『ウイイレ』代表選考会 もう一つの日本代表が決定(日経トレンディネット)

アジア競技大会のエキシビション競技の1つとして選ばれたコナミデジタルエンタテインメントのゲーム『ウイニングイレブン2018(PRO EVOLUTION SOCCER 2018)』。その日本代表選手を決める代表選考会が2018年5月27日に開催された。ゲームライターであり、日本が出場していない時代からワールドカップを現地でも観戦しているサッカーファンの野安ゆきおが、選考会の様子とその意義についてレポートする。

【関連画像】会場内の様子。10台を超えるテレビカメラが集まるなど、メディア関係者たちの注目度はきわめて高かった

 2018年8月にインドネシア共和国のジャカルタ・パレンバンで開催される第18回アジア競技大会で、5つのゲームがエキシビション競技として採用されることが決まった。eスポーツは正式なスポーツとして認められるための、記念すべき第一歩を踏み出すことになる。

 アジア競技大会向けた日本代表選考会は5月27日に開催された。日本のゲーム史上初めて、国際スポーツ大会におけるeスポーツ日本代表となる選手たちを選ぶ選考会だ。この記事では、採用が決まったゲームの中で、唯一の国産タイトルであり、また唯一の家庭用ゲーム機タイトルでもある『ウイニングイレブン2018(PRO EVOLUTION SOCCER 2018)』(以下「ウイイレ」)の代表決定の様子を取材した。

勝ち残ったのは無名の超新星と誰もが認める実力者

 『ウイイレ』は、シリーズ1作目が発売された1995年からの長い歴史を持つ、コナミデジタルエンタテインメントの看板タイトルの1つで、世界的に人気のサッカーゲームだ。海外では『PRO EVOLUTION SOCCER』と呼ばれ、その頭文字をとったPESリーグというUEFA Champions League公式のeスポーツ世界選手権も開催されている。日本でも、大会で優れた成績を出した選手に対して、JeSU(一般社団法人日本eスポーツ連合)がプロ認定を行っている。

 代表選考会には、オンライン予選およびオフライン予選を勝ち抜いた10人と、JeSUのプロライセンス保有選手10人が参加。1グループ5人による総当たりのリーグ戦を勝ち抜いた4人が、LFS(ルフス)池袋 esports Arenaでの最終決戦に出場し、ここで1対1の試合をして、それぞれの勝者2人が日本代表に選考されるというレギュレ―ションで行われた。

 熾烈(しれつ)な予選会を勝ち抜き、5月27日の最終決戦で、まず日本代表の座を射止めたのは、誰もがノーマークだったレバ選手。17歳の高校生である。対戦相手のかつぴーや選手が繰り出したのは、現実のサッカーではお目にかかれない「5-2-3」という超変則フォーメーションだったが、eスポーツのプロたちを唸らせる冷静さでそれに対応。次々に得点を積み重ねた。年齢が若く、これまで大きな大会に出たことのない超新星が、日の丸が付いたユニフォームを着て、他国の強豪と挑戦する権利をもぎとったのだ。

 もうひとつの代表の座を射止めたのは、今大会の大本命の一人でもあったSOFIA選手だ。JeSUのプロライセンスを保有する21歳の実力者で、欧州の大会での優勝経験もある日本最強の競技者の一人だ。対戦相手のあると選手に「想定していた複数のパスコースが、事前にすべて潰されていた。どうすれば勝てるんだ……」と試合後に嘆かせるほどの横綱相撲で、一発勝負を危なげなく勝ち切った。

 在野の若きゲームプレーヤーと最前線で戦い続けてきた競技者の2人が日本代表に選ばれたことは、これから社会的地位を固めることを目指すeスポーツにとって、望みうる最高の形だったことは、ぜひとも強調しておきたい。

 それというのも、レバ選手は実力さえあれば誰でも日本代表になり、国際スポーツ大会に挑めるというeスポーツ・ドリームを体現したからだ。自宅でテレビゲームに夢中になっている無名のプレーヤーたちにも、腕さえ磨けば日本代表になれるという目標を与える存在になってみせた。一方、SOFIA選手は、eスポーツの最前線で戦ってきた競技者としてのプライドを背負い、これまで日陰の扱いをされることもありながらeスポーツ・カルチャーを盛り上げてようと努力してきた競技者たちの努力を結実させるかのように、日の丸のついたユニフォームに袖を通した。

