ジビエ処理 移動可能施設 実証へ けん引型で安価に 岐阜県(日本農業新聞)



 岐阜県は、野生鳥獣の肉(ジビエ)の1次処理ができる機能を備えた移動可能な「サテライト施設」の開発に取り組んでいる。2016年度に試作機を製作し、17年度は実証試験を行う。解体施設や自走式のジビエ解体車両の導入に比べ、コストが低いのが特徴。処理施設までの持ち込み時間の短縮も可能で、同県認定の「ぎふジビエ」として流通ができ、同県ジビエの有効活用や猟師の手取り向上にもつながりそうだ。

 サテライト施設は高さ2・75メートル、幅1・8メートル、奥行き3・64メートルの車輪取り付け可能なコンテナタイプ。自動車でけん引できるように、フレームにアルミを使い、軽量化した。県内で木製トレーラーハウスなどを手掛けるモールデック社(同県各務原市)に委託して製造。同社は秋から1台325万円(税別)で受注生産を始めた。

 同施設には個体を検査する前室、床に触れることなく解体できる作業室、零下10度以下で保存できる冷蔵室を完備。血抜きや内臓摘出などの1次処理が可能。鹿なら3、4頭、大型イノシシも収容できる。

 県は、郡上市に試験的に設置。16年度は7頭の解体利用があった。

 県は、県産ジビエの認知を高め、消費拡大のため「ぎふジビエ」として流通させている。そのガイドラインでは、県認証施設に持ち込んで処理するまでの目安が約1時間としている。しかし、山中で捕獲した場合、施設まで1時間以内に持ち込むのは難しいのが実態だ。

 サテライト施設があれば、猟師は1次処理を従来よりも早く行える。“1時間の壁”をクリアしやすくなり、ジビエの安定確保とともに、猟師の手取りアップにもつながることが期待される。

 同対策室は「高価な車両を1台導入するより、低コストな簡易施設を複数設置する方が効果がある。実証試験を通じて改良を重ね、商品化できるレベルに持っていきたい」と意気込む。

 同県の鹿の年間捕獲数は1万7000頭、イノシシは1万5000頭(いずれも14年度)。県鳥獣害対策室は「ガイドラインに沿って処理されたものは、そのうちの5%に満たないのではないか」と指摘する。

日本農業新聞



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