進化楽しみコミュニケーションロボ まるで家族の一員 ソニー「エクスペリア・ハロー」(産経新聞)



 見た目は流行の「人工知能(AI)スピーカー」のような黒色の円筒形。だが、「ハイ、エクスペリア」と呼びかければすぐに返答し、逆に話しかけてくることもある。しかも頭部の動きなどで示す表情は生き物のようにコロコロと変わる。ソニーはこのロボットが「家族の一員」になるだろうという。

 「一言で言えばコミュニケーションロボット」。開発に携わったスマートプロダクト部門の副部門長、伊藤博史さんはそう説明する。

 AIスピーカーは人が出した命令で初めて返答するが、ハローは能動的に話し出す点で全く異なる。「例えば朝起きてくるとリビングにいるハローが顔を認識し、『おはよう伊藤さん』と話しかけ、双方向の対話が始まる」(伊藤さん)。新分野の製品だけに目下のところライバルはいない、と開発陣は胸を張る。

 詳細な機能は大別して、(1)コミュニケーション(2)インフォテインメント(3)見守り-の3つ。いずれもAIを駆使している。

 例えば母親が外出先から「パパ、洗濯物を取り込んで。マナブ君、宿題も頑張ってよ」と無料対話アプリ「LINE(ライン)」を通じてハローにメッセージを託す。ハローは画像認識機能で家族の顔を見分け、家事についてはパパに、宿題はマナブ君に伝える。

 インフォテインメントはニュースや天気予報などを知らせるもの。リマインダー機能では、「おじいちゃんの誕生日を●月×日と覚えておいて」と記憶させておくと、その日になれば知らせてくれる。

 いずれもハローが自発的に働きかけるのがポイントだ。

 「見守り」は外出先の親がラインでハローに子供の様子を尋ねると、ハローが子供の存在に気付いていれば「●分前に見かけました」と返答。家族の安否を確かめられる。

 開発陣はこうした機能のために「リビングのテーブルがハローの置き場所に最もふさわしい」と口をそろえる。家の中心なら家族全員の認識が簡単で、家族をつなぐ“ハブ”として機能しやすい。そうして「家族の一員」に溶け込んでいくわけだ。昨今は女性の社会進出が増え、同じ家に住んでいながら家族がすれ違うことも多い。時代の変化に合わせて求められた機能といえる。

 開発陣が最も腐心したのは、ハローにどう“人らしさ”を持たせるかだ。家族の一員といってもハローが無機質な機械であれば、だれもコミュニケーションを取る気にならない。対話を自然なものにするために開発陣が選んだのは、ハローの感情表現を豊かにすることだった。

 ハローは目や頭部の動きを絶妙のタイミングで制御し、「喜ぶ」「すねる」「盛り上げる」など30種類の感情をまるで生き物のように表す。

 目については「人の顔のような表情にするため『まばたき』が重要だった」と開発メンバーの城井学さん。「表現方法は目に埋め込んだ発光ダイオード(LED)ライトの微妙な明滅だが、見方によっては『半目』に見えてしまうなど数え切れないほどの失敗作が出た。試行錯誤の連続だった」と振り返る。また話し合っている感覚を作るため、ハローは人間と目線が合うよう、やや上目遣いになる角度に設計された。

 ただ今回、ユーザーの好みを覚える機能などの搭載は持ち越している。今後のアップデートで対応することにしており、その意味ではなお成長の余地を残している。

 「ハローはコミュニケーションロボットという分野を育てていくための第一歩」。同部門の倉田宜典・エージェント企画開発室長はそう語る。その言葉通り、挑戦はまだ始まったばかりだ。(経済本部 柳原一哉)

 ■エクスペリア・ハロー ソニーモバイルコミュニケーションズが開発したコミュニケーションロボット。家庭のリビングなどに置き、家の中と外にいる家族のコミュニケーションを無料対話アプリなどを通じてつないだり、天気予報やニュース、交通情報を知らせたりする機能を持つ。頭部やLEDライトで示される目の動きなどで感情を表現する。直径約11センチ、高さ約21.6センチ、重さ約1085グラム。グーグルの基本ソフト(OS)アンドロイド7.1を搭載し、本体には4.6インチ液晶画面を備える。税別価格は15万円前後。



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