辻一弘さんインタビュー:特殊メークで「米アカデミー賞」受賞 日本が誇る“奇才”は、なぜはみ出し続けるのか?(日経トレンディネット)

 ここ数年、「若者は内向き志向だ」と言われている。しかしその実態をひも解いていくと、実に多くの海外挑戦者たちが存在する。グローバルで存在感を発揮する彼らの共通点は、日本流の「既成の枠」には収まらないこと。その“はみ出しっぷり”がとてつもなく魅力的なのだ。そこで今回、現在海外で活躍する日本人へのインタビューを試みた。紹介するのは、20代で日本を飛び出し、30代半ばにして海外で名をなした先達。ハリウッドで特殊メイクアーティストとして成功し、現在は芸術活動にいそしむ辻一弘さんだ。この度、辻さんは米国の第90回アカデミー賞でメーキャップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。

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(※この記事は電子書籍『日経ビジネスアソシエ Special Issue 日経GLOBAL GATE 2015 Autumn』からの転載です。内容は発行当時の情報に基づいています。)

 子どものころに『スター・ウォーズ』の特撮に興味を持ち、その後、特殊メイクの世界に進んだ辻一弘さん。27歳で単身日本を飛び出し、ハリウッドで特殊メイクアーティストとしての名声を確立した。ところが渡米後15年にして芸術家に転身。現在は著名人のリアルな胸像で、見る者を驚かせている。日本が誇る特殊メイクの“奇才”は、なぜはみ出し続けるのか。

●英語の先生の添削で海外へ自己PR

 辻さんが海外に“はみ出した”のは、自分自身の熱意に引っ張られたからにほかならない。

 特殊メイクに興味を抱いた高校時代、どうすればその世界で仕事ができるのかを知りたくて、アメリカの特殊メイクの巨匠ディック・スミス氏に手紙を送る。「アメリカにも学校はないので独学でやるのがよい」との返事をもらい、洋書などを手本にひとり学び始めた。1987年のことである。

 「高校の英語の先生に英文を添削してもらって、スミスさんとは月に1通か2通、7カ月ぐらいやり取りしたでしょうか。いまのようにメールなどない時代ですから、必死に手紙を書きましたね。自分の作品も見てもらい、アドバイスもいただいた。ついでに英語の成績も上がりました」

 その後、スミス氏が日本のホラー映画の特殊メイクを手がけるために来日。稚拙だが熱心な手紙が功を奏したのか、スミス氏から直々に誘われ、辻さんもスタッフの一員として初めてプロの現場を体験した。「とても光栄でしたけど、当時はガチガチで、ディックさんと何を話したかも全然覚えていない」と振り返る。

 高校卒業後、日本の特殊メイクのスタジオに所属。キャリアを積みながら、本場、ハリウッドへの夢を募らせた。だが、ハードルは高かった。就労ビザが取れないのだ。会社勤めなら取得も可能だが、当時のアメリカで特殊メイクの人間を雇う会社はなかった。

再出発のDeNA、eスポーツで事業連動も(日経トレンディネット)

ゲーム事業の再定義からスタート

――2017年を振り返って、どのような年でしたか?

松井毅氏(以下、松井氏): 会社全体で見ていろいろありましたが、どのような価値の提供を目指して、何を作っていけばいいか、という根本的な部分を再定義して、再出発する1年になったと思います。

 ゲーム事業では、オリジナルタイトルとして、2年前にiOS、Android端末向けにリリースしたドラマチック逆転バトルゲーム『逆転オセロニア』に改めて注力しようとプロモーションした結果、比較的順調に伸びました。2017年12月にiPhone/iPad、Android端末向けにリリースしたRPG『メギド72』は、大々的なプロモーションをしていないものの、遊んでいただいているお客様の反応を見ると結構順調にいきそうだと捉えています。

――再定義したのはどういう点でしょうか。

松井氏: DeNAでは、事業計画を立案しているときに、どこの企業と協業タイトルを何本、オリジナルタイトルを何本作りましょうという話になって、数値目標ありきで物事を考える癖がついていた気がします。

