アジア太平洋地域におけるビジネス誘致は税制の予測可能性が鍵を握る ― デロイトの調査によって明らかに – 時事通信

[デロイト トーマツ グループ]

2017年版の調査、アジア太平洋地域において税制の不確実性が増す中で、予測可能性および法と執行の一貫性が重要視されることが浮き彫りに

当ニュースリリースは2017年4月25日にデロイト トウシュ トーマツのアジアパシフィックから発信されたものを加筆修正しています。

2017年4月25日、デロイトは上海においてアジア太平洋における税務環境調査第3版を公表

ビジネスにおける意思決定において最も重要な要素は、税制の予測可能性および法と執行の一貫性であることが分かった。しかしながら、本報告によると、税務を取り巻く環境が不確実である現在において、税制は依然として複雑であり、予測可能性および法と執行の一貫性は乏しいことが示された。
サーベイの回答者によると、これは、特にアジア太平洋地域の中で最も分かり難い税制である中国およびインドにおいて顕著であった。
なお、2010年に実施された同地域の税務責任者への調査においては、複雑性が最も重要な要素であり、2014年の調査においては、一貫性が最も重要な要素であった。

デロイトの税務および法制部門におけるアジア太平洋地域マネジングディレクターであるAlan Tsoiは「複雑性から一貫性、さらに予測可能性へと変遷している理由は、この10年にわたってアジア太平洋地域の税制が成熟してきたことにより説明できるだろう。税制が成熟していくと、その複雑性は改善する。そして、企業は円滑な税務管理を実施できるよう、税の予測可能性を求める。政府が、投資誘致のために環境を整備し、同時に税源の維持や必要な税収の確保を図ろうとしており、そのバランスを取ろうとしている、という不確実な風潮が現在存在する。その結果、この地域においては、税制の予測可能性の低下を招いている。」と語った。

大国における税制度は複雑性が増している

外部環境により予測可能性が低下している中で、企業にとっては一層慎重な税務管理が必要となる。企業は、投資家の期待を満たす前に、新興国のうち最大の中国、インドおよびインドネシアが依然として予測可能性の低下が進展している点に注意している。また、税の複雑性の観点から見ると、日本、豪州、インドネシアおよび韓国が上位に順位付けされている。一方で、香港、シンガポール、マカオおよびモーリタリアは、税務に求められる要件は簡素であり、これらの国が比較的単純な税制であることから、要件が簡素な点に驚くことではない。

「税制の予測可能性および法と執行の一貫性を向上させるためには、税務担当者に対するトレーニングの充実および税政策にかかるパブリック・コンサルテーション実施促進等の改革が必要である。しかしながら、現在、OECDの税源浸食と利益移転(Base Erosion and Profit Shifting:以下「BEPS」)行動の結果を受け、各国政府は既存の税制を変更し、新たな規則を策定しているため、より複雑性が増してきている。世界の経済圏において貿易や投資を行うにあたって、企業は特別の注意を払う必要がある」とデロイト中国のヴァイスチェアマンおよび法制部門のパートナーであるPauline Zhangは語った。

BEPSの導入は政府および企業にとって最優先事項である

BEPSにより、各国政府は、世界基準に基づいた新たな税制を導入しているため、グローバル税務に著しい変化をもたらせるだろう。多国籍企業は、この差し迫る変化に対応すべく、自らのビジネスモデルの改革やリソースの最適化を行い、報告義務の強化への対応を図っている。

デロイトの税務および法制部門におけるアジア太平洋地域マネジングディレクターであるAlan Tsoiは「BEPSの導入は、税務専門家にとって、税制改革に関する最優先事項であり、各国がどのようにBEPSに対応しているかは財務および税務管理者にとっての最大の関心事である。BEPSは、各地域における税環境の発展にとって好ましい変化であると広く受け入れられている。アジア太平洋地域における多くの国においては、BEPSへの対応において税制を変更し、より現代化させる必要がある。この動きは、究極的には、各地域で事業を展開する企業の懸念事項である税の予測可能性の向上につながる」と説明を加えている。

企業の税務戦略はより一層保守的に

不確実な税制度を勘案して、企業は過去に比べて積極的な税務戦略を実施することが少なくなっている。回答者の4分の3は、自社の税務戦略が積極的と考えている場合は、より積極的な税務戦略を実施しないと表明している。2014年の調査において、同様の表明は回答者の4割にしか見られなかった。デロイトが前回調査を実施してからの3年間、特に多国籍企業の中には、複数の国における争訟に巻き込まれたケースもあり、納税者としての企業の社会的責任は、より厳しい世間の監視の目にさらされている。企業の評判が損なわれるリスクが大いにあることから、役員および取締役会においても、税務戦略の決定にあたっては、これらのリスクを念頭におくようになっている。

本報告は、アジア太平洋地域の20カ国および地域300人を超える金融・税務の専門家に対して行われた、現在および予想される税環境に関するサーベイ結果を取りまとめたものである。Shifting sands: risk and reform in uncertain timesの記事に関するより詳しい分析および内容については、www.deloitte.com/global/en/pages/tax/articles/asia-pacific-tax-complexity-survey.html を参照されたい。

企業プレスリリース詳細へ (2017/07/14-11:17)

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