 テレビゲームが一般に普及してから、およそ40年。ゲーム産業は今、ゲームをスポーツとして認めさせるという新たな課題に挑戦する時代へと突入している。その第一歩として、今回の大会は、大きな成功を収めたと結論付けることができるだろう。

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Switch向けゲームにも参入 グリーが進める拡大戦略 キーパーソン激白! 進化するゲーム・ビジネス2018(日経トレンディネット)

 2018年6月期の中間決算では売上高が前年同期比36%増、営業利益が25%増と経営指標がプラス方向に転じたグリー。ブラウザーゲームの消費落ち込みが下げ止まり、スマホ向けゲームアプリが複数ヒットするなど、事業環境は好転している。加えて、自社IPの『釣り★スタ』をNintendo Switch向けタイトルとして開発することを発表したり、ゲーム運営やカスタマーサポート事業を切り出した子会社が順調に成長したりと、事業の幅を拡大中だ。

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 スマホアプリ事業の「Wright Flyer Studios」を統括する荒木英士取締役、モバイルゲームプラットフォーム事業「GREE Platform」を統括する小竹讃久取締役、「ポケラボ」の社長も務める前田悠太取締役――グリーのゲーム事業のキーパーソンといえる3人に、それぞれの事業分野の2018年の戦略を聞いた。

(聞き手/渡辺一正、写真/稲垣純也)

●荒木 英士(あらき・えいじ、左)取締役 上級執行役員。2005年、慶應義塾大学環境情報学部在籍時代に、複数のスタートアップの創業に参加。事業売却後、大学を卒業し、4人目の正社員としてグリーに入社。事業責任者兼エンジニアとして、PC向けGREE、モバイル事業、ソーシャルゲーム事業(『踊り子クリノッペ』など)、スマートフォン向けGREEなどの立ち上げを主導した後、2011年、米GREE International, Inc.の設立に参画。2013年9月に日本に帰国し、グリー取締役に就任

●小竹 讃久(しの・さんく、中)取締役 上級執行役員。2000年、慶應義塾大学大学院理工学研究科を卒業後、博報堂に入社。営業部門に所属し大手携帯キャリア、大手ポータルサイトなどを担当。2008年11月、グリーに入社し、プロモーション業務や広告事業に従事するかたわら、プラットフォーム事業拡大のための開発パートナー開拓に注力。2011年4月、執行役員 マーケティング事業本部長に就任。2013年9月、グリー取締役に就任

●前田 悠太(まえだ・ゆうた、右)取締役 上級執行役員。2006年、武蔵工業大学大学院工学研究科(現:東京都市大学大学院工学研究科)を卒業後、ジャフコにて主にIT・モバイルセクターのベンチャー投資・育成に従事。2009年7月、ポケラボに入社し、取締役CFOとして経営管理部門を担当し、組織づくりからアライアンス、事業推進まで幅広く従事。2011年12月、ポケラボ 代表取締役社長に就任。2013年9月より、グリー 取締役を兼務。弁理士

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スクウェア・エニックスはデジタル販売強化で収益拡大 キーパーソン激白! 進化するゲーム・ビジネス2018(日経トレンディネット)

スクウェア・エニックスは、2017年7月に投入した『ドラゴンクエストXI』や『ファイナルファンタジーXII The ZODIAC AGE』などの大型タイトルの販売、オンライン系タイトルやスマホアプリなどが健闘し、取材時点(2018年1月)で昨年度(2017年3月期)とほぼ同等の収益を維持している。グループ全体のウェブサイトを見直し、情報の提供からコンテンツ販売までの道筋をシームレスにつなげて、デジタル販売力の強化を図る。2018年は海外スタジオ製タイトルが続々と発表される予定だ。松田洋祐社長に2018年の方針を聞いた。(聞き手/渡辺一正、写真/稲垣純也)

