パウエル氏、イエレン路線継承 日本に当面穏やかな風(産経新聞)



 ■貿易黒字拡大で円高圧力も

 FRB次期議長にパウエル氏が就任すれば、日本経済には当面、穏やかな風が吹きそうだ。パウエル氏は金融政策の正常化を進めるイエレン議長の路線を踏襲するとみられる一方、日銀は「異次元の金融緩和」を粘り強く続ける方針。日米金利差が拡大し、輸出企業が歓迎する円安ドル高傾向は続く見通しのためだ。

 パウエル氏について、東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「経済や物価の動きを見ながら柔軟な金融政策運営を行うだろう」と予想する。パウエル氏は金融政策について持論を主張することはほとんどなく、利上げや資産圧縮について、一貫してイエレン氏を支持してきた。

 FRBは来年、2~3回の利上げを行う線が濃厚だ。順調に進めば、短期金利をマイナス0・1%、長期金利を0%程度に抑えて景気を下支えする日銀の緩和策にも影響を及ぼす可能性がある。

 日銀は2%の物価上昇目標を掲げ、平成25年4月から異次元緩和を続けているが、9月の物価上昇率は前年比0・7%にとどまる。

 黒田東彦(はるひこ)総裁は来年4月に任期満了を迎える。加藤氏は「黒田総裁が続投した場合でも、日銀は来年のどこかで中長期金利を引き上げ、緩和策の枠組みを微調整する可能性がある」と分析する。

 日銀は昨年9月に政策の枠組みを見直して以降、国債の買い入れ量を減らしてきており、「事実上の緩和縮小」を始めている。中長期金利が引き上げられれば、こうした動きをさらに早めることになる。

 一方、金利差拡大には、悩ましい点もある。米コロンビア大の伊藤隆敏教授は「日本の対米貿易黒字が拡大すれば、それが(米国からの)円高圧力になる。円安圧力と円高圧力が拮抗(きっこう)するだろう」と予想する。

 6日には、日米首脳会談が開かれる。ドル安を好むトランプ米大統領が為替や金融政策に言及するかも注目だ。米国の9月の対日貿易赤字は3カ月ぶりに減少したが、依然巨額。トランプ氏は不満を募らせており、不均衡の是正を強く求めてくる可能性もある。(米沢文)

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