 そうではなく、我々は本当はどんな価値の提供を目指していたのか、というミッションありきの視点に立ち返ってゲーム事業を考え直そうとしています。ただ、ゲーム事業全体で「同じミッション」を掲げることはそう簡単でありません。例えば、「Mobage」というゲームプラットフォーム事業ではプラットフォーマーとしての役割と内製ゲーム提供者としての役割があります。その一方で、他社IPでビジネスをする「協業ゲーム」事業では、より強力なIPをお預かりし、協業を円滑に進める役割があります。

 それらの事業や新規IP開発事業も含めて、全員で共有できるようなミッションを1つ提示するだけでは、どうしても曖昧になりがちで、社員に理解してもらいにくくなります。だから、各事業単位でミッションを作ることに加えて、さらにその下にある各部門でもビジョンを掲げ、それらに基づいてしっかり物事を決めていこう、と考えました。

 私が管轄しているゲーム開発部門は全部で5つあるのですが、それぞれで「どういうモノの作り方をするのか」とか「どういう価値を提供したいのか」といったビジョンを言語化し、そのために何をすべきで何をしないのか、ということを3カ月くらいかけて定めました。個別のビジョンは外部に出していませんが、それらのビジョンとセットでゲーム事業全体として「記憶と歴史に楽しみを刻む」というミッションを掲げました。

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脱・アプリストア スマホゲームはブラウザーへ(日経トレンディネット)

携帯電話やスマートフォンでプレーするモバイルゲームのプラットフォームは、ブラウザーベースからアプリに移行し、近年はずっとアプリが優勢だった。だが、ブラウザーがHTML5に対応したことで、再びブラウザーベースに戻りつつある。ブラウザーベースのゲームを配信する楽天ゲームズの「RGames」、ヤフーの「Yahoo!ゲーム ゲームプラス」に続き、BXDが「enza」を2018年春に開始する。その狙いとは何か。

【関連画像】『ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ』。手持ちのカードからランダムで選ばれた2枚のどちらかを選んで相手とバトル。左上の数が大きいほうが攻撃権を持ち、攻撃力分を本体のHPから削り取れる。写真の場合、孫悟空のHPは31300、フリーザは32900。この数値がゼロになると敗北

 2018年2月20日、BXDはバンダイナムコ未来研究所で新サービスの発表会を開催した。BXDはバンダイナムコエンターテインメントとドリコムが設立した合弁会社で、HTML5を活用したスマートフォン向けブラウザーゲームを開発している。今回の発表は、HTML5ベースのブラウザーゲームのプラットフォーム「enza」を2018年春に開始するというものだった。

 サービス開始に合わせてローンチするタイトルは『ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ』『アイドルマスター シャイニーカラーズ』『プロ野球 ファミスタ マスターオーナーズ』の3つ。いずれもも固定ファンがいる人気タイトルで、既に開始している事前登録の登録数もアプリゲームのタイトルと比べて遜色ない。

 なお、enza内の支払いは、バンダイナムコの電子マネー「バナコイン」に統一。バナコインの購入代金は、クレジットカード、ケータイ払い、ウェブマネーなどが利用できる。

なぜアプリではなくブラウザーゲームなのか

 enzaがアプリではなく、HTML5に対応したブラウザーベースのゲームを採用したのは、ユーザーがより手軽にゲームを始められるようにするためだ。ブラウザーゲームはアプリをインストールしたり、アップデートしたりする必要がない。スマートフォンのストレージ容量を圧迫する心配がなく、人に薦める際も、通信量をさほど気にせず気軽に試してもらうことができる。enzaの同一プラットフォーム内ならば、バナコインが共通で使用できるのも利点だ。

 従来は、ブラウザーゲームというとアプリよりも単純なシステムのゲームを想像しがちだっただが、HTML5に対応することで、もはやアプリと同等以上のゲームも開発できるようになった。ゲームをするときに邪魔になりがちなアドレスバーを隠せるので、見た目にもアプリと見分けがつかなくなっている。

●より大きいのはプラットフォーム手数料が無料になること

 発表会では言及されなかったが、ゲーム会社にとってはさらに大きな利点があると筆者は考える。App StoreやGoogle Playを介さないため、アップルやグーグルに払わなければならないプラットフォーム手数料が不要になることだ。

