人工知能(AI)が注目の的であ… – 福井新聞

2017年7月17日 午前7時20分

 【越山若水】人工知能(AI)が注目の的である。囲碁や将棋界ではAIロボットが人間の名人を打ち負かした。クルマの自動運転はAI技術抜きに語れず、各社しのぎを削る▼データ量や判断力がものをいう勝負事はまだしも、最近は感覚や感性が重要とされる芸術分野まで進出。小説を書いたり、自動作曲をするAIも登場している▼AI小説は文学賞の1次選考を通過し、自動作曲では著作権の帰属が議論になる。昭和世代にとってコンピューターの威力は、驚きとともに恐怖さえ覚えるほどだ▼ところで2005年、大阪で「ピアノとテクノロジー」と銘打った一風変わった演奏会が開かれた。詳細は大浦康介・京都大名誉教授の「対面的(見つめ合い)の人間学」(筑摩書房)から引用する▼ピアノの最終形態である自動演奏がテーマで、ピアノ・ロボットの技術的、音楽的な可能性を探求。両手では不可能な演奏や人間以上の精密なリズム、速さを比べたという▼ロボットと人間がショパンを演奏した。正直に言うと筆者は区別が付かなかった。しかし人の演奏には大喝采、ロボットに拍手は全く送られなかった▼観客席の聴衆はキョロキョロしてAI演奏に集中できない様子。人間がピアノに向かうと途端に空気が張り詰めた。そして生身の人間に集まる感動の渦。なぜかホッとした。AIに感情移入できないのが人情だ。

 

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