」と呼ばれるリアル脱出ゲームが中国各地で急増している。ひと言で言ってしまうと「閉じ込められた部屋から脱出する」という遊びなのだが、出口の鍵や解錠番号を入手するには室内に仕掛けられたさまざまなパズルを解く必要があるのがポイントだ。

【関連画像】大型の施設には複数のテーマが用意されている

 中国メディアによれば、「真人密室逃脱遊戯」が登場したのは2013年ごろのようだが、この1、2年で再び大きな波が来ているように思う。施設としてはショッピングモール内にもあるのだが、むしろ高層マンションの一室を利用した小さな施設が急増している感じだ。料金は施設によってまちまちではあるが、だいたい1回につき100元(約1700円)前後となっている。

 口コミサイトの「大衆点評」や「美団」で「真人密室逃脱遊戯」を検索すると、こうした施設が街中にあることが分かる。最近、マンションの一室を趣味の教室や民泊用の客室、カフェなどに利用する動きが中国の都市部にあるが、「真人密室逃脱遊戯」用にリフォームするのもその一例と言えそうだ。

 もちろん、そういった内装を手掛けるリフォーム業者は中国全土に存在するし、またゲームで使用するボタンやパネル、発光装置などのギミック類もECサイトの「淘宝網(タオバオ)」で手に入る。

中国版リアル脱出ゲームを利用してみた

 記事を書くからには取材しようと思い立ち、数人の知人を集めて「真人密室逃脱遊戯」に挑戦してみた。場所は筆者の滞在する内陸の省都にある、繁華街から少し離れた高層マンションの一室。ウェブサイトに掲載されている情報によると料金は1人につき120元(約2000円)だが、クーポンを利用すると70元になるらしい。ちなみに300~700元(約5000~1万2000円)程度の料金を部屋単位で設定しているところもある。

 実際に現地を訪れてみたところ、マンションのエントランスにそれらしい情報は一切なく、施設のある最上階の部屋のドアの1つに施設名が書かれているだけだった。その部屋はメゾネットになっていて、リビングルームをリフォームした受付と待合室のほか、難易度とテーマが異なる部屋が4つ。それぞれのテーマは「船」「工場」「教会」「博物館」で、室内をチラ見したところ、それっぽい壁紙や小道具があった。施設のスタッフによると、季節ごとにテーマを変え、それに合わせて内装も変えているとのことだ。

 テーマ、つまり利用する部屋を決めたらスタッフからルールや禁止事項、制限時間などの説明を受ける。貴重品以外をロッカーに預け、スタッフが外から鍵を掛けたらゲームスタートだ。

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