マッシュホールディングス・近藤広幸社長「ブランド成功の鍵は『感動与える覚悟』」(日経トレンディネット)



 本連載は、「この人の『勘』や『感』の見方を知りたい!」と思った方にお会いし、仕事に「勘」や「感」は必要なのか。そして、どのように磨けばいいのかについて、成功談も失敗談も含めて聞いていくものです。それも、難しい書き言葉ではなく、分かりやすい話し言葉で。読者の皆さんにとって、未来に向けたヒントになれば幸いです。

【関連画像】マッシュホールディングスの近藤広幸(こんどう ひろゆき)社長

 今回はマッシュホールディングス社長の近藤広幸さんとの対談の最終回です。同社は、「スナイデル(snidel)」「ジェラート ピケ(gelato pique)」といったファッション分野をはじめ、「コスメキッチン(Cosme Kitchen)」 などのビューティー分野、「コスメキッチン アダプテーション(Cosme Kitchen Adaptation)」をはじめとするフード分野と、幅広い領域でブランド展開を手がけている企業です。

 前回「マッシュ社長『共感ではヒットブランドは生まれない』」は、「驚き」がヒットブランドを生むこと、デザインとは何らかの目的を具現化することといったお話を伺いました。今回は「勘」と「感」の磨き方について、近藤さんの考えを語っていただきます。

「空気を読む」ではなく「空気を作る」が大事

川島: 前回の話で、ファッションブランドを作るにあたり、「着てもらった人の気持ち」とともに、「その人が自分をどのように思ってほしいのか」、そこを具現化することが大事というお話を伺いました。それこそが本来のマーケティングであり、「勘」や「感」によるところが大きいと思ったのです。

近藤: おっしゃる通りです。ただそれも、常に「自分を鍛えているかどうか」が問われることなのです。

川島: 自分を鍛えるってどういうふうに?

近藤: 例えば何かを目的として誰かとミーティングするなら、事前にある程度、シミュレーションしておくことが肝要です。そうすると、自分の気持ちに余裕が生まれ、相手の目を見て主張でき、ミーティングの「空気を作る」ことができます。

川島: 「空気を読む」じゃなくて「空気を作る」なんですね。

近藤: 「空気を読む」だけなら誰でもできるし、楽なことです。しかしそうでなく、自ら空気を作らなければいけない。ときどき、自分が言いたいことだけ言って相手がどう受け取っているかを気にしない人がいますが、「空気を作る」クリエーティビティーがまったくないということです。そういう人の下で働くのは大変です。

川島: 確かに空気を作れない人が社長だったら大変! 会社がつぶれちゃいますね(笑)。 

近藤: 絶対に危ないと思うし、「空気を作る」ことができない人とは働きたくないと思います。

川島: どうしたら「空気を作れる」のでしょうか。

近藤: まずは自分が何のために仕事しているのかを考え、その仕事を通じ、「感動を与える覚悟」ができるのかどうかを自分に問うてみることです。人は、何か覚悟できたら、自ら鍛えようとするじゃないですか。

川島: 覚悟ですか。厳しい話ですが、納得です。「感動を与える覚悟」ということ、もう少し具体的に教えてください。

近藤: 例えばあるブランドを作るとき、「絶対に成功する」とまずは自分で決めることです。つまり、そのブランドを通して人を感動させる、ファンを作る、売り上げを上げると覚悟するのです。そうすると、そのために何をするかが明確になってきます。どうしたら社内外の人を巻き込んで、ブランドを成功に導いていくのか――「空気を作る」ことに必死になるわけです。

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