ブラジル「差別発言大統領」が支持される事情(東洋経済オンライン)



1/12(土) 5:50配信

東洋経済オンライン

 「トロピカル・トランプ」「ブラジルのトランプ」――。こう呼ばれる極右のジャイル・ボルソナロ氏が1月1日、ブラジルの大統領についてから早10日が過ぎた。同性愛者や女性などに対する極端な差別発言から欧米のリベラルメディアを中心に警戒されている同大統領だが、サンパウロで人々の声を聞いてみると意外と期待感が高いことに驚く。

 思えば、2018年10月末、社会自由党(PSL)の同氏が労働党(PT)のフェルナンド・アダジ前サンパウロ市長を破り、大統領当選が決まった瞬間からそうだった。サンパウロの町には爆竹が鳴り響き、一気にお祝いムードに包まれたのである。ブラジル人にとっては、2016年にジルマ・ルセフ大統領が罷免されるまで14年間続いた労働党政権が敗れ、新たなブラジルが始まった瞬間だったのかもしれない。

■トランプ大統領も祝福ツイート

 「周囲の人はみんな彼に期待しています。タクシーの運転手もモトボーイ(バイク便の運転手)も友人たちも」と、事務員の女性(42)は話す。「まだ就任して10日しかたっていないから、わからないけれど、彼はブラジルを最悪だったPTよりもよくしてくれると思う。どれだけ公約を守るかが問題だけれど」。

 中小企業を営んでいるという男性(56)も、「これまで大統領がひどかったので新政府になって状況がよくなることを願っているし、期待している。今までの大統領達は治安、景気をよくすると言ってきたが、結局何も変わらなかった。とにかく、仕事がしやすい、住みやすい社会になるよう頑張ってほしい」と期待感をにじませる。

 盛り上がっているのは、国民だけではない。「たったいま就任演説をしたジャイル・ボルソナロ大統領おめでとう――アメリカはあなたとともにある!」。アメリカのドナルド・トランプ大統領は、ボルソナロ大統領就任直後、こうツイートした。これに対して、ボルソナロ大統領は「神のご加護のもと、アメリカとブラジルはともに、繁栄と発展をわれらの国民にもたらしましょう」と返した。

 サンパウロの人たちの話を聞くかぎり、PTによる政権運営が終わったことに対する安堵感が広がっていることを感じる。実際、PT時代は政治的汚職が横行し、景気も乱高下。労働者は生活にあえぎ、失業者が続出した(現在失業率は11.8%以上)。それにもかかわらず政治家の巨額不正が次から次へと発覚し、国民の不満は募る一方であった。

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