 アプリゲームを運営しているゲーム会社は、アップルとグーグルに売り上げの30%のプラットフォーム手数料を払っているといわれている。それが浮くのは大きい。それでいて、個々のサイトから直接アプリをダウンロードする“野良アプリ”とも違うので、信頼性が揺らぐことはない。

 こういうとゲーム開発会社だけがもうかるようにも見えるが、BXDでは浮いたプラットフォーム手数料分は、プレーヤーに還元することも考えているという。BXD社長の手塚晃司氏とBXD取締役の内藤裕紀氏に話を聞いたところ、イベントやグッズ展開などで還元していくとのこと。例えば、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』はブラウザー対応になったことで、これまでよりリアルのライブイベントの回数が増える可能性があるということだ。これは、ファンにとっても喜ばしいことだろう。

 ほかにも、現在アップルが禁止しているプレゼントコードの発行もできるため、コードを雑誌の購入特典として記載したり、コラボ商品の景品やイベント参加の副賞として配布したりと、さまざまな展開も期待できそうだ。

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水着姿オーディション イマどきの女性はプレゼン上手(日経トレンディネット)

 水着姿のキャンペーンガールは、今や希少な存在だ。Ai(旧三愛)が毎年選出する三愛水着楽園イメージガールは、菜々緒さんら卒業生の目覚ましい活躍もあり、芸能活動を本格化させる登竜門としてのバリューを年々高めている。一般募集によるオーディションには、モデルなどの卵に交じって、テレビで見かけるタレントも参戦するという。

【関連画像】17代目イメージガール黒木麗奈さんは、就任前から女優の卵として活動している

 選考の結果、現役女子高生の黒木麗奈さんに決定した2018年三愛水着楽園イメージガール。今年度の審査に新しい変化はあったのだろうか。Aiに選考のウラ話を取材した。

※本記事は、2018年三愛水着楽園イメージガール選考の舞台裏を探った「水着キャンギャル応募条件 “イマどき”の項目とは?」のつづきです。ぜひ前編と併せてご覧ください。

他人との違いや能力をアピールする女性が増えた

 Aiが三愛水着楽園イメージガールに求めるのは、「スタイルが良く、水着が似合う女性」。言い換えれば「三愛水着楽園のイメージを上げてくれる人」(Ai)だ。

 応募総数は112人。書類選考を通過して面接審査に進んだ23人のうち、無所属での応募はわずか1人。ほぼ全員が芸能事務所に所属する「卵」だ。われこそは! と磨いたボディーに自信をみなぎらせた、まさに容姿端麗な女性たちがビキニを着けて審査に挑む。水着はAiが用意したものを着ける。モリモリには盛れない。自然な胸のラインが分かるブラと、シンプルなショーツを着ける。

 面接審査では何をやるのか。まずはモデルの基本であるウォーキングとポージング。その際、ちょっとアンニュイな表情とか、明るい笑顔など、審査員のリクエストに応じてみせる。そして質問に答える。

 この受け答えと内容も採点のポイントだ。イメージガールはポスターやカタログに写真が載るだけではない。テレビ出演やマスコミ取材もこなせる“動く広告塔”となることが求められる今、「言葉のキャッチボールがスムーズか、機転の利く反応か、頭の回転の良さも重要な要素」と商品統括部 統括部長の丸田隆司氏は言う。

 さらに今年の審査で目立ったのは「特技」のアピール。「実は私、こういうことができるんですよ」といった能力を披露する女性が多かったそうだ。なかでも印象に残るのは、道具まで持参してバトントワリングを披露して場を沸かせた人がいたことと、英語力をアピールする人が何人もいたこと。

 以前の審査との違いを、丸田部長はこう指摘する。「16年前、イメージガールの起用を始めた当時の応募者というのは、明るくてかわいらしい立ち居振る舞いを意識していたかもしれない。でも今は、自分をいかに目立たせるか、という気持ちが前面に出る。他人との違いを強調する女性が増えています。例えば、日本語以外の語学ができることで世界にAiの水着を発信していくんだ、というようなアピールの仕方をしますね」

 これまでは「負けず嫌いです」とか「あきらめるのが嫌いです」といった言葉で自分の長所を語ることが多かった。それに対し、「自分はこれこれができると売り込む。それが当たり前になってきた」(丸田部長)という。

