戦国武将や吸血鬼も 「エンタメレストラン」訪日外国人に大人気(産経新聞)



 訪日外国人客は年々増加し、今年は3千万人の大台に届きそうな勢いだ。その外国人に大人気なのが、食事だけでなく、楽しいエンターテインメントを提供するレストラン。歴史やファッションを題材に日本文化を味わってもらう演出は、日本人の客も異邦人になったような不思議な気分になれそうだ。(櫛田寿宏)

 ◆忍者がもてなす遊び心

 カナダ・モントリオールから、夫、長男とともに初めて来日したキャロライン・ラベルディエさん(43)は「忍者に興味を持った息子がこの店を見つけてくれました。店に入ったときから私もワクワクしています」。忍者屋敷をイメージした「NINJA AKASAKA」(東京都千代田区)の店内を珍しそうに見回した。

 薄暗く全体が見通せない店内にはちょっとスリリングな音楽がかけられ、独特のムードを醸し出している。席までは忍者にふんした店員の案内で「忍者修業の道」を通る。滝あり、池あり、跳ね橋ありと趣向がふんだん。

 料理にも忍者の世界観を反映させている。「ズワイガニとグレープフルーツ 水平抜刀霧隠の術」は、グレープフルーツに刺さった刀を抜くとドライアイスの煙がもくもくとわき出る。カニは濃厚な味わいで、グレープフルーツの酸味が食欲をそそる。

 マネージャーの倉持伊佐央さんは「口コミで年々、外国人観光客が増えてきました。現在は、お客のおよそ6割が外国人です」と説明する。

 ◆戦国武将や吸血鬼も

 ゲームやアニメで人気の戦国武将に思いをはせることができるのは「乱世の個室 戦国武勇伝」(新宿区)だ。伊達政宗にちなむ仙台名物の牛タン、織田信長なら尾張名物のうなぎなど、武将ゆかりの地の食材を使った「せいろ飯」が人気メニュー。客席には「関ケ原大合戦」など合戦の名前がつく。

 担当者は「武士の世界を知りたくても、現代の日本では難しい。それが繁華街で楽しめるのが人気のようです」と話す。日本人が外国人の友人やビジネスパートナーをもてなすケースも多いという。

 吸血鬼のコスチュームを着た店員が接客するのは「銀座レストラン ヴァンパイアカフェ」(中央区)。吸血鬼などの恐怖譚は欧州が本場だが、日本的に独自の進化を遂げた世界観を表現。日本独自のファッション「ゴシックロリータ」の愛好家らが訪れる。鶏の丸焼きは「反逆者を裁く惨劇の火炙りの刑」というおどろおどろしい名前。客の目の前で炎を上げて丸焼きを仕上げる過激な演出が人気だ。

 ◆楽しい夜更かし

 欧米では、夜に食事をしながらショーなどを楽しむエンターテインメントの文化が定着している。コンサートの開演時間や美術館の閉館時間を遅らせたりする動きも盛んで、「夜更かし文化」が地域経済に影響を与えている。

 JTB総合研究所の三ツ橋明子主任研究員は「外国人は夜にこそ楽しみたいという人が多い。それゆえ、日本だけのエンタメやサービスを求めるのは自然なこと。こうした動きは国内消費も刺激し、長い目で見ると、日本人にとっても楽しみが増えるかもしれない」と話している。



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