日産・ルノー・三菱自、ゆらぐ力関係 「扇の要」失脚で3社連合に暗雲(SankeiBiz)



 日産自動車とフランスの自動車大手ルノー、三菱自動車の会長を兼務するカルロス・ゴーン容疑者。3社連合は、ゴーン容疑者の剛腕を頼みに世界販売台数を伸ばしてきたが、金融商品取引法違反容疑による逮捕で、一気に暗雲が立ち込めてきた。開発競争が激化する電動化などの次世代車市場でも一段の販売増を追えるのか。ゴーン容疑者失脚後の経営体制でも、世界での販売拡大を続けられるかが焦点となりそうだ。

【図解で確認】ゴーン容疑者と3社連合の関係

 ◆次世代車戦略に影響

 3社連合の世界販売の合計は2017年に前年比約65%増の1060万台となり、トヨタ自動車を抜いて2位に躍進した。その背景には「規模の強み」を生かした成長路線を追い求めたゴーン容疑者の強力なリーダーシップがある。

 日産の経営再建で中心的な役割を担い、業績を「V字回復」させただけでなく、三菱自の日産傘下入りでも手腕を発揮。さらに、3社連合の体制を生産・販売面にも生かし、日産が日本や北米、中国、ルノーが欧州、三菱自が東南アジアという形で主力市場を分けて開拓を効率的に進めた。

 商品面では、競合他社が懐疑的だった電気自動車(EV)の成長性にいち早く目をつけ開発を主導した。

 ただ、3社連合が22年までの中期経営計画で掲げた目標達成への道のりが「扇の要」の失脚で険しくなった。計画では、世界販売を現在の約4割増の1400万台とするほか、連携による合理化効果を約2倍の年100億ユーロ(約1兆2800億円)に引き上げる目標を掲げていた。

 22年までに12車種のEVを投入することを目指し、新たなEV向けモーターやバッテリーを投入し、3社で共有するといった次世代車戦略にも大きな影を落とす可能性は高い。

 ◆力関係揺らぎ始める

 ルノーと日産は株式を持ち合い、企業規模や収益力で上回る日産が資本関係ではルノーの下に置かれる“ねじれ”の状態にあり、資本関係の見直しの行方も焦点となっている。

 ゴーン失脚で力関係が揺らぎ始めた3社連合。その指導体制を再構築し、次世代車市場でも販売台数を上積みしていけるのか。

 大手自動車メーカーの経営コンサルティングを受け持つドリームインキュベータ(東京都千代田区)の竹内孝明執行役員は「仮にルノーからの縛りがゆるくなり、日産の経営の自由度が高まれば、EVなどの次世代車や新ビジネスの開発が一気に動き出すとの見方もできる」と指摘している。(臼井慎太郎)



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