 他人にはない能力や技術を審査の場で披露し、差を明瞭にする。得点をかせぐ。自分の価値をより高く、魅力的に印象づけるための自己プレゼンを積極的に行うというのだ。

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プロゲーマーはどう決まるのか 初の認定大会を開催(日経トレンディネット)

景品表示法や刑法のしばりが問題となって高額賞金を出せないとされてきた日本のeスポーツ大会。だが、eスポーツの新団体「日本eスポーツ連合」がライセンスを発行し、プロを認定する仕組みを作ることでこの問題をクリアするめどが立った。プロライセンス発行の対象となる大会が初めて開催された「闘会議2018」では、どのように大会が進められたのか。ゲームに詳しいライターの稲垣宗彦氏がリポートする。

【関連画像】幕張メッセを会場に2日間にわたって開催された「闘会議2018」。

 「闘会議」は、ユーザー参加型のゲーム大会を中心に、ゲーム実況エリアやレトロゲームが楽しめるエリア、自作・インディーゲームを集めたエリアなど、多彩なイベントが同時進行で行われる。例年、話題となる大イベントだが、今大会はゲームに関連する各方面から高い関心が集まった。というのも、2017年秋から急速な進展を見せている日本のeスポーツにおいて、プロゲーマーが初めて誕生する歴史的なイベントになったからである。

●そもそもなぜ「プロライセンス」なのか

 米国や欧州、韓国を中心としたアジア圏でeスポーツが年々熱を帯びていくなか、先進国で唯一、日本だけはなかなかその流れに乗れずにいた。原因としては、海外では「eスポーツ」という文化がPCゲームを中心に培われてきたのに対し、日本ではPCでゲームを遊ぶユーザーが少なかったこと、景品表示法、賭博関連の刑法、風営法といった法制度の問題で、賞金付き大会の開催が難しかったことなどが挙げられる(関連記事:eスポーツで、ゲームは「プロ野球」になれるか)。

 この問題を解決する手段として、sスポーツの新団体「日本eスポーツ連合」(JeSU)が発足し、プロライセンスを発行して「プロゲーマー」を認定することになった。JeSUの定めるプロライセンス取得にはいくつかの条件があるが、その1つがJeSU公認の大会においてJeSU公認タイトルの競技で優秀な成績を収めること。そして、初のJeSU公認大会になるのが、闘会議2018というわけだ。

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視線の先にeスポーツ、デジタル戦略着々のカプコン・辻本社長インタビュー(日経トレンディネット)

『モンスターハンター:ワールド』の大ヒットで2018年の幕を開けたカプコン。同作は、カプコン史上最速のペースで、世界での出荷本数が600万本を達成した(関連記事:辻本Pに聞く 新作『モンハンワールド』は何がすごい?)。2017年は『バイオハザード7 レジデント イービル』でも話題に。好調の裏で、経営面においても辻本春弘社長は着々とデジタル戦略を進める。さらにゲーム業界最大のテーマでもあるeスポーツについても、普及とその先の事業展開について思索を巡らせる。まさに「進化するゲームビジネス」を地で行く辻本社長に今年の展開とeスポーツの将来について聞いた。

【関連画像】辻本春弘(つじもとはるひろ) カプコン 代表取締役社長 最高執行責任者(COO)

(聞き手/酒井康治=日経トレンディネット、写真/稲垣純也)

『バイオハザード7』やSwitch向けタイトルに手応え

――最初に、カプコンにとって2017年はどのような1年でしたか?

辻本春弘社長(以下、辻本氏):  2017年は1月に、カプコンとして今世代のハードに対する新規タイトル『バイオハザード7 レジデント イービル』を発売しました。注目のPlayStation VR対応ということだけでなく、「バイオハザード」シリーズとしてサバイバルホラーゲームへの深化を追求したこともあり、非常に高い評価をいただきました。そこで培われた今世代ハードのノウハウが、現在のゲーム開発で有効に活用されており、当社にとって非常に手応えのあったタイトルと言えます。さらに『バイオハザード7 レジデント イービル ゴールド エディション』を12月に発売し、その波及効果で「バイオハザード」の過去作が売れるなど、シリーズ全体を通して継続的なビジネスが展開できています。

