首相が狙う憲法改正に待ち受ける公明党の壁(東洋経済オンライン)



 安倍晋三首相が狙う憲法改正がジワリと動き出している。自民党内の議論が進み、安倍首相の求める「憲法9条に自衛隊の存在を書き加える」案などが焦点となってきた。ただ、改正実現には多くの壁が待ち受ける。

■相互に関連する「4つの壁」

 (1)自民党内の議論をどうまとめるか、(2)与党の一角である公明党が了解するか、(3)立憲民主党など野党が国会での話し合いに応じるか、(4)国民投票で否決される事態は回避できるか――。実は、この4つの壁は相互に関連している。次の壁が乗り越えられないとみられれば、前段階の動きが滞ってしまうのである。

 自民党の憲法改正推進本部(細田博之本部長)は自衛隊、緊急事態、参議院の合区解消、教育の無償化の4項目を憲法にどう書き込むかをめぐる議論を進めている。このうち、自衛隊については、現在の9条1項(戦争放棄)、2項(戦力の不保持)を維持したうえで自衛隊を憲法に明記するという安倍首相の案と、2項を削除して自衛隊を国防軍などと位置づけるという従来の自民党の改正案が議論の軸となっている。

 安倍首相は国会答弁で「自衛隊員たちに、君たちは、憲法違反かもしれないが、何かあれば命を張ってくれというのか」などと繰り返し、多くの憲法学者らが自衛隊=違憲論を唱えている現状を改めるべきだと主張している。

 これに対しては、多くの反論がある。

 まず、歴代の自民党政権は自衛隊を合憲と位置づけてきたし、共産党を除く与野党も自衛隊を合憲としている。「違憲」と主張する政治勢力が限られる中、安倍首相の「違憲解消論」は強引な憲法改正の理屈付けだという指摘である。

 9条は戦力の不保持を明確にしているのだから、自衛隊は「戦力ではない」とわざわざ定義づける必要があるのかという批判もある。さらに、自衛隊を明文化することで、集団的自衛権の限定的な容認を盛り込んだ安全保障法制を追認するという見方も出ている。

【関連記事】

Related Post



コメントを残す