高知の山奥に古代遺跡? 耕し続け400年、棚田の物語 – 朝日新聞

 四国カルストの南に位置する高知県の山奥に、「神在居(かんざいこ)」という名の集落がある。住民は棚田を400年以上耕し続けてきた。全国で棚田保全の機運が高まるきっかけとなった、ある取り組みが始まった場所でもある。現地を訪ねてみた。

■時紀行:神在居の千枚田 400年続く石積み

 高知県の中央部、太平洋に面する須崎市から国道を山あいへと車で約40分。トンネルを抜けると、階段状に石垣が連なり、空に向かうように伸びていた。梼原町(ゆすはらちょう)の標高約600メートルの山腹に開かれた棚田「神在居(かんざいこ)の千枚田(せんまいだ)」だ。

 農道を上り、総面積約2ヘクタールの田を見下ろした。約200枚の田のあぜ道が幾何学模様を織りなし、斜面を流れ落ちる沢から田に注がれた水が、青空を映していた。

 石垣は高さ約1~2メートル。ほとんどが手積みだ。今度はふもとから見上げてみた。石垣の側面が重なってそそり立つ一枚の壁のようにも見える。まるで古代遺跡だ。

 田を抱える集落には至るところに人の背丈ほどの巨石が転がる。その石を砕いて石垣を築き、耕して天に至った。神の居るところ、神在居の名が似合う。1588(天正16)年の検地で約90アールの田の存在が記されている。少なくとも400年以上続いてきた証しだ。

 千枚田を含む「四万十川流域の文化的景観」は2009年、国の重要文化的景観に指定された。「先人たちが代々受け継いできた財産です」。集落の代表を務める農家の田村俊夫さん(56)は言う。各地の棚田の価値が見直されるきっかけになったのが、ここで全国で初めて実施された「棚田オーナー制度」だった。

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