 また、昨年3月に発売されたNintendo Switch向けには、『ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ』を投入し、セールス面で大変好調でした。8月には『モンスターハンターダブルクロス Nintendo Switch Ver.』を発売し、こちらも多くのユーザーに支持されるなど、Nintendo Switch向けのビジネスがいいスタートを切れたことは大きなトピックです。「ニンテンドーDS」の時もそうでしたが、新型ハードの評価は発売されてこそ分かるものですね。任天堂の過去の経験、実績、そして底力をもって開発し、新しい体験をしてほしいという試みが、グローバルレベルで見事にユーザーに評価されたのではないでしょうか。

――eスポーツの面でも、カプコンは活発な動きをされていましたね。

辻本氏: 昨年の東京ゲームショウ2017(TGS2017)でeスポーツが注目され、そこで当社は『モンスターハンターダブルクロス Nintendo Switch Ver.』と『ストリートファイターV』を展開させていただきました。さらに12月に実施したCapcom Pro Tourの最終戦「Capcom Cup 2017」も、非常に盛り上がりました。多くの方々にeスポーツに触れていただいき、さまざまなメディアにも取り上げてもらったことで、今後のeスポーツの進展に向けた素晴らしいスタートが切れたと思います。Nintendo Switchと併せ、2017年の大きなトピックだったといえるでしょう。

――『バイオハザード7』ではVR(仮想現実)対応が目玉の一つでした。実際にタイトルを投入され、どのような手応えがありましたか。

辻本氏: 『バイオハザード7』は、全編を通じてVRで遊べることで非常に高い評価をいただきました。当社としても多くのデータやノウハウを蓄積できたので、良い経験だったと認識しています。

 ただ、今後はどういうゲームをVRで楽しんでもらうか、もう一段踏み込んだところで企画を練る必要があると思います。VRならではの遊び方をさらに突き詰めていく、そうしたステージに来ているのではないでしょうか。今後、ハードの普及が進めば価格も下がる可能性があるでしょうし、デバイスの軽量化などでよりユーザーフレンドリーになるでしょうから、VRと親和性の高いゲームの可能性は一層広がるでしょうね。

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Nintendo Labo体験会に潜入 子どもたちが工作に熱中 (日経トレンディネット)

 会場を満たしたのは、16組の親子たちの笑顔、笑顔、笑顔! 2018年2月17、18日に都内某所で任天堂が開催した体験型イベント「Nintendo Labo Camp!」(ニンテードー ラボ キャンプ)は、参加者みんなが親子で工作に熱中し、満面の笑みになるという、かつてないタイプのゲーム体験会だった。既にロンドンやニューヨークで同様の体験会は開催済みだが、ついに日本で開催されたので、その様子をリポートしよう。

【関連画像】イベントには16組の親子が参加。会場には4つの作業スペースがあり、2つが低学年用、2つが高学年用に分かれていた。とはいえ、年齢を問わず、用意されていた工作作業は同じもの

 今回のイベントは、任天堂が4月20日に発売予定の「Nintendo Switch」向けオプションパーツ「Nintendo Labo」を抽選で選ばれた親子が先行体験できるというもの(関連記事:Nintendo Laboを生んだのは日本独自の工作文化だ)。Nintendo Laboは段ボール製の組み立てキットになっており、Nintendo Switchと組み合わせることで、さまざまなコントローラー(トイコン)を作ってゲームを楽しめる。イベントでは、任天堂スタッフのアドバイスの下、親子で力を合わせてトイコンを完成させた。

リモコンカーが動いたとたん、もう夢中

 最初のプログラムは「リモコンカー」の作成だ。段ボールからパーツを切り抜き、リモコンカーの形に組み立てる。それにNintendo Switchのコントローラー「ジョイコン」をセットし、最後にNintendo Switch本体のタッチパネルで操作すると、セットしたジョイコンが振動して、リモコンカーが走り出す。

 当初は戸惑う姿も見られたものの、徐々に工作に熱中する子どもたち。完成したリモコンカーが動き出した瞬間、子どもたちの目の色が明らかに変わるのが分かった。たった今、自分の手で作った段ボール製のリモコンカーが、思いのままに動き出し、さらにはターゲットに向かって自動走行したり、テーブル上にシールで作った白線上をなぞるように走り出したりする。それを見て、子どもたちは一気に夢中になった。Nintendo Laboはイベント開始30分で、子どもたちの心を鷲掴みにすることに成功した。

