日欧EPA 日本ワインの輸出拡大も期待 自由貿易圏の拡大で対米交渉切り札に(産経新聞)



 欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が発効すれば、多くの工業製品や農林水産品の関税が撤廃・削減され、日欧間の貿易は一段と活発になると見込まれる。日本はEUという巨大市場を相手に「攻め」と「守り」の両方を柔軟に使いわけることになる。

 EUからの輸入品のうちワインについては輸入関税が即時撤廃される。現行の関税である「15%または1リットル当たり125円の安い方」の分だけ値下げ余地が生まれ、スーパーや外食各社は欧州産ワインの品ぞろえを強化する方針だ。

 日本のワインメーカーにとっても本場・欧州市場への門戸が開かれる。関税だけでなく、醸造方法や公的機関による証明書発行の義務づけといったEU側の規制が撤廃されるからだ。メルシャンが日本ワイン輸出に向けて国内に新たに醸造所を建設するなど各社が生産拡大に乗り出している。

 一方、国内の生産現場には、欧州産品の流入拡大に警戒感が漂う。農林水産省の試算では、協定発効で最大1100億円の生産額減少が見込まれる。全国農業協同組合中央会(JA全中)の中家徹会長は「国内での農業生産基盤の強化と食糧安全保障の確立が重要だ」と訴える。政府は平成30年度第2次補正予算案に農林水産分野の関連対策費を盛り込む方針だ。

 日欧EPAは来年2月にも世界最大級の自由貿易圏として誕生。安倍晋三首相は「日欧が自由貿易の旗手として世界をリードしていく揺るぎない政治的意思を世界に鮮明に示す」と話す。また年末には11カ国が参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)も発効する。日本は保護主義に対抗して多国間の貿易枠組み整備を急ぎ、年明けにも始まる米国との物品貿易協定(TAG)の交渉を有利に運びたい考えだ。(米沢文)

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