トランプ大統領がパパブッシュから得た教訓(東洋経済オンライン)



12/7(金) 9:00配信

東洋経済オンライン

 サンクスギビング(感謝祭)直前に下がっていたアメリカ株。だが強気派は「ブラックフライデーを機に、株は年末恒例の上げ相場に戻る」というシナリオを持っていた。その際に上昇の材料となるとされた理由は以下の3つだ。すなわち①好調な年末商戦②中央銀行の引き締めの緩和③G20での米中貿易協議の進展、である。予定通り、米中首脳会談が終了した時点でアメリカの株式は上昇した。ところが、4日のNYダウ平均は799ドル安に見舞われた。

■今のアメリカ株が単純に「割高」といえる理由

 主たる理由としては「債券の長短金利の縮小から、実体経済のスローダウンが決定的になった」との解説が流れた。

 ちょっと待ってほしい。10月の株の下落局面では、長期金利上昇が原因とされたはずだ。ところが今回は長期金利が短期金利よりも低下するのは悪材料だという。つまり金利は上がっても下がっても今の株は下がる。ということは、個人的には「今の株は単純に割高」だということだ。

 だが、市場関係者はそれを認められない。それはトランプ政権も同じだ。今トランプ政権で経済を担当するラリー・クドロー氏は、元々はラッファー曲線で有名なアーサー・ラッファー氏などともに、レーガン政権でレーガノミクスを演出した4人組の1人である。だがそれも遠い昔の話だ。この20年は市場経済番組のCNBCでコメントをしていただけだ。

 あえてそのクドロー氏を、ゴールドマンサックスのバリバリの現役社長から政権入りしたゲイリー・コーン氏の後任として迎え入れたのは、メディアの使い方を熟知しているトランプ大統領の戦略でもあった。そしてここまでのところクドロー氏は十分良い仕事をしてきた。株が急落しそうなると必ず古巣のCNBCに登場、政権として強気の言葉を伝えた。すると、ほとんどのケースで株はサポートされたのである。

 実はこのような相場模様を遠い昔に一度味わった記憶がある。それは先日94歳で亡くなったジョージH・W・ブッシュ氏が大統領だった頃だ(人気1989 ~1993)。その頃、日本の日経225の市場では、今のアメリカ株のような相場が始まっていた。だが市場関係者が下げの本質に気づくことはなく、当時としては新手の裁定取引の解説ができるようになったのは下げが始まって1年後だった。

 当時、筆者が証券の営業で帰宅した後欠かさず見ていた経済番組では、市場関係者が「ここがボトム」だと繰り返していた。その時、その番組のキャスターだったのが、小池百合子東京都知事だった。今、アメリカのCNBCでは同じような光景が繰り返されている。弱気を言う人は遠ざけられ、強気を言う人だけが重宝されている。そんな中、5日はその時代に大統領だったジョージH.Wブッシュ氏(第41代)の棺が映し出されていた。

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