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カプコン 辻本Pに聞く 新作『モンハンワールド』は何がすごい?(日経トレンディネット)

 カプコンがPlayStation4(PS4)向けゲーム『モンスターハンター:ワールド』を2018年1月26日に発売した。待ちに待った「モンスターハンター」シリーズの最新作だ。売り上げも好調で、発売3日間の国内出荷本数は135万本(ダウンロード版除く)。全世界では発売2週間で600万本(ダウンロード版含む)出荷を記録した、まさに“モンスター”ソフトだ。

【関連画像】『モンハンワールド』ではモンスターの行動や生態をよりリアルに表現することにこだわったという

 「モンスターハンター」シリーズは、オンライン、オフラインを問わず、多人数プレーが楽しめるアクションゲーム。もちろん、1人でも楽しめる。恐竜のようなモンスターが闊歩する世界で、食材や、武具、防具の素材になるモンスターを狩るのが目的だ。

 モンスターハンターの最初のタイトルはPlayStation2で発売され、オンライン対応タイトルとして登場。PSPで発売した『モンスターハンターポータブル』は爆発的な人気になった。特に『モンスターハンターポータブル 2nd』『同2nd G』は社会現象と言えるほどヒットし、ファーストフード店でPSPを持ち寄りプレーしていた高校生が散見されたものだ。

 ナンバリングタイトルもWiiでリリースした『モンスターハンター3』を最後に、携帯機向けタイトルの発売が続いた結果、据え置き機での発売は実に8年ぶり。その間に発展した据え置き機ならではの圧倒的な処理能力とグラフィック性能で、『モンスターハンター:ワールド』では先進で最高の“狩り”が楽しめる。

 今回のヒットを受けて、プロデューサーである辻本良三氏に『モンスターハンター:ワールド』の見どころについて聞いた。

「今まで描き切れなかったものを描きたかった」

――出荷本数が世界500万本を超える大ヒットになりました(インタビュー時。2月9日時点で600万本を達成)。かなり速いペースですね。

辻本良三プロデューサー(以下辻本): 今回のタイトル『モンスターハンター:ワールド』(以下、モンハンワールド)に含まれる“ワールド”という言葉には、モンスターハンター(以下、モンハン)の世界観を体験できるようにしたいという思いと、世界で勝負できるタイトルにしたいという思いの両方がありました。だから、これだけのヒットになったのはうれしいですね。

 今回は、新規ユーザーにも入りやすくしたいと考えて、あえてナンバリングを外しています。どうしても続編タイトルって、前作プレーしていないからという理由で手を出しにくくなる面があると思うんです。だから、今回はあえてナンバリングは付けずに、コンセプトにもあった“ワールド”という言葉を思い切ってタイトル名に付けました。

 それと、「モンハン」シリーズに携わる者として、500万本超えというのは意味のある数字でした。これまでのシリーズでどうしても破れなかった数字だったんです。それが3日で突破できたのは大きいですね。

――『モンハンワールド』では「モンスターハンター」の世界観を体験できるようになったとのことですが、そこはPS4という据え置き機を使用した点も大きいのでしょうか。

辻本: 今回は今まで描き切れなかったものを描きたいという思いがあったんです。それが世界観。世代によっては「モンハン」は、ポータブルで遊ぶというイメージが強い人もいると思いますが、今回のコンセプトは“最新の技術を使ってモンスターハンターの世界を構築する”というものがありましたので、それが実現できて遊ぶ環境としてもドッシリ構えてプレーしていただける据置機をチョイスさせていただいたんです。

 シリーズを重ねるうちに、ゲームをプレーするための環境もかなり変わっています。インターネット環境が整って、オンラインで快適に遊べるようになったことはそのひとつですね。ちなみに今までのシリーズでは、アドホック通信によるオンラインプレーもできましたが、国や地域ごとにエリアを分けてプレーヤーをマッチングするようにしていました。しかし、今回は全世界の人と繋がることができます。この点でも“ワールド”といえます。