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世界的に日本発のゲームが存在感を示した2017年

――2017年を振り返って、どのような1年でしたか。

松田洋祐社長(以下、松田氏): 2016年末からのことですが、2017年全体を通して日本のゲームタイトルが世界的に見て、非常に盛り上がった年だったと思います。

 2016年9月に発売されたRPG『ペルソナ5』(アトラス)を皮切りに、弊社のRPG『ファイナルファンタジーXV』(2016年11月)が発売。2017年は任天堂のRPG『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(2017年3月)などのNintendo Switch(以下Switch)向けのタイトルや、弊社のアクションRPG『ニーア オートマタ(NieR:Automata)』(2017年2月)、RPG『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』(2017年7月)など、ヒット作が続いています。

 家庭用ゲーム機本体も、PlayStation4(PS4)は着実に販売台数を伸ばしていますし、Xbox Oneシリーズは好調なホリデーシーズンを迎えました。Switchの販売台数が1000万台を超えたという発表もあります。家庭用ゲーム業界で、日本企業の存在感が非常に高まった1年だったと思います。

 弊社が発売した主要タイトルの売り上げ自体は、おおむね計画通りです。『ドラゴンクエストXI』は久しぶりの本編でしたが、おかげさまで非常にクオリティが高いとお客様からご評価いただきました。数字面でも発売初週で300万本以上が積み上がり、その後も好評です。今回はPS4とニンテンドー3DSの2つのプラットフォームでリリースするという、ある意味すごい挑戦だったのですが、両方とも評価が高かったので、ありがたいですね。

――プラットフォーム別に見た場合、各事業の評価はいかがでしたか。

松田氏: 家庭用ゲーム機からPC、スマートフォンなど全般的に当初の予定よりも良かった年でした。アーケード事業の一部ではちょっと苦戦しましたが。

 ただ、アーケード市場全体はなかなか難しい時代になっていますが、各店舗の売り上げはそう悪くありません。逆に、最近では売り上げを伸ばす追い風が吹きそうです。というのも、近年はリアル店舗を撤退する業種が増えています。立地条件の良い銀行や小売業などの店舗が撤退し、これまでは手が出なかった物件でも入居できるようになってきました。出店施策としては、チャンスが増えてきたと捉えています。

 また、グループ会社タイトーの『スペースインベーダー』も40周年になりますから、いくつか周年事業を展開していきます。最近では、六本木ヒルズでのイベントを実施しており、スクウェア・エニックスからもコンテンツの企画・開発で協力しました。

 家庭用ゲーム事業では、HD(ハイ・ディフィニション)ゲームを中心に、デジタル販売に力を入れていて、それが非常に売り上げを伸ばしています。ゲームタイトルのライフタイムもどんどん長くなっています。

 2017年末のクリスマス商戦では、2016年10月にPS4版をリリースした『ライズ オブ ザ トゥームレイダー』(2015年)、『ジャストコーズ3』(2015年)といった過去作品を、デジタル販売で猛プッシュしたんですよ。その結果、ものすごく売り上げが伸びました。これらのタイトルは既に開発費の償却が済んでいる作品で、売れたらそれがほぼそのまま利益となるわけです。このインパクトは非常に大きいと思っています。

『グランツーリスモ』に名門ザガートのコンセプトカー登場(日経トレンディネット)

イタリアの名門ブランド「ザガート」のコンセプトカーを誰もが運転できるようになるかもしれない。ただし、PlayStation 4向けのゲーム『グランツーリスモSPORT』の中で――。東京モーターショー2017のソニー・インタラクティブエンタテインメントのブースでは、ザガートがコンセプトカーを初披露。同時に、ゲーム内ではそのクルマで走行できるようにしていた。

【関連画像】『グランツーリスモSPORT』は未だ品薄状態が続くPlayStation VRにも対応している。4つの試遊台のうち、ひとつはこのPSVR環境でのプレイが可能だった

