日産法人起訴 西川社長の責任重大 CEO在任期間に虚偽記載(産経新聞)



 前会長のカルロス・ゴーン被告(64)の報酬過少記載事件で、法人として起訴された日産自動車。内部調査を進めて不正の発覚につなげた同社だが、虚偽の内容を含んだ有価証券報告書を提出し、結果的に株式市場を欺いた責任は重い。またゴーン被告再逮捕では、西(さい)川(かわ)広人社長(64)の最高経営責任者(CEO)在任期間の虚偽記載が新たに容疑に加わった。検査不正や業績不振も追い打ちをかけ、日産経営陣の先行きには暗雲が漂う。

 東京地検特捜部によるゴーン被告の再逮捕容疑は、直近3年分(平成28年3月期~30年3月期)の虚偽記載。西川氏は28年11月からゴーン被告との共同CEO、29年4月からは社長兼CEOを務めており、有価証券報告書の作成に最終的な責任を持っていた。また、積極的に関与したわけではないが、ゴーン被告が退任後に受け取ることにした報酬の覚書にサインしていたことも判明している。

 西川氏は先月19日、ゴーン被告逮捕後の記者会見で自身の責任について、「猛省している。事態を沈静化して会社を普段の状態に戻し、前進するために仕事をする」と話していた。

 日産は北米や欧州での販売不振により、連結営業利益は31年3月期まで3期連続で減益となる見通し。また、昨秋に発覚した検査不正も今月、新たな事案が発覚するなど収束できていない。

 検査不正で西川氏は、自身の役員報酬の一部をカットしたが、具体額は明らかにせず、今年3度開催した会見にも姿を見せていない。説明責任を果たさない一方で昨年12月には生産担当副社長を事実上更迭した。これは25年に業績予想を大幅下方修正した際、当時最高執行責任者(COO)だった志賀俊之取締役(65)に責任を取らせたゴーン被告の手法を想起させるものだ。

 法人として起訴されたうえ、ゴーン被告の再逮捕で西川氏の責任は重くなる。経営責任の明確化が必要な事態だが、ゴーン被告の社長時代から続く“無責任体質”が改善されるかは不透明だ。

 「法人として起訴されることにどう責任を感じていますか」

 10日朝、東京都内の自宅前で記者団にこう問われた西川氏は、無言で車に乗り込んだ。(高橋寛次)

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