サウジアラムコ上場、対香港で東京の優位性に自信-日本取引所CEO – ブルームバーグ

サウジアラビア国営の石油会社、サウジアラムコの新規株式公開(IPO)に伴う本国以外の上場先について、日本取引所グループ(JPX)はアジアの中では東京証券取引所の競争優位性が最も高いとみている。

  日本取引所の清田瞭最高経営責任者(CEO)は12日のインタビューで、「市場の規模などからみると、われわれを含めニューヨーク、ロンドン、香港の4取引所が競合しているのではないか」と分析。アジア時間に2つの上場市場が必要かどうかの観点から最大の競合相手は香港取引所だとし、「サイズの問題や背後の経済の圧倒的な大きさという強みから、アジアでは東京がベストとアピールしている」と述べた。

  サウジは、過去最大規模になる可能性があるアラムコのIPOについて、保有株式を最大5%売却する計画を進めている。清田氏は、IPO時に時価総額が100兆ー200兆円に達する可能性があり、5%の売却でも1兆4000億円規模の日本郵政グループ3社を大きく上回ると指摘。「日本の3倍の規模のニューヨーク市場でも、一度に受けるのは難しい」との認識を示す。取引時間帯から考慮しても、米国、欧州、アジアをそれぞれカバーする取引所が選ばれるとの見立てだ。

  清田氏は、アジアでは「香港やシンガポールなどと比べ、東京は独自の投資資金が巨額」と強調。日本のIPOは個人投資家が大きなウエートを占める傾向があり、「郵政3社のIPOでは90%超がリテールで消化されている。大規模なIPOの場合は個人が長く保有する傾向が強く、こうした特殊な投資家の存在をみると、日本を選ぶ意味合いは極めて高い」とみる。

外国企業、東京から逃げた歴史

  バブル経済期に世界最大の資本市場の称号を手に入れた東京は、ブランド力を使い世界の有力企業を誘致した。しかし、その後の経済衰退で東証に上場する外国企業の数は減少の一途。日本語開示資料の作成など独自の手間も負担になり、ピーク時の127社に対し、現在は5社まで減っている。清田氏は、外国企業にとって東証上場は資金調達ではなく、ブランド力向上が目的だったと振り返り、「バブル経済が崩壊し、日本市場の存在感が薄くなると、上場コストの高さが無駄だとして落としてきている」と言う。

  一方、アラムコは世界の市場で巨額の資金調達を目指している。「50億ー100億円の資金調達のコストとしては固定費は高いかもしれないが、数兆円というようなIPOではそのコストは微々たるもの」と清田氏。「真の意味で、東京資本市場の魅力を本格的に利用する第1号企業になってもらいたい」と述べた。

  アラムコの上場市場選定ではニューヨークとロンドン、トロントが有力と米紙ウォールストリートジャーナルが2月に報道。清田氏は、「アラムコはことし末までに市場を絞り込み、できれば決定、18年秋までには上場したいと話しているようだ」とし、「現状では選ばれるかどうかは分からないが、折に触れさまざまな質問事項が寄せられていることは真剣に検討してもらっている状況だろう」と話す。

  東京上場が実現すれば、「アジアで最も選ばれた市場として、諸外国の巨大企業がIPOや重複上場することを検討してもらえるチャンス」との見方も示した。

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