全域停電に北海道特有の事情も(産経新聞)



 日本初の全域停電(ブラックアウト)となった北海道のブラックアウトに関する検証委員会が中間報告をまとめた。電力の需要規模が小さく、地域間の送電線である連系線が細いといった事情がある北海道で複数の事象が重なった面もあるが、これまでの検証委の作業で得られた知見を他電力も含め再発防止に生かしていくことが求められる。

 北海道ではブラックアウトにより電力危機が表面化したが、苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所が当初見込みより大幅に前倒しして全面復旧するなどした結果、電力需給はひとまず安定化している。

 来年2月には石狩湾新港火力発電所1号機が運転開始予定で、既に試運転を始めている。また、北海道と本州を結ぶ「北本連系線」も来年3月には容量が現在の60万キロワットから90万キロワットとなり、電力供給力の安定度は現状に比べて高まる。

 中間報告では中長期的な対策として、北本連系線のさらなる増強の是非を早期に検討する必要性にも触れた。ただ、膨大な投資になるのは必至で、費用負担のあり方が焦点となる。23日の第3回会合でも、有識者から「恐らく費用対効果の点でかなり厳しいのでは」との声が上がった。道民の電気代に跳ね返る可能性もあるなど、課題は多い。

 北海道と他の地域では、需要規模や連系線の容量などに違いがある。ただ、電気事業連合会の勝野哲会長(中部電力社長)は9月の記者会見で、他の地域でのブラックアウトの可能性について「起きにくいとはいえるが、起きないとまではいえない」と指摘した。

 中間報告の内容は、経済産業省が設けた災害に強い電力供給体制構築のための課題や対策を議論する作業部会で活用され、作業部会は11月中旬にも対策をまとめる。同省幹部は「検証委の作業を踏まえ、他電力でも水平展開できる部分はやることが大事だ」と話す。(森田晶宏)

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