「春節」に意気込む小売業 売り場改装、免税窓口増員 特別商品も(産経新聞)



 中華圏からの訪日旅行客が押し寄せる旧正月「春節」が16日に迫る中、小売り各社が“歓迎”の準備に追われている。かつての「爆買い」は影を潜めたが、百貨店など小売業界にとっては初売りに続く年初の商戦。宿泊業界にとっても国内観光の端境期に集客を見込める一大行事で、期待は大きく膨らむ。

 「売り上げを昨年と比べ25%伸ばしたい」と鼻息を荒くするのは、松屋銀座店(東京都中央区)の化粧品担当者。春節に合わせて売り場を改装するほか、中国人客に人気が高い資生堂などのブランドでお買い得なセット商品を用意する。

 百貨店売上高の一進一退が続く中でも、化粧品は訪日客需要の後押しで33カ月連続の右肩上がりだけに、各社の期待感は強い。そごう・西武は免税窓口のスタッフを増やして手続き時間の短縮を図る。ドラッグストアも、マツモトキヨシホールディングス(HD)やウエルシアHDが一部店舗で24時間営業し、夜の買い物需要を取り込む。

 中国本土で一般的なスマートフォン決済の導入も加速。JR九州は今月から、傘下の駅ビルなどで「アリペイ」と「ウィーチャット・ペイ」による支払い受け付けを始めた。三菱地所グループも外国人客が多い複合商業施設「アクアシティお台場」(東京都港区)でウィーチャットを導入、「好評なら他施設への展開も検討したい」という。

 一方でディスカウントストアの「ドン・キホーテ」は、人民元など海外7通貨でも現金決済ができる利便性をアピールする。

 人気観光地の江ノ島・鎌倉エリアと新宿を結ぶ小田急電鉄は、主要駅に真っ赤な春節の装飾を施して“新年ムード”を盛り上げる。箱根ロープウェイの乗り場では「こたつ体験」などの催しで訪日客をもてなす。

 昨年1年間の訪日客数は2869万人、旅行消費額は4兆4161億円とそれぞれ前年比約2割伸び、過去最高を更新した。政府が2年後の目標とする4千万人、8兆円の実現に向け、春節の動向は今年最初の試金石となる。

(山沢義徳、日野稚子)

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