 実在のクルマを、リアルな風景の中で走らせる――そんな楽しみをゲームとして本格的に味わわせてくれた『グランツーリスモ』がソニー・コンピュータエンタテインメント(現・ソニー・インタラクティブエンタテインメント)の初代PlayStation(PS)で発売されたのは、1997年のこと。今からちょうど20年前だ。

 以来、ゲーム機の進化とともに、グラフィックだけでなく、ドライブフィールなどの細部においても『グランツーリスモ』のリアリティーは向上を続け、「ドライビングシミュレーター」として高く評価されるに至っている。シリーズ初のPS4対応作品となった『グランツーリスモSPORT』では、eスポーツ向けの「スポーツモード」を搭載し、国際自動車連盟(FIA)公認で大会も開催されることで大きな話題となった。

 そんな『グランツーリスモ』は、東京モーターショーでも試遊スペースを設けていた。コックピット型のきょう体に乗り込み、ハンドルコントローラーを使った本格的な環境で、このゲームを約5分間試遊できた。

 巨大な画面を前にドライビングシートに座り、ハンドルコントローラーでプレーできるだけでなく、同作で初めて対応したVRシステム「PlayStation VR」を使った試遊台も設置。一段進化したリアリティーを十分に楽しめる内容で、モーターショーに来場したクルマ好きも引きつけていた。

20年目に発表されたコンセプトカーは?

 プレスデー初日の10月25日に同ブースを訪れたときには、ブース内左端に暗幕に覆われたクルマらしきものが設置されていた。疑問に思って質問してみたが、何が隠されているかは同日17時10分からのセレモニーまで絶対に秘密、とスタッフにはぐらかされた。

 暗幕が取り払われたのは、スタッフの言葉通り17時10分。多くのプレス関係者が詰めかけるなか、『グランツーリスモ』シリーズを手がけるポリフォニー・デジタルの山内一典プレジデントと、ザガートのアンドレア・ザガートCEO、同社でデザインを担当するVP Designの副社長・原田則彦氏がブース内ステージに上がった。

 なんと暗幕の中はイタリアの名門ブランド「ザガート」の新たなコンセプトカー「Zagato IsoRivolta Vision Gran Turismo concept(ザガート・イソリボルタ・ヴィジョン・グランツーリズモ・コンセプト)」で、『グランツーリスモSPORT』というゲームのブースで世界初披露したのだ。

 ゲームのタイトルにもなっている「グランツーリスモ」という名称は、1950年代のイタリア・ミラノで生まれたと語るアンドレア・ザガート氏。ミラノを拠点として活動するカロッツェリア、ザガートにとって、『グランツーリスモ』というタイトルはそれだけ特別な意味を持つ。これが『グランツーリスモSPORT』ブースでの披露につながったようだ。

 原田氏は、「古典的な自動車美を残そうとしている」とデザインの意図を語った。実際、Zagato IsoRivolta Vision Gran Turismo conceptは、優美な曲線の中に鋭利さが潜んだロングノーズを持つ、まさに「GTカー」といったたたずまい。最新のコンセプトカーでありながら、フェンダーが前後のボンネットやキャビンから独立したデザインは、ある意味、「オーソドックス」とも表現できるだろう。長いフロントノーズの中にはキャラウェイ製の4.5リッターV8エンジンが搭載され、最高出力は560馬力にもなる予定だという。

 約100年という歴史を誇るカロッツェリアとのコラボレーションに、「(初代『グランツーリスモ』が発売された)20年前には想像もしなかった」と山内氏は感慨深げに語った。ブースに置かれた車体はモックアップで、まだ走ることはできないが、試遊台で遊べる『グランツーリスモSPORT』はZagato IsoRivolta Vision Gran Turismo conceptのお披露目と共にアップデートされ、ゲーム内でこのクルマを選べるようになった。

 独特の造形美を持つボディーを、強烈なV8エンジンでFR駆動する感覚を味わえるのは、「リアルな操縦感」が持ち味の『グランツーリスモ』ならでは。時期は未定だが、今後のアップデートで一般ユーザーも遊べるようになることは確実だ。『グランツーリスモSPORT』ユーザーは刮目してその日を待とうではないか。

(文/稲垣宗彦)

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