革新機構社長ら取締役9人辞意表明 経産省との対立解消できず 発足から3カ月で空中分解(産経新聞)



 官民ファンドの産業革新投資機構は10日、臨時取締役会を開き、取締役11人のうち、田中正明社長(65)ら民間出身の9人全員が辞任を表明したと公表した。報酬水準や国による機構の投資判断への関与をめぐり、所管する経済産業省との亀裂が決定的となったため。産業競争力の強化を目指し、9月に発足したばかり機構は本格的な投資活動を始める前に空中分解した格好だ。

 辞任する理由について、田中氏は同日開いた記者会見で「一度正式に提示した報酬の一方的な破棄という重大な信頼既存行為により決定的なものとなり、もはや経産省との信頼関係を回復することは困難という判断に至った」などと説明した。

 辞任するのは、田中氏や坂根正弘取締役会議長(77)=コマツ相談役=ら民間出身の取締役9人。9人は残務整理がつき次第、辞任する。機構と経産省の対立はほとんどの取締役が一斉に退陣するという異例の事態に発展した。後任人事は難航が予想される。

 機構と経産省は経営陣の年収を最大1億円超にする案でいったんは合意した。ただ「国民が納得する相場観がある。高すぎる」(世耕弘成経産相)などの理由で経産省は撤回し、12月3日に報酬案を不認可とした。

 世耕氏は一連の混乱のきっかけについて経産省の事務的失態と認め、自身の給与の自主返納と嶋田隆事務次官の厳重注意処分を発表している。取締役の大半が辞任する事態に発展し、経産省の責任も一段と厳しく問われそうだ。

 菅義偉官房長官はこの日の記者会見で、事態の早期収拾を求めた上で「今後の報酬やガバナンスのあり方についても、株主である国として透明性の確保、適正な報酬水準のあり方についてしっかりと議論していく」とコメントした。

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