 インターネット環境が整ったことは、モンスターの動きの表現にもかかわっています。オンラインでプレーするには、できるだけタイムラグなく、それぞれのプレーヤーが見ている画面を同期させなければなりません。以前のオンラインでは、すべてを同期させるのは難しく、大型のモンスターのみの動きを同期させていたのですが、今は通信速度も通信容量も大幅にアップしているので、小型モンスターも同期させています。

 今回の主題である世界観を描くには、モンスターの行動や生態をよりリアルにする必要がありました。例えば、モンスターも狩りをしていたり、水を飲んでいたりします。しかも、フィールドはシームレスにつながっていないといけません。そんなモンスターの生態ごと楽しんでもらうためにはフィールドをシームレスにする必要があったんです。

 『モンハンワールド』のフィールドは過去作よりも広くなっていますが、制作側としては、広さよりも密度の高さを重視しているんです。以前の「モンハン」だと、クエストなどで狩るべきモンスターが住むエリアのフィールドに移動します。それぞれのフィールドのつながりがなかったですし、モンスター同士の関わりもほとんどありませんでした。今回はモンスター同士の駆け引きなどもあったりします。

 『モンハンワールド』のゲームシナリオは、新大陸に上陸し、探索していくというもの。ですから、モンスターを狩るだけでなく、さまざまなことを観察し、発見する楽しさもあります。モンスターを発見してもすぐに倒すのではなく、じっと観察して、どういう行動を取るか見ていても楽しいと思いますよ。4Kに対応していて、映像もきれいですから、細かいところまで見てほしいですね。

 ただ、フィールドがシームレスにつながったことで、ゲーム内で迷いやすいという弊害も出ました。開発者でも帰って来られなくなったりするんですよ(笑)。それを解決するために「導虫」(しるべむし)というシステムも導入しています。

 モンスターの痕跡を集めると、導虫がモンスターのいる場所やアイテムがある場所に連れていってくれます。これによって、フィールドに何があるかが分かりやすくなりました。いわば“ガイド役”ですが、「モンハン」の世界を壊さずに、かつしっかりとガイドをしてくれる存在として導虫がいるわけです。

笑えるドーピング映画? 五輪中に必見の『イカロス』(日経トレンディネット)

 年に1本は、無理をしてでも他人に薦めたくなる傑作に出会うことがある。Netflixオリジナルドキュメンタリー『イカロス』(2017年・米国)は、まさにそういう作品だった。これを見て衝撃を受けた私は、居ても立ってもいられず、懇意にしている各局のテレビ制作者に「絶対に見るべき!」と押しつけがましいメールを送りつけた。まずは、『イカロス』を見た彼らの反応を紹介したい。

【関連画像】Netflixオリジナルドキュメンタリー「イカロス」独占配信中

 「めっちゃ面白いですね! ……ビビりました」

 「衝撃ですね、打ちのめされました。ロシアのドーピング問題は知ってるつもりでしたが、告発する前から追いかけていた映像スタッフがいたとは……」

 「見終わったあと、監督と元所長が生きているのか、思わず調べてしまいましたよ。時系列的にもにわかには信じられないことが次々起こるので、最初フィクションなのかと疑うほどでした」

 いずれも、ドキュメンタリーや情報番組の第一線で活躍する制作者の感想である。私も全く同感だ。「映像制作の世界にいて、まだ『イカロス』を見ていない人は完全にモグリ。全員見たほうがいい」と押し売りしたいほどである。そして、平昌五輪で盛り上がる今だからこそ、「全国民、全世界の人がもっと見たほうがいい」とすら思う作品が『イカロス』なのである。

始まりは“ズッコケ人体実験ドキュメンタリー”!?

