「副業でNPO」は本業でのメリットになるか(東洋経済オンライン)



1/14(月) 5:50配信

東洋経済オンライン

 「部長のDと申します。日頃は担当がお世話になっております」

 と部下のFさんに連れられて取引先を訪問したD部長。表敬訪問で応接室のソファに座り、雑談が5分くらい続いたあと、

 「週末は人手不足の農家を助け、安心安全な有機野菜生産を支援するNPOの理事をしています」

 と、社会貢献団体の名刺を堂々と差し出しました。突然のことに、Fさんは驚きました。自分の上司にそんなもう1つの顔があるなんて知らなかったのです。とはいえ、仕事と直接関係のない別の名刺を取引先に出してもいいのか?  疑問が湧き始めたとき、なんと取引先の担当部長も、

 「そうですか、私は漁業を支援するNPOの理事をしているんですよ」

 と同じようにもう1枚の名刺を差し出したのです。本業の話題そっちのけで、自分が関わるNPOの事業についての意見交換が続きました。そして最後に、

 「これを機会に本業でも協力関係を深めていきましょう」

 と締めて訪問は終了。その後のビジネスは大いに拡大したとのこと。担当者のFさんにとっては思いがけない、ありがたい上司のフォローとなりました。

■社会貢献という名目でNPO法人の兼業はあり? 

 それにしても、上司が「別の顔」を持っていることへの驚きは大きなものでした。兼業、副業がよく話題になる昨今ですが、Fさんは堂々とは公表できない、後ろめたいことだと考えていました。本業がおろそかになっているのでは……などと疑われかねないと思うからです。

 周囲では同僚がネットショップで年に100万円ほど稼いでいるとの噂が立つものの、それを公表することはありません。稼ぐのが目的でなく、社会貢献だからといって堂々と公表していいのだろうか?  Fさんの疑問は深まるばかりです。

 この2人の話は一例ですが、昨今、企業の幹部クラスの人や年収の高い人が、NPO法人といった社会貢献に関わる組織と兼業するという話を周囲でよく聞くようになりました。どうしてなのか?  皆さんと考えてみたいと思います。

 まずはNPOという組織の存在が身近になりつつあります。筆者が昨年1年間で新たに出会った人の名刺を整理すると、NPOの名刺が例年より大幅に増えていました。しかも、NPOが行う事業もバリエーションに富んでいます。捨て猫を保護する、病児保育の支援、破棄される素材の二次利用など、行政のような公共機関でも十分に対応できていない社会問題の解決を使命にさまざまな組織が立ち上がっています。

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