「COTS COTS」ウガンダに複合商業施設 食のバリューチェーン構築支援(SankeiBiz)



 日本の若手起業家が東アフリカのウガンダで立ち上げたベンチャー企業「COTS COTS LTD.」(コツコツ)が、首都カンパラで複合商業施設「タンクヒル パーク」を本格稼働した。物流インフラが整備されていない現地で、仕入れ先を工夫してフードバリューチェーン構築に取り組むなど現地の課題解決や、日本の食文化普及に一役買っている。

 ◆食材は現地産品

 商業施設は、カンパラの中心部から少し離れたムエンガ地区の約3000平方メートルの敷地に建設。学生時代、ウガンダに滞在した建築家でテレイン一級建築士事務所(東京都新宿区)の小林一行代表が、施設などの設計や施工を担当。木目と光のコントラストのデザインが目を引く建物に仕上げ、新スポットとして注目されている。

 本格オープン前に米国資本のカフェや、現地のシングルマザーらが作るカラフルなプリント布地の手作りバッグを販売するリッチー・エブリデイ(静岡市葵区)が出店している。

 10月6日にオープンした高級日本食レストラン「やま仙」では、有機栽培の野菜やコメ(ササニシキ)を現地産で賄い、魚などはケニアから、調味料や日本酒は日本から輸入している。

 京都で独立し、料理屋を営んでいた山口愉史氏が、やま仙の総料理長として本格的な日本料理を振る舞う。木箱に並べた手まりずしやポークグリル、サラダ、日本酒など豊富なメニューがそろう。1人当たりの客単価は、30~40ドル(約3400~4540円)と現地では高額だが、欧米人やウガンダ人、アジア人の富裕層の感性をつかんだようだ。月商は3万5000ドルと順調なスタートという。

 ◆情報交換拠点にも

 大使館や企業、国連機関、非政府組織(NGO)が集積する閑静な一角にあるだけに、情報交換の拠点にも活用されている。「豊かな食生活を提供し、地域農業の付加価値化にも貢献していきたい」と共同代表の一人、清水政宏氏は話す。

 コツコツは2015年7月に設立。讃岐うどん専門店などのチェーンを運営するトリドールと消毒剤・うがい薬など衛生用品のサラヤ(大阪市東住吉区)、地元の資本家や地主らが出資している。

 トリドールはケニアでのレストラン経営ノウハウを提供。また、サラヤは今年7月に農林水産省補助事業の「アフリカなどのフードバリューチェーン課題解決型市場開拓事業」に採択され、コツコツと、ケニアで魚とすしの流通を手掛けるKAI GLOBALとの3社協業で、ケニアからトラックで魚を輸入。やま仙にも衛生加工機器を導入し、食品衛生管理を支援する。衛生環境が整っているとはいえないウガンダで、食の安心・安全の技術を広めたい考えだ。

 清水氏、宮本和昌氏、宮下芙美子氏の3人の共同代表はそれぞれ個性豊かな若手経営者だ。

 宮本氏は国際協力機構(JICA)青年海外協力隊としてウガンダに赴任、サラヤの現地法人を立ち上げた。宮下氏は有機野菜を栽培する農業ベンチャー、坂ノ途中(京都市下京区)のウガンダ法人代表を務める。

 宮本、宮下の両氏が現地で経営に当たり、清水氏は東京の投資会社に勤める傍ら、資金調達や財務計画を担当。青年海外協力隊員やNGOでの経験を持つ、酒井樹里氏が現地の新規事業を受け持っている。



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