 ご存じのように、国際オリンピック委員会(IOC)は昨年末、組織的なドーピングを指摘されているロシアに対し、選手団の平昌冬季五輪参加を認めない裁定を下した。参加できるのは潔白を証明できる選手のみで、ロシア国歌や国旗を使わず、あくまで個人としての参加という条件を突きつけた。

 事の発端は、2014年のソチ冬季五輪などでロシアが国家ぐるみのドーピングを行っていたことが発覚したからだ。その驚くべき手口については、すでにニュースでも報じられている。そうしたドーピングを指揮していたのは、ロシア反ドーピング機関の元所長のグリゴリー・ロドチェンコフという男だ。

 この作品は、こうした事実が明るみになる以前から元所長に接触し、ドーピングの実態について赤裸々に告白するインタビューを収めている。そう聞くと、「なるほど。巨悪を暴くジャーナリスティックな作品なんだな」と思うかもしれない。だが、本作は決してそんな“ノリ”ではない。むしろ、悪ノリ感満載の“ズッコケ人体実験ドキュメンタリー”として始まるのである。

 監督・主演は、ブライアン・フォーゲルという米国人。彼はアマチュアレースに出場する自転車選手としての顔も持つ。ツール・ド・フランスを7連覇しながら、後にその記録を抹消されたランス・アームストロングのドーピング問題にショックを受け、自分もドーピングをしてレースに出場したらどうなるか、その一部始終を記録する企画を思いつく。

 ドキュメンタリーに詳しい方なら「ああ、『スーパーサイズ・ミー』(2004年・米国)みたいな“人体実験モノ”かぁ」とピンと来るだろう。30日間ファストフードを食べ続けたらどうなるか、監督自ら実践して話題になった作品だ。その後、類似作が作られ、人体実験モノはジャンル化したといえるだろう。

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いい汗はかける? 「VR×eスポーツ」新感覚サバゲー(日経トレンディネット)

 2018年2月9日、東京・お台場にある屋内型テーマパーク「東京ジョイポリス」に、VRシューティングゲーム『TOWER TAG』がオープンした。事前情報によると、2対2のチーム戦で楽しむ、VRを活用したeスポーツ「VR eスポーツ」なのだという。

【関連画像】『TOWER TAG』の装備品。ヘッドマウントディスプレーは「HTC VIVE」で、マイク付きのヘッドセットでオペレーターやチームメイトと会話ができる

 VRもeスポーツも知っているが、それを合わせたVR eスポーツとは一体何なのか? この言葉に見事釣られ、オープンに先立って行われた体験会へ、そそくさと出向いた筆者なのだった。果たして、リアルなスポーツみたいにいい汗はかけるのだろうか。

●2対2で対戦するシューティングゲーム

 『TOWER TAG』はドイツのVR Nerds社(直訳すれば“VRオタクたち”社)によって作られたゲームだ。開発チームにはサバイバルゲームの世界チャンピオンが在籍しているとのことで、その楽しさを盛り込んだ戦略性の高いゲームになっているらしい。東京ジョイポリスを運営するCAセガジョイポリスと契約し、同社が独占的に全国へ展開する予定だそうだ。

 ゲームは前述のように、2対2のPvP形式(プレーヤー・バーサス・プレーヤー)、つまりヒト対ヒトの対戦に絞ったものだ。舞台となるVR空間のなかには10本ほどのタワーが林立していて、タワーからタワーへと移動しつつ、手にしたレーザーガンで敵と撃ち合い、相手チーム全員(2人)を倒した側の勝利となる。これを5分間繰り返すというのがプレー内容だ。

なかなか精密な射撃ができる

 VRヘッドセットはHTC VIVEで、これをマイク付きのヘッドセットとともに装着。このヘッドセットを通じてチームメイトと連絡を取りながらプレーする。そしてオペレーターから銃型のコントローラーを渡されると、銃がVR空間のなかに出現。すでにこの時点で銃の位置や向きなどがかなり精密にセンシングされていることがよくわかり、期待が膨らんだ。

 全員が機材を装着して準備が完了し、競技が始まるまではチュートリアルの時間だ。手にした銃のトリガーを引くとレーザーが発射される。一発ずつ撃つこともできるが、エネルギーゲージがゼロになるまで連射することも可能だ。

 また、タワーからタワーへと移動するワイヤーアクションが特徴だ。隣接するタワーの上にモヤモヤとした雲のようなグラフィックが現れているときに、そのモヤモヤを狙ってトリガーを引くと銃からワイヤーが発射される。ワイヤーがかかったら、トリガーを引きっぱなしの状態で銃をあおるとワイヤーがたぐり寄せられ、移動できる。

 こうしてVR空間内でタワーからタワーへと移動しながら、敵と撃ち合って勝負するわけだ。

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