「君の名は。」の聖地が進める「君の名は。」離れ(東洋経済オンライン)



12/9(日) 5:10配信

東洋経済オンライン

 岐阜県の北の端にある飛騨市古川町。白壁土蔵と鯉の泳ぐ瀬戸川の町として知られる。昔からの静かな町並みで、年配者たちが訪れて散策するといった、通好みの観光地だった。

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 これが劇的に変わったのが、2016年8月に公開された長編アニメ映画『君の名は。』(新海誠監督)の爆発的なヒットからである。映画の主要な舞台は、糸守町。架空の土地だが、そのモデルとなったのが古川町にほかならない。

 高山本線・飛騨古川駅の線路、駅前のタクシー乗り場、図書館、大きな鳥居と参道・神社、神社から眺める平野と町並み、バス停。そのただずまいのすべてが、『君の名は。』で描かれている風景そのものである。

 古川町は突然、『君の名は。』の公開とともにその聖地となった。

■若い女性が押しかけてきた

 映画の封切り当初、古川町では「町の風景がアニメになったらしいよ」程度の話しか交わされていなかった。飛騨地方には映画館がないこともあり、それが何を意味するのか、あまり見当がつかなかったようである。

 しかし、古川町を取り巻く環境は大きく変わることになった。若い女性がどんどん古川町を訪れるようになった。『君の名は。』の聖地巡礼ブームが始まったわけである。

 飛騨市商工観光部の北村和弘観光課長は、「観光客がガーンと増えた。観光客数のデータが上昇した。特に若い女性が動いた。古川町は何も変わっていない。土産物屋も増えていない。しかし、聖地巡礼ブームの経済効果は大きかった」と巡礼ブームを振り返る。

 飛騨市は2004年、古川町、河合村、宮川村、神岡町の2町2村が合併して誕生した。2016年、市全体の観光客数は100万5881人(前年比3.6%増)。古川町だけでみると58万4730人(同11.4%増)に跳ね上がった。『君の名は。』の封切りは8月末だったが、2016年冬にはすでに聖地巡礼がスタートしていたのである。

 2017年には飛騨市全体で113万0852人(同12.4%増)となり、古川町だけで70万0588人(同19.8%増)となった。とりわけ、古川町の白壁土蔵の古い町並みと鯉が泳ぐ瀬戸川には約38万6000人(同42.4%増)が押しかけた。図書館には2016年8月~2017年12月で累計10万9730人が訪れて、スマホで館内の写真を撮るという現象が日常化した。

 図書館は、映画公開の2016年8月以前には入館者はまばらで、入館者数なども記録していなかった。比較するデータはないわけだが、想定を超えるというより想定していない事態が起こったわけである。

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