3社連合、世界販売暗雲 剛腕不在で拡大継続焦点(産経新聞)



 日産自動車とフランスの自動車大手ルノー、三菱自動車の会長を兼務するカルロス・ゴーン容疑者。3社連合はゴーン容疑者の剛腕を頼みに世界販売台数を伸ばしてきたが、金融商品取引法違反容疑による逮捕で一気に暗雲が立ちこめてきた。電動化などの次世代車開発では競争が激化しており、ゴーン容疑者失脚後の経営体制でも、世界で販売拡大を続けられるかが焦点となりそうだ。

 3社連合の世界販売の合計は2017年に前年比約64%増の1060万台となり、トヨタ自動車を抜いて世界2位に躍進した。その背景には「規模の強み」を生かした成長路線を追い求めたゴーン容疑者の戦略がある。

 日産の経営再建を主導して業績を「V字回復」させただけでなく、三菱自への出資を決断して3社連合を形成。さらに企業連合を生産・販売面にも生かし、日産が日本や北米、中国、ルノーが欧州、三菱自が東南アジアという形で主力市場を分けて開拓を効率的に進めた。商品面では、競合他社が懐疑的だった電気自動車(EV)の成長性にいち早く目を付け開発を主導した。

 22年までの中期経営計画で掲げた計画では、3社の世界販売を現在の約4割増の1400万台とするほか、連携による合理化効果を約2倍の年100億ユーロ(約1兆2800億円)に引き上げる目標を掲げている。22年までに12車種のEV投入を目指し、新たなEV向けモーターやバッテリーを投入して3社で共有するといった次世代車戦略も進める方針だ。

 ただ、3社の“扇の要”の役割を果たしていたゴーン容疑者が失脚。企業連合を一体的に運営するリーダーシップを持つ人材を新たに据えることは難しく、各社の首脳が協調しながら事業を進めていくことになりそうだ。3社の意思を調整するのに時間がかかり、決断のスピードが落ちる懸念がある。

 一方で、ゴーン容疑者の不在が日産の経営の自由度を高め、プラスに働くとの見方もある。日産の次世代車開発の技術力は3社の中でも突出しているからだ。大手自動車メーカーの経営コンサルティングを受け持つドリームインキュベータ(東京)の竹内孝明執行役員は「ルノーからの縛りがゆるくなれば、EVなどの次世代車開発が一気に動き出す可能性もある」と指摘している。(臼井慎太郎)

【関連記事】

Related Post



コメントを残す