予算再決定、統計修正…経済財政運営への信頼揺らぐ 勤労統計ミス(産経新聞)



 厚生労働省の毎月勤労統計の調査が不適切だった問題で、政府は平成31年度予算案の修正と再度の閣議決定を余儀なくされた。影響は勤労統計を使って算出するほかの統計にもおよび、政府は11日、雇用者の収入の動きを総合的に示す「雇用者報酬」の過去データを月内にも改定することを決めた。異例の事態に、政府の経済財政運営に対する信頼が揺らいでいる。

 「各種の統計は政策判断の前提となる部分が非常に多く、常に正確性が求められる。甚だ遺憾だ」。麻生太郎財務相は11日の記者会見でこう述べた。

 31年度予算案は昨年12月に済んだ閣議決定をやり直した上で今月下旬召集の通常国会へ提出する。予算案の再決定は民主党政権下の22年度以来。このときは副大臣や政務官の増員のため5億円を新たに積み増したが、ほかの予算を削り一般会計総額は変えなかった。

 今回修正があっても101兆円台の一般会計総額と比べれば少額で、大勢に影響はなさそうだ。一方、特別会計にも必要経費を積む方向。予算案は政策の青写真を国民に示した“約束”で、市場関係者は「簡単に変えることは理念的に許されない」と指摘する。

 また、茂木敏充経済再生担当相は11日の会見で「雇用者報酬の改定値を今月中にも公表する」とした。雇用者報酬は勤労統計の賃金データから推計され、四半期ごとに公表されている。明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミストは「賃金が上がるかは今後の日本経済を分析する上で非常に重要だ」とし、今回の問題が市場の判断の狂いにつながることを懸念する。

 ほかの統計でも同じ問題が出れば不信感が広がりかねない。茂木氏は「正確性を期したり推計方法を改善したりして、信頼性確保に努めることが重要だ」と訴えた。(山口暢彦、桑原雄尚)

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