好業績鮮明も、先行きの業績悪化に警戒感 9月中間決算ピーク(SankeiBiz)



 ピークを迎えた3月期決算企業の9月中間決算発表で、上場企業の好業績が鮮明となっている。堅調な世界経済や円安などで経営環境が改善。収益拡大に寄与する。ただ世界経済は米国の金利上昇などを背景に成長頭打ちが予想されるほか、米中貿易摩擦の行方も見通せない。各企業は先行きの業績悪化に対する警戒感をにじませる。

 「高成長のアジアで住宅ニーズを取り込めた」。三井不動産の佐藤雅敏常務は9日に発表した通期予想の上方修正で、最終利益を100億円引き上げる原動力となった海外事業の好調ぶりに相好を崩す。

 堅調な世界経済が生み出す国内外の需要が好決算を演出する。アジア市場で販売好調のスズキや、ヤマトホールディングス(HD)は「今後も単価上積みを見込む」(芝崎健一専務)として通期予想を上方修正。西武HDは訪日外国人客の増加で営業利益が過去最高だった。

 円安も業績を後押し。みずほ証券によると、3月期決算の上場企業の約半数が為替レートを1ドル=105円以下に設定しているが、足元の円相場は同110円前後。トヨタ自動車は6日、為替レート見直しを理由に業績予想を上方修正。2年連続で過去最高の売上高を見込む。

 ただ足元の力強さには陰りがみられる。三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると、第2四半期(7~9月)での経常利益が市場予想を上回った企業は全体の47%で6年ぶりの低水準だ。また渡辺篤クオンツアナリストは「好決算企業でも通期予想の上方修正が少ない」と指摘する。

 企業側が身構えるのは世界経済のピークアウトだ。国際通貨基金(IMF)は10月、2019年の世界の実質経済成長率を7月予想から0.2ポイント引き下げた。利上げによる米経済の減速に加え、新興国からの資金流出懸念もくすぶり、渡辺氏は「牽引(けんいん)役の海外需要が鈍れば業績悪化は避けられない」と警鐘を鳴らす。

 米中貿易摩擦への警戒感も強い。「競合も含め在庫が積み上がっている」(マツダの青山裕大常務執行役員)「顧客が設備投資に慎重だ」(三菱電機の皮籠石斉常務執行役)。決算会見では懸念の声が相次いだ。「(競合しない)高速エレベーター事業などを強化する」(日立製作所の西山光秋専務)と事業展開にも影響を及ぼそうとしている。

 来年予定の消費税増税を前に、国内の個人消費も楽観視できない。丸井グループの佐藤元彦専務執行役員は「過去の増税をみれば、激しい駆け込み需要の後、消費低迷が長期間続く」と声を落とす。

 みずほ証券の三野博且シニアストラテジストは「来年以降、各業界は大幅な需要減に直面する可能性がある」と企業の不安心理を代弁する。(佐久間修志)



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