変化の多い今年 ただ頑張るだけではなく、前に進もう(SankeiBiz)



 ■勇気を持とう

 新しい年が明けた。春には新元号に変わり、東京オリンピックまで1年余りとなる、変化の多い年となる。今年は、この話から始めたい。(旭川大学客員教授・増山壽一)

 日本に住む外国人が大好きな言葉に「頑張る」がある。友達や仕事の上司・同僚に「頑張って!」と声をかけられたり、わからないことを言われたとき、とりあえず「頑張ります!」と返答すれば何とかなるからか、大事な日本語となっている。

 勉強、スポーツ、仕事…。日本人も、口が酸っぱくなるくらい言い続けてきたが、いったい何をどう、頑張ればいいのか。

 辞書によると、語源は「我を張る」、あるいは「眼(がん)張る」。あることを成し遂げようと困難に耐えて努力することという。

 頑張る上で一番大事なことは目的が明確なこと。そうでないと努力は空回りするばかりだ。

 いまの日本人は、安易に使いすぎて曖昧となり、心情的な共同体を作るための単なる掛け声にしている。外国人は鋭く見抜いているのかもしれない。「頑張って」と言うとき、「何のために」を必ず明示する努力をしてはどうだろうか。

 正直、この言葉はあまり好きではない。犠牲を求められているように感じるからだ。

 フランスで働いていたとき、いつもあいさつ代わりに使った大好きな言葉をときどき思い出す。「Bon courage」(ボン コラージュ)。あえて訳すと「勇気を出して」というニュアンスになる。

 フランス人は、こちらが少しでも元気がないとき、失敗したとき、悩んでいるときなどに使う。この言葉を聞くと自分の殻にこもらずに何か前に進んでみよう、という気持ちになれる。

 今年は元号が変わり、「気」が変わる。私たちを取り巻く時勢が、ますます複雑化、そしてグローバル化していく中で、人生や企業経営などの節目、節目で、自分の頭で考え、行動しなければならないことが、これからは増えていく。ただ頑張るだけでなく、勇気を出して明るく前に進んでいきたいものだ。(隔週掲載)

                   ◇

【プロフィル】増山壽一

 ますやま・としかず 東大法卒。1985年通産省(現・経産省)入省。産業政策、エネルギー政策、通商政策、地域政策などのポストを経て、2012年北海道経産局長。14年中小企業基盤整備機構筆頭理事。17年4月から旭川大客員教授。日本経済を強くしなやかにする会